二七日法要とは?二七日のお供え物や服装からお布施まで詳しく解説!
公開日 : 2020/4/21
更新日 : 2020/9/10
初七日や四十九日に比べ省略されてしまうことも多い二七日。二七日は忌日法要の中に含まれている行事ですので、大切な人が亡くなった場合に備えて二七日について知っておきたいものです。この記事では、二七日の意味、二七日法要の服装やお供え物、お布施などを詳しく解説します。
公開日 : 2020/4/21
更新日 : 2020/9/10
目次
二七日とは?
二七日とは、仏教の忌日法要(きびほうよう)のひとつで「ふたなのか」と読みます。忌日法要(きびほうよう)は、初七日から始まり、七七日(ななのか)まで続きます。初七日は葬式と同時に行われることもあります。四十九日などは耳にする機会が多いかと思いますが、二七日はあまり耳慣れない言葉ですよね。
二七日は、命日から数えて14日目に行う法要のことをいいます。ここでは、二七日法要とはどのような意味を持ち、また二七日法要に参列するのはどのような人なのか詳しく説明していきます。
忌日法要は成仏のために行う
忌日法要は、死後どの世界に行くか裁きを受けるタイミングで行います。死後の世界は、仏教の「六道輪廻(ろくどうりんね)」の考えに基づき裁かれます。六道とは以下の6つの世界をいいます。
- 地獄界
- 餓鬼界
- 畜生界
- 修羅会
- 人間界
- 天上界
数字が小さいほど苦しい世界へ行くという意味です。輪廻という言葉の通り、この6つの世界に生まれ変わると、天上界ですら苦しみから逃れることはできません。仏教の目的はこの6つの世界から抜け出し成仏することです。
この六道輪廻を抜け出すことができると極楽浄土へたどり着くことができます。これにより、故人は苦しみのある世界から解放され、涅槃(ねはん)へとたどり着くことができるのです。死者が極楽浄土へたどり着けるよう行うのが法要です。
二七日の裁き
七日ごとに生前の罪について裁きが行われます。その内容は、殺生を行ったか、嘘をついたか、不貞を働いていないかというような内容です。
二七日で行われる裁きの内容は「初江王(しょごうおう)が生前に行った盗みについて」問われます。法要をすることで、万が一故人に罪があったとしても、善を送り罪を薄めることができると言われています。
二七日法要は親族が中心
初七日法要は、親しくして頂いた友人や遠い親戚なども参列することが多いですが、二七日から六七日法要までは、ごく親しい身内だけで行われることが多いです。お坊さんも呼ばず読経や焼香も省略されるケースが少なくありません。
家族で集まり、食事をしたり祭壇の前でお祈りをするくらいで済ませても問題はありません。しかし、葬儀に参列できなかった場合やとても親しかった友人などの場合など例外もありますので、絶対に家族だけという決まりがあるわけではありません。
二七日法要の服装・香典のマナー
二七日法要にはどのようなマナーがあるのか、葬儀や法要の場をあまり経験していないと分からないことが多いですよね。故人を悼む法要は、遺族にとって重要な意味を持つものです。失礼な振る舞いのないように、しっかりとマナーを抑えておきましょう。
ここでは二七日法要の際の服装・香典のマナーを詳しく解説していきます。
二七日法要の際は喪服を着るべき?
現在では、お互いに話し合って、二七日法要の際の服装は喪服ではなく、地味な色の服であればよいとする場合が多くなってきました。これは二七日などの法要は四十九日までの間に何度も行うことから、簡略にして良いという理由が挙げられます。
ただし、住職の方をお呼びする場合や、お寺で行う場合は、やはり喪服を着用した方が良いでしょう。限られた親族だけで訪問者も限定される場合には、喪服でなくても良いことを事前に伝えておきましょう。
二七日法要の香典は必要?
四十九日までの期間で香典を準備する必要があるのは、忌日法要が行われる時です。初七日は葬儀の直後に行われることが多く、香典は葬儀と一緒になるため、葬儀の分だけ準備しておけば問題ないでしょう。その後、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日と法要が行われ、七七日目に四十九日法要をし、忌明けです。
初七日と四十九日以外は遺族のみで行われる場合が一般的で、既に葬儀などで香典を納めているケースが多いですので、香典までは用意しなくてもいいとされています。もし葬儀に参加できず、二七日で香典を用意したい場合は、二七日法要の際に持参していただいても問題はありません。
二七日法要の香典の金額は?
二七日法要の際に香典を用意する場合は、3,000円から5,000円程度包むようにしましょう。二七日のような法要を四十九日までの間に何度も行うので、高い金額を出すのは負担となってしまいます。
四十九日までは故人は仏ではなく霊の状態であるため、四十九日までの香典の袋には「御霊前」と記載しましょう。しかし、浄土真宗の場合は死後すぐ仏様になるので、「御仏前」と記載する必要があります。
二七日法要のお供え物
二七日法要で、お供え物は用意すべきでしょうか。身内だけで行うことが多いので、直接親しい親族に聞くのが一番ですが、事前に常識としてどのようなものなのか知っておくことは大切です。また、渡すタイミングやお返しなども悩んでしまいますよね。
ここでは、気になるお供え物について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
二七日のお供え物の選び方は?
お供え物と一言で言っても、種類がありすぎて選ぶ時に困ってしまう、どんなマナーがあるのか分からないという方は多いのではないでしょうか。二七日のお供え物としてどんなものがふさわしいのか、具体例をあげながら詳しく解説していきます。
消えものを選ぶ
二七日のお供え物としては、食品や消耗品などの消えて無くなるものを選ぶのがふさわしいとされています。これは、不祝儀が長く残るのは困るという文化から来ています。
具体例として、果物やマドレーヌなどの焼き菓子、缶ジュースなどの飲み物、もしくは線香やろうそくなどの消耗品が挙げられます。
日持ちするものを選ぶ
参列者に配られそのまま持ち帰ることが多いお供え物。遠方から来た親族がいる場合、賞味期限の短いものだと困ります。遠方から来た人などにも配慮して日持ちするものがふさわしいでしょう。
具体例として、マドレーヌなどの焼き菓子や海苔などが挙げられます。
小分けできるものを選ぶ
お供え物は参列者に配られそのまま持ち帰る場合が多いことに加え、人数が多い場合もあります。参列者の方に配慮し、かさばらないような小分けできるものがおすすめです。基本的には、葬儀のお返しでもらうようなものを用意すると無難でしょう。
具体例として、焼き菓子や和菓子、ゼリーなどが挙げられます。
故人が好きだったものを選ぶ
二七日法要は、故人を追悼するためのものでもありますので、故人が生前に好きだったものをお供えするのも良いでしょう。
例としては、お茶やお酒が挙げられます。しかし、お供え物にはふさわしくない物もあります。故人が好きだったものであればなんでも良いというわけではありませんので、注意しましょう。
供花を選ぶ
二七日法要にお花を持っていくのも、祭壇に飾ることができるのでおすすめです。お花の種類は、ユリや蘭などがいいでしょう。色は白い花を選ぶと無礼になりません。バラなどトゲのある花は、仏様に好まれないので避けるようにしましょう。毒のある花も同様です。
二七日のお供えの熨斗(のし)のマナーは?
のし紙を書く機会はあまり多くないですよね。しかし、のし紙はお供え物をする際に忘れてはならないものです。のし紙の書き方やマナーについて以下で解説していきますので、参考にしてみてください。
表書きの書き方
お供えののし紙の表書きは、浄土真宗の場合には「御供」または「御仏前」と記載し、浄土真宗以外の場合は「御供」または「御霊前」と記載します。二七日の場合は、故人はまだ仏様にはなっていないとされいるため、「御霊前」と記載しましょう。
地域によって異なる水引の選び方
お供え物にする掛け紙の結びきりの色は、関東の場合には結びきりの白黒の物を選ぶ必要があります。それに対し、関西の場合には結びきりの色は黄白のものがふさわしいとされています。
二七日のお供えを渡すタイミングやお返しは?
お供え物を渡すタイミングは、施主が最初のあいさつをするときが一番いいでしょう。直接祭壇に並べるのは失礼ですので、必ず施主に直接渡すようにしましょう。
お返しは、四十九日が過ぎてからまとめてと考えて問題ないです。その際には、頂いた金額の半額程度を目安にお返ししましょう。
二七日法要のお布施
最近では、二七日法要のためにお坊さんを読んで読経してもらうことは少なくなりました。しかし、どうしても故人のために読経してほしい場合や代々の風習などでお坊さんを呼びたい場合もあるでしょう。その場合のお布施の金額はいくらくらい必要なのか、またどのように渡せばいいのか、あらかじめ知っておきたいものです。
二七日のお布施の金額
二七日のお布施の金額の相場は、1万円から5万円程度とされています。ただし、これは一般的な金額であり、お布施というのはあくまでお坊さんに対する謝礼の金額です。謝礼に決まった金額はありませんが、あまりに低い金額ですと逆に失礼に当たる場合もありますので、上記の金額を参考にしていただければと思います。
二七日のお布施のマナーは?
お坊さんへお布施を渡す場合、奉書紙(ほうしょし)に包むか、用意がない場合は白い封筒に入れてお渡ししましょう。不祝儀で渡す方もいますが、本来は奉書紙に包み、水引はつけないのが習わしです。
また、表書きを書く時も薄墨で書く必要はありません。普通の墨で「御布施」など書いて、金額も書かない方が無難です。ただし、袋にあらかじめ記入する欄が設けられている場合は、漢数字で記入しましょう。名前を書く際は、「○○家」のように一家を代表しての謝礼ということを表します。
二七日のお布施の渡し方は?
お布施を渡すタイミングは、お坊さんがお帰りになる前に渡すのが一番いいです。また、渡すときは「本日はありがとうございました。些細ではございますがお礼です。」というようにお礼の言葉を添えながら手渡しするようにしましょう。
二七日のまとめ
二七日法要は、初七日や四十九日法要に比べ知名度が低く省略されることも多い法要です。近年では、親族が必ずしも近くに住んでいるということも少なくなり、葬儀にもあまりお金をかけず簡単に行う傾向にあります。
しかし、法要までは開かなくても故人を思い祈る気持ちだけは失くしたくないものです。極楽浄土へ行けるよう願いを込めて二七日を過ごすと、故人も浮かばれます。
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