法事の香典袋のマナーとは?表書きの書き方や金額相場を紹介

公開日 : 2021/3/20

更新日 : 2021/3/20

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法事に持参する香典袋は、時期によって筆記用具の選び方や表書きに使い分けが必要です。本記事では、法事の香典袋の選び方や書き方のマナーについて解説します。あわせて、法事の香典の金額相場や、法要との違いについても触れています。

公開日 : 2021/3/20

更新日 : 2021/3/20

目次

法事とはどんなもの?

法事とは仏教行事全般を指す言葉で、たとえば故人の冥福を祈る儀式以外に、お盆や彼岸供養などの仏教行事も法事に含まれます。法事とよく似た言葉に「法要」があります。法要は「故人を供養するための儀式」を表し、前述の初七日・四十九日・一周忌などが該当します。

 

厳密に言えば、法要は法事の中に含まれる行事です。しかし最近は、儀式のみを行う場合を「法要」、儀式後にお斎などの会食を伴う儀式を「法事」と呼び分けることが一般的です。本記事では、法事と法要を区別せず、故人の冥福を祈るための儀式として解説していきます。

法事の種類

法事にはさまざまな種類があります。最近はすべての法事を執り行うことは少なく、節目となるタイミングで法事を行うケースが増えています。以下に、一般的によく執り行われている法事を3つご紹介します。

初七日

初七日は故人の命日を1日目として、7日目に執り行う法事です。仏教では、故人が亡くなってから49日目までの期間を「中陰」と呼びます。中陰では、故人の魂は7日毎に7回の閻魔大王の裁判を受けます。この裁判にあわせて遺族が故人の供養をすると、故人の魂は極楽に行くことができると考えられています。

 

逝去から7日目は1回目の裁判にあたる日です。そのため、遺族は故人が極楽に行くことを祈って、追善供養を行います。この儀式が「初七日」です。初七日の法事では故人の家族や親族が集まり、僧侶を招いてお経をあげていただきます。

 

最近は簡便化の流れから、葬儀と同日に初七日を行うケースも増えています。告別式と火葬後に斎場に戻って初七日を行う場合は「繰り上げ法要」といいます。告別式の中に初七日法要を組み込む場合は「繰り込み法要」「式中初七日」などと呼ばれます。

四十九日

四十九日は故人の命日を1日目として、49日目におこなう法事です。前述のように逝去から49日目までは中陰と呼ばれる期間であり、四十九日は中陰の最終日です。「満中陰」とも呼ばれます。

 

四十九日は閻魔大王の最後の審判の日であるため、遺族は故人の冥福を祈って追善供養を行います。故人の魂はこの日をもって成仏し、生まれ変わると考えられています。そのため、四十九日は葬祭行事における一つの区切りであると同時に、遺族の忌明けの日でもあります。

 

四十九日の法事には故人の家族や親族のほか、故人が生前親しかった友人や知人を招くこともあります。故人が成仏する節目の日であることから、四十九日法事後には遺骨をお墓に納める「納骨式」を執り行うケースも多いです。

一周忌(年忌法要)

一周忌は故人が逝去して満1年後の命日に行います。遺族は一周忌をもって喪明けを迎えます。なお、一周忌の次の法事は、故人の逝去から満2年後の命日に行う三回忌です。その後、七回忌、十三回忌…と続きます。これらの儀式はまとめて「年忌法要」と呼ばれます。

 

一周忌は年忌法要の中でも特に重要と位置付けられており、遺族の家族・親族以外にも、友人知人を招いて盛大に行うことが一般的です。ただし最近は、小規模葬の普及から、近親者のみで行うケースも増えています。

 

年忌法要の中でも、一周忌だけは年数の数え方が特殊であるため、すこし注意が必要です。一周忌は故人の逝去から丸1年が経過した日です。一方、三回忌以降の法事は、故人の逝去した日を一回忌と考え、そこから三回忌、七回忌、十三回忌…と数えます

法事の香典袋の種類と選び方

法事の参列者は香典を持参するのが一般的です。香典を包むための香典袋は、金額に合わせて選び方を変える必要があります。金額別の香典袋の選び方を紹介します。

1万円以下の場合

香典が1万円以下の場合は、水引が印刷されたタイプの香典袋を選ぶのが一般的です。ただし、水引が印刷されているタイプの香典袋は簡易的と見なされるため、相手との関係性によっては、1万円以下の場合でも避けたほうがよいこともあります。

 

1万円以下の少額を包む場合なら、水引の色は黒白を選ぶのが無難です。また、結び方は「あわじ結び」または「結び切」です。水引が印刷されたタイプの香典袋であれば、水引の数は5本ひとまとめのものがおすすめです。

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1万円~3万円の場合

1万円~3万円を包む場合には、水引がついた正式な香典袋を選ぶのがマナーです。水引の色は黒白または双銀で、結び方は「あわじ結び」か「結び切」から選びましょう。また、水引の数は7~10本が一般的です。

3万円~5万円以上の場合

3万~5万円、あるいは5万円以上の高額を包むときも、水引のついた香典袋を用いるのがマナーです。水引の結び方は「あわじ結び」か「結び切」です。水引の色は、格式が高い双銀を選ぶことが一般的です。数は10本ひとまとめのものが最適です。

 

5万円以上を包む場合は、「中金封」というサイズが大きい香典袋を用いるのがおすすめです。10万円以上を包む場合は、さらに大きいサイズの「大金封」を使用しましょう。香典袋は包む金額にあわせて、見栄えにも気を配る必要があります。高額を包む場合には、高級和紙が使用されている香典袋や、水引が豪華な香典袋を選びましょう。

法事の香典袋の書き方

香典袋を書くときには、タイミングによって、筆記用具の選び方や表書きに使い分けが必要です。ここらかは、香典袋の書き方における一般的なマナーを解説します。

筆記用具の選び方

香典袋ののし袋には毛筆あるいは筆ペンを使用します。このとき、注意したいのが墨の濃さです。香典袋の筆記用具は、四十九日を過ぎるまでは「薄墨」を使用するという習わしがあります。これは、故人の突然の逝去に「墨を摺る余裕もない」という弔意を表すためです。

 

一方、四十九日以降の法要法事には、通常の濃さの墨を使用します。具体的な使い分けを挙げると、薄墨を使用するのは初七日の法事です。なお、法事以外には通夜と告別式があります。通常の濃さの墨を用いる法事には、四十九日・一周忌・三回忌などがあります。

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表書きの書き方

表書きとは、包んだお金の目録のことです。のし袋の表側の上段の中央に縦書きします。法事の香典の表書きは、筆記用具の選び方と同様、四十九日以前と四十九日以降で使い分けが必要です。

初七日の場合

四十九日以前に執り行われる法事として、代表的なのが初七日です。多くの仏教宗派では、故人の魂は四十九日を過ぎるまでは成仏しておらず、霊として存在すると考えられています。そのため、四十九日以前の法事や通夜・告別式の表書きには「御霊前」を用います。

 

ただし、表書きの使い分けは宗派によって異なります。たとえば浄土真宗では、故人は死後すぐに成仏すると考えられるため、「霊」という概念があります。よって、四十九日以前の初七日や通夜・告別式であっても、香典の表書きは「御仏前」を用います。

四十九日以降の場合

故人の魂は四十九日を迎えると成仏すると考えられています。そのため、四十九日以降の法事の香典の表書きは「御仏前」となります。

名前の書き方

名前は香典袋の表側の下段に書きます。水引を挟んで表書きの真下が記載位置です。このとき、表書きよりもやや小さい字で書くのがポイントです。名前は、かならずフルネームを書きましょう

夫婦連名で包む場合は、夫の氏名だけを書くのが一般的です。あるいは、夫の氏名を右に書き、その左に妻の下の名前だけを記す方法もあります。複数人で香典を包む場合は、3人までなら名前を書くことができます。

 

香典袋の右側の方が格が高いため、年齢順や役職の順番で右から左にフルネームを記しましょう。もし4人以上で包む場合は、「〇〇一同」のようにまとめ、個々の氏名は中袋や別紙に記して同封します。

中袋の書き方

香典袋はのし袋と中袋に分かれているタイプが一般的です。中袋には金額と住所、氏名を書きます。それぞれの書き方について解説します。なお、中袋にはボールペンやサインペンを使用してもかまいません。

表面の書き方

中袋の表面には金額を書きます。金額は大きめの字で縦書きします。なお、金額を書くときは、金額の改善を防止する意味合いから、旧漢数字を用いるのが習わしです。同じ理由で、金額の先頭には「金」、末尾には「圓」を記します。

 

たとえば3万円を包む場合は「金参萬円」となります。ただし、最近は、漢数字であれば旧字体でなくてもよいとする考え方もあります。また、香典袋によっては横書きの欄が設けられているものもあります。金額を横書きする場合は算用数字を用います。

裏面の書き方

中袋の裏側には住所と氏名を書きます。氏名を書く理由は、後で遺族が香典を集計するときに、のし袋との中袋がバラバラになっても、誰から香典をもらったのか特定できるようにするためです。

 

住所は裏面の下段の左寄りの中央に縦書きします。その左に氏名を書くため、バランスよく配置しましょう。縦書きするため、住所の番地や部屋番号は漢数字を用いるのが原則です。ただし、金額のように旧字を用いる必要はありません。

 

香典袋によっては住所や氏名を横書きする欄が設けられているものもあります。横書きする場合には、金額と同様、算用数字を用います。

中袋の裏側には住所と氏名を書きます。氏名を書く理由は、後で遺族が香典を集計するときに、のし袋との中袋がバラバラになっても、誰から香典をもらったのか特定できるようにするためです。

 

住所は裏面の下段の左寄りの中央に縦書きします。その左に氏名を書くため、バランスよく配置しましょう。縦書きするため、住所の番地や部屋番号は漢数字を用いるのが原則です。ただし、金額のように旧字を用いる必要はありません。

 

香典袋によっては住所や氏名を横書きする欄が設けられているものもあります。横書きする場合には、金額と同様、算用数字を用います。

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中袋がない場合

香典袋によっては中袋がないものもあります。あるいは、「二重袋は不幸の二重を連想させる」という理由で、中袋がない香典袋を使用する地域もあります。中袋がない香典袋の場合、金額と住所はのし袋の裏側に書きます。氏名はのし袋の表に記載しているため、この場合は省略します。

 

住所はのし袋の裏側の下段の左寄り中央に書きます。金額は下段の一番左側です。のし袋の裏側に書く場合であっても、中袋がある場合と同様、旧字あるいは常用の漢数字を用います。

その他の香典袋のマナー

香典袋の一般的なマナーについて解説します。以下のマナーは、法事に限らず、通夜や告別式の場面でも共通します。

新札は使わない

法事や葬儀の場面では、新札は使わないというのが一般的なマナーです。四十九日以降は新札を使ってもよいという意見もありますが、場合によっては遺族が不快に感じることもあるため、旧札を使う方が無難でしょう。新札しか手元にない場合は、折り目を付ければ使用できます。

お札の向きをそろえる

複数枚のお札を包むときは、すべて向きをそろえて香典袋に入れます。お札の入れ方に厳密な決まりはないものの、弔事の場面では「悲しみに顔を伏せる」という意味から、肖像画があるほうを裏にし、香典袋の底に来るように入れることが一般的です。

 

お札を複数包むときは、枚数にも注意が必要です。偶数は2で割り切れることから、「縁が切れる」ことを連想させるため、避けるのがマナーです。お札が偶数になりそうなときは、千円札や五千円札に両替するなどして、なるべく奇数の枚数にするのが望ましいです。

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渡し方のマナー

法事で香典を渡すときにも、マナーを守ることが重要です。香典の渡し方のマナーについて、代表的な2つを紹介します。

袱紗に包む

香典袋をむき出しで持参するのはマナー違反です。香典袋は袱紗に包んで持参しましょう。袱紗がない場合は、風呂敷でも代用できます。なお、弔事の袱紗は紺・茶・濃緑などの暗い色味で、無地のものを使用します。紫は慶弔量の色であるため、法事や葬儀にも使用できます。

渡すタイミングは?

香典は原則として、焼香前に喪主あるいは遺族に渡します。最近は、受付で記帳を行ったタイミングで、受付係に香典を渡すことが多いです。もし受付がない場合は、喪主に参列の挨拶を行うタイミングで渡しましょう。無断で仏壇に供えるのはマナー違反ですので、注意してください。

法事の香典の金額相場

葬儀や法事の香典の金額は、年齢や故人との関係によって異なります。あるいは、法事の種類によって変動することもあります。以下の表に、法事の香典の金額相場を大まかにまとめました。

 

  20代 30代 40代以上
両親 3万円~10万円 5万円~10万円 5万円~10万円
兄弟姉妹 1万円~5万円 3万円~5万円 5万円
祖父母 1万円 1万円~3万円 3万~5万円
おじ・おば 1万円 1万円~3万円 1万円~3万円
そのほかの親族 3000円~1万円 3000円~1万円 1万円
友人知人、同僚など 3000円~1万円 5000円~1万円 5000円~1万円

 

会食を伴う法事の場合は、上記の金額に5000円~1万円を食事代として上乗せします。

香典袋のマナーを守ろう

香典は故人へのお悔みの気持ちと、遺族への励ましの気持ちを込めるものです。心からの哀悼の意を表すためにも、マナーを守って香典袋を準備することが大切です。