初盆とはどのようなもの?香典や供物の表書きにはどう書けば良い?

公開日 : 2020/1/22

更新日 : 2020/9/9

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初盆というのは、誰かが亡くなった後の四十九日後に初めて訪れるお盆のことです。地域によっては盛大な催事を行う習慣があり、お盆のなかでも特別な意味を持っています。こちらでは、仏教式の初盆を中心にして、お香典やお供えの表書きの書き方などを解説しています。

公開日 : 2020/1/22

更新日 : 2020/9/9

目次

初盆とはどのようなもの?

お盆という言葉は知っていても、初盆という言葉は知らないという人は案外多いのではないでしょうか。初盆というのは、故人の死十九日が過ぎた後で初めて訪れるお盆のことです。こちらでは、初盆の意味や様式について解説しています。

初盆とは?

初盆は新盆とも呼ばれ、誰かが亡くなって四十九日の法要を済ませた後、最初に訪れるお盆のことです。日本では、古来よりお盆には死者の魂がこの世に帰ってくるという言い伝えがあり、その伝統を引き継いだ習慣だと言えるでしょう。初盆は仏教に限った習慣ではなく、日本ではその他の宗教の信者が亡くなった場合にも行われることがあります。

 

この初盆では、広く人を招いておもてなしをするという習慣があり、お葬式の時と似たような風習となっています。そのため、初盆には参列者がお香典やお供えなどを持って訪れることが慣例となっています。以下の節では、この際のお香典やお供えの表書きの書き方や、初盆の意味などについて広くご説明していきます。

お盆の意味とは?

元々の日本の習慣では、死者は年二回、お盆とお正月にこの世に魂が帰ってくるものだと信じられていました。お正月には神棚を飾ることが通例ですが、お盆の際にはお仏壇にむかって手を合わせ、お祈りを捧げることが習慣になっています。現在では、死者の魂がこの世に帰ってくる、という考えられているのは主にお盆の時ということになります。

 

なお、お仏壇には四十九日の法要を済ませる前に黒檀の位牌を飾ることが習わしとなっていますが、このお位牌には死者の魂が宿るとされています。そのため、お盆の時期にはお仏壇に安置されている位牌に向かってお祈りを捧げるわけです。お盆というは仏教独自の習慣というよりは、古来からの日本の風習が仏教の教えと重なって根付いたものだと言って良いでしょう。

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初盆の意味とは?

初盆は仏教徒の習慣だと言えます。神道の信者やキリスト教徒であっても、その例にならうことはあるのですが、基本的には仏教徒にとってとくに大切な意味を持っています。では、初盆の意味とはどのようなものなのでしょうか?

亡くなった方は四十九日の法要後に仏様になる

初盆と言うのは、日本の元々の風習と仏教の考え方とが融合してできた習慣だと言えます。そのため、様々な考え方が混ざっています。まず、仏教の教えでは、死んだ時には戒名というものが与えられます。これは仏様の弟子になったということを意味しています。まだ、この段階では故人は本当に仏様にはなっていないわけです。

 

しかし、死後に功徳を積むことによって、故人は本当に仏様になるのだとされています。このタイミングが四十九日の法要というわけです。四十九日までは、死者はこの世にまだ魂があるとされているため、香典の表袋などにも「御霊前」と書きます。「御仏前」と書くようになるのは、四十九日の法要が過ぎた後ということになります。

浄土真宗では四十九日前でも死者は仏様になる

ですが、浄土真宗の場合には少し考え方が違っています。浄土真宗というのは、仏教のなかでも他力本願を重視している宗教です。人は自分の努力に従ってその魂が救われるわけではなく、仏様の慈悲にすがることによって初めてその魂が救われることになる、というのが他力本願の考え方です。

 

そのため、浄土真宗系の宗派では、死んだ人はすぐに仏様になれると考えらえています。ですから、お葬式の際にもお香典などの表書きに「御霊前」と書くことはなく、「御仏前」と書くようにします。これは初盆の時も同じで、故人にお香典を捧げる際には「御仏前」と書くようにしてください。

初盆では通常のお盆よりも盛大

初盆というのは、故人の四十九日の法要を済ませた後で、最初に迎えるお盆のことです。すなわち、故人が仏様になって最初にこの世に帰ってくるのが初盆だと言えます。この世に生きている人は、この機会に死者の魂と再会するわけですから、地域によっては大規模な催事が行われることもあります。

 

通常、初盆の時にはその家の玄関先に白提灯が下げられます。これは、この世に帰ってくる魂が自分の家を間違えないように、という目印としての意味があります。初盆には生前故人の友人だった人たちや、親戚などを招く習慣があり、会食などが振る舞われることもあります。そのため、初盆に招かれた際にはお葬式の時と同じようにお香典やお供えを持参する習わしがあります。

初盆の服装や初盆の挨拶などはどうすれば良い?

初盆というのは通常のお盆とは違うため、参列者や喪主などは喪服や礼服を着るのがマナーだとされています。初盆は宗教行事なので、くれぐれも相手の方に失礼のないような格好をすべきでしょう。ただし、家庭よってはあまり形式ばったやり方を好まない場合もあり、「平服でお越しください」と言われることもあります。

 

また、初盆の時の挨拶については喪主が話をすることになります。この際には、遠くから参列してくださったことのお礼や、初盆法要を執り行う旨を簡単に説明すると良いでしょう。初盆では、お葬式ほど形式を重視する必要はないので、相手への感謝を示すとともに、故人のエピソードなどを軽く交えて話をすると良いと思います

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仏教以外の宗教でも初盆はある?

初盆というのは、何も仏教のみに限った習慣ではありません。前述のように、日本では古来からお盆やお正月を祝うという習慣があります。ですから、仏教徒以外の人であってもそうした習慣を守っている人たちは大勢います。とくに神道の場合には、仏教とは所縁も深い宗教ですから、初盆が行われます。

 

一方、キリスト教のように近代になってから日本に入ってきた宗教では、基本的に初盆を祝うという習慣はありません。しかし、それでも日本の風習に合わせて初盆が祝われることがないわけではありません。もし、キリスト教徒の方で初盆に招かれた場合には、御花料などを持参して参列するようにすると良いでしょう。

初盆をする際の表書きの書き方

初盆は親戚や友人などを招いて広く行われるものですから、香典や御花料などが持ち寄られる場合があります。また、お坊さんや神主さんらに対するお布施なども発生します。こちらでは、初盆に招かれた際の不祝儀袋の書き方などについて解説しています。

初盆の表書きは何で書く?

初盆は結構大きな規模で行われるものですから、参列者はお香典やお花料などを持ち寄ることになります。また、初盆ではお坊さんに依頼をして特別に供養をしてもらうケースが多く、お布施などの代金が発生します。そのため、初盆の場合にもお葬式の場合と同じように、不祝儀袋にお金を入れてご遺族の方やお坊さんなどに手渡すことになります。

 

これらの表書きは、通常の墨と筆を使って書きます。墨と筆がない場合には筆ペンでもかまいませんが、なるべく墨と筆を使って書くようにしたほうが良いでしょう。ペンや万年筆などで表書きを書くことはあまり推奨されません。また、初盆では薄墨を使わずに普通の墨を使って表書きを書くので、これも覚えておくようにしましょう。

仏式の場合

仏式の初盆の場合、参列者は香典や供物などを持ち寄ることになります。そのため、表書きの書き方もそれぞれに異なるものとなります。もし、香典や供物などを持って初盆に参列するようであれば、その表書きにも注意を払うようにしましょう。

香典の表書き

仏式の場合、四十九日の法要を終えた後は、亡くなった方はすでに仏様になっていると考えられています。これはお葬式の時とは対照的で、お葬式の時点ではまだ亡くなった方の魂はこの世に残っているものとされています。しかし、四十九日の法要を終えることで、故人はようやく仏様になれるわけです。

 

そのため、お香典の表書きには必ず「御仏前」と書くようにします。これに関しては、宗派による違いはありません。とくに浄土真宗の場合には、人は死んですぐに仏様になると考えられていますから、四十九日前であっても表書きには「御仏前」と書きます。ですが、四十九日を過ぎればすべての宗派で亡くなった方は仏様になっていると考えられるため、必ず「御仏前」と書くようにします。

供物の表書き

初盆は盛大に開かれることが習わしになっているため、場合によってはお線香代だけでなく、その他のお金もお渡ししたいと考える場合があります。例えば、お供えものの代わりにお金をお渡しするときには、不祝儀袋の表書きに「御供物料」と書きます。また、直接お供え物を渡す場合には、表書きに「御供」と書きます。

 

また、「お線香代」や「提灯代」などと書く場合もあります。これは、故人に何をお供えするのかによって書き分けるようにすると良いでしょう。ですが、何を備えるのか決まっていない場合には、一括してお香典としてしまってOKです。その場合には、「御仏前」と書くのはすでに説明した通りです。

お布施の表書き

初盆は家族だけでお墓参りをするなど、簡単に済まされることもありますが、通常はお坊さんを呼んで特別な供養をしてもらうことになっています。そのため、読経の費用など、お坊さんにお渡しするお布施のお金も発生してきます。このお布施は、やはり不祝儀袋に入れてお渡しするのがマナーです。

 

この場合の不祝儀袋には、「御布施」または「お布施」と書きます。また、お坊さんに食事を出さずに、直接お金でお礼をする場合には、不祝儀袋の表書きに「御膳料」と書きます。とくにお坊さんに厚くお礼をしたい場合には、「読経料」や「お車代」「御膳料」などを別々にお渡しするようにしても良いと思います。

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神式の場合

神式の場合も、お葬式の例にならうようにすると良いでしょう。具体的に書くと、不祝儀袋の表書きには「御玉串料」や「御神前」と書きます。また、お供えについては仏式と同じく表書きには「御供」と書きます。神道の初盆では、神主様に祝詞を奏上してもらい、玉串奉奠をすることになっています。

 

昔の日本では、神様と仏様とを分けて考えるという習慣はありませんでした。そのため、お盆の習慣についても神道由来のものが多くあります。「迎え火」や「送り火」などは元々は神道の習慣だったとされています。なお、神道では初盆のことは正式には「新盆祭」や「新御霊祭」と呼んでいます。

キリスト教の場合

キリスト教徒の場合にはお盆の習慣はありません。キリスト教では、お盆やお正月よりもイエス・キリストの生誕祭や復活祭がより重要なものと見なされています。しかし、お正月には聖母マリア様に対するお祈りが捧げられることになっています。

 

お盆に限って言うと、キリスト教徒の方は初盆などはあまり行わないと考えて良いでしょう。ただし、家によっては日本の習慣にのっとって初盆を行うこともあります。こうした場合に参列者として招かれたような場合には、お葬式と同じく献花料を持参するようにすると良いでしょう。献花料を入れる不祝儀袋の表書きには「御花料」と記載します。

天理教の場合

天理教に関しても、キリスト教の場合と同様にお盆の習慣はありません。その代わり、御霊祭(みたままつり)というものが、毎年の3月と9月に行われます。これは天理教の教会で行われる、故人の魂を弔うお祭りだと言えます。

 

その際には参列者が金品を持ち寄ることもあります。その場合、表書きには「玉串料」や「御玉串料」と書くようにしてください。これは、天理教が神道に似た宗教であるためです。ただし、地域によっては初盆が行われることもあり、お供えなどを贈る際には表書きに「御供」と書くようにしてください。

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名前の書き方

初盆に香典や玉串料などを持ち寄る場合、表書きにはお金を贈る人の名前を書くようにしてください。書き方としては、苗字だけを書いたり、苗字と名前を書いたりします。また、「〇〇家」といったような書き方でもかまいません。

 

夫婦二人で参列する場合には、夫婦の連名またはどちらか一名の名前を書きます。また、3人以上で会社や友人を代表してお金を贈るケースもあると思います。こうした場合には、「〇〇社社員一同」や「友人一同」といった書き方をすると良いでしょう。

初盆の香典について

初盆の際にも、参列者は香典や御玉串料などを持ちよることがあります。では、その相場や香典返しについてはどのようになっているのでしょうか。こちらで簡単に解説しているので参考にしてみてください。

初盆の香典の相場とは?

お葬式のお香典に相場があるように、初盆のお香典にもおおよその相場があります。初盆の時のお香典の相場は、だいたい5,000円から1万円くらいだとされています。ご友人や親戚などが亡くなった際には、だいたいこれくらいの金額を包むようにすると良いでしょう。しかし、故人との間柄によって香典の相場は変わってきます。

 

故人の子供や兄弟、姉妹、両親や義父母の場合であれば、だいたい1万円から3万円くらいが相場です。祖父や祖母の場合であれば、5,000円から1万円くらいが相場になります。お孫さんなど、若い人が香典を用意する場合には、だいたい3,000円から5,000円くらいを目安にすると良いでしょう。

初盆でも香典返しをする?

初盆の場合には、時間が経ってから香典返しをするよりも、式の当日に引き出物を用意しておくのが通例となっています。また、会食を開く場合もあるので、これも香典返しの代わりになると考えて良いでしょう。香典の金額の相場はお葬式の場合よりも低くなっているので、高価なものを香典返しとして返礼することはあまりありません。

 

その際、参列者の方が持ち帰りにくいようなものはなるべく渡さないというのがマナーとなっています。初盆の香典返しは、心付け程度のものでかまいませんので、あまり深く悩まないようにしてください。何よりも、故人を偲んでくれた相手にお返しをするという気持ちのほうが大切です。

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初盆の香典返しの表書き

初盆でも香典をいただいてしまった場合、特別に香典返しをするということもあると思います。その場合には、特別なルールなどは設けられていないので、お葬式の際の香典返しの例に倣うと良いでしょう。

 

香典返しの表書きには、通常「志」と書きます。また、西日本を中心として満中陰志」と書くところも存在します。その他にも、「偲び草」や「粗供養」「茶の子」などと書く地域も存在するので、地方ごとの習慣には注意を払うようにしてください。

初盆の表書きを書く際の注意点とポイント

初盆をする際には、不祝儀袋に香典や御花料などを入れて亡くなった方のご遺族にお渡しすることになります。当然、その書き方にはルールやマナーがあるわけです。こちらでは、初盆の時の香典の書き方について、そのポイントや注意点を解説しています。

初盆の表書きを書く際の注意点

亡くなった方に何かを手向けたいというのは、まずは気持ちの問題ですから、香典の表書きなどは心をこめて書くように注意してください。あまりにも乱筆であれば、相手に対して失礼となるので気を付けるようにしましょう。もちろん、必ずしも達筆である必要はないのですが、字体についてはあまり崩しすぎないようにしてください。

 

また、初盆の際にはお坊さんにお布施をお渡しすることもあります。こちらについても、失礼のないように丁寧な字で書くように心がけましょう。なお、お坊さんに渡すお布施については、御膳料やお車代を含めてしまうケースと、それぞれを別々にお渡しするケースとがあります。

初盆の表書きを書く際のポイント

初盆の表書きを書く場合、例えば香典の表書きであれば「御仏前」と書くようにします。お葬式の時のように宗派による違いはなく、「御霊前」と書くことはありません。というのは、仏教のすべての宗派において四十九日法要を終えた後は、故人は皆仏様になっていると考えられているためです。

 

また、お盆をお祝いするという習慣は日本独自のものでもあり、神道でも初盆を祝う習慣があります。神道での初盆は「新盆祭」や「新御霊祭」と呼ばれています。この際にも式に招待された場合には「御玉串料」や「御神前」が必要となるので、よく覚えておくようにしてください。

初盆の表書きについてのまとめ

初盆というのは、四十九日を過ぎた後に初めて行われるお盆のことです。この時には、仏教の全ての宗派で故人は仏様になっているので、香典の表書きには「御仏前」と書きます。初盆は盛大に祝う地域とそうでない地域があるので、地域ごとの風習にも注意するようにしてください。