一周忌法要の挨拶を施主・参列者の立場や場面ごとに徹底解説

公開日 : 2021/2/27

更新日 : 2021/2/27

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今回は一周忌法要での挨拶の注意点や例文を紹介しています。参列者や施主の立場、場面ごとに説明しているので、必要な場面に応じて確認してみてください。一周忌の法要では、どんな場面で挨拶をするのか事前にわかっていることが多いので、事前に準備しておくとよいでしょう。

公開日 : 2021/2/27

更新日 : 2021/2/27

目次

一周忌とは

まず、一周忌について説明していきます。一周忌とは故人が亡くなった日から丸1年が経った日に実施される法要のことを指します。一周忌に喪が明けるという意味があるので、年忌法要の中でも重要視されています。

 

喪が明けるとは、故人を偲んでお祝い事(結婚式やお正月)などを避けて謹んで生活する喪中期間が終了するという意味があります。

一周忌法要の流れ

一周忌の法要の流れについて確認していきましょう。具体的には当日までの準備と当日の流れをお伝えします。

一周忌法要当日までの準備

一周忌の法要には、ご遺族や親族、故人と親しかった友人が参列します。一周忌の日が近づいてきたら、法要を行う日や場所を決めるために早めにお寺の僧侶や参列予定の親族に連絡を取り始めましょう。

 

近年では、参列者の予定を考慮して、命日当日ではなく、命日の直前の土日に法要が行われることが増えてきています。参列者の都合に合わせて、日時や場所を決めましょう。

 

会場は自宅やお寺で行う場合が多いですが、人数が多いときにはホテルやセレモニー会場を利用することが一般的です。その後、会食の場所や内容などを相談し、参列者への案内状の準備を行います。

一周忌法要当日の流れ

開始時間になれば、まず僧侶が仏壇正面の前まで入場されます。そして、一周忌を始める際に施主からの初めの挨拶があります。その後、僧侶による読経、喪主から順番に焼香、僧侶による法話があり、僧侶が退場されます。

 

僧侶がお帰りになられる際、僧侶が会食に参加されない場合は一周忌のお布施をお渡しします。会食に参加される場合は、会食の後にお布施をお渡ししましょう。その後、法要の最後として、施主からの終わりの挨拶があります。

 

法要のあと、参加者で故人との思い出話などを語りながらお食事をします。これをお斎と呼びます。この会食のときにも施主は参列者に対して挨拶を行います。法要とお斎を合わせて、法事と呼びます。

 

参列者への香典返しは法要のみの場合は法要が終わった時に行いましょう。会食がある場合は、会食が全て終わった後に渡すか、会食の会場の参列者の机や椅子の下に置いておくようにしましょう。

施主の挨拶

一周忌の流れについて確認をしてきました。施主の挨拶をする機会は多くあり、場面ごとで内容が変わります。事前に挨拶の内容を決めておきましょう。ここでは、場面ごとに時系列で挨拶の内容や例文を紹介していきます。

法要初めの挨拶

法要の開始を知らせる挨拶になります。法要初めの挨拶は簡潔に行います。「本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。これより○○の一周忌の法要を始めさせていただきます。」など、簡潔に行います。

 

○○の部分は故人の氏名か戒名を入れるとよいでしょう。その後、僧侶に「宜しくお願いします。」と伝えて読経を始めてもらいます。

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法要終わりの挨拶

一周忌の法要は施主の挨拶によって終了します。この際、法要の後にお斎の予定があれば、その案内も含めた挨拶にしましょう。例文の紹介をします。

 

「皆様のおかげで、無事に故○○の一周忌法要を終えることができました。故人も多くの方に集まっていただき、安心していることと思います。故人に代わって熱く御礼申し上げます。皆様にはこれからも変わらぬご支援のほど、宜しくお願いいたします。粗宴ではございますが、別室にてお膳をご用意いたしました。○○の思い出話をしながらお召し上がっていただいたら、とても喜ばれると思います。お時間の許す限り、どうぞごゆっくりなさっていってください。本日は誠にありがとうございました。」

 

などど、故人の思いや感謝の気持ちを込めて、挨拶を行いましょう。

僧侶にお布施を渡す際の挨拶

僧侶にお布施を渡す際の挨拶を紹介します。お布施とは、法要を行った僧侶の方へのお礼を指します。一周忌のお布施を渡すときは、水引をつけずに白い封筒でお渡ししましょう。表には、何も書かないか、「お布施」と書きましょう。

 

お布施を渡す際は、お盆に載せて渡すか、袱紗に包んでお渡ししましょう。お布施を渡すのは、法要後もしくは、お斎が終わった後にお渡しします。挨拶としては、法要へのお礼やお斎まで参加してくださったことへのお礼を伝えましょう。挨拶の一例は以下のとおりです。

 

「本日は、お心のこもったお勤めをして頂きましてありがとうございました。些少ではございますが、これはお礼でございます。どうぞお納め下さい。どうか今後とも宜しくお願い申し上げます。」

 

「本日は、お心のこもったお勤めをして頂きましてありがとうございました。またお忙しい中を最後までお付き合い頂きありがとうございました。些少ではございますが、これはお礼でございます。どうぞお納め下さい。どうか今後とも宜しくお願い申し上げます。」などをお勧めします。

会食(お斎)初めの挨拶

法要を終えた後に会食を行う場合は、会食の始めを告げるため、施主が挨拶を行います。ここでの挨拶は簡潔に行います。例えば以下のとおりです。

 

「それでは会食を始めさせていただきます。どうぞお召し上がりください。大したおもてなしもできませんが、ごゆっくりおくつろぎくださいませ。何かございましたらいつでもお声がけください。」

 

「本日はお忙しい中、お越しいただき、ありがとうございます。おかげさまで一周忌法要も滞りなく済ませることができました。これより、時間の許す限りご一緒に故人を偲びたいと思います。はじめに◯◯様に献杯のご発声をお願いします。」など、献杯をしてくださる方の紹介を含めた挨拶を行います。

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献杯の挨拶

お斎では、乾杯ではなく献杯を行います。献杯とは、故人に対して敬意を表し、杯を捧げるという意味があります。ここでの挨拶のポイントはできるだけ手短に終わらせることです。参列者が杯をもったままであることに配慮をしましょう。

 

挨拶の内容は、自己紹介や故人とのエピソード、お悔やみの言葉を含めた1分程度のものにしましょう。施主が献杯の挨拶を行う場合の例文は以下のとおりです。

 

「本日は故人○○の葬儀にご参列下さり誠にありがとうございました。滞りなく葬儀を終えることができたことは参列してくださった皆様のおかげであり故人もさぞ喜んでいることと思います。ささやかではございますが、故人を偲びながら会食を行っていただくための膳をご用意いたしました。皆様でお召し上がりくださればと思います。本日はありがとうございました。それでは献杯させていただきます。献杯」です。

 

親族が行う場合は「ただいまご紹介に預かりました、故人の親族の○○でございます。 本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございました。お陰様で無事に忌明けを迎えることができ、故人もひと安心していることでしょう。それでは献杯のご唱和をお願いします。 故○○の冥福を祈りまして、献杯。」です。

 

故人の友人が挨拶を行う場合は「ただいま、ご紹介いただきました、○○でございます。故人○○様とは、学生の頃からの付き合いでありまして、良き友人であり、大変お世話になりました。今日は、皆様と故人の思い出を語りながら、故人を偲びたいと思います。それでは、ご唱和お願いいたします。献杯」です。

会食(お斎)終わりの挨拶

一周忌法要の終わりの挨拶として、会食の終わりに施主が行います。ここでは、簡潔に参列者に対するお礼を伝えましょう。例文としては「そろそろお時間となりましたので、これにてお開きとさせていただきます。本日はありがとうございました。」です。

 


他には「そろそろお時間となりましたので、これにてお開きとさせて頂きたいと存じます。これからも変わらぬご支援のほどよろしくお願い申し上げます。ささやかではございますが、お手元にお礼の品をご用意いたしました。どうぞお忘れ物の無いようにお気を付けてお帰り下さいませ。本日はありがとうございました。」のように、香典返しの案内をするのも良いでしょう。

参列者の挨拶

参列者として一周忌法要に参加する場合の挨拶について確認していきましょう。基本的に遺族の方に向けて挨拶をする際は、「ありがとうございます。」などの感謝の気持ちを表す表現は避けることがポイントです。

会場に到着した時の挨拶

会場に到着した後、遺族の方に向けて挨拶をしましょう。挨拶の一例としては、「この度はご丁寧にご通知をいただき恐れ入ります。ご法要の席に参列させていただきます。」です。

 

他には「本日はご案内を頂き恐縮です。今日は心を込めて一緒にお祈りさせて頂きます。」など、改まった表現を使うのが一般的です。

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遺族と対面した時の挨拶

遺族の方とお会いした時の挨拶では、労いの言葉をかけましょう。例としては、「ご無沙汰しております。この1年は大変でしたね」や「故人には大変お世話になりました。」と故人とのエピソードをお話するのもよいでしょう。

香典を渡すときの挨拶

香典を法要でお渡しするときに、一言挨拶を加えてお渡しするのがよいでしょう。例えば。「心ばかりですが、仏前にお供えください」や「ほんの気持ちではございますが、こちら香典でございます」などと挨拶しましょう。

法事が終わった時の挨拶

法事が終わり、帰る際には招待されたことに対する感謝の気持ちを伝えても問題はないでしょう。例としては「本日は誠にありがとうございました。お身体にはお気をつけください。」です。

 

他には「本日はお招きいただきましてありがとうございました。 どうぞくれぐれもご自愛ください」などです。また、やむを得ない理由で途中退出される場合は、途中退出することに対するお詫びと招待してくれたことに対するお礼を伝えましょう。

 

例えば、「本日はお招きいただき、ありがとうございました。本日は勝手ながら都合により、これにて退場させていただきます。申し訳ありません。」などと伝えるのがよいでしょう。

手紙や電報での挨拶

万が一、一周忌に参加することができない場合には手紙や電話を用いてご遺族の方にお詫びの言葉を伝えましょう。香典やお供え物を送る際には、手紙を添えるとよいでしょう。

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弔電の挨拶

急ぎで喪主やご遺族の方に法事に参列できないことを伝えたい場合は弔電を送りましょう。弔電は遠方にいたり、健康上の都合で参列できなかったりするとき、ご遺族の方々にお悔やみの言葉を伝えるために行います。弔電では、参列できないことに対するお詫びを述べましょう。

 

例えば、「○○様の一周忌と伺い、悲しみを新たにしております。 お身内の方の悲しさ、寂しさはいかばかりかとお察し申しあげます。当日は心ばかりの香花をたむけ、故人を偲びたいと思っております。 遠方より故人のご冥福と、皆々様のご健康をお祈りいたします。」です。

 

他には「一周忌のご案内ありがとうございます。改めて故人のことが偲ばれます。やむを得ない事情により参列できず、誠に申し訳ございません。心ばかりのお花を送らせていただきましたので、ご仏前にお供えください。」などと香典やお供え物を送った場合には、その旨を伝えましょう。

手紙での挨拶

時間に余裕がある場合は、手紙を送り、仏前にお供えしてもらうとよいでしょう。手紙の内容としては、参列できないことへのお詫びやご遺族への労りの気持ち、故人とのエピソードを書くとよいでしょう。

 

注意点としては、拝啓などの頭語や結語は用いないことと忌み言葉を使用しないようにすることです。手紙の構成を説明していきます。まず、最初に一周忌法要に招待してもらったことに対するお礼を書きましょう。

 

その次に一周忌法要に参列することができなくなった理由とお詫びを述べましょう。その後、故人との思い出エピソードやご冥福を祈る言葉、ご遺族をいたわる気持ちを書き、締めの言葉でくくりましょう。例文を紹介します。

 

「○○様の一周忌を迎えられ、悲しみを新たにされていることと思います。訃報から一年が過ぎようとしていることを考えると、月日の流れを感じます。○○様の明るく温かいお人柄に、職場の誰もが励まされておりました。今も○○様のお優しい笑顔が鮮やかに思い出されます。在りし日のお姿を偲び、心からご冥福をお祈りいたします。気持ちばかりのものを同封いたしましたので、御仏前にお供えください。ご家族の皆様のご健康をお祈り致します」です。

 

他には「一周忌のご法要にあたり心より○○様のご冥福をお祈りいたします。○〇様との思い出は今でも鮮明に覚えており、大変お世話になりました。今でも感謝しております。都合により一周忌法要に参列することはできませんことをどうかお許しください。気持ちばかりではございますが、同封のお花をお仏前にお供えいただきたいと思います。どうか無理をなさらず、お体ご自愛ください。皆様のご検討をお祈りします。」といった書き方があるでしょう。

挨拶の注意点

最後に挨拶の注意点をまとめます。これらは施主と参列者の両方にあてはまる注意点です。まず、1つ目は忌み言葉を使わないことです。

 

忌み言葉とは、「くれぐれ・おいおい・重ね重ね」など繰り返して使う言葉や「迷う・浮かばれない」といった後ろ向きの表現をする言葉を指します。忌み言葉は不幸を呼ぶと考えられているので、できるだけ使わないように注意しましょう。

 

2つ目は話題に注意することです。故人の悪評や法要に関係のない笑い話などはしないように心がけましょう。他の参列者やご遺族の方に迷惑のかからないように配慮しましょう。

事前に挨拶の内容を決めよう

今回は参列者や施主の立場、場面ごとに挨拶の注意点や例文をみてきました。一周忌の法要では、どんな場面で挨拶をするのか事前にわかっていることが多いので、法事が始まるまでに話す内容を準備しておくのがよいでしょう。