お墓はいらない?お墓を持たないメリットと供養方法を紹介します
公開日 : 2020/4/20
更新日 : 2020/9/6
最近では、お墓がいらないと考える方が増えてきました。それにともなって、永代供養や手元供養など、新しい供養方法の人気が高まってきています。この記事では、お墓を持たないことのメリットと、お墓以外の供養方法を紹介していきましょう。
公開日 : 2020/4/20
更新日 : 2020/9/6
目次
お墓はなぜ必要?
そもそもお墓はどうして必要なのか、考えたことはありますか?お墓があるときと、ないときのメリットをそれぞれ紹介しますので、自分にとって本当にお墓が必要か、考えてみてはいかがでしょうか。
お墓のあるメリット
故人の遺骨は、お墓にしか埋葬することができません。日本の「墓地、埋葬等に関する法律」では、遺骨は市区町村が許可している墓地に埋葬するように定められているからです。
またお墓があればお参りをし、故人を想う機会を持つこともできます。お参りをするお墓がないと寂しく思う方も、一定数以上はいるようです。
お墓がないときのメリット
一方、お墓がない場合のメリットにはどんなことがあるでしょうか?
お墓には暮石費用と永代使用料とでおおよそ100万円以上の費用がかかり、しかも毎年管理費が必要になります。お墓がなければ、金銭的な負担はだいぶ減らすことができるでしょう。
お墓を持たなければ、子どもにお金と管理の負担をかけずに済みます。回忌法要なども不要になるので、子どものいない方や独身の方も、承継者を誰にすれば良いのかと心配する必要が無くなるのです。
お墓がいらない理由
お墓がいらないと思う理由は、大きくは以下の4つに分けられるようです。自分の場合と照らし合わせてみて、お墓を持つか持たないかを決める指標としてみてください。
子どもの負担になる
お墓があると、子どもの負担になってしまうと心配する方がいます。
お墓の維持には毎年かかる管理費などの金銭的負担に加え、墓が荒れないように定期的に掃除しなければならない肉体的な負担もあります。子どもの住まいからお墓までが遠いと、負担はさらに増えることとなるでしょう。
家に跡継ぎがいない
自分の死後にお墓を管理してくれる跡継ぎがいない場合、管理者不在となったお墓は撤去されてしまいます。そして埋葬されていた遺骨は、無縁仏としてほかへ移されることとなるでしょう。
立派なお墓を作ったとしても、その後管理費が支払われずに管理してくれる人がいなければ、更地となってしまうのです。
霊魂を信じていない
昔は人は亡くなったら霊魂となり、あの世へ行った後も定期的にお墓へ帰ってくると信じる考えが一般的でした。ですが、時代の移り変わりと共に、死生観と霊魂に対する考えは変わってきているようです。
現代では、霊魂の存在を信じていない、信じられないという考えの方もいます。そういう方にとっては、お墓は意味のないものとなるのではないでしょうか。
墓を持つお金がない
お墓を新しく建てるには、一般的には100万円以上の費用がかかります。銀行や石材店でローンを組むこともできますが、そんなにかかるならお墓を持たなければいい、と考える方もいます。
お墓を持つと、毎年管理費もプラスで必要になります。お墓にお金をかけるのではなく、ほかのことにお金を使いたいと思う方も近年増加傾向にあるようです。
お墓がいらないのなら仏壇もいらない?
お墓は亡くなった方の霊魂が帰ってくる場所で、仏壇は家の中に設けたお寺のようなものと考えられています。お位牌を祀り、仏様となった故人にお参りする場所としての意味合いがあります。
そのため、一般的にはお墓と仏壇はセットとして考えられています。お墓がいらないのであれば、仏壇もいらないと考える方が多いようです。
供養棚を設置する
供養棚とは、仏壇の代わりに家の中に設置する飾り棚です。故人を思い出せるような写真や、故人が好きだったものなどを飾り、手を合わせて挨拶する場にします。
無宗派の方は仏壇ではなく供養棚を設置することが多いのですが、お墓も仏壇もいらないと考える方の中にも、供養棚を選ぶ方がいるようです。
もしも先祖代々から受け継いできた仏壇を使わない選択をするのなら、魂抜きをする必要があることを覚えておきましょう。
お墓がいらないときの供養方法
お墓がいらないと考える方向けには、5つの供養の方法があります。それぞれメリットとデメリットがありますので、さまざまな方法を知った上で比較、検討してみてはいかがでしょうか。
本山納骨
本山納骨とは、宗派の本山にお骨が合祀され、供養される方法です。以前から特定の宗派を持っていたような、信心深い方におすすめです。特に西日本に多い方法で、全国各地のどこでもお願いできるとは限りませんが、安心できるところに遺骨を預けることができます。
信徒であることが条件とは限らず、申込者の宗派は問わないとしているお寺も多くあります。費用の目安は2万円から10万円ほどで、寄付金や年間管理料はかからないことがほとんどです。
永代供養墓
永代供養墓とは、子どもや跡継ぎなどの代わりに、霊園やお寺の管理者にお墓の管理をお願いするものです。お墓が遠くにある場合や、お墓参りをする人がいない場合にも安心してお任せすることができます。
三十三回忌や五十回忌の時期までは個別供養で、その後合同供養に切り替えられる場合が多いといいます。その後、もしも子孫が絶えてしまったときも無縁仏にはならず、永きに渡って供養してもらうことができます。
合同供養では、合祀墓または納骨堂などの選択肢があります。
合祀墓
合祀墓とは骨壷から遺骨を取り出し、ほかの亡くなった方の遺骨と一緒にお墓へ入れることをいいます。そのため一度合祀墓に入った遺骨の中からは、特定の方を取り出すことはできなくなってしまいます。
寺院によっては、宗派などを問わずに供養してもらえるところもあります。
納骨堂
納骨堂とは屋内のスペースで骨壷を保管し、供養してくれる場所を言います。スペースは夫婦や2世代などの家族ごとに区切られることが一般的です。
都会では駅から近い場所に納骨堂が設けられることがあることと、雨や暑い日にもお参りできることから、近年注目が集まっている方法です。
散骨
散骨とは、山や海などの自然の中に遺骨をまく方法です。特に多いのは海にまくケースで、海洋散骨や海洋葬と呼ばれています。死後は自然に還りたいと考える方にも、散骨葬は支持されています。
散骨する前には、遺骨を2mm以下に細かく砕いて「粉骨」にする必要がありますが、散骨業者で行ってもらうことができます。散骨はどこででもできるわけではなく、法律や条例で決められている場所でのみ可能なので、事前に確認しておきましょう。
樹木葬
樹木葬とは、市区町村か許可している埋葬地に遺骨を埋め、暮石の代わりに樹木を植える方法です。墓標がわりとする樹木には、ハナミズキやモミジ、サクラが多く使われています。
日本では1999年から行われるようになったといわれており、魂が大地に還るとされていることから、自然思考の方を中心に近年人気が高まっています。
樹木葬の際は、遺骨はカロート(コンクリート製の納骨室)に骨壷を納める方法のほか、布や紙袋に入れて埋める方法もあります。お墓の管理は管理団体に任せることができ、宗派などが問われることもないようです。
手元供養
手元供養とは自宅で遺骨を保管し、供養することをいいます。10年ほど前から、選択する方が増えてきているようです。
手元供養には、骨壷を納めた白木の箱を白い風呂敷で包んで自宅に安置する方法と、別の骨壷に移してから安置する方法とがあります。手元供養用の保管用骨壷は凝ったデザインのものも多く、インテリアとしても違和感の無いようにつくられています。
また、骨壷ではなく遺骨を加工した上でペンダントに入れ、身につけて供養している方も。自宅の庭など、屋外に遺骨を埋めることは法律違反となりますので、その点には注意しましょう。
お墓のことは家族と相談を
お墓がいらないと決める前には、家族と話し合いの時間を持つことをおすすめします。自分の死後にお墓を管理することとなる家族の意見は、ある程度尊重すべきではないでしょうか。
現代では昔と違って死生観も変わり、お墓を持たない場合の選択肢も増えました。さまざまな供養の方法を知って、自分と家族に合ったやり方を選択しましょう。
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