お盆にお供えする料理について徹底解説!お供え方や献立は?

公開日 : 2021/3/17

更新日 : 2022/6/22

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お盆になると、仏壇に精進料理をお供えする家庭が多いです。宗教や地域によって料理の内容や並べ方も異なります。また、精進料理以外にもお盆の時期は仏壇にお供えするものがあります。今回は、精進料理やお盆にお供えするものなどついて紹介します。

公開日 : 2021/3/17

更新日 : 2022/6/22

目次

お盆は精進料理をお供えする

お盆はご先祖様がこの世へ帰ってくる特別な日であり、この期間はご先祖様の霊や動物たちの霊に感謝するという意味もあります。昔は精進料理を親族で集って食べるのが一般的でしたが、近年はお供えのお膳だけ準備する家庭が増えてきました。

 

精進料理とは、お坊さんが食べていた料理で非常に質素な食事です。お坊さんたちは日々精進し、仏教の厳しい決まり事を守りながら鍛錬していました。精進料理は野菜中心で、使ってはいけない食材もあり、宗教や地域によってお供えする精進料理の内容も異なります。

 

仏壇にお供えするものは、故人が好きだったものを優先してもよいですが、伝統を重んじる方であれば、精進料理をお供えしましょう。初めて精進料理をお供えする場合は、基本的なマナーを知る必要があるので、ぜひこの記事を参考にしてください。

お盆にお供えする精進料理の内容

精進料理は肉や魚の動物性食材を使用できませんが、他にも様々なルールがあります。初めて精進料理を作る方は、基本を確認してから食材を準備しましょう。

一汁三菜の精進料理

お盆にお供えする精進料理は、霊供膳(りょうぐぜん)と言う器を使い、一汁三菜のご飯・味噌汁・煮物・和え物・炒め物が一般的です。精進料理では白飯が基本であり、ご先祖様が飢えないようにという願いを込めて、器に丸く大盛りにするのが正しいやり方です。

 

味噌汁は鰹節やイリコなどを使えないため、すまし汁でも問題はありませんが、昆布や干し椎茸などの食材を使って出汁を取りましょう。季節の野菜や豆腐などを具材に使用することができるため、故人が好きな野菜などを使って作るのもおすすめです。

 

おかずは3種類作り、五色(赤・白・緑・黄・黒)や五味(甘い・辛い・酸っぱ・苦い・しょっぱい)を意識しましょう。精進料理のメニューを考えて、全体の彩りや味に変化をつけてバランスを見ながら準備してください。

一汁五菜の精進料理

一汁五菜は、一汁三菜よりもおかずの種類が2つ多いのが特徴でありお皿の数も増えるため、丁寧な形でお膳立てすることができるのが特徴です。お皿の種類は、漬物皿・平皿・膳皿・小皿・つぼ・猪口があり、盛り付ける量によって使い分け、増減させることもできます。

 

精進料理で漬物を準備するときは、3切れではなく2切れで準備しましょう。3切れのことを「みきれ」とも読むことから、「身切れ」につながると考えられておりお供えに適しません。漬物の数に注意しながら、仏壇にお供えする精進料理を準備しましょう。

 

一汁五菜はおかずの数が多いため、何をお供えしようかと悩む方が多いです。主菜には、がんもどき・高野豆腐・野菜の煮炊き・ひじきの煮付けが定番です。副菜は、こんにゃくの胡麻和え・白和え・煮豆・野菜のきんぴらが一般的です。

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精進料理に使ってはいけない食材

精進料理はお坊さんが食べていた料理ということもあり、殺生を禁ずるという意味からお肉や魚を使わずに作ります。煩悩を刺激することを禁止するという理由から、ニラ・らっきょう・ニンニクネギ・あさつきの五葷(ごくん)と言われる香味野菜も使いません。

 

野菜しか使えないため、お坊さんは栄養が足りないと思われがちですが、精進揚げという料理もあります。野菜に衣を付けて揚げたもので、動物性食品を一切使用しないため、卵を使わずに作るのが特徴です。

 

精進揚げに芋類・なす・ししとうなどを使ったり、キノコ類・筍・蓮根・オクラを使うこともあります。何種類かを混ぜて揚げる五色揚げというのもあるので、使いやすい食材を取り入れて作りましょう。

精進料理のお供え方について

精進料理が準備できたら仏壇にお供えしますが、お供え膳の向きや並べ方なども宗教によっても異なります。精進料理をお供えする期間など気を付けるポイントがありますので、初めての方はチェックしましょう。

お供えする向き

精進料理をお供えするときは、仏様やご先祖様が食事をしやすいようにお箸を仏壇側に向けてお供えするのが一般的です。お箸の向きも仏壇側から見て、右側になるように置いてください。お供え膳の蓋は、仏様やご先祖様が食べやすいように蓋を取ってお供えします。

 

地域の風習によっては、ご仏前で蓋を取る場合もあります。蓋をしたままご仏前に持っていき、配置した後に蓋を取る流れです。精霊棚のスペースも限られているため、蓋のみ下げても良いですし、取った蓋は裏返し重ねてからお膳の端に置くこともできます。

 

精進料理ができても配膳やお供えする向きなど様々なルールがあるため、お供えするまで気を抜かずに正しい方法でお供えしましょう。

料理の並べ方

仏壇に料理をお供えするとき、親碗・汁椀の置き方は共通ですが、平椀・壺椀・高坏の配置は宗派や地域によって異なるので注意しましょう。曹洞宗・臨済宗は、左手前が親碗・右手前が汁椀・左奥が平椀・右奥が高坏・真ん中が壺椀です。

 

真言宗・日蓮宗・天台宗になると、左奥が平椀・右奥が壺椀・真ん中が高坏です。浄土宗は、左奥が壺椀・右奥が平椀・真ん中が高坏になるので宗派を確認してから配膳してください。浄土真宗はすぐに浄土へ行き仏様になるため、霊供膳はお供えしないのが特徴です。

 

宗派による料理の一般的な並べ方を紹介しましたが、地域の風習によっても違いがあります。料理の並べ方に不安がある方は、年長者や菩提寺に確認すると安心です。

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お供えする期間

お盆は8月13日から8月15日までの3日間であり、この期間中に精進料理をお供えします。料理をお供えする時間は、朝昼の2食が基本です。昔の修行僧は午後からの食事をしなかったこともあり、朝昼の2食をお供えするのが定着しました。

 

朝昼の2食の準備が難しい方は朝のみのお供えでも問題はありません。中には、お盆はご先祖様がこの世へ帰ってくる特別な日という考えから、朝昼晩の3食お供えされる家庭もあります。無理のない範囲で精進料理を準備してお供えしましょう。

 

お供えした精進料理を下げるタイミングは、料理が冷めたら下げるのが基本です。お盆は暑い時期のため、料理が傷まないうちに下げましょう。家族の食事が終わるタイミングで霊供膳を下げてもよいため、家庭に合った方法で下げるタイミングを考えましょう。

精進料理以外にお供えするもの

お盆は精進料理以外にも仏壇にお供えするものがあります。地域などによっても異なりますが、ここでは一般的なお供え物を紹介します。

精霊馬

精霊馬はお盆にご先祖様が乗る乗り物で、なすときゅうりを使って作ります。きゅうりは馬、ナスは牛をイメージして作りますが、沖縄ではサトウキビ を 「杖」 に見立てて飾ることがあり、ゴーヤやとうもろこしを馬や牛に見立てます。

 

地方によって使われる野菜は異なるため、地域の風習に合わせて準備しましょう。きゅうりの馬は素早く移動することができると言われ、なすの牛に乗るとゆっくりと移動すると考えられており、ご先祖様の送り迎えをしてくれます。

 

少し曲がったなすときゅうりを選ぶことで動物らしくなるため、購入するときに意識しましょう。大きいなすを選ぶと「力強い牛」を作ることができ、ご先祖様も安心してあの世へ帰ることができます

お花

お盆にお花をお供えするとき、バラ・彼岸花・ユリなどは避けましょう。トゲのある花・香りの強い花・毒のある花・つる性の花は、お盆にふさわしくありません。他にも、暗い印象を与える黒い花も控えましょう。

 

お盆にお供えするお花は様々な種類があり、ホオズキはご先祖様が家に帰ってくるときの提灯の代わりになると考えられています。盆花のおすすめは、オミナエシ・エゾ菊・桔梗・ケイトウ・ミソハギなので、花屋などに相談して決めましょう。

 

故人を偲び、感謝の気持ちを込めてお盆の花を準備するため、故人が好きだったお花をお供えしても問題はありません。お花を準備するときは数にも気を付け、3・5・7本のいずれかに揃えましょう。左右に供えるので1対用意するのも忘れないでください。

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果物

果物もお盆の時期にお供えするのが一般的です。基本的には、お供えするのが禁止されている果物はなく、丸い形をしたものが特におすすめです。丸は「縁」を表す意味があります。腐りやすい果物や痛みやすい果物は向いていないため、リンゴやメロンなど常温で長持ちする果物を選びましょう。

 

果物を仏壇にお供えするとき、果物の数は奇数でお供えしてください。奇数にすることで「ご先祖との縁が切れない」とされます。「4」と「9」の数字も避けましょう。「死」や「苦」を連想させる数は好ましくありません。

 

仏壇へのお供えが終わった後の果物は、「仏様からのお下がりをいただく」という考え方があるため、家族で食べてお供えを通して仏様に感謝を伝えましょう。お下がりはできるだけ残さないように食べる必要があるため、親族などと分け合うのもおすすめです。

線香・ろうそく

仏教では、香・花・灯・水・飲食の5つがお供えの基本です。「香」は線香で心身が清めることができ、「灯燭」とはろうそくで仏前を明るく照らしてくれます。ろうそくの火は仏様の知恵の象徴で、煩悩を消し去ると考えられています。

 

お盆は特別な日なこともあり、白いロウソクを使っている方もこの日だけは絵ロウソクを準備する方もいます。ハスの花やホオズキなどがロウソクに描かれており、1本1本手書きで装飾されて美しいため、贈り物としても人気が高いです。

 

ロウソクの色に決まりがないのであれば、絵模様が描かれているロウソクを準備するのもおすすめです。仏様やご先祖様のいる場所を明るく照らすために、故人が喜びそうな素敵なロウソクを用意しましょう。

そうめん

仏壇にお供え物をするなら、そうめんもおすすめです。夏の定番であるそうめんは「喜びや幸せが細く・長く・続いていく」と言う意味があります。そうめんを食べると高熱を防ぐことができるとも言われており、残暑が厳しいにぴったりなお供え物です。

 

そうめんは仏教と深いかかわりがあり、仏様が荷物を背負うための紐やご先祖様があの世に帰るときの手綱として使われると考えられています。そうめんは乾麺のままお供えする地域もあれば、茹でてお供えするところもあるため、風習に合わせて準備しましょう。茹でたそうめんを仏壇にお供えするときは、つゆもセットでお供えするのを忘れないでください。

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お団子

お団子は味がついていないものを準備しましょう。また、お盆にお供えする団子には3種類あり、迎え団子、お供え団子、送り団子があります。迎え団子は故人やご先祖様をお迎えするため、お供え団子はお盆に帰ってきたとき用のもの、送り団子はお見送りするためという意味があります。

お盆にお供えする精進料理におすすめのレシピ

精進料理の準備をするとき、メニューについて悩む方が多いです。使えない食材などもあるため、初めて準備する方はレシピを参考にしましょう。

精進料理の簡単レシピ

お盆にお供えする精進料理は、料理が苦手な方でも簡単に準備できます。昔は親族で集まって精進料理を食べるのが一般的でしたが、現在はお供え膳の分だけ用意する家庭も多いです。そのため、スーパーで販売しているお総菜などを活用する方も増えています。

 

手作りレシピを参考にしながら作らなくても、スーパーのお惣菜や即席味噌汁を使って準備できます。即席味噌汁の出汁にはカツオが入っているものは使えないため、購入する前に確認しましょう。自宅で作る場合は、昆布を使って出汁をとることをおすすめします。

 

ほかにも、スーパーには調理不要の煮豆や筑前煮・ひじき・きんぴらゴボウを購入することができます。お皿に盛り付けるだけでお供え膳を準備することができるので、便利です。ご飯と漬物を組み合わせて完成させましょう。

献立例を参考に

お盆にお供えする精進料理のメニューに悩む場合、献立例を参考にするのがおすすめです。精進料理を下げて食べる方のことも考えて、一汁三菜でも十分満足できる献立にしましょう。ここでは、準備も簡単で食べる人に合わせて量を調整しやすい献立を紹介します。

お膳 料理
飯椀 白飯
汁椀 わかめと豆腐の味噌汁
高杯 たくあん
壺椀 煮豆
平椀 豆腐のサラダ

お膳の平椀は煮物をお供えすることが多いですが、生サラダを供えることもできます。調理が不要で盛り付けるだけでいいため、料理が苦手な方でも準備しやすいのでおすすめです。トマトなど彩りを意識すると、美味しそうなお膳に見せることができます。

お膳 料理
飯椀 白飯
汁椀 けんちん汁
高杯 梅干し
壺椀 白和え
平椀 筑前煮

親族が集まってお盆をするのであれば、筑前煮を作ってお供えするのもおすすめです。白和えなどはスーパーでも販売しているため、使ってはいけない食材が入っていないかをチェックして取り入れましょう。

精進料理のルールを守ってお盆にお供えしよう

お盆にお供えする精進料理は一汁三菜が基本であり、使ってはいけない食材もあるため、初めて作る方は事前にレシピなどを確認しましょう。お供え膳以外にも仏壇にお供えするものがあるため、必要なもののリストを作っておくと安心です。お盆はご先祖様が帰ってこられる特別な日のため、正しいおもてなしをするためにも、注意点を守りながら準備を進めましょう。