初盆のお布施の相場とは?包み方、渡し方も詳しくご紹介します。

公開日 : 2021/3/4

更新日 : 2021/3/4

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四十九日を過ぎて初めて迎える「初盆」は普段のお盆よりも手厚く行うのが一般的です。それでは、僧侶に渡すお布施も、普段のお盆とは額が変わってくるのでしょうか。今回の記事では、初盆のお布施の相場や包み方、渡し方についてご紹介します。

公開日 : 2021/3/4

更新日 : 2021/3/4

目次

初盆とは

初盆のお布施についてご説明する前に、「初盆」と「お布施」の意味をご紹介しましょう。初盆とは、人が亡くなってから四十九日を過ぎた後、初めて迎えるお盆のことをいいます。亡くなってから初めてのお盆ではなく、「四十九日を過ぎてから」という点に注意しましょう。

 

例えば8月1日に亡くなった場合は、お盆の時点で四十九日を過ぎていませんので次の年のお盆が初盆となります。

読み方は?新盆との違いはある?

初盆の読み方は地域によって違いがあり、「はつぼん」もしくは「ういぼん」と読むことが多いです。また、「新盆」という言葉もありますが、意味やするべきことは同じです。

 

新盆も「あらぼん」、「にいぼん」、「しんぼん」と地域によって読み方が異なります。西日本では「初盆」、東日本では「新盆」と呼ばれることが多いようです。

普段のお盆との違い

お盆は夏(一般的には8月15日)に亡くなった人が家族のもとに帰ってくる日とされ、故人の供養をする行事の一つです。その中でも特に初盆は、故人が亡くなってから初めて迎えるお盆のため、より念入りに供養を行います。

 

普段のお盆より行う行事が多くなり、参加する人の範囲も多くなるのが一般的です。それに併せて、住職を招く場合のお布施の相場も普段のお盆より高くなります。

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浄土真宗にはお盆はない

同じ仏教でも、浄土真宗は本来の信仰に従っていえば、お盆の法要は行いません。浄土真宗ではお盆の時期に故人が戻ってくるという考えがないからです。浄土真宗においてお盆は「歓喜会」と呼ばれ、亡くなった方をご縁に命の尊さを再確認し、ご念仏の教えに出会えたことを感謝する機会として捉えられています。

 

このように浄土真宗は他宗派とお盆に対する考えは異なりますが、特に親戚同士で集まるというような場合は、他宗派と同じように僧侶に法要を依頼することができます。

お布施とは

お布施とはもともと六波羅蜜と呼ばれる仏教における修行の一つで、「見返りを求めずに人に施しをする」という意味があります。

 

そのため宗派によっては、お布施は住職ではなく、ご本尊に捧げるものであるとされることもあります。 しかし現在では、お勤めをしてくださった住職への「お礼」の意味合いが強くなっています。

 

どちらにせよ、お布施は報酬ではありませんので、基本的に決まった額ありません。とはいえ、相場を大きく下回る安いお布施では住職に対して失礼にあたりますので、相場をきちんと掴んでおくことが必要です。

初盆のお布施の相場

初盆のお布施の相場は地域や宗派によっても違いがありますが、3~5万円と考えておくと良いでしょう。初盆以降のお布施の相場が5000~2万円程度なので、それよりやや多めです。初盆は普段のお盆より手厚く行うため、お布施も多めに包む必要があるのです。

 

一般的な相場は以上の通りですが、特殊なケースについては以下にご紹介します。また、僧侶に法要を依頼する場合はお布施以外にも謝礼が必要になりますので、それも併せて説明します。

納骨式も一緒に行う場合

納骨を行う時期は特に決まっていませんが、四十九日や一周忌など法要と併せて行うことが多いです。時期やお墓の準備によっては、初盆に納骨が行われることもあります。「納骨をしないまま初盆を迎えるのは良くない」という人もいますが、特に宗派や地域、菩提寺による決まりがないのであれば、初盆に納骨をしても問題ありません。

 


その場合は、初盆のお布施に納骨式でのおつとめのお布施も加えて渡します。相場は5~10万円程度と考えておくと良いでしょう。お膳料やお車代は1回分で問題ありません。ただし、初盆の法要を行った場所とお墓が遠い場合は、それを考慮して多めにお車代を準備する必要があります。

合同法要の場合

菩提寺の規模や慣習によっては、初盆を迎える施主をお寺に集め、合同で法要を行うことがあります。合同法要は僧侶が檀家を回ることがないのでゆっくり法要を行えるというメリットがあります。

 

合同法要ではお布施の額が決まっていることもありますが、決まっていないのであれば先ほどご紹介した相場を考慮してお布施を用意しましょう。合同法要だからといってお布施の額を少なくするのは避けましょう。

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お布施とは別に住職に渡すお金とその相場

初盆だけではなく、僧侶に法要を依頼した場合はお布施以外にも謝礼が発生することがあります。その謝礼の種類と相場についても把握しておきましょう。

お車代

僧侶が自分でお寺から法要場所まで来た際に渡す交通費です。地域によって異なりますが、3000~1万円が相場です。お寺で法要を行った場合や、施主が送り迎えをしたりタクシーを手配したりした場合はお車代は不要です。

御膳料

初盆や法事の後の会食を住職が辞退した際に渡す食事代です。相場は5000~1万円です。会食に参加するかどうかあらかじめ住職に確認し、不参加の場合はお膳料を準備しておきましょう。

 

なお、お車代やお膳料といった謝礼はお布施とは性格を異にするものですので、お布施とは別に包みます。

お布施の包み方

続いて、お布施の包み方についてご紹介します。準備する封筒や墨、書き方などお布施には独特のしきたりがありますので、しっかり押さえておきましょう。

白い無地の封筒を使う

初盆は供養の行事であり葬儀と関連があるため、不祝儀用の水引のついた封筒に入れると思われがちです。しかし、お布施とは先ほどご紹介した通り御本尊様に捧げるもの、もしくは住職への感謝の気持ちを示すものであり、不祝儀の意味合いはありませんので、不祝儀用の封筒を用意する必要はありません。

 


伝統的な方法では奉書紙に包みますが、現在では準備していない家庭が多いこと、包み方がやや難しいことから、代わりに白い封筒を使うのが一般的です。封筒は郵便番号を書き入れる窓やイラストの書いてあるものは避け、完全に無地のものにしましょう。

 

また、二重になっている封筒は「悲しみや苦しみが重なる」とされるため、使わないようにしましょう。

書き方

表書きには「御布施」と書きます。間違いがちな書き方として「読経料」や「供養料」がありますが、露骨に「報酬」であると感じられてしまいますのでふさわしくありません。お布施はあくまで「お気持ち」であるという点を忘れないようにしましょう。表書きの下には施主のフルネームもしくは家名(○○家)を書きます。

 

封筒の裏面には施主の氏名や住所、電話番号などの連絡先、包んだお布施の金額を書きます。中袋がある場合は外袋の裏面には名前のみを書き、中袋の表面中央に金額を、裏面の左下に連絡先を書き入れます。また、金額を書き入れる際には「金伍萬圓」というように旧字体を使うのがマナーです。

 

葬儀やお通夜の際には薄墨を使います。これは「涙で墨が薄くなった」ことを表します。しかしお布施は御本尊様に捧げるもの、もしくは僧侶への謝礼ですので、薄墨ではなく濃墨をつかいましょう。

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お札の選び方や枚数にも注意

通夜や葬儀で包むお布施や香典は旧札を使います。これは「突然のことで新札を用意できなかった」ということを示すためです。しかし、初盆はあらかじめ行われることが分かっているため、新札を使うのが作法にかなっているといえます。

 

ただし、新札を用意するのが難しい場合は旧札でも構いません。手持ちの中からなるべく皺の少ない、きれいなものを選びましょう。

 

紙幣の枚数や金額についても注意が必要です。4は「死」を9は「苦」を連想させるため、冠婚葬祭全てにおいてふさわしくない数字です。紙幣の枚数や金額が「4」や「9」になることは避けましょう。

お布施の渡し方

お布施の渡し方にも注意が必要です。タイミングや渡し方、準備物を把握し、きちんとした作法でお渡しできるようにしましょう。

お布施を渡すタイミング

お布施を渡すタイミングは法要が始まる前、もしくは後です。一般的には法要前に渡しますが、法要の準備で僧侶が忙しくしている場合は法要後におつとめのお礼を述べて渡すようにしましょう。

 


また、合同法要の場合は入り口に受付が用意されていますので、そこでお布施を受付の方に渡しましょう。

お布施は手渡ししない

お布施を渡す際に注意したい点が「直に渡さない」ということです。お布施は切手盆、もしくはふくさに乗せて渡しましょう。切手盆とは祝儀・不祝儀袋を乗せるために使われる小さな長方形のお盆です。用意できるのであれば、切手盆に乗せるのが正式な方法です。

 


お布施を渡す時にはまず自分の方に封筒の文字が正立で見えるように持ち、180度回転させて住職もしくは受付の方に差し出します。相手が受け取ったら切手盆もしくはふくさを下げます。また、お車代や御膳料がある場合は、上からお布施→お車代→御膳料の順に乗せます。

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お布施を渡す際の挨拶

お布施を渡す際には、心を込めてお礼の挨拶をしましょう。挨拶例を以下にご紹介します。

 

(法要の前に渡す場合)
本日はお忙しい中、○○(故人)の初盆にお越しいただき、誠にありがとうございます。些少ではございますが、お礼でございます。どうぞお納めください。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

 

(法要の後に渡す場合)
本日は○○(故人)の初盆に際し、御心のこもったお勤めを頂きありがとうございました。また、お忙しい中最後までお付き合いくださいましてありがとうございます。些少ではございますが、お礼でございます。どうぞお納めください。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

お布施の準備以外に行うこと

お布施の準備以外にも、お盆の法要の際にはさまざまな準備が必要です。特に初盆は準備するものや招く人の数が普段のお盆より多くなります。早い段階から計画を立てて、漏れのないように準備しましょう。

僧侶への連絡

お盆には法要が集中しますので、菩提寺には早めに連絡をしておきましょう。その際に会食に参加されるかどうかも確認します。また、お寺によっては合同法要を行います。時間や(決まっているのであれば)お布施の額、その他注意点などを確認しておきましょう。

挨拶状の送付

初盆の法要の日時が決まったら、参列者に挨拶状を送ります。日時や場所、スケジュール、また会食を行う場合はお店の場所や会食の時間も併せて記します。挨拶状を送る時点で会食場所が決まっていない場合は、後日の連絡でも構いません。

 

参列者の数や車の有無によっては団体バスやハイヤーなどの予約が必要になりますので、人数を把握するためにも挨拶状は早めに送りましょう。

 


参列者の範囲は明確に決まっていませんが、普段のお盆より大々的に行いますので、親族や故人と親しかった友人、知人を招くと良いでしょう。初盆を過ぎ、普段のお盆は家族だけで行うことも多いため、挨拶状の準備は省略できます。

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お墓の掃除

初盆では法要のあと参列者でお墓参りをします。初盆の前にはお墓をきれいに掃除して、気持ち良くお墓参りができるようにしておきましょう。法要の1週間~3日前を目安に掃除をしておくと良いでしょう。

精霊棚やお供え物の準備

普段のお盆にも共通することですが、初盆の際には特に手厚く精霊棚やお供えを準備します。地域や宗派によって違いはありますが、一般的な物をご紹介します。

 

まずは精霊棚を準備します。精霊棚は「盆棚」もしくは初盆の時に限り「新棚」ともいいます。法要に必要な道具や故人へのお供えを捧げる際に使用します。仏壇の前に葬儀の際に祭壇として使った棚を置き、その上に真菰を敷いて四隅に葉のついた青竹を立てます。

 

その上に位牌、ナスやキュウリで作った「精霊馬」、お供え物(線香、ろうそく、花、食べ物など)をお供えします。そうめんやほおずき、お団子をお供えすることもあります。普段のお盆でも精霊棚は置きますが、小机の上にお供え物を置くなど、初盆より小さなもので構いません。

 

盆棚の近くには提灯を置きます。仏間にスペースがない場合は、吊るすタイプの提灯を用意し、玄関先や軒先、仏壇の前に吊るすと良いでしょう。これはご先祖の霊が帰ってくる際の目印になるといわれています。

 

普段のお盆でも提灯を置きますが、模様に大きな違いがあります。初盆の場合は模様のない「白提灯」を使います。これは清浄無垢な気持ちで初めて帰ってくる故人様を迎えるという意味合いがあります。初盆を過ぎた後は模様入りの提灯を置きます。

迎え火を焚く

迎え火は提灯と同じく、霊が帰ってくる際の目印です。一般的にはお盆の入り日(8月13日)の夕方に焚きます。軒先でおがらやろうそく、松明などを燃やします。

 

また、逆に8月16日には送り火を焚きます。送り火は別れを惜しむ気持ちを込め、迎え火よりも遅い時間に焚きます。

初盆のお布施についてまとめ

初盆のお布施について、相場や準備の仕方、渡し方をご紹介しました。毎年訪れるお盆ですが、故人様の霊が初めて帰ってくる初盆は特に手厚い供養が必要です。初盆に際し、法要を行ってくれた僧侶に対して感謝の気持ちを示すためにも、お布施の金額や包み方に気を配り、温かな感謝の言葉を添えて渡すようにしましょう。