【葬儀】キリスト教のお墓を建てる場合に注意すべき点を解説

公開日 : 2020/5/10

更新日 : 2020/9/5

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日本ではカトリックの信者は非常に少なく、人口の1%にも充たないと言われています。そのようなカトリックの信者も亡くなって、お墓を建てる場合には色々と成約もありますので、ヨーロッパや米国と同じようには出来ない難しさもありますので、解説します。

公開日 : 2020/5/10

更新日 : 2020/9/5

目次

日本に於けるキリスト教

日本におけるキリスト教の存在を不思議に思う方も多いかもしれません。例えば幼稚園や学校はキリスト教だったという方も珍しくは無いでしょう。でもお葬式に参列すると大半が仏教式でお坊さんがお経を上げています。

 

一方では、教会での葬儀に参列したという経験を持つ方は非常に少ないのでは無いでしょうか。日本では仏教徒は古くからの仏教の信徒、新興宗教の仏教の信徒を合わせますと、人口の99%にもなるという統計が出ています。

 

実際にはキリスト教の信者の数は人口の1%にも充たないと言われていますので、キリスト教は馴染みが無いのが普通です。日本では教育の世界だけカトリックが浸透していますが、宗教自体は仏教の国という傾向が強いと言えます。

 

そのような日本でキリスト教のお墓を建てる場合、相談する人も少なく情報が無いので困ってしまうと思います。実際に日本でキリスト教のお墓を建てる場合に何処に相談すれば良いのか、また永代供養などが出来るのかについて解説いたします。

 

キリスト教のお墓の建て方

実際にキリスト教のお墓を建てる方法を解説いたします。

キリスト教のお墓を建てる場合の制限

ヨーロッパなどでは教会があって、その横にお墓があるという風景を見たことがある方も多いかと思います。日本にも小さな教会を時々見掛けますが、その横にキリスト教の墓地があってという風景はまず見掛ける事は無いと思います。

 

日本ではお寺があると、その近くにはお墓がある事が珍しくありません。そのお墓の管理はお寺の関係で行われているのが普通です。管理をしている所にキリスト教のお墓を建てたいと相談しても大体が断られるかと思います。

 

お寺が管理する墓地の多くがそのお寺の宗派以外は認めない場合が多く、仏教や神道のお墓以外の建立を許可しない場合が多いのです。また、お寺に所属する墓地以外でも仏教や神道のお墓以外は認めないという所も多くあります。

 

日本ではキリスト教徒が少ないというだけではなく、キリスト教のお墓が墓地によってはある意味で除外されていることが、キリスト教のお墓を見掛ける事が少ない理由と言えます。キリスト教のお墓を建てる場合には、その制限の無い墓地を探さなくてはなりません。

キリスト教のお墓を建てる場合の相談

キリスト教のお墓を建てる場合、漠然と探しても大変です。一般的に見掛ける墓地を管理している所に相談しても多くが制限がある場合が多いので、相談先として確実なのはキリスト教の教会と言えます。まず所属する教会に聞いてみる事がおすすめです。

 

キリスト教には基本的にカトリックとプロテスタントになっていますが、プロテスタントの場合はその教区ごとに墓地を持っている場合が大半です。またカトリックの場合は教区で所有している墓地もありますし、納骨堂もあります。

 

キリスト教徒の場合は所属する教会と相談して、その教区が管理している墓地や納骨堂に遺骨を埋葬するというのが一般的になっていますので、まず所属する教会に相談する事が一番良いでしょう。

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キリスト教のお墓の形

キリスト教のお墓のデザインには特に決まりはありません。お墓自体を持たない場合もありますし、テレビなどで見るようなヨーロッパのお墓にあるような、十字架や聖書を模ったものまで様々な形を選ぶ事が出来ます。

石棺型

キリスト教のお墓の形の中でも代表的なデザインが「石棺型」と「焼骨型」です。映画などで故人を埋葬する場合に多いのが「石棺型」です。「石棺型」は「せっかんがた」と読みます。これは墓石自体が遺体を納める棺になっているものです。

 

この墓石の場合は、遺体を火葬しないで、防腐処置をしたうえで、そのまま埋葬します。日本では衛生上の問題で火葬が必要な場合が一般的となりますので、地方自治体への確認がまず必要です。更に霊園への確認を行わないとなりません。

 

日本でも申請をすれば自治体によっては許可が下りる場合もあるようです。ただし、石棺型は大きなスペースが必要になり、衛生上の問題から許可する墓地はごくわずかですから、故人の希望があっても叶わない場合がある事を理解をして下さい。

焼骨型

「焼骨型」は「しょうこつがた」と読みます。このお墓は一般の日本のお墓と同様に火葬した遺骨が埋葬されます。地域の風習により、骨壺で埋葬する場合と、骨壺から遺骨を出して直接土に埋める埋葬方法があります。

 

お墓の上には墓碑を建てます。その墓碑のデザインの種類は自由に選ぶ事が出来ます。形は十字架型、聖書型、石板型、家型、錨型など自由に選ぶ事が出来ますので、映画などで見るようなキリスト教のお墓の形にする事も可能です。

 

墓石の材質も同様に自由に選ぶ事が出来ます。一般的には日本のお墓のように御影石を使う事は無くて、大理石が多く使われます。また、希望によっては木を使う事も出来ますが、耐久性の問題で少ないと言えます。

墓石の墓碑銘

お墓の形が決まったら、墓石に文字を書く文字を決めます。墓石には正面の中央に十字架を書けば、それ以外の文字は自由になっています。一般的には故人の洗礼名や名前を刻み、更には故人の生年月日と亡くなった年月日を刻みます。

 

また、ヨーロッパやアメリカの墓碑のように、故人が好きだった言葉や詩の一節から聖書の言葉などを刻む場合が多いでしょう。キリスト教では故人のお墓として、その存在を明確にした形になる訳です。そこが仏教のお墓との大きな違いと言えます。

墓石の価格

キリスト教では1人に1つの個人墓を建立することが一般的ですが、お墓を建てること自体、費用が一つで150万円~300万円と非常に高額であることと、個人のお墓はまだ日本では一般的とされていないことも事実です。

 

キリスト教のお墓でも日本の慣習に従って家族で揃って1つのお墓に入る家族墓、一族墓にすることも多いの実際です。また教会が用意して管理している納骨堂に入る事で、一人のお墓としての形にする場合も増えています。

 

注意する点として、家族でも違う宗派の人同士を同じお墓に埋葬する事は避けましょう。1つのお墓に対してある時は仏式の法要を行い、ある時にはキリスト教式のミサで供養を行うことになるので、不自然な形となってしまいます。

 

カトリックの家族墓を建立する場合には、家族全員がキリスト教の信者である場合が普通です。家族の中で宗教が違うと同じ墓に入れないというのは、この事を意味しています。一つのお墓に家族で入りたい場合には家族全員が同じ宗教を選ぶ事も大切です。

遺骨の埋葬方法

キリスト教には復活の思想がありますので、火葬にしてしまうと復活する場合に肉体が無くなってしまいますので、石棺という形で埋葬するのがヨーロッパや米国では今でも行われる埋葬方法になっています。

 

しかし、日本では火葬が一般的となっていますので、それが難しい場合も多くて、特に教会が用意している納骨堂を利用する場合には火葬が前提となっています。また家族墓なども火葬して納骨するのが普通です。

 

キリスト教の教義の考え方も近年では変わり、復活も同じ肉体の形で復活するものでは無いという考え方に変化していますので、キリストの復活は象徴であって、同じでは無いという考え方に変化しています。

 

日本では特に土葬は難しく、特殊な選択となり非常に難しい事となっていますので、火葬を選択するのが近年では一般的な埋葬方法だと言えるでしょう。

キリスト教の永代供養

キリスト教のお墓は用意できて、納骨までは出来たとして永代供養はどうなるのかについて、キリスト教の永代供養について解説します。

墓地で行われる永代供養

まずキリスト教には永代供養という概念がありません。まず、キリスト教では死の概念が他の宗教と違い、「死=帰天」とされます。故人とはキリスト教では亡くなる事で神の元に帰る事になる訳です。

 

供養というのは、仏教では故人があの世で成仏して平安に暮らす事を祈る為に行われますので、キリスト教では故人はあくまでも神の元に帰って「望んでいた事が叶った」という事を意味します。

 

故人がカトリックであっても埋葬された墓地では管理する組織による永代供養は必ず行われますが、基本的に永代供養とは墓地の管理であって、供養という儀式を意味しているのとは違います。

キリスト教の供養

キリスト教では故人が亡くなってから、仏教で行われる供養に当たる礼拝やミサが行われます。これは所属する教会の牧師や神父によって行われる儀式で、その教会の管理している墓地で毎年同じ時期に行われたりします。

 

また、牧師や司祭に個別に頼んで行う事も出来ます。カトリックの教会に所属していた故人や自分の亡くなった親族であれば、牧師や司祭と事前に話をすれば、礼拝やミサの中で行って貰う事も出来ます。

 

キリスト教を受け入れる墓地に入ると、キリスト教のお墓には供養という形では無く、司祭や牧師による「法事・法要に相当する追悼式としての儀式」が行われます。これが他の宗教で行われる「供養」に相当するものと理解をして下さい。

キリスト教のお墓についてのまとめ

ここではキリスト教のお墓を建てる場合の注意点・相場・デザイン等を解説してきました。キリスト教のお墓は仏教等とは少々違いますので、建てる場合にも注意が必要ですので、細かな点も含めて理解する事が必要になるでしょう。