雪見灯篭とは?雪見灯篭の意味合いと正しい向き・置き方を解説

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2020/9/10

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雪見灯篭とは、公園が併設された墓地等で池や墓地を照らすための灯篭のことです。数ある石灯篭の中でも、高さがなく、足元を照らすような形になります。今回は、「雪見灯篭とは何か」「正しい設置方法」「値段の相場」について解説します。

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2020/9/10

目次

雪見灯篭とは

「雪見灯篭」とは、数ある石灯篭の中でも高さが低いタイプのモノを指します。公園墓地等においては、池や墓地を照らすために使われます。また、高さがないため、お参りする人の足元を照らしやすくなっています。

 

足元を照らす特性からか、池などの水際に置くのが主な用途です。水際に置くことで、水面を明るく照らすことができます。また、非常に広い墓地の場合には、水が無くても雪見灯篭が使われる場合もあります。

名前の由来は諸説ある

「雪見灯篭」という名前の由来は、実は1つではありません。主な意味としては「笠の部分に積もった雪を楽しむものだから」とされていますが、「笠の形が雪が積もったように見えるため」という説もあります。

 

そのほか、近江八景の「浮見(うきみ)」が変化して「雪見(ゆきみ)」になったともされます。

最適な石材が墓石と違う

雪見灯篭は「和の風景」に合うことから、「苔が生えた姿が美しい」とされています。そのため、石を調達する際は苔の生えやすさが1つのキーポイントになります。一方、墓石においては苔を生やすわけにはいきません。

 

このように、目的からして調達するべき石が違ってきます。雪見灯篭に最適な医師として有名なのは、島根県産の「来待石」です。「柔らかくて石灯篭への加工が容易」なうえ、「苔が生えやすい」と、石灯篭に適した条件が揃っています。

 

一方、墓石にも使われる「真壁石」等は非常に硬く、苔も生えにくいのが特徴です。石灯篭を作る際には、時間的・労力的なコストがかかります。

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雪見灯篭のサイズ

古来から存在する雪見灯篭は、長さの単位がセンチやメートルではなく、「尺」であらわされます。一尺が約30センチであり、それを元に現在のセンチに読み替えることが可能です。

 

また、尺よりも細かい数字として「寸」を用いることもあります。一寸は約3センチです。ことわざの「一寸の虫にも五分の魂」は「3センチの虫」というわけです。

 

例えば雪見灯篭の大きさが「一尺三寸」と表記された場合は、30+9センチで約39センチメートルと判断できます。

雪見灯篭の部位

雪見灯篭を構成している部位は4つです。「宝珠」「笠」「火袋」「基礎」に分けられます。普通の灯篭から、「竿」と「中台」を抜いた構成です。また、笠が通常の灯篭よりも大きいほか、足が3本になっているのも特徴的です。

 

笠の形状には「丸型」と「六角型」の2種類があります。前者のタイプが「丸雪見」、後者のタイプが「六角雪見」です。

その他の石灯篭

石灯篭は、雪見以外にも様々な形状があります。ここでは、雪見灯篭以外の石灯篭について紹介します。

 

最も一般的な「春日型」は、背が高く火袋の位置が高いタイプです。園路を照らす役割がありますが、高さがあるため地震で倒壊しやすいという問題点があります。「岬型」は雪見灯篭から足の部分を取りぞのいたもので、海岸沿いなどに設置されます。

 

その他、「キリシタン灯篭」ともいわれる「織部形灯篭」もあります。これは「つくばい(手を清めるための手水鉢)」のそばに置かれる特殊な形の灯篭です。

雪見灯篭の設置方法

雪見灯篭には正しい置き方や向きがありますが、間違って置かれていることも多いです。形状的に上下が分かりにくく、寺院に置かれている雪灯篭でも時おり逆さまに設置されているものが見つかります。

 

万が一、自宅の庭等に設置する場合は、置き方がおかしくならないように注意してください。特に「火袋」の向きが逆だと非常にアンバランスに見えます。また、正しいバランスになっていないことで、わずかな地震でも石灯篭が壊れる・崩れる可能性もあるのです。

 

ここでは、雪見灯篭の正しい置き方を紹介します。

火袋は穴がある方を上にする

もっとも上下が逆になりやすいのが、灯りをともす部分である「火袋」です。ろうそくを立てる燭台が底部分についているため、上下を間違えるとアンバランスになるばかりか、そもそも灯篭として使用できません。必ず「穴があるほうが上」になるようにします。

 

 

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「受」は面積が広い方を上にする

「受」とは、火袋を下から支える構造をした部分です。お皿のように、上を向いて火袋を支えるほうの面が広い構造になっています。そのため、もし逆にすると上手に火柱を支えられないばかりか、石灯篭が崩れる可能性もあって大変危険です。

雪見灯篭の値段

石灯篭は墓地や日本庭園で見ることができるだけでなく、通販や石材専門店等で購入することも可能です。値段はピンキリであり、輸入物は非常に安価な一方で粗悪品に当たる可能性もあります。

 

また、輸入品であれば1万円程度で買えますが、よくよく見ると造形が非常に荒いのが見て取れます。簡単に処分できるものではないため、「安さ」だけで購入を決めないことが大切です。

 

また、風情を出すためには「苔が出ている」のが重要であり、買ったばかりでは庭先の風景に溶け込まないことも覚えておかなければいけません。国産で石の産地・苔までこだわって選ぶと、購入金額が100万円を超えることもあるでしょう。

ネットで買える雪見灯篭は値段も価値もピンキリ

雪見灯篭の値段を決めるのは、まず「大きさ」です。一尺(笠が30センチ)なら1万円程度でも購入可能ですが、二尺になると5万円を超えることも珍しくありません。また、石の産地や材質によっても値段は大きく変わります。

 

ハズレを引かないための鉄則は、「実物を見て買う」こと以外はありません。専門店では時間をかけて石に苔を生やしていますが、現物を見ないことには判断ができません。とはいえ、専門店に通うのが難しい場合はネット通販で購入することも可能です。

 

苔を生えさせた状態で購入するなら、国産の雪見灯篭に限られます。苔は税関で輸入禁止となっているため、外国産の石灯篭に苔は生えていないからです。また、せっかく苔を生やすような手間をかけるなら、安価な中国産は不適当でしょう。

雪見灯篭の種類

前述した「石灯篭の種類」のほか、細かく見ていくと「雪見灯篭」自体にもいくつかの種類があります。

 

笠の形状によって「丸型」「六角型」に分けられるほか「古代型」というものもあります。「古代」とは通常の雪見灯篭よりも丸部分が太く、笠の部分にソリがない形状のことです。

雪見灯篭の概要まとめ

今回は、「雪見灯篭」の基本的な情報と正しい置き方、値段の相場について解説しました。名前や意味を理解すると、いつものお墓参りに新しい発見があります。

 

墓地で雪見灯篭を見つけた際には、どのように使われているのかを見てみるのも良いでしょう。