お盆のお供え用ののしはどうする?香典やのしの書き方を徹底解説

公開日 : 2021/3/30

更新日 : 2024/2/6

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お盆の法要には親族以外にも、故人のご友人・知人を呼び、僧侶を招いて読経してもらうことがあります。その際、持参するお供え物には熨斗(のし)つけるなど色々な作法があります。今回はお盆の法要の際、お供え物等へ使用する熨斗の選び方や注意点等を解説します。

公開日 : 2021/3/30

更新日 : 2024/2/6

目次

お盆の法要に必要な熨斗(のし)について

お盆では、親族の法要に招かれる場合も多いでしょう。招かれた場合には、香典やお供え物を正しい作法に則って持参したいものです。まずお盆とはどのような時期なのか、初盆は特別なお盆なのかについて解説します。

お盆とはどのような時期を指すのか

お盆とは毎年7月または8月の13日~16日にかけて、先祖を供養する時期のことです。このお盆の時期に先祖の霊が我々の生きている世界へ戻り、子孫である我々と共に過ごすと言い伝えられています。

 

お盆では極楽浄土から里帰りしている先祖の方々を迎え、手厚く供養するのが古くからの慣習です。実家へ帰り家族みんなで仏壇やお墓を訪問し、手を合わせる方々も多いはずです。

 

この仏壇で拝むとき、お墓へ向かう際に欠かせないのがお供え物です。お供え物としてお花、線香、食べ物等を捧げることが多いです。お盆の時期に、のしが掛けられた品を持参してお供えするという方々もいます。

 

しかし、現在では故人の葬儀すらとても簡素化される傾向にあり、毎年お盆で儀式を執り行うことも省略している場合が多くなっています。

初盆は特別なお盆?

初盆は新盆とも言われ、故人の四十九日の忌明けを過ぎてから迎える初めてのお盆です。その意味では故人・遺族にとって特別なお盆とも言えます。

 

なお、四十九日以内にお盆を迎える場合、その翌年が初盆(新盆)に当たります。初盆は故人にも遺族にも特別なお盆なので、お盆の法要では親族の他に故人の友人・知人を呼び、僧侶を招いて読経してもらいます。

 

その後、遺族・僧侶・参列者が会食等をすることも以前はよく行われていました。現在では、遺族だけで質素に初盆を迎えることが主流となっています。

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香典やお供え物は単なるお金の贈与や手土産・贈り物ではない

故人の遺族の中には、香典やお供え物をお盆の法要に持参する方々へ「故人が逝ってから、それなりに時間が経っているし、あまり畏まらないでほしい。」という人もいることでしょう。

 

しかし、故人の供養のために参列者は法要へ参列します。香典は単なる現金の贈与ではなく、またお供え物は単なる手土産でもありません。あの世から戻ってくれた故人への捧げものとして、従来からの作法に則り香典やお供え物を持参しましょう。

 

遺族側が参列者へ負担をかけたくなければ「香典・お供え物は辞退」と、案内状へ明記しましょう。

お供え物の金額相場は?

お供え物の金額の相場としては、3千円~5千円が一般的です。ただし、故人との関係性や年齢、地域によって差がありますので、わからない場合は親戚や周りの人の話を聞いて参考にしましょう。

お盆で使用する熨斗(のし)と水引の選び方について

「お盆の法要では故人の生前に好きだったお菓子や、果物を供えたい。」と、お供え物を持参する人も多いことでしょう。故人を供養するためのお供え物である以上、作法に則って準備する必要があります。こちらでは、熨斗(のし)と水引の選び方について解説します。

どんなのし紙を選ぶべきか

お盆にお菓子等を持参する場合、包装した上でのし紙を付けます。お供え物を購入したお店で弔事用と申し出れば、「弔事用のし紙(掛け紙)」を用意してくれるところが多いです。弔事にのしを使用する場合は、のしの印刷が無い紙を使います。

 

のし紙だけを購入する場合は、ホームセンターや文房具店でも購入できます。またネット販売も行われています。自宅で弔事用のし紙が見当たらないなら、のし紙を売っているお店へ来店したり、ネットで購入したりして準備しましょう。

 

自分の実家の法要の場合、のし紙を付けなくても家族から不満は出ないかもしれません。しかし、配偶者の家族のお盆に出席する場合は、失礼のないよう作法に則る必要があります。

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水引きの色は地域によって異なる

のし紙の他に「水引」も付けます。この水引の結い方は「結び切り」が基本です。色は一般的に「黒白」ですが、地域によって、お盆をはじめとした法要に黒白の水引を嫌うところもあります。こちらでは、地域ごとに相応しい水引の色を解説します。

黒白の水引きを使用する地域

お盆をはじめとした法要の際、黒白の水引を使用する地域は非常に多く、関西や北陸・中国地方の一部以外のほとんどの地域で使用されます。

 

水引の色を何色にすればよいか迷う時は、黒白の水引を使用した方が無難です。なお、香典をのし(不祝儀用)袋に入れるに1万円~3万円を包んだ場合には、黒白より双銀の水引を使うのが正しい作法と言えます。

黄白の水引きを使用する地域

関西や北陸・中国地方の一部では「黄白」の水引が使用されます。特に関西では、お盆をはじめとした法要時に黒白の水引を嫌う傾向があります。

 

ただし、通夜・葬儀の場合にはやはり黒白の水引を使用します。関西等の場合、葬儀と法要時の水引の色が異なるため注意しましょう。

 

こちらの場合も、香典をのし(不祝儀用)袋に入れる際、1万円~3万円を包んだときには、黄白より双銀の水引を使うのが正しい作法です。

水引きの注意点

お盆に使用するのしは、日本全国でいずれの場合も弔事用です。慶事で使うのしを使用するのはマナー違反になるため、注意しましょう。自分の家族であっても、最低限のマナーを守ってのしを使うようにしてください。

 

しかし、お盆用に使うのしで紅白の水引を使用して良い場合があります。これは故人の家族に対してではなく、寺院へあいさつしてお参りする際、持参する手土産・お布施がある場合です。御仏にお菓子・果物等をお供えする場合、喜びの心を表すことが大切とされています。

お盆の法要に持参する香典・お供え物の熨斗(のし)の書き方

弔事で使用するのしが手に入ったら、表書きを記入します。表書きにも作法があり、それを守って正しく記入しましょう。こちらでは各宗教によって異なる表書き、表書きの正しい書き方を解説します。

表書きは各宗教によって異なる

お盆の法要の時には、ほとんどの仏教で既に故人は成仏しているとされています。そのため、葬儀に遺族へ渡す香典・お供え物の表書きとして記入する「御霊前」は使用しません。なお、宗教宗派で香典・お供え物の表書きが異なります。

香典の表書き

仏教の場合、初盆法要では香典を用意することが多いです。初盆のとき香典袋の表書きには「御香典」「御仏前」「御佛前」などと記入します。また、毎年のお盆用のお供えに現金を包む場合は、「御供物料」と記入しても構いません。

 

その他、新たに盆提灯を購入するためのお金を贈るならば「御提灯代」も使われます。一方、神道の場合は初盆に香典を持っていく際、「御玉串料」または「御神前」と表書きを記入します。あくまで、香典は神様への捧げものとされます。

 

一方お盆は日本の風習であるため、キリスト教で特別な儀式が執り行われることはまずありません。ただし、日本に根差した風習である以上、キリスト教を信じていても家族が集まることはあるでしょう。その際、お金を渡す場合は「御花料」と記入した方が良いです。

お供え物の表書き

お盆にお菓子類のようなお供え物を贈る場合、表書きは「御供」または「御供物」と記入します。仏教・神道ともに「御供」や「御供物」の記入で問題はありません。

 

その他、仏教の場合は「御仏前」または「御佛前」でも構いません。神式ならば「御神前」「奉献」「奉納」といった表書きも使われます。

表書きの正しい書き方とは

どのような文字を書けば良いのかはわかりましたが、表書きは丁寧に見栄えもよく記入したいものです。表書き記入する正しい場所、墨の濃さについて解説します。

水引きの上半分は「御香典」「御供」

香典やお供え物を渡す場合、いずれも水引きの上半分へ香典なら御香典等、お供え物なら御供等と記入します。

 

香典の場合は香典袋に「中袋」があれば、香典金額を中袋の表に記入しましょう。金額は「金〇万(萬)円(圓)」と漢数字で書きます。例えば、香典金額1万円なら「金壱萬圓」、香典金額3万円なら「金参萬圓」と書きます。

 

旧字体で書いた方が丁寧です。とくに1万円~3万円までは「一」「二」「三」と書かず、「壱」「弐」「参」と書きましょう。なお、金額5万円以上なら旧字体にこだわる必要はあまりありません。

 

また、中袋の裏面には郵便物と同じように住所、氏名を記します。なお、「4」「9」に関わる金額は避けましょう。これらの数字は「死」「苦」を連想し、不吉な印象を受け取る側に与えます。

水引きの下半分は名前

表書きの下には、香典やお供え物を持参した人の氏名を記入します。夫婦連名で渡すなら、夫の名前をフルネームで記入し、名前部分の左側に妻の名前のみを書きましょう。

 

その他、故人の友人等が初盆法要で香典を渡す場合、連名ならば3名まで記入し、目上の人の名前を右側から順に並べます。4人以上になるなら、袋の中に名前や内訳を記した目録を入れるのがマナーです。

墨の濃さについて

表書き(香典の場合は中袋も)は墨の濃さも薄墨でなく「濃い墨」で記入します。薄墨の使用が作法とされているのは、お通夜または葬儀へ参列した時に渡す香典の場合です。

 

薄墨の意味としては「親しい人の突然の訃報で、墨をする暇もないほど大慌てで駆けつけてしまった」、「あまりの悲しみのため、涙で墨が薄まった」ことを表します。

 

一方、毎年のお盆はもちろん新盆法要では葬儀から時間が経ち、事前に開催日もわかります。そのため、わかりやすく丁寧に書くことが重視されるべきです。表書き等は、濃墨の毛筆または筆ペンで記入しましょう。

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「内のし」と「外のし」

のしのかけ方としては「内のし」と「外のし」の2種類があります。内のしの場合は、お供え物に直接のしをかけその上から包装します。こうすることで、のしが破れたり見栄えが悪くなったりすることを防ぎます。内のしは、故人宅へ郵送する場合に使用するのがマナーです。

 

一方、外のしは品物の包装後にのしをかけます。 お盆や法要のとき持参するお供え物には、外のしをするのがマナーです。とはいえ、こちらの場合ものしをむき出しにして持参すれば、移動の際に敗れる等、不測の事態が考えられます。

 

のしをかけた後は、風呂敷や手提げ袋へ入れて持参した方が無難です。

香典・お供え物へお返しする熨斗(のし)の作法について

故人の家族が香典・お供え物を頂いたのはよいものの、そのまま何もお返ししないというのはやはりマナー違反です。実の家族からお盆で頂いたのなら、別の機会に何らかのプレゼントを贈っても不満は出ないことでしょう。

 

しかし、配偶者の家族や、姉や妹の嫁ぎ先等から香典・お供え物を頂いたら、作法に則りお返しをすることが相手方への信頼につながるはずです。

香典やお供え物へのお返しは必要

香典やお供えを持ってきた親戚の方々等には、お返しが必要です。お盆(初盆法要)を執り行った2週間以内に相手方へ届くよう手配しましょう。

 

お供え物なら同額の物を贈るのが理想的です。とはいえ、たくさんの方々から頂いた場合は、金銭的な負担が重くなります。そのため、1人当たり約3千円~5千円のお返しの品で問題はありません。

 

お返しの品を選ぶ際、家の中で場所をとったり、いつまでも残ったりする物は不適切と言われています。お返しの品としては次のような物があげられます。主に「消え物」を選ぶのが最適です。

 

  • 水ようかん、ゼリー、素麺:お盆なので涼やか
  • せんべい、クッキー等:夏場でも傷まずに長持ちする
  • 洗剤、せっけん
  • タオル、ハンカチ
  • カタログギフト

 

タオル、ハンカチは消え物というわけではありませんが、定番のお返しの品です。また、相手方から自由に品物を選んでもらえるよう、「カタログギフト」を贈るのも喜ばれます。

お返しの場合の表書き

お返しで使われる表書きには、代表的なものとして「志」や「粗供養」があげられます。これは法事のお返し全般でよく使用されます。志は東日本、粗供養は西日本で主に使われます。

 

似たような表書きに「寸志」というものもあります。こちらは目上の人から目下の人に対して使われます。丁寧に表書きをしたつもりでも、使い方によっては相手方が不快な気分となることもありますので注意しましょう。

 

なお、お返しの品に名前が未記入では相手方へ失礼にあたります。お盆の儀式を執り行った者(家族の代表者名)は必ず書きます。その他、お返しの品にものしは必要で、水引は黒白や双銀(関西等は黄白)の結び切りの物を選びます。

法要に参加する前の熨斗(のし)の準備も供養のため

ご自分の実家のお盆へ向かう時、「お供え物にのしなんてつけなくても、家族はうるさくいわない。」そう考える人は多いかもしれません。

 

しかし、お盆のお供え物は故人へ捧げる目的で持参します。単なる家族への手土産ではありません。故人の供養と感謝を表す風習の一つです。正しい作法に従い、のしを準備することも供養につながります。

 

また、最近では家族や親戚がお盆に集まる習慣すら薄れつつあります。故人の仏壇・お墓を守っているのは、家族1人だけと言うケースも珍しくありません。

 

これはやむを得ないことのなのですが、せめてお盆で忘れずに線香をあげ、故人・先祖を敬う心は忘れたくないものです。