墓地と霊園は何がどう違うの?それぞれの種類や費用などを紹介!
公開日 : 2020/7/17
更新日 : 2020/9/8
人の寿命は永遠ではありません。いつか幕切れを迎え、お墓に眠ることになります。お墓の場所としてよく聞くのが、「墓地」と「霊園」です。この二つにはどのような違いがあるのでしょうか。また、費用に差はあるのでしょうか。徹底解説していきます。
公開日 : 2020/7/17
更新日 : 2020/9/8
目次
霊園と墓地の違い
生きとし生けるものにはみな、寿命というものがあります。永遠の生は、少なくとも今のところは存在しません。その中でも人間は、死を迎えるとお墓に入ります。特に日本では火葬が一般的ですから、お骨になった後に、土に帰ることになります。
お墓の場所としてよく耳にするのが、「霊園」と「墓地」です。この二つにはどのような違いがあるのでしょうか。
耳にしたことがあっても、詳しい違いが分からないものはたくさんあります。この記事を読んで、この差について詳しくなりましょう。お墓の事情については、なかなか詳しくなる機会がないでしょう。しかし、絶対に知っていて損のない情報です。
また、人の死にお金を絡めたくはありませんが、お墓には少なからぬ金銭が関わってきます。トラブルを避けるため、また亡くなった方が安心して眠りにつけるように、費用も含めた霊園と墓地の違いについて把握しておきましょう。
霊園とは
まず初めに、霊園についてご説明していきます。霊園とは、お墓がおかれる場所の中でも、明るく綺麗な環境で、かつお寺に属していないもののことを指します。一般的には広大な土地に公園のような敷地が作られて、そこにお墓が並んでいるようなイメージです。
また、少しややこしくなるのですが、「霊園墓地」というような言い方が為されることもあり、霊園なのか墓地なのかよく分からないこともあります。
主な違いについては後述しますが、法律に規定されていない、お寺に属していないお墓の場所が霊園と呼ばれます。また、霊園には種類が二つあります。一つが民営墓地、もう一つが公営墓地です。
民営墓地
民営墓地は、その名の通り、民間の運営する霊園のことです。運営主体となる民間の組織としては、自治体に許可を与えられた公益法人や宗教法人です。
ちなみに、宗教法人が運営しているからと言って、宗派が限定される例はあまりありません。運営元の宗派に関わらず、利用することができます。
民営墓地の特徴はお墓のデザインが自由に選べることが多いです。光栄墓地よりも自由度が高く、住所や条件もあまりありません。その分費用がかかるところも中にはあります。
公営墓地
もう一つの霊園の種類は、公営墓地です。公営墓地もその名前の通りですが、公的な機関が運営主体となっている霊園のことです。
公的な機関とは都道府県や自治体のことです。自治体が運営を行っているため、管理してくれる期間が定められている例は少なく、一度霊園に入ることができれば、永続的に管理してくれるところが多いです。
新しく霊園が作られると、募集機関が決められて、抽選で選ばれます。永続的な管理がされ、費用もそれほど高くないため、抽選の倍率は高くなることもあります。
自治体が運営主体であるため、申し込むためにはその自治体の周書を持っていることなどが条件となります。
墓地
次に、墓地について解説を行います。
霊園は法律に定められた規定はありませんでしたが、墓地は違います。墓地は、「墓地、埋葬等に関する法律第二条第五項」において「墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事の許可を受けたと区域のこと」と記載があります。
つまり、広義においては、墓地の中に霊園も含まれるということになります。
墓地の例としてあげられるのは、寺院墓地です。お寺が管理している墓地のことで、もちろんお寺の敷地内にお墓があります。霊園は公園のようなスタイルが主であるため、違いがわかります。
また、霊園に入らないものとしては個人墓地や村落墓地というものもあります。これらは霊園という言い方はしません。
霊園と墓地の差異
霊園と墓地のそれぞれの定義について見てきましたが、結局のところ何が違うのでしょうか。まとめていきます。まず大前提として知っておいていただきたいのは、墓地と霊園は明確なラインをひいて区別できるものではないということです。
霊園とは呼ばないものは存在しますが、多くの霊園は墓地という言い方もできます。その上で、一般的な墓地と霊園の違いについて解説していきます。まず主な違いとしてあげられるのは、運営主体です。
日本では、法律においてお墓を建てられる場所というのが決まっています。都道府県知事の許可を受けた組織だけがお墓を建てられます。その運営主体が、各自治体や公益法人、寺院などにあたります。
墓地と呼ばれるものは、寺院が運営しているもの、そして公共の組織が運営しているものです。慣例なものなので絶対というわけではありません。霊園と呼ばれるのは、民間の組織が運営する、公園のような場所に置かれたお墓の場所のことを指す場合が多いです。
また、霊園と墓地の違いとして、檀家制度の有無があります。檀家制度とは、江戸時代に生まれた地域の自社と住民を結びつける制度のことです。お寺檀家(住民)から金銭をもらいます。また人手としても檀家がお寺を支えます。
その代わりに葬儀などの法要をお寺は行います。このような檀家制度が生きているのは墓地の中でも寺院墓地になります。逆にいうと、霊園と呼ばれる場所では、この檀家制度は全く関連がありません。
墓地と霊園の費用の違い
さてここからは、気になる費用の話に移っていきましょう。お墓を建てたり、墓地を利用したりするのには、決して安くはない金額がかかります。
特に日本ではお金の話はあまり上品な話でないとされていますが、絶対に無視できるものでもありません。ここで、霊園や墓地の費用の違いについてきちんと把握しておきましょう。
霊園や墓地にかかる費用の内訳
墓地にしろ霊園にしろ、どのような種類のお金がかかるのでしょうか。まず必要となるのは、永代使用料です。
永代使用料とはお墓を建てるときに必要となる墓地の区画の権利のお金です。この金を支払うことで、霊園の中に自分の(故人の)お墓を建てることができます。
次に必要なのは、墓石代です。つまりは、お墓本体のお金です。霊園の場合、形状やデザインについての指定がほとんどありません。予算に合わせてお墓を作ることができるでしょう。
しかし特に寺院の墓地などでは宗派にあったお墓にする必要があるため、費用が高くなる傾向があります。他に必要になるのは、管理料です。永代使用料はその区画を使う権利のお金です。その後管理をしてもらうためには管理料を支払う必要があります。
これを支払わなかった場合、お墓を撤去されてしまう場合もあります。
結局どれが安いのか
費用の面を考えるときに、安さというのは大切なポイントです。安さを重視するのであれば、公営墓地が良いでしょう。自治体が運営しているので、営利目的という比重が比較的薄く、とっつきやすい値段であることが多いです。しかしその分倍率は高いです。
霊園が作られると応募者を募り、抽選が行われて全て埋まるという形なので、いつでも応募できるわけでもありません。民間の霊園であれば、ずっと新規の方を待っていることが多いので、申し込みさえすれば入れることがほとんどです。
霊園によってまちまちですが、公営のものよりは費用は高くなります。先祖代々お世話になっているお寺があるのであれば、寺院墓地も選択肢に入ってくるでしょう。
民間の霊園よりもさらに費用は場所によって開きがありますが、寺院であればお墓の管理に間違いはありません。安心して供養ができるでしょう。
自分たちにあったお墓の場所を選ぼう
霊園と墓地の違いや、その費用について見てきました。霊園と墓地は明確な線引きはありませんが、違うポイントが存在することがご理解いただけたでしょう。
死後ゆっくり眠ることができる場所がある、という安心によってこそ、現世を目一杯生きることができます。お墓に関する知識を持つことで、豊かな人生の実現にもつながります。自分や家族にあった霊園・墓地を選びましょう。
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