墓相とは?墓石の色・形・方角が遺族や子孫に影響するって本当?
公開日 : 2020/4/20
更新日 : 2020/9/8
墓相という言葉を知っていますか?手相占い・人相占いがあるようにお墓にも墓相にも占いがあり、吉凶が子孫に影響するといわれています。ここでは墓相の基本的なことから、何を基準に吉凶を決めるのか、また「墓相が悪い」と言われたときの対処法などについて解説していきます。
公開日 : 2020/4/20
更新日 : 2020/9/8
目次
そもそも墓相とは
墓相(ぼそう/墓相学)とは、お墓の形状を見て吉凶を判断するひとつの占いのようなものです。その歴史は非常に古く、江戸時代にはすでに墓相による占いがあったという文献が残っています。
墓相が良いと子孫が健康・財運に恵まれて代々繁栄し、逆に墓相が悪いと子孫に悪い影響が及ぶといわれています。しかしながら墓相には様々な種類や流派があり、「お墓が○○だと子孫が××になる」などといった定義が決まっている訳ではありません。
科学的な根拠はない
日本のことわざに「当たるも八卦、当たらぬも八卦」というものがあります。「八卦」とは占いという意味があり、占いとは当たったり外れたりするもの、つまり「あまり気にする必要はない」という意味のことわざです。
墓相も同じであり、「墓相が悪い」と言われても深く気にする必要はありません。しかし「墓を建ててからというもの、身内に悪いことばかり起きる」「墓を建てる前に、墓相について詳しく知りたい」など、墓相が気になる人がいることも事実です。
これから墓相の判断方法の一例を紹介していきますが、どれも科学的な根拠はありません。ひとつの目安として心にとどめておいてください。
墓相の吉凶は何で決まる?
墓相は、お墓の様々な箇所を見て吉凶を判断します。判断材料には、墓石の形・色・方角などがあり、そのひとつひとつを見てから総合的な吉凶を判断をすることが多いようです。どういう墓石が良く、どういう墓石が悪いといわれているのか、それぞれの判断材料について解説していきます。
墓石の形
墓相では、3つの石から構成される「三段式のお墓」が吉だとされています。
- 1番上の竿石…子孫繁栄
- 真ん中の上台石…家業
- 1番下の下台石…資産
という意味があり、3つの石は同じ種類の石にすることを推奨しています。
近年に多く見られるデザイン式の墓石は、墓相では凶となるようです。例えば、
- 土台が猫脚だと、足の病気になる、また家庭内で争いが起きる
- 変わったデザインの墓石にすると、子孫が途絶える
- 全体的に細長い形のお墓は、子孫が早死にする
このような不吉なことが起きるといわれています。
墓石の色
墓石に様々な色があります。一般的な灰色、高級感がある黒色、個性的な赤系や青系、近年では2トーンカラーのお墓や、デザイン性の高いカラフルなお墓も見かけるようになりました。
しかし墓相においては、各色に次のような意味があるとされています。
- 灰色の墓石…特に無し
- 黒色(黒御影石)…熱がこもりやすいため、先祖が安眠(成仏)できない。一族内に災難が起こりやすくなる。一族から犯罪者が出る恐れがある。
- 青系の墓石…様々な病・災害を引き寄せる。
- 赤系の墓石…血や火がイメージされることから、怪我や火災が起きやすくなる。病を引き寄せる。家庭内に争いが起きやすくなる。
仏教で考えるお墓の色
墓相では不吉といわれている色でも、仏教においては「如来の精神や知恵」を次の五色(ごしき)で表します。
- 青色(緑色)…仏陀の頭髪の色。心の安定を表す。
- 赤色…仏陀の血の色。慈悲心を表す。
- 黒色(紫色)…仏陀が着用している袈裟の色。怒りを抑え耐え忍ぶ不動の心を表す。
- 白色…仏陀の歯の色。悪行を清める色。縁起の良い色。
- 黄色…仏陀の身体の色。
墓相と仏教では全く違う意味になることは覚えておきましょう。
墓石の方角
墓石の方角は、墓相で最も重要だといわれています。最も良いといわれている方角は東南になり、次いで南と東になり、最も凶である方角が北西・北東(鬼門)・南西(裏鬼門)とされているようです。凶の方角を向いたお墓だと、病気・災難・怪我・家庭内の不和が起きやすくなるといわれています。
砂利や植木など
墓石の形・色・方角以外にも、お墓を取り巻く環境においては吉・あるいは凶と判断されます。
- 木陰…一族に病人が多く出る
- 高圧線や電線の下…平穏な生活が送れない
- 他のお墓の通り道になっている…商売運に恵まれない
- 墓地内に竹の根が入っている…金銭的に苦労する、病を招く
- お墓の周りに小石を敷き詰める…異性間の揉め事が起きやすい
- 先祖よりも大きなお墓を建てる…一族の運気が下がる
- 墓前に扉を付ける、鎖を掛ける…裁判沙汰になるトラブルに巻き込まれる
このような吉凶があるようです。逆に「墓周りに赤土を敷き詰めるのは吉」とされ、病や災いを避けることができるとされています。
墓相が悪いと言われたら?
家庭内に災難が続いた、もしくは不和が起こった、そんなときに周囲から「墓相が悪いのでは?」と言われたらどのように対処すべきなのでしょうか。墓相の相談先や対処方法、また相談するときに気を付けておきたいポイントをご紹介します。
墓相はどこで見てもらうの?
墓石を扱う石材店・霊園・寺院などで墓相の相談を受け付けているところがあります。全てがそうとは限りませんので、出向く前に電話やホームページ、メールなどで確認しておいた方が良いでしょう。電話で無料相談してくれるところもあるようです。
料金は店舗・霊園・寺院によって異なる
相談料は、相談先によって大きく異なります。石材店は無料のところが多く、霊園や寺院だと数千円~数万円、中には「お気持ちで…」と言われるところもあり、相場は特に決まっていません。「無料で相談できるから」という理由で石材店を選ぶと、お墓の建て替えを勧められるケースがあることは覚えておいてください。
墓相が悪いと言われた…どうしたらいい?
身内や知人から「墓相が悪いんじゃない?」と言われたとき、はじめは「そんなことはない」と思っていても、時間が経つにつれ「もしかすると…」と気になり始める人もいるかもしれません。墓相が気になった時にはどのような行動を取るべきか、気を付けておきたいポイントをまとめました。
どうしても気になるなら相談
前述したように、墓相に科学的な根拠は全くありません。しかし、どうしても気になるようであれば、まずは親族に相談しましょう。そこで解決しない場合は、石材店や霊園、寺院などに見てもらっても良いかもしれません。そのうえで建て替えるのか、別の対処方法があればそれを教えていただくようにしましょう。
悪徳業者に要注意
「無料相談をしたら、墓の建て替えをしつこく勧められた」
「寺院に相談したところ石材店を紹介され、石材店から高額な墓を購入するよう言われ困っている」
国民生活センターには、このようなお墓のトラブル相談が数多く寄せられているそうです。
石材店も霊園も寺院もボランティアではありませんので、お墓の建て替えを勧めることはあります。しかし相場とはかけ離れた金額を提示されたり、しつこく墓を建て替えるよう勧めてくる場合は悪徳業者である可能性があります。墓相を相談するときには、相手のペースに流されてしまわないよう十分にお気を付けください。
気持ちよく墓参りができる環境を整えよう
墓相学を基にして建てたお墓のことを「吉相墓(きっそうぼ)」と呼んでいます。しかし、その吉相墓も、見る人が変われば「墓相が悪い」と判断されることもあるようです。また、墓相が良い墓でも、手入れをしなければきっと先祖は悲しむことでしょう。
大事なのは墓相ではなく、先祖を思う気持ちであり、お墓をきれいに保つことです。墓相に頼り過ぎないよう、悪徳業者に流されてしまわないよう心掛けておきましょう。
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