お墓を移転することはできる?必要手続きと費用を調べてみた。
公開日 : 2020/4/20
更新日 : 2020/9/10
あなたはお墓の移転ができるのをご存知でしょうか?「実家のお墓が現住所から離れすぎているため、お墓参りが大変。」「実家のお墓の遺骨を永代供養墓に移したい」という理由が多いです。そんなお墓の移転に関して必要手続きや費用について調べました。
公開日 : 2020/4/20
更新日 : 2020/9/10
目次
そもそもお墓の移転とは?
お墓に納めている遺骨を他の場所に移転することを「改葬(かいそう)」と呼びます。お墓の移転をするということは非常に手続きが大変で手間が掛かります。ここではお墓を移転する方法と注意点、手続きの流れについて詳しく解説いたします。
お墓の移転方法とは?
お墓の移転方法は、大きく4つの方法に分類されます。
1.遺骨と石碑を一緒に移動する。
2.遺骨の全てを移動する
3.遺骨の一部を移動する
4.分骨する(一部だけ移動する)
お墓を移転する改葬にはさまざまな理由があります。また費用に関してもは決して安いものではありません。しっかりと理解した上で手続きをしましょう。
お墓の移転に伴う注意点
お墓を移転するに伴いいくつかの注意点があります。
1.遺骨と石碑を一緒に移動する場合
移転先の美地・霊園に石碑を持ち込めるのか、石碑自体のサイズが合うかを事前に確認する必要があります。墓地や霊園によっては石碑を持ち込めない場所があるので注意が必要です。
2.遺骨の全てを移転する場合
遺骨全てを移動する場合は、石碑を新しいものにする必要があります。改葬の中で、もっとも多いケースと言われています。
3.遺骨の一部のみを移動する場合
遺骨の一部のみを移動する場合も、石碑は新しいものを用意する必要があります。こちらのケースの場合は、既存のお墓はそのまま残すため元の墓地を更地に戻す必要がありません。
4.分骨をする場合
既存墓地の管理者、もしくは火葬場から「分骨証明書」を発行してもらう必要があります。
お墓移転の手続きの流れ
ここではお墓移転の手続きのながれについて紹介をいたします。お墓の移転は簡単ではありません。移転元、移転先へ書類上の手続きが非常に多くあります。必要書類を整理して素早く手続きを進めましょう。
墓地使用許可証をもらう
お墓を移転することを決めた後は、新しいお墓の移転先を探す必要があります。移転先を決めてから手続きがスタートします。手続きで一番最初に行うことは、墓地使用許可証の発行が必要です。
墓地使用許可証とは、新しい墓地を管理している寺院や霊園、墓所にて発行依頼が可能です。工事を行うときに契約者がお墓を移転することを霊園側に証明するための許可証です。霊園によっては「永代使用書」と呼んでいる場所もあります。
埋葬・埋蔵証明書をもらう
埋葬許可証は亡くなった方の名前や住所が記載されている、遺骨の身分証明書のようなものです。墓地の管理者は、埋葬許可証を受け取って遺骨がどんな人であるのかを確認して保管をしてます。
死亡届を提出すると、火葬・埋葬許可証が渡されるので、火葬の時は火葬場の職員に、納骨時には霊園管理者に提出する必要があります。
改葬許可証を発行する
改葬許可証は遺骨をお墓から別の場所へ移動する際に必要な許可証のことです。改葬許可証が無いと遺骨を薄井や納骨堂から取り出して、別の墓に埋葬することはできません。
また、許可証なく埋葬すると違法となので注意しましょう。改葬許可証は自治体に発行してもらうものです。発行時に必要なものは、埋葬証明書・受入証明書・改葬許可申請書を提出します。
お墓の移転費用はどのくらいかかる?
ここで紹介するのは、「移転の費用」です。状況によって費用は変わりますが、約100万円以上はかかってしまう場合が多いみたいです。それでは実際の費用の内訳を見てみます。
移転元でかかる費用は?
移転元でかかる費用は「離檀料」「閉眼供養」「撤去運搬費用」がかかります。
「離檀料」とは、お寺の檀家とお墓を所有している際にかかる費用のことです。檀家を離れてお墓を移転するので費用が掛かることが多くなってしまいます。相場としては3万円~20万円程度です。お寺によって費用は大きく異なるので事前に確認をしましょう。
「閉眼供養」とはお墓を離れるときに遺骨を出す必要がありますが、その際に閉眼供養をします。供養は3万円~5万円程度で行われることが多いようです。
最後は撤去運搬費用です。遺骨・墓石の撤去の際に掛かる費用ですが、墓地のサイズや墓石を再利用して運搬するかどうかで費用が大きく変わります。墓石の撤去費用は10万円~15万円ほどが一般的とされています。
その他に次の墓地へ墓石を移す場合は搬送費用がかかります。ただし次の墓地で墓石が不要だったり、新しく墓石を用意する場合は撤去費用のみとなるので安く済みます。
移転先で掛かる費用は?
ここでは移転先で遺骨をお墓に納めるときに掛かる費用を説明いたします。
墓地を新しく決めた際は、その場所を使用するための権利を得る必要があります。墓所の使用料のことを永代使用料、お墓を建てるための購入費用と工事費である、墓石工事費用、その他の事務手数料がかかります。
永代使用料の費用
「永代使用料」は墓地の場所や地域によって大きく幅があります。全国平均としては約60万円くらいです。墓地のある場所や区画の広さによってかわるため、移転先の相場を事前に確認しておきましょう。
注意点としては、一度支払った永代使用料は余程特別なことがない限り返還されることはありません。
墓石工事の費用
また「墓石工事費用」は一番費用がかかります。それは墓石購入費用と建墓の工事費用があるからです。墓石の購入費用は種類によって差はありますが、100万円~200万円を相場に考えましょう。
墓石を新しくせずに、移転先で使用していたものを利用する場合は墓石代はかからずに運搬費用のみが必要です。
建墓の工事費用は、墓石の大きさや外柵の付属品の有無によって異なりますが、基礎工事と合わせて10万円~30万円ほどが一般的な相場です。予算のこともあると思うので、詳細な費用は石材店の方に実物を見せて検討するようにしましょう。
お布施代と埋葬費用
新たなお墓に遺骨を納める場合は、お墓に故人の魂を墓石に迎え入れて礼拝の対象とする、開眼供養という儀式が行われます。閉眼供養と同様に、僧侶に立ち会うときの費用として1万円~3万円のお布施を支払う必要があります。
また開眼供養をするときにセットで納骨も行うので、埋葬費用も必要です。遺骨をお墓から取り出すときと同様に一人分の遺骨につき3万円前後を石材店に支払います。
宗派によって開眼供養が必要ないケースや、納骨を自身で行う場合は埋葬費用はかかりません。
入檀料
移転先の墓地がお寺の場合は、入檀料が必要となる可能性があります。入檀料とはお寺に檀家として入る際に支払うもので、だいたい10万円~30万円が相場です。
お布施となるので金額に決まりはありません。しかしお寺の格式や規模、地域ごとに違いがあるので、事前に金額を住職に相談して判断することをおすすめします。
中見出し「その他にかかる費用は?」
これまでに紹介してきたもの以外で、費用が掛かる可能性があります。ここでは必要になる可能性がある費用について解説をします。
遺骨を郵送する場合
移転元のお墓から取り出した遺骨を墓まで運ぶ時、望ましいのは自分の手で運ぶことです。しかし自身で運ぶのは難しいという場合には郵送するという方法があります。
遺骨の郵送は、多くの宅配業者で運搬が不可能と規定で定められています。しかし郵便局の「ゆうパック」であれば郵送が可能です。
重量は25kg以下と決まっていますので、遺骨が多い場合は分けるように対応することをおすすめします。この際にかかる郵送料は、郵便局側に確認を事前にしましょう。
改葬代行サービスを利用する場合
近年ではお墓の引っ越しをするケースが増えていることもあり、改葬作業を請け負ってくれる代行業者が増えているのです。
代行業者に依頼したときの相場は約30万円ほどが一般的です。具体的な内訳として、
1.必要書類の申請と取得に約8万円ほど
2.墓地管理者との交渉・同行に約5万円ほど
3.墓石の解体工事に約10万円~15万円ほど
4.遺骨の移動作業に約3万円~約5万円ほど
5.法要儀式の手配に約2万円~約3万円ほど
上記で紹介した内訳は、あくまで一例なので業者ごとによってサービスや費用も変わります。業者によっては必要な部分だけを依頼できるところもあるので、予算もふまえてじっくりと検討しましょう。
お墓の移転は手間と費用が掛かるためじっくり検討しよう
いかがでしたでしょうか。この記事ではお墓の移転に伴う手続き方法と費用について紹介をしました。お墓の移転は手間もかかって費用も多額であるので、安易に決定せずに家族や親戚と検討して決めるようにしましょう。
自分たちが納得するお墓の移転が決まるまで、時間をかけて考えてください。
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