新盆法要の香典の作法と金額の相場についてわかりやすく解説

公開日 : 2021/3/22

更新日 : 2021/3/22

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新盆法要は四十九日の忌明けを過ぎてから迎える、初めてのお盆に行う儀式です。新盆法要に招かれた方々は、基本的に香典の持参が必要です。新盆法要の香典袋等の書き方には、葬儀の際の香典とやや違う作法があります。今回は新盆法要の香典の作法・金額相場について解説します。

公開日 : 2021/3/22

更新日 : 2021/3/22

目次

新盆法要の香典について

故人の新盆法要に招待される親類縁者、ご友人・知人の皆さんもおられることでしょう。現在では、法要の多くは親族だけで執り行うケースが増えました。しかし、多くの参列者から供養してもらいたいと願うご遺族もいます。

 

こちらでは、まず新盆法要とはどんな儀式なのかについて説明します。また、新盆法要の香典の作法や金額は、その他の法要と異なるのかという点についても解説します。

新盆法要とは

新盆は「にいぼん」または「しんぼん」と読み、故人の四十九日の忌明けを過ぎてから迎える初めてのお盆を指します。また、地域によっては初盆とも呼ばれます。

 

四十九日の忌明けを過ぎてから迎える初めてのお盆なので、四十九日以内にお盆を迎えるならば、その翌年が新盆に当たります。新盆の時期は地域によって異なるものの、一般的に8月13日~16日までです。ただし、東京や神奈川等の一部地域では7月13日~16日行うこともあります。

 

新盆法要は文字通り、新盆に行われる法要です。この法要では親族や故人のご友人・知人を呼び、僧侶を招いて法要、その後で遺族・僧侶・参列者が会食等をするのが一般的でした。ただし、現在では遺族だけで質素に行うことが主流となっています。

葬儀や一周忌と初盆(新盆)の香典の作法や金額は異なる?

新盆法要に招待された場合も「香典」は基本的に必要です。ただし、遺族側が事前に法要の案内状で、香典は受け取らない旨を明示していることもあります。その際は無理に持参しないのがマナーです。

 

通夜・葬儀の場合の香典と、新盆法要や一周忌法要の香典とは、その作法・金額相場が異なる場合もあります。通夜・葬儀の香典は故人の訃報を聞いて大慌てで参列した、という驚きと悲しみを香典で表さなければいけません。

 

一方、新盆や一周忌をはじめとした各法要は、日程を事前に定め執り行われるので、専ら故人を悼み、供養する気持ちを表します。これらのケースごとの作法や金額の違いについては後述します。

新盆法要の香典の作法について

故人の葬儀・告別式から時間は経っていますが、新盆法要に参列する場合は基本的に香典が必要ですし、そのための作法は守らなければいけません。こちらでは新盆法要の香典袋の選び方、新盆法要の香典袋の書き方について解説します。

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新盆法要の香典袋の選び方

香典を入れる袋はもちろん「不祝儀袋」を準備します。不祝儀袋は文房具店の他にコンビニエンスストア・100円ショップ等で購入できます。どこでも手軽に購入できるので、不祝儀袋が見つからないということはまず無いでしょう。

 

仏式で香典を入れるのは無地の不祝儀袋で、中袋はついていても・いなくても構いません。新盆法要のときも葬儀の場合と同様、結び切りの水引のついている不祝儀袋が必要です。この水引の色は白、双銀、紫銀、黄白等を使用します。

新盆法要の香典袋には薄墨で記入するべき?

香典袋には墨の濃さも薄墨でなく「濃い墨」で記入しましょう。薄墨の使用は、お通夜または葬儀に参列した場合なら正しいマナーです。

 

この薄墨の意味は「予想外の訃報で大慌てで駆けつける必要があった」、「悲しみの涙で墨が薄まった」ことを表す作法です。

 

一方、新盆法要ならば事前に開催日がわかっています。そのため、わかりやすく丁寧に書くことを重視するべきです。新盆法要の場合、濃墨の毛筆または筆ペンで書きましょう。

新盆法要の香典袋の書き方

新盆法要にふさわしい香典袋を見つけたら、表書きや中袋へ香典に関する記入、氏名や金額を書いていきます。丁寧に記入することはもちろんですが、書き方にも正しい作法があります。

香典袋の表書きの記入方法

香典袋の表書きの真ん中から上には「御仏前」または「御佛前」と記入します。どちらでも構いません。一方、御霊前の場合は、浄土真宗以外ならば四十九日法要までの書き方となっています。最近ならあまり気にする方々は多くないものの、新盆法要に適した記入の方が無難です。

 

その下半分には香典を渡す側の名前をフルネームで記入します。ご夫婦連名で渡す場合、夫の名前をフルネームで記入し、名前部分の左側に妻の名前のみを書きます。

 

その他、故人の友人や会社の同僚等が連名で渡すなら、3名まで記入し目上の人の名前を右側から順に並べます。4名以上なら別紙に全員の名前を記入し、香典袋に入れましょう。

香典袋の中袋の記入

中袋には氏名・香典の金額を書きます。香典袋の表書きと同様、毛筆または筆ペンを使用した方が良いでしょう。ただし、ペンを使用してもマナー違反とまでは言えません。ペンを使用するなら必ず黒色を用意します。

 

中袋の表に香典金額を記入します。金額の書き方は独特なので後述します。一方、中袋の裏側左下には住所・名前を縦書きで記入しましょう。郵便番号も忘れずに書いておくのが丁寧です。中袋を使用しない場合、香典袋の裏側左下に氏名・住所・金額を記入します。

香典袋の金額の書き方は独特

中袋の表に香典の金額を明記します。漢数字を用い縦書きで記入しましょう。なお、漢数字は旧字体を用い、金額の頭に「金」を付けます。

 

例えば

 

  • 香典金額1万円→「金壱万圓」
  • 香典金額3万円→「金参万圓」
  • 香典金額5万円→「金伍万圓」

 

と縦書きします。5万円以上なら漢数字が旧字体でなくても、マナー違反とは言えません。なお、円もやはり旧字体の「圓」で書く方が丁寧です。

新盆法要の香典金額の相場について

香典は遺族へ渡すお金ですが、故人とどのような関係にあったかによって金額はそれぞれ異なります。故人の親友であった人でも、数十万円もの高額な香典を渡せば遺族が恐縮してしまうことでしょう。

 

一方、故人の親族にもかかわらず少額の香典しか渡さない場合は、遺族は首をかしげるかもしれません。こちらでは、故人の子・孫・兄弟など親族が渡す香典金額、故人の友人・知人が渡す金額相場、それぞれの目安について解説します。

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故人がご自分にとって親や祖父母など親族の場合

故人がご自分にとってどんな存在だったかはもちろん、香典を渡すご自分の年齢でも香典金額の相場は違います。下表でご自分が渡す香典金額の相場を確認してみましょう。

 

年齢/故人 祖父母 兄弟姉妹 おじ・おば
20代 1万円~5万円 3,000円~1万円  1万円~3万円 3,000円~1万円
30代 1万円~5万円 3,000円~3万円  1万円~3万円 5,000円~2万円
40代 1万円~10万円 3,000円~3万円  1万円~5万円 5,000円~3万円
50代 1万円~10万円 5,000円~3万円  1万円~5万円 5,000円~5万円

 

相場としては表示した香典金額を用意するのが無難です。とはいえ、必ず上記の金額を用意しなければならないわけではありません。

 

例えば、ご自分が20代の学生なら、親族に香典を用意しても「自分でこのお金は大切に使いなさい。」と、香典を拒否されることもあるでしょう。

 

ご自分が社会人かどうか、ご自分の年齢、故人と親しかった等いろいろなケースを考え、柔軟に香典を用意するべきです。また、地域によって独特な香典金額の取り決めがあるかもしれません。このような場合は、地域の風習に従うことが大切です。

故人の友人・知人の場合

初盆の法要・法事は最近では家族だけの場合も多くなりましたが、親戚やご友人・知人・ご近所さん達も招いて行われることがあります。

 

故人と血縁関係はないため、金額相場は2千円円~1万円程度が妥当でしょう。また、故人と親友であった場合は、もう少し多めに包んでも構いません。なお、会食も予定されているなら、香典金額へ更に上乗せした方が無難です。

新盆法要の香典のためのお金について

香典袋(不祝儀袋)を準備し香典金額も用意したらこれで完了というわけではありません。お金を香典袋へ入れる場合にも作法があります。こちらでは、新盆法要の香典にも旧札が必要か、香典の入れ方について解説します。

新盆法要の香典は旧札を準備?

お通夜・葬儀の香典の場合は「旧札」を入れるのがマナーです。なぜなら新札を入れてしまうと、亡くなることを事前に予想し、香典を用意していたと遺族から思われてしまうからです。

 

一方、初盆の場合は、葬儀や告別式からしばらく経っており、初盆を執り行うことは事前にわかるため、準備をする時間があります。つまり、初盆へ参加する際は、香典に新札を使用しても構いません。現在では新札でも旧札でも気にしないことが多くなりました。

 

ただし、初盆は故人の供養のために行われ、お祝いの儀式ではありません。新札を使用すると、従来からの風習を重んじる遺族ならば、やはり不快に思ってしまうこともあるようです。

 

ご遺族の皆さんの気持ちに配慮するなら、初盆の時も状態の良い旧札を使用するか、新札を一度折って香典袋へ入れた方が良いでしょう。

 

その他、香典を入れる際、4千円・4万円・9千円・9万円といった金額は「4=死」「9=苦」を連想させ縁起が悪いです。「死」や「苦」を思い浮かべるような金額は避けましょう。

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新盆法要の香典の入れ方にも注意

初盆の香典を用意する場合、香典袋へ入れるお札の向きも注意が必要です。お札は肖像画が描かれている面が表です。一方、肖像画が描かれていない面が裏です。

 

お札の向きに関しては、さほど厳密な決まりがありません。ただし、一般的には香典を遺族が表から開ける場合、お札の表面が裏を向いている(肖像画の面が裏になる)よう入れるのがマナーと言われています。表に向けてしまうとお祝い事の作法となってしまいます。

 

また、お札の向きがバラバラではやはりマナー違反です。香典袋にお札を入れる際には、必ず向きを揃えて入れましょう。もちろん、お札の上下もしっかり揃えます。

その他の新盆法要の香典に関する作法について

新盆法要・法事の日が来て会場へ向かう際、香典袋を握りしめて参列するのはもちろん、香典袋のままカバンやバッグに入れ持参するのはマナー違反です。香典を持参し遺族等へ渡す方法にも作法があります。

 

こちらでは香典を遺族に渡す正しい方法、そして持参以外の香典の渡し方について解説します。

香典を遺族に渡す場合も作法がある

持参する際は香典袋を「袱紗」へ包みます。この袱紗とは香典等が入った金封を包む布のことです。香典を包む場合、袱紗の色は紫の他、紺、緑、灰色などの寒色系を持参しましょう。

 

施主や喪主、受付があればその係の人へ直接渡す際、袱紗を静かに広げ、香典をゆっくり取り出します。相手から見て正面となるよう香典の向きをかえ、「心ばかりですが、仏前にお供え下さいませ。」と言葉をかけ、両手を添えて差し出します。

 

その他、仏壇に供える方法もあります。その際には遺族が見守る中、仏壇に手を合わせるとき、持参したお供え物と一緒に仏壇前へ置きましょう。なお、いきなり仏壇に置くだけではマナー違反です。

香典の郵送はマナー違反か

新盆の法要・法事へ招待された際、何らかの理由で参列が困難な人もいることでしょう。「参列しないので香典を渡す必要はない。」と思われるかもしれません。しかし、これはマナー違反です。

 

この場合は、後日、遺族の自宅等を訪問して渡すか、郵送で送付しましょう。郵送の場合はお金を香典袋へ入れ、現金書留を利用し送付します。

 

送る際は、欠席の理由、お詫びを記入した手紙も同封するのが丁寧です。新盆の前日までに到着するよう送ることが大切です。

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香典のお返しの内容や金額相場

新盆では香典を受け取った側が、法要後に参列してもらった方々へ食事をふるまい、引き出物(返礼品)も渡します。なお、引き出物(返礼品)は千円~5千円程度の品を準備します。

 

その他、香典を受け取った側は「香典返し」をするのがマナーです。香典返しの金額相場としては、引き出物(返礼品)の額を差し引き、頂いた香典等の1/3~1/2程度になるよう調整します。送る時期は、初盆から遅くとも2週間までに相手方へ届くよう手配することが大切です。

 

香典を頂いた遺族としては、香典返しの品をどうすれば良いか迷うかもしれません。この場合は、いわゆる「消え物」として食べ物や石鹸・洗剤等がベストです。もちろん、タオル・ハンカチも無難です。香典返しの品は次のような物を検討してみましょう。

 

  • 水ようかん、ゼリー、素麺:夏なので涼やかな消え物。
  • せんべい、クッキー等:夏でも日持ちする消え物。
  • 洗剤、せっけん:消え物。
  • タオル、ハンカチ
  • カタログギフト

 

以上が最適な香典返しの品と言えます。特にカタログギフトは、受け取った相手方が自由に選べるので喜ばれるはずです。

新盆法要の香典は故人への尊敬・供養を表す風習

新盆法要の香典は故人への敬意や供養をあらわす風習の一つです。しかし、ご遺族の中には案内状で「香典辞退」を明記している場合もあります。

 

その際、新盆の会場へ香典を持参し無理に遺族へ渡すのはマナー違反です。参列者の中には香典を受け取らない遺族へ、不快感を示す人がいるかもしれません。

 

しかし、香典辞退は生前の故人の遺志であったり、ご家族の考え方であったりします。故人をわだかまりなく供養するためにも、その考え方を尊重することが大切です。