イスラム教のお墓は仏教とどんな違いがある?独特な埋葬方法を紹介

公開日 : 2020/7/16

更新日 : 2020/9/9

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現在、日本にはイスラム教徒が約1万人いるとされています。また外国人イスラム教徒が約10万人と、確実に増加傾向にあります。私たちの生活において、身近となりつつあるイスラム教徒を知るために、イスラム教徒のお葬式やお墓について説明を致します。

公開日 : 2020/7/16

更新日 : 2020/9/9

目次

イスラム教のお墓について知ろう

世界三大宗教の1つであるイスラム教ですが、キリスト教についで信者が多いとされています。増加スピードが凄まじいため、2100年にはキリスト教を抜いて世界最大の宗教勢力になる可能性があると言われています。

 

2020年現在は、日本で暮らすイスラム教徒は約1万人で外国人イスラム教徒は約10万人いると言われています。日本の総人口からすると決して多いとは言えませんが、かなりの増加傾向になっています。

 

さまざまな情報や物が溢れて、色々な国にさまざまな人種が住んでいるのでイスラム教徒の存在も日本において身近になるのはごく自然な流れといえるでしょう。

 

時代の流れの変化とともに、宗教により違いや多様性を受け入れる精神が必要となってくるのは疑いようのない事実ともいえます。

 

日本のみならず世界中で増加傾向にあるイスラム教は、日本人にとってまだまだ馴染みが薄い宗教です。実際のところ、どのような感性を持っているのか分からない方も多いでしょう。

 

この記事では、イスラム教のお墓について詳しく解説をしますので、イスラム教に興味がある方はぜひ参考にしてください。

イスラム教とはどんな宗教なのか?

イスラム教は570年頃にアラビアで生まれた宗教です。創始者はムハンマドで、現在のサウジアラビアに生まれた方です。

 

イスラム教の信者は、アラビア語で「神に帰依した者」を意味しておりムスリムとも呼ばれています。

 

イスラム教にはいくつかの特徴があります。ここではイスラム教徒がどのような宗教であるのかを理解してもらうために、特徴を紹介していきます。

一神教であること

イスラム教の場合は、日本のように複数の神様は存在していません。アッラーだけを崇拝しており、アッラーのみが唯一の神とされている非常に厳格な一神教です。

 

イスラム教で信仰対象とするムハンマドは、あくまでも預言者に過ぎず神として扱われていません。ちなみに、イスラム教以外にもキリスト教やユダヤ教も一神教という特徴を持っています。

偶像崇拝が禁止されている。

イスラム教では偶像崇拝が禁止されています。

 

イスラム教では、像や肖像などは神ではないという理由があるため、アッラー以外に神は無く崇拝の対象ではないとされています。

 

これらの理由により、神であるアッラーや預言者ムハンマドの像や肖像は作らないという厳しい規則があります。

六信五行を義務とされている

イスラム教の教えの中で最も重要とされているのは、六信五行という教えです。まず六信とは、イスラム教の信仰すべき6つの対象の呼称で、神・天使・コーラン、預言者(ムハンマド)、来世、宿命のことを言います。

 

五行とはイスラム教徒の新工場の義務である、信仰告白、礼拝、断食、喜捨、巡礼の総称で、まさに行動の指針といえるでしょう。ここでの喜捨は、収入の一部を生活が苦しい人や旅行者に分け与えることです。

 

この六信五行という教えは、イスラム教徒にとっての生活や信仰の規範とされており、イスラム教における死生観にも大きく関わってくるものです。

政教一致が原則

日本では政治と宗教が密接な関わりを持つことを禁じる、政教分離を基本としています。ですので、イスラム教では政教一致が原則とされています。

 

政教一致が原則とされている理由として、イスラム教では唯一神アッラーを信仰するイスラム教徒の集まりを国家とするという考えがあるためです。

 

イスラム教徒の行動の規範は聖典であるコーランを元に定められており、法律となるということも政教一致の原則の由来と言えます。

イスラム教の葬式について

それでは、イスラム教徒の葬儀はどのように行われているのでしょうか。ここではイスラム教の葬儀がどのように行われているのかや日本葬儀との違いについても解説を致します。

イスラム教の葬儀の流れ

イスラム教の葬儀の流れについて説明をしていきます。イスラム教徒が危篤の状態になると、イスラム教徒の指導者が、コーランを唱えながら聖水を口の中に含ませるイマームと呼ばれる儀式を行います。

 

イスラム教徒が亡くなると、故人の家かモスクと呼ばれるイスラム教の寺院で、同性の親族や専門の業者の方が個人の全身をきれいに洗体し、遺体を白い布で覆うカファンと呼ばれる作業を行います。

 

これらの作業を終えた後に、改めて葬儀の儀式が行われます。この儀式では、イマームを最前列として参列したムスリム全員で礼拝を行います。

 

この礼拝は、故人が生前に犯してしまった罪に対してアッラーの許しを請うという目的があります。イスラム教ではムスリムの共同体という意識が非常に強く、故人が生前に犯した罪に関しても共同責任とされています。

 

葬儀が無事に終わった後は、故人を埋葬する墓地に移動し、祈りをあげたあとに埋葬されるという流れです。

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イスラム教の葬儀における注意点とは

イスラム教の葬儀の流れから察すると、日本と同じようにお葬式のような形の儀式をするということで、仏教式のお葬式と似ている所があるのかもしれないと感じた方もいるかもしれません。

 

しかし、イスラム教の葬儀には日本の葬儀とは大きく違う注意点があります。ここでは、イスラム教の葬儀における注意点について解説をしていきます。

 

イスラム教の場合は、故人の遺影は飾らず香典の習慣もありません。香典を親族に渡してもマナー違反となり断られる可能性があります。

 

さらに葬儀に参加する場合の服装に関してですが、服装に決まりがないので、極端に派手なものでなければ問題ないと考えられています。

 

しかし礼拝を行う葬儀の儀式において、イスラム教徒であるムスリム以外は参加してはならないという場合もあります。非ムスリムの方が葬儀に参列する場合は、故人のご遺族や宗派によっても変わるので注意が必要です。

 

そして日本の葬儀と一番大きな違いは、葬儀中に涙を見せることはあまり好まれる行為ではありません。イスラム教にとって死とは、永遠の別れではなくアッラーの審判のもとによみがえると信じられているからです。

 

葬儀以外にも、墓参りはありますが四十九日や一周忌などの法要がない点も日本と異なる点です。

イスラム教の埋葬方法とは?

イスラム教の埋葬方法は土葬が一般的とされています。イスラム教で土葬が選択されている理由は、六信五行義務にある来世への進行に関係しているためです。

 

イスラム教の来世では、週末の合図とともに死者は墓から出され神の審判を受けるとされています。墓から出された死者は、神の審判において信仰が正しければ天国に行き、正しくない場合は地獄に落ちてしまうと考えられています。

 

この審判のときに、復活するための身体が必要とされるためイスラム教では遺体を土葬する方法がとられています。

日本にあるイスラム教のお墓とは?

イスラム教において埋葬方法は土葬が一般的とされています。一方、日本では土葬ではなく火葬がほとんどです。もちろん土葬が法律で違法となっているわけではありません。衛生面や土地の確保が難しい理由があるためです。

 

では、日本においてイスラム教のお墓はどのようになっているのでしょうか。ここでは、日本に置けるイスラム教徒の埋葬方法について説明を致します。

イスラム教のお墓の特徴とは

まずはイスラム教のお墓の特徴について説明を致します。土葬をする際には、イスラム教ならではのルールや特徴があります。

 

土葬をする場合は遺体を棺に入れる必要がありますが、遺体の顔を聖地メッカの方向に向ける決まりがあります。ですのでイスラム教のお墓は、全てが同じ向きを向いています。

 

またイスラム教徒では、土葬という行為を重要視しているので、日本のお墓のように墓石の質や形にこだわりをもつことがありません。

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日本にあるイスラム教のお墓

では日本にあるイスラム教のお墓は、土葬なのか火葬なのかを説明致します。

 

じつは日本で暮らすイスラム教徒のために、ムスリム霊園と呼ばれるものが存在しているのはご存知でしょうか。しかし日本では火葬が一般的で、土葬の文化に抵抗感を持つ方も多くいます。

 

そのためイスラム教徒は国内において増えてきていますが、ムスリム霊園の数は日本国内で数カ所しかなく、不足しているのが現状です。

 

日本でも土葬が可能となるムスリム霊園が増えていくことは、日本において大きな課題の一つといえるでしょう。

イスラム教のお墓について知っておこう

いかがでしたでしょうか。この記事では、イスラム教のお墓について解説をいたしました。近年は、日本国内においてもイスラム教徒が増えてきています。もしイスラム教徒の入信について興味がある場合は、お墓についても知っておくと良いでしょう。