【葬儀】期限付き墓地とは一般の墓地とは何が違うかについて解説
公開日 : 2020/5/3
更新日 : 2020/9/10
期限付き墓地とはあまり聞かない墓地の形式です。墓地の利用に期限があるのが期限付き墓地ですが、では使用期限が来たらどうなるのか、何故期限付き墓地が生まれたのか、期限付き墓地を利用するメリットは何か等について解説をいたします。
公開日 : 2020/5/3
更新日 : 2020/9/10
目次
期限付き墓地について
墓地には期限付き墓地というものがあります。その名の通りに使用期限があるのですが、期限は場所によって数年から数十年までと様々です。過疎化や少子化により現在増えている無縁墓地を解消する解決策として生まれた新しいお墓の形です。
期限付きのお墓と聞いて、期限が来たらどうなるのか疑問に思う人も多いかもしれません。また、お墓は必要でも管理などで後継者の問題などで悩んでいる方も多いかと思いますので、期限付きお墓の費用や利用するメリットと問題点などについて解説いたします。
期限付き墓地の仕組み
期限付き墓地の仕組みについて、システムや出来た経緯など気になる事を解説いたします。
期限付き墓地のシステム
期限付きとなっている墓地は、墓地を使用する期限を最初に決めて契約します。実際のお墓は一般の墓地のお墓と同じ形となっています。お墓参りや供養も普通に出来ますので、契約の期間中は一般的なお墓と何も違いはありません。
そして期限が過ぎると遺骨は同じ霊園が管理する合葬墓や納骨堂に移して、永代供養して貰うようになるのが普通です。またそのまま期限を延長する事も出来ます。管理者にお願いする事で延長はスムーズに出来るのが一般的です。
一般のお墓の場合、後継者が受け継いでお墓を守っていく事が必要になっていますが、期限付きのお墓の場合は後を継ぐ人がいなくても心配が無いのが何よりの特徴と言えます。契約をした人が管理出来る年数に従って契約をするというシステムです。
従来のお墓は家が管理するというシステムでしたので、家を継ぐ後継者がいなくなってしまった場合には誰も供養(お墓の管理や掃除)をしなくなってしまい、誰もお参りに来なくなってしまう無縁墓になってしまう場合が珍しくありません。
その問題を回避する為に出来たシステムが期限付きの墓地なのです。普通のお墓を持っている場合、途中から期限付きの墓地へ変更出来る場合もあります。変更を考えている場合は墓地の管理者に相談してみるのが良いでしょう。
期限付き墓地は何故出来たのでしょう
期限付き墓地が生まれた背景には切実な問題が幾つかあります。まず、日本の少子化です。世界的に見ても日本の少子化は深刻です。既に日本の人口は減少傾向ですから、お墓を引き継ぐ子孫は年々減っています。
また核家族化により、家を継ぐという意識が社会的に薄れている事もあり、自分の家の墓を守るという意識を持っている人も減っています。家の墓はあっても誰も供養をしなくなってしまっている場合も珍しく無いと言えます。
以上のような理由から、誰も供養をしない無縁墓が全国的に増えてしまい社会問題にもなっています。期限付きの墓地は故人が亡くなってから、ある期間までは後継者が供養をして、その後はお寺に永代供養して貰うという新しい考え方の墓地となっています。
期限付きの墓地を利用する事情
特に寺院にお墓を持った場合には檀家になるなどの必要性もあり、後継者が檀家にならないとお墓をせっかく持っても供養が出来なくなってしまうなどの問題になってしまいます。後継者がお寺にお布施を納めなくなり長い時間が経過するとトラブルも発生します。
ここで後継者となる人が檀家を引き継がなかった場合、無縁墓とされお墓は取り壊しになり撤去となっています。そのお墓の敷地は他のお墓として転売され、遺骨は無縁仏として扱われてしまいます。そこで慌てて遺骨を引き取る子孫もいるようです。
そのようなトラブルを見越して、最初から自分の子孫に負担が掛からないという配慮も期限付き墓地を選ぶ理由です。期限まで墓地に必要な負担をしておけば、その後は共同墓に移れますのでトラブルなどは無く、遺骨の供養が継続出来ます。
期限付き墓地の良い点
実際に期限付き墓地を契約した場合の良い点とは何でしょうか。具体的に解説いたします。
永代供養墓になる
期限付きの墓地に埋葬され、期限が来ると合葬墓などへと移されて管理・供養をして貰えますので、永久に無縁仏になる心配がありません。例えば自分が期限付きのお墓に入る契約をしていれば、後継ぎがいなくても管理や供養の心配はありません。
また、自分の子孫や家族が利用したい場合には期間を延長して使用する事も可能です。その場合には延長する費用は掛かりますが、家族や子孫も期限後には合同墓で管理と供養をして貰う事が出来ますので、無縁仏になる心配はありません。
短期間の利用ができる
期限付き墓地は契約をする側の都合で柔軟に期限を決める事が出来ますので、契約者の年齢などから供養できる年数を考えて決める事が出来ます。自分が供養出来る間を期限として契約するのがこのケースです。また、本当は故郷のお墓にという場合もあります。
実は地方に墓地はあるが、今は首都圏に住んで仕事をしているので、仕事をリタイヤするまでの仮のお墓としてという方もおられます。地方のお墓には年に一回も行けないので、若い間は住まいの近くにお墓を持って、お参りしたいという理由の人も多いようです。
一般的には故人が亡くなってから、後に行う予定の法要を一つの区切りと考える場合も多いようです。七回忌・十三回忌の法要までとして、その後は共同墓や納骨堂に入って貰うという契約を最初から結ぶケースもあるようです。
費用を抑える事ができる
一般的なお墓を持つ場合と比較して、期限付きのお墓は金額を抑える事が出来ます。普通のお墓なら墓地や墓石などを全て用意すると100万円以上にはなってしまいます。期限付きの墓地であれば、期限後の永代供養も含めて数十万が相場となっています。
期限付き墓地の費用
期限付きの墓地は使用する年数によって金額が違います。また、使用料とは別に保証金、管理料が掛かります。期限を延長する場合には更新料が掛かる場合もあります。それぞれの金額は墓地によって様々ですが、一般的には次の金額が標準的です。
使用期間が5年で20万円から、30年で50万円、保証金は5万円~20万円程度(使用期限が過ぎた時点で返却)、使用料と更新料は墓地によって違いますので、それぞれに問い合わせが必要になります。実際に申し込む前に複数の墓地に問い合わせてみる事をおすすめします。
期限付き墓地のまとめ
ここでは期限付き墓地について、そのシステム・出来た理由・良い点・利用方法などを解説してきました。期限付き墓地も墓地の新たな形として、理解すると良い点も多くて助かる場合もあると思います。墓地の一つとして是非理解しておきましょう。
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