【葬儀】お線香代を渡す時にはどんな風に書けば良い?【法事】

公開日 : 2020/1/31

更新日 : 2020/9/10

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お葬式や法事の時には故人に対してお線香をあげる風習があります。それと同時に、ご遺族の方にはねぎらいとして金品を渡すこともあります。お葬式や法事などの時にお金を渡す時の表書きの書き方が、「線香代」です。では、「線香代」の書き方はどんな風にすれば良いのでしょうか。

公開日 : 2020/1/31

更新日 : 2020/9/10

目次

線香代とはどんなもの?

まずは線香代というものがどんなものなのかについてご説明しましょう。また、線香代は誰に渡せば良いのか、いつ渡せば良いのかについても簡単に解説しています。

線香代とは?

日本の元々の風習では、お葬式の際にはお線香をもって弔問に行くことが習わしでした。しかし、時代が変化するにつれて、直接お線香を持っていくのではなく、お金をもってお葬式に参列するということが増えてきました。線香代というのは、ご遺族の方にお金をお渡しする際に、そののし袋の表書きに書いておく言葉です

 

のし袋の表書きに書く言葉としては、「線香代」の他にも「御霊前」や「御仏前」、「御香典」といったものがあります。「御霊前」を除くと皆仏教の習慣に基づいた言葉なので、他の宗教のお葬式で用いられることはありません。「線香代」についても同様で、仏式の葬儀や法事に招かれた場合にのみ使って良い言葉となっています。

四十九日のお線香代

お葬式に招かれた場合には、弔問金は一般的に他の法事よりも高くなることが通例です。それに対して、四十九日の法要などの時にご遺族にお渡しするお金については、それよりも少なくなっています。そのため、「御霊前」や「御仏前」ではなく「線香代」「御線香代」と書く場合も多いです。

 

なお、四十九日の法要というのは仏教の考え方では節目になる日にちです。浄土真宗などの浄土宗系の宗派を除けば、故人は四十九日の法要の際にほんとうに仏様になるのだとされています。ご遺族の方にお渡しするお金の表書きは「線香代」や「御仏前」でも良いのですが、「御霊前」と書くことはないので、その点には注意しておいてください。

回忌法要のお線香代

回忌法要というのは、一回忌や三回忌、七回忌など、故人の命日に行われる法事のことです。仏教ではこの回忌法要も重要な祭事の一つとなっています。三回忌や七回忌などはしめやかに行われることが多いですが、一回忌については比較的大きな規模で行われます。

 

一回忌が行われる場合、親戚や友人などに招待状が届くこともあるので、線香代を持参して参列するようにしましょう。お葬式に比べると線香代として包む金額は少なくなっています。だいたい、一回忌の場合であればお葬式の際に包んだお金の半分程度になります。

お墓参りのお線香代

その人の一家や一族が仏教の信者である場合、お彼岸の日や月命日などにお墓参りをすることはよくあることです。では、お墓参りの時にも線香代は持参すべきなのでしょうか。答えとしては、線香代は必要ないということになります。

 

しかし、お墓参りの習慣は地域によって異なるため、線香代が必要となる場合もあります。親戚一同が集まって会食などを開く場合には、心付けとして線香代を包んで持っていっても良いでしょう。ただし、故人に対して直接お金を捧げるお葬式の場合とはやや意味合いが異なるので、その点には注意してください。

お盆のお線香代

お盆の場合もお彼岸の日や月命日と同様、基本的に線香代を持っていく必要はありません。しかし、故人が四十九日を過ぎてから初めて迎えるお盆である新盆では違っています。新盆というのは、故人が仏様になって初めてこの世に魂が帰ってくる日だとされているからです。

 

地域によっては新盆を盛大に祝う場合があります。この場合、会食などが催されることが多いので、その際には線香代を持っていくようにしましょう。金額に関しては、会食や贈答品に見合った値段にしておくと良いと思います。その金額は高くても5000円~1万円程度です。

線香代は誰に渡す?

線香代は基本的に故人の喪主の方にお渡しします。喪主は通常、配偶者や長男・長女などが務めることが多いので、線香代はこうした人たちにお渡しするわけです。しかし、線香代が誰のものかと言えば、それは故人に捧げられたものだと言うことができます。

 

というのは、先にご説明したように線香代というのは故人に捧げるお線香の代わりにするお金だからです。ご遺族の方にお線香を買ってもらい、自分の代わりに故人にお線香をあげてもらう、というのが元々の意味です。つまり、誰に渡すかと誰のための線香代なのか、ということは違っているわけです。

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線香代はいつ渡す?

線香代は基本的に喪主の方にお渡しするものなので、喪主と最初に会ったタイミングでお渡しするのがベストです。しかし、喪主の方が挨拶などで忙しくしている場合には、喪主の家族などにお渡しするようにしても良いでしょう。ですが、やはり線香代をお渡しするときには出来るだけ喪主と会って話ができたときにお渡しするようにしてください。

 

ただし、お葬式の場合は例外です。お葬式には法事とは違いたくさんの方が招かれているため、喪主にはなかなかご挨拶ができないことも多いです。こうした場合には、お葬式の受付を行っている受付係の人に渡すようにしましょう。お葬式では、受付係の人に線香代をお渡ししても失礼には当たりません。

線香代の書き方

線香代をお渡しするときに、お金をそのままお渡しするということはありません。これは相手方に対して失礼に当たると言って良いでしょう。通常は「不祝儀袋(ぶしゅうぎぶくろ)」と呼ばれるものに入れて渡すことになるのですが、この表書きなどはどのように書けば良いのでしょうか。

線香代は何で書けば良い?

線香代を書く場合には、基本的には墨と筆で書きます。ですが、現在では筆や墨を持っていないという人も多いため、筆ペンで代用してしまってもOKです。線香代の表書きを筆ペンで書いても、相手方に対して失礼には当たりません。

 

しかし、線香代を書く場合には使う墨の種類がお葬式の当日までとそれ以降とで異なっています。お葬式の当日までは、薄墨と筆、または薄墨の筆ペンを用います。また、お葬式の日以降の法事や法要の際には、普通の墨を用いることになっています。

表書きの書き方

線香代の表書きは、参列する祭儀の種類によって違いがあります。まずお葬式の際には死者の魂はまだこの世にとどまっていると考えられているため、「御霊前」と書くことが最も一般的です。しかし、浄土宗系の宗派では故人は亡くなると同時に仏様になると考えられているため、「御仏前」と書きます。

 

その他の書き方としては、「香典」「御香典」「線香代」「御線香代」といったものがあります。「御霊前」と「御仏前」の違いさえ間違えなければ、それほど心配することはないと言って良いでしょう。ただし、四十九日の法要を過ぎた後は、すべての宗派で個人は仏様になっていると考えられるため、「御霊前」ではなく「御仏前」と書くようにします。

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中袋の書き方

次に中袋の書き方ですが、中袋には不祝儀袋に入れたお金の金額と、住所氏名を書きます。これは、ご遺族のほうでも線香代のお返しとして挨拶状や香典返しなどを送ってくるためです。お葬式の場合には、自分の住所と氏名は芳名帳にも書きますが、中袋の裏面にも自分の住所氏名を正確に書くようにしてください。

 

中袋の表側には、中に入れたお金の金額を書きます。この時、金額については基本的に旧字体の漢数字で書くということを覚えておいてください。旧字体の漢数字というのは、いわゆる「大字(おおじ)」と呼ばれるもので、「圓」や「阡」、「萬」といった字になります。

裏面の書き方

通常使用する不祝儀袋は外袋と中袋の二重になっています。中袋の裏面については、上の節で書いたように自分の住所氏名を書くのですが、外袋の裏面には通常何も書きません。

 

しかし、地域によっては中袋を使用しない所もあります。こうした場合には、線香代の金額と住所氏名を外袋の裏面に書くようにしてください。基本的な書き方としては、不祝儀袋の裏面の右下の部分に線香代の金額を、左下の部分に自分の住所氏名を書くことになります。

名前の書き方

外袋の表書きに名前を書く時の書き方ですが、必ずフルネームを書くようにします。実際に名前を書くのは水引の下の部分になります。この時、マナーとして苗字や名前の漢字の大きさが等しくなるように、丁寧な書き方をするようにしてください。

 

線香代はお葬式や法事に参加する一人一人が持ち寄ることが原則なのですが、場合によっては連名で線香代を贈りたいと考える場合もあると思います。例えば、夫婦の連名の場合や、友人の連名、職場の同僚の連名といった場合です。この時、不祝儀袋の表書きには3名までの連名が可能になっています。

 

それ以上の人数になる場合には、別紙を用意してそこに全員の住所と氏名を書くようにしてください。なお、連名で不祝儀袋を書く時には、一番左側に夫や年長者の名前を、その右側に妻や子、年少者の名前を書くようにします。職場の仲間の連名で書く場合には、責任者の名前を一番右側にし、その隣には年の順で名前を書いていくようにすると良いでしょう。

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金額の書き方

金額の書き方についてはすでに触れましたが、旧字体の漢数字で書くことが原則です。しかし、旧字体の漢数字が分からない、字があまりうまくないので崩れた字になってしまいそう。そんな場合には新字体の漢数字で書いても問題ありません。

 

金額の書き方の一例を挙げると、次のようになっています。なお、金額の頭には「金」の字をつけます。金額の末尾には「也」という字をつけますが、これはつけなくてもかまいません。

 

3000円……「三千円」「参阡円」「参仟円」「参阡圓」「参仟圓」

5000円……「五千円」「伍阡円」「伍仟円」「伍阡圓」「伍仟圓」

7000円……「七千円」「七阡円」「七仟円」「七阡圓」「七仟圓」

10000円……「一万円」「壱萬円」「壱萬圓」

30000円……「三万円」「参萬円」「参萬圓」

100000円……「拾万円」「拾萬円」「拾萬圓」

水引はどうすれば良い?

水引きについては通常銀色のものか黒色と白色のものを使うようにします。地域によっては、黄色と白色の水引きを使う場合もあるようです。水引の色は、中に入れたお金の金額につりあうようにしてください。だいたい、3万円以上を包む場合には銀色の水引きを、それ以下の場合には黒色と白色の水引きを用いるのが良いとされています。

 

水引きは不祝儀袋に印刷されている場合もありますが、これでも問題ありません。水引が封筒と別になっている場合には、ほどけにくいようにあわじ結びや結びきりで結ぶようにしてください。

線香代の包み方

では、線香代を包む場合にはどのような包み方をすれば良いのでしょうか。お金の入れ方などに関してもこちらでご説明しています。

線香代はどんな風に包む?

繰り返しになりますが、不祝儀袋には外袋と中袋の二つがあります。お金を入れるのは、このうちの中袋のほうです。そして、さらに中袋を外袋に入れるようします。

 

実際に線香代をお渡しするときには、あらかじめ袱紗(ふくさ)というものに包んでおくのがマナーだとされています。袱紗というのはハンカチくらいのサイズの薄い布のことです。この袱紗については相手には渡さずに、自分で持って帰ります。

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線香代のお金の入れ方

次に線香代のお金の入れ方ですが、中袋を開けた時にお札の表面が見えるようにしましょう。要するに、中袋とお札の表面が合うようにしておけば良いわけです。ご存じの方も多いと思いますが、1000円札や5000円札、1万円札の表側は肖像画が描かれているほう、2000円札の表側は守礼門が描かれているほうになります。

 

また、線香代として包むお金についても決まりがあります。それは新札を使ってはいけないという点です。これは線香代に新札を使うと新たな不幸を招いてしまうという迷信があるためで、線香代にはなるべく綺麗な旧札を使うか、新札に折り目を入れて包むようにしてください。

線香代の金額の目安は?

線香代の金額の目安は、故人との関係によって異なってきますが、おおよその目安というものはあります。20代の人であればだいたい3000円~5000円くらい。30代以降の人であれば1万円~3万円くらい。親族の場合であれば、5000円~3万円くらいとなっています。

 

故人とはあまり親しくないご近所の人であれば、だいたい3000円~5000円くらいを包めば良いでしょう。また、ご遺族の方たちが家族葬や密葬を望んでいて、葬儀への参列を希望していない場合には、線香代を用意する必要はありません。無理して線香代を贈ると、ご遺族の方に無用な負担をかけてしまう場合もあるので注意してください。

線香代を書く時の注意点とポイント

では、線香代を書く時にはどんな点に注意しなくてはいけないのでしょうか。また、線香代を書く時のポイントについてもこちらでご説明しています。

線香代を書くときの注意点

線香代を書く時の注意点としては、まずお葬式の時に渡すのか、それ以外の時に渡すのかによって表書きが異なってくるという点が挙げられます。これを間違えてしまうと、故人やご遺族の方に対して失礼に当たってしまうので気を付けてください。表書きに「お線香代」と書く分には問題ありませんが、「御霊前」と「御仏前」の違いにはとくに注意するようにしてください。

 

お葬式の当日までは薄墨を使わなくてはいけないというのも注意点の一つです。筆用の薄墨や薄墨の筆ペンは文房具店やインターネット通販などで販売されていますから、一そろいくらいは揃えておいても良いかもしれません。なお、薄墨を使うのには「急なことで墨をする時間がなかった」「涙で墨が薄くなってしまった」という意味合いがあります。

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線香代を書く時のポイント

線香代を書く時にポイントとなるのは、何よりも心をこめて書くということです。もし、悪筆で表書きなどがうまく書けない場合には家族のなかで字のうまい人に代筆を頼んでも良いでしょう。線香代の表書きなどを書く際に、代筆してもらうことはマナー違反にはならないので安心してください。

 

また、住所氏名などは正確に書くようにしましょう。お葬式の場合であればご遺族の方から香典返しが贈られてきますし、法事などの場合にはお礼状が届くこともあります。ご遺族の方も芳名帳などでチェックしているとは思いますが、法事や法要などの際にはそうも行きません。香典返しや御礼状などが届かないようなことがないよう、正確な記載を心がけるようにしましょう。

線香代の渡し方

では、線香代の渡し方についてはどうなっているのでしょうか。線香代をお渡しする時には、上でご説明したように袱紗に包んで渡すというルールがあります。それ以外の決まりごとなどはあるのでしょうか。

線香代はどんなタイミングで渡す?

線香代を渡すタイミングについては、お通夜やお葬式、法事の際などで異なってきます。お葬式の香典として線香代をお渡しする場合には、お通夜とお葬式のどちらで渡してもかまいません。お通夜の際に喪主の方に直接ご挨拶ができればその時にお渡ししても良いですし、お葬式の当日に受付係の人に渡してもかまいません。

 

それにくらべると、四十九日の法要や回忌法要などは小規模になることが多いですから、やはり喪主の方に会った時に直接お渡しするようにすると良いでしょう。また、どうしてもお葬式に出席できない場合には、郵送で線香代を送ることも可能です。その場合、お葬式の日から一カ月程度を目安にして線香代が届くようにしてください。

ご遺族に対するねぎらいの言葉を忘れずに

とくにお葬式やお通夜の際には、ご遺族の方も心労が重なっています。ですから、線香代をお渡しする際にはご遺族の方に対してねぎらいの言葉をかけることも忘れないようにしてください。

 

具体的な例としては、「今回は大変ご愁傷様でした」「ご苦労が重なっていることと思いますが、くれぐれもお気を落とさないようにしてください」「あなた様もご自愛ください」といったねぎらいの言葉があります。言葉一つで相手の印象は変わってきますし、お葬式への参列もスムーズに済ませることができます。

線香代はお線香の代わりに故人に捧げるお金のこと

線香代というのは、亡くなった方にお金をお贈りする際に使う表書きの一つです。とくに、相手の宗派が分からないような場合には、「御霊前」か「御仏前」かで悩むこともあるでしょう。そうした場合には「線香代」「御線香代」といった書き方があることを覚えておくと便利です。