神道のお墓とは?仏教のお墓との違いや墓参りのマナーなどを解説

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2020/9/5

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日本には仏教だけでなく、神道を信仰されている方も多くいらっしゃいます。仏教同様に神道にもお墓はあるのですが、どういった特徴などがあるのでしょうか。今回の記事では神道のお墓について詳しく解説をしますので、ぜひ参考にしてください。

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2020/9/5

目次

神道のお墓の特徴

日本には仏教だけでなく、神道のお墓も数多く存在しています。神道のお墓はどういった特徴を持っているのでしょうか。ここでは、神道のお墓の特徴を詳しく解説します。

神道のお墓の形について

神道のお墓の形状は、仏教のお墓に似ています。仏教のお墓と同じく家名が彫られている棹石が台座の上に置かれている墓石構造となっています。仏教のお墓と神道のお墓を比べてみると、神道のお墓は装飾が少なくシンプルな仕上げになっています。

 

神式のお墓は、兜巾型のものが多くみられます。兜巾型とは、棹石の上部の4面を斜めに切り四角錐の形状に仕上げているものです。兜巾型にする理由として、天叢雲剣を模りお墓を神聖なものとしているといわれています。

神道のお墓に刻む文字について

仏教のお墓の場合ですと、棹石には戒名を刻みます。神道の場合、戒名の考えはないので棹石に戒名を刻むことはありません。ただ神道にも戒名と似た考えである、諡(おくりな)と呼ばれるものがありこちらを棹石に刻みます。

 

神道では故人の霊は守護神になると考えられており、諡は神霊としての意味があります。諡は故人の性別と亡くなった際の年齢を考慮してつけられます。例えば男性は、嬰児(稚児)、稚郎子(幼児)、朗子(少年)、彦(青年)、大人(成人)、翁(老年)という諡です。女性の場合は、嬰児(稚児)、稚郎女(幼児)、朗女(少女)、姫(青年)、刀自(成人)、媼(老年)という諡です。

 

諡は名前の後に書き、最後に命や神という尊称を付けます。例えば老年の男性の方が亡くなった場合は、「○○○○翁命」と棹石に刻まれます。仏教では戒名に位がありましたが、諡には位はありません。

 

仏教のお墓では、南無阿弥陀仏など宗派のお題目などを墓石に刻みます。神道のお墓の場合は、○○家奥津城や○○家先祖代々霊位と刻むことが一般的といわれています。奥津城は、神道のお墓を表す言葉です。

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霊標について

仏教のお墓ですと、墓誌と呼ばれる故人の戒名や享年を刻む石板が設置されていることがあります。神道のお墓の場合は墓誌ではなく、霊標と呼ばれています。霊標には故人の諡、享年、帰幽日を刻みます。

 

帰幽日とは、故人の命日のことです。神道では神々の世界を幽世と呼んでおり、故人の霊は幽世に帰ると考えられています。そのため人が亡くなることを帰幽としています。霊標に関しては必ず設置する必要はありません。一般的にはお墓に入る方の人数が増えてきた際に、霊標を設置することが多いです。

神道のお墓を建てる場所について

神道のお墓はどこにでも建てることはできません。では神道のお墓を建てる場合、どういった場所を選ぶといいのでしょうか。ここでは神道のお墓を建てる場所について解説をするので、こちらも参考にしてください。

公営霊園

各自治体が運営をしている霊園を、公営霊園と呼びます。公営霊園は宗教を問わない墓地ですので、神道のお墓を建てることができます。公営霊園は非常に人気があり抽選になる可能性が高いです。また募集期間も短いので、公営霊園を希望されている場合にはこまめに情報を確認する必要があります。

 

この他にも公営霊園が設置されている自治体に住んでいる方のみが利用できる、生前購入が不可能といった条件も設けられています。条件が多いのですが、費用が安かったり石材店の制約がないといったメリットもあります。

民営霊園

民営霊園は公営霊園のように自治体が運営しているのではなく、民間企業が運営をしている霊園です。民営霊園に関しても宗教を問わない所が多いので、神道のお墓を建てることが可能です。民営霊園は公営霊園と比較すると、費用相場が高いという特徴があります。

 

民営霊園は費用は高いものの、設備が充実していたり立地条件が良いといったメリットも多くあります。宗教法人が運営をしている場合、建てることのできるお墓の宗教や宗派が決まっていることがあります。神道のお墓を建てることができるのか、事前に確認をしておきましょう。

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神社の敷地には建てることができない

仏教のお墓の場合ですと、お寺の敷地内にお墓を建てることがあります。これに対して神道のお墓の場合は、神社の敷地内にお墓を建てることはできません。神道では故人の死は穢れであると考えられています。

 

神社は神聖な場所なので、穢れを持ち込むことができません。そのため神社の敷地内にお墓を建てることはタブーとされているのです。ちなみに神社内では葬儀を行うこともできませんので注意してください。

寺院墓地に関しては確認が必要

基本的に寺院墓地は仏教のお墓を建てるため、神道のお墓を建てることは難しいです。ただ寺院と昔からお付き合いがありどうしても神道のお墓を建てたい場合、相談をすることでお墓を建てさせてもらえることもあります。

 

寺院墓地内に神道のお墓を建てるのであれば、まず寺院の許可が必要ですので事前に相談をするようにしましょう。

神道のお墓参りに関するマナー

仏教のお墓参りと同じく、神道のお墓参りに関してもいくつかのマナーが存在しています。お墓参りの際にマナー違反をしてしまうと失礼ですので、注意しなければいけません。ここでは神道のお墓参りに関するマナーを解説するので、こちらの内容も覚えておきましょう。

お墓参りに必要な物について

神道のお墓参りでは、仏教のお墓参りと同じく掃除道具を持参します。霊園によっては掃除道具が用意されていることもあるので、事前に確認をしておくといいでしょう。神道のお墓参りでは、榊を持参するという特徴があります。

 

榊は神道の神事で使用される植物で、お墓参りの際にお墓にお供えもします。生花店やホームセンターなどで購入できるので、忘れずに持参しましょう。仏教のお墓参りでは線香を持参しますが、神道の場合は線香ではなくロウソクを持参します。神道では線香は使用しないので覚えておきましょう。

 

神道では神饌と呼ばれる、神様にお供えする食事もお墓参りの際には用意します。一般的に水、洗米、塩、御神酒が神饌としてお供えされます。地域によっては故人が生前に好きだったものをお供えすることもあるので、こちらも確認しておくといいでしょう。

 

数珠に関しては仏教で使用するものなので、神道では持参する必要はありません。

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合掌礼拝について

神道のお墓参りでは、お墓の前で合掌礼拝をします。合掌礼拝は神道の葬儀の際と同じく、二礼二拍一礼で行います。お墓の前に立ち二回お辞儀をし、二回柏手を打った後にもう一度お辞儀をしましょう。

 

忌中は音を立てるとマナー違反ですので、音を出さない偲び手で柏手を打ちます。忌明けとなる五十日祭までは、偲び手で柏手を打つので注意しましょう。

服装について

神道のお墓参りをする際の服装は、仏教と同じく明確な決まりはありません。派手な服装はお墓参りに適していないので、落ち着いた服装でお墓参りをするといいでしょう。地域によっては三年祭までは喪服を着用してお墓参りをすることもあるので、不安な場合には事前に確認をしておくといいでしょう。

神道のお墓の特徴を理解しよう

今回の記事では神道のお墓の特徴を詳しく解説していきました。お墓の形状は仏教のお墓に似ているものの、墓石に刻む文字などに違いがありました。同じ神道でも地域によって墓石に刻む文字に違いがあるので、石材店に相談をするといいでしょう。

 

神道のお墓は神社の敷地内に建てることが不可能であるという特徴もありました。基本的には宗教を問わない公営霊園や民営霊園にお墓を建てることになるので、こちらも覚えておきましょう。お墓参りをする際のマナーに関しても、仏教とは内容が異なっています。

 

神道のお墓参りをする際は事前に正しいマナーを学んで、失礼のないようにお墓参りをしてください。