喪中に初詣に行っていい?喪中期間の年末年始の過ごし方について

公開日 : 2021/2/18

更新日 : 2021/2/18

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喪中は亡くなった人を悼み、静かに過ごす期間です。そのため、喪中に初詣に行っても良いのか悩む方も多いのではないでしょうか。今回の記事では、喪中における初詣の是非を始め、喪中と忌中の違いや、年末年始の喪中の過ごし方についてご紹介します。

公開日 : 2021/2/18

更新日 : 2021/2/18

目次

喪中に初詣に行っても問題ない?

葬儀を終えてから一定期間内は「喪中」といい、身を慎み故人様を悼む時期です。
この時は華やかなことは避け、静かに過ごすことが良いとされています。


初もうでに関しても、「喪中は言ってはいけない」、「鳥居を避けて通れば大丈夫」など、いろいろな話があるため、どうすれば良いのか悩んでしまうかもしれません。

 

結論から言いますと、喪中でも初詣に行って構いません。ただし、「忌中」の時は神社への初詣は控えた方が良いとされています。

 

なぜそのようなしきたりがあるのか、喪中と忌中、また神社とお寺における初詣の意味合いの違いからご説明します。また、初詣に関わる行事や、おせち料理やお年玉などの初詣以外の年末年始の行事が喪中・忌中でもできるかどうかも併せてご紹介しましょう。

喪中とは

そもそも喪中というのはいつまでの期間を示すものでしょうか。喪中の期間ははっきり決まっていませんが、原則として「亡くなった翌年に行われる一周忌法要までの期間」を指します。昔はこの期間は「結婚式をしてはならず、音楽を奏でてはならず、門戸も閉ざし、お酒や肉も慎む期間」と考えられていました。

 

昭和22年までは法律によって服喪期間が定められており、父母ならば13か月間、兄弟なら90日というように故人との関係によって喪中期間は異なるとされていました。しかし現在ではそのような法律は撤廃されています。

 

現在では服喪期間に上記のようなことを控える習慣も失われつつあります。喪中の考え方は地域や宗教、家柄によって異なるため、これはしていい、あれはしてはいけないというのは明確には述べられません。

 

旅行や結婚式をしてはいけないとされることもありますが、喪中期間は1年と長く、喪中を気にしていては何もできないというのが実際のところです。旅行や結婚式などに関しては自身で判断するか、家族や親族と相談して決めると良いでしょう。

 

また、お正月のお祝い事であるおせち料理やお年玉は避けた方が良いとされますが、食事やお小遣いなど形を変えて行うこともできます。後ほど詳しくご紹介しましょう。

忌中との違い

しかし、忌中となると現在でも控えた方が良いことが厳密に決められています。仏教における忌中とは一般的に四十九日までの期間を指します。つまり、喪中期間の最初の四十九日間が忌中です。

 

神道では故人との関係性や地域の風習によって日数が異なりますが、一般的には五十日祭までとされています。神道においては、亡くなった人はもちろんのこと、遺族にも死の「穢れ」があるとされます。

 

この「穢れ」は「汚れ」ではなく、気が枯れる「気枯れ」という意味合いを持っています。「気枯れ」とは、大切な人が亡くなって気力を失っている状態を指すともいわれています。神道の神は穢れの状態を嫌うため、忌中は神様に近づいたり、神道の行事を行ったりすることは禁じられています。

 

そのため、忌中は神社を訪れたり、お祝い事をしたりせず、喪中期間よりもさらに厳しく故人の死を悼んで静かに過ごすことが良しとされます。 

 

家に神棚がある場合、忌中期間は神棚にしめ縄を張って半紙を貼り、お供えは全て下げる「神棚封じ」を行います。神道において、神を「穢れ」に近づけないという教えは絶対的なものであるといえます。

神社での初詣

先ほどご紹介した通り、忌中は神社に訪れること自体が禁止されます。そのため、忌中にお正月が重なっている場合、初詣に行くことはできません。

 

時々、「鳥居を通らなければ神社に詣でても良い」と言う人がいますが間違いです。鳥居は神様の元へ行くための玄関のようなものであり、鳥居を通らないのは神様に対して大変な失礼にあたります。絶対にしないようにしましょう。

忌中に神社に行ってしまった場合の対処法

忌中に神社を訪れることは禁じられていますが、知らずに行ってしまった、付き合いでどうしても行かなければならなかったという場合もあるかもしれません。

 

日本の神道には厳しい戒律はありませんので、禁止されたことをしてしまったからと気にし過ぎなくても大丈夫です。どうしても気になる場合は、忌中が明けてから再び神社に詣で、神様にお詫びをすると良いでしょう。

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お寺での初詣

忌中にお正月が重なってしまったけれど、どうしても初詣に行きたいという場合はお寺に詣でると良いでしょう。お寺の場合は、忌中期間であっても初詣に行って良いとされています。


その理由としては、仏教には「穢れ」の概念がないこと、またお寺における初詣はご先祖様への新年の挨拶という意味合いがあり、お祝い事とは直接関係のないことが挙げられます。

 

特に浄土真宗は、「往生即成仏」といって亡くなった後すぐに仏になるという考えを軸としています。そのため亡くなった方の冥福を祈ることもなく、服喪期間自体が存在しません。

お寺・神社での行事はできる?

上記でご紹介した通り、お寺の初詣は禁止期間はなく、神社の場合も忌中が明ければ初詣に行って構いません。それでは、おみくじやお焚き上げなど、初詣以外に新年に行うお寺や神社での行事はどうでしょうか。以下に詳しくご紹介しましょう。

おみくじを引く

初詣に行った際おみくじを引く方も多いのではないでしょうか。一年の行く先を占うだけではなく、家族や友だちで見せ合って盛り上がるのもお正月の楽しみの一つです。

 


喪中の際におみくじを引いても良いかどうかには明確な決まりはありませんが、基本的に初詣に行ける状態であるならば、おみくじを引いても良いと解釈して問題ありません。つまり、忌中の神社来訪以外は初詣ができますので、その際におみくじを引いても構いません。

お守り・お札の購入

おみくじと同じく、初詣の恒例行事ともいえるお守り、お札の購入はどうでしょうか。こちらもおみくじと同じく、初詣ができるのであれば購入可能です。忌中期間は、神社への来訪自体ができませんので、神社でお守りやお札を買うことはできません。

 

初詣以外の時期も、忌中の間は神社でお守りやお札を買うことはできません。例えば受験シーズンで神社に学業のお守りを買いに行きたいが忌中であるという場合はどうすれば良いのでしょうか。

 

自分自身は神社に来訪できませんので、忌中ではない友達や親戚に購入してもらうと良いでしょう。また、規模の大きな神社では通信販売でお守りを販売していますので、利用するのも一つの手段です。

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お焚き上げ

初詣の際、古いお守りや破魔矢、お札などを神社に納めてお焚き上げを行い、そのうえで新しいお守りやお札を購入することを新年恒例の行事にしている方も多いのではないでしょうか。

 


しかし、忌中の間はもちろん神社に訪れてお焚き上げをしてもらうことはできません。忌中が明けてから改めて神社に訪れ、お焚き上げをしてもらうと良いでしょう。

 


どうしても新年にお焚き上げをしてもらわないと落ち着かないという場合は、郵送でお焚き上げを依頼するという手段もあります。郵送でのお焚き上げが可能か、可能な場合はどのようにお焚き上げ料を支払えばいいかは神社によって異なりますので、問い合わせてみてください。

厄払い・厄除け

厄年を迎えた方は、初詣と併せて神社で厄払いを行うこともあります。しかし、忌中の場合はどうすれば良いのでしょうか。

 

忌中には神社に訪れること自体ができませんので、初詣はもちろんのこと、厄払いもできません。忌中が明けてから改めて神社に行き、厄払いをすることになります。 もしお正月のうちに厄を落とす儀式を行いたいのであれば、お寺で厄除けをしてもらうと良いでしょう。

 

ただし、厄払いと厄除けは厳密にいうと目的が違います。厄払いは「悪いものを追い払う」、厄除けは「悪いものが近づかないように守る」という点で多少の違いがあります。その違いは抑えたうえで、儀式を行う時期や場所を検討しましょう。

初詣以外の年末年始の行事

年末年始には初詣のほかにも、年越しそばや除夜の鐘、おせち料理などさまざまな行事があります。忌中や喪中の際には、そういった行事も控えるべきなのでしょうか。以下に詳しくご紹介します。

年越しそば

大みそかに食べる年越しそばはそばのような長いものにあやかって、長く生きられますようにと願いを込めて食べる縁起物です。お祝いの意味合いはありませんので、喪中でもいつも通り食べて構いません。

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除夜の鐘を鳴らす

先ほどご紹介した通り、忌中であってもお寺に詣でることは禁止されていません。また、除夜の鐘は人間の煩悩や苦しみを取り去るための儀式であり、慶事とは関係がありません。以上の理由から、大みそかにお寺に行き、除夜の鐘を鳴らしても問題はありません。

年賀状

喪中の際には年賀状はやめ、代わりに喪中はがきを出します。喪中はがきは年賀状の準備が始まる前、10月中旬から12月初旬までに届くように出すようにします。

 

冒頭に「喪中につき新年のご挨拶を控えさせていただきます」という旨の文章を書き、その次に故人の情報(名前、続柄、年齢など)を記述します。また、「生前賜りましたご厚情に深く感謝いたします」という感謝のメッセージも盛り込んでおきましょう。

おせち料理・お雑煮

正月の代表的な料理といえばおせちです。縁起ものの料理が詰め合わされ、見た目にも華やかなおせちは、お正月の晴れやかな雰囲気をなお一層高めてくれます。しかし、お祝いの意味合いの強いおせちは、喪中にはふさわしくないとされています。

 

ただ、毎年あるはずのおせちが全くないのも味気ないものです。鯛やエビ、紅白のなますやかまぼこなど、見るからにおめでたいものは省き、見た目も控えめにして、おせちではなく一般的な食事として食べるのであれば問題ありません。

 


お雑煮も同じく、見た目が華やかになり過ぎないように気をつけましょう。また、お正月には祝箸を使いますが、喪中の際には普通の箸を使います。

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正月飾り

しめ縄や門松といった正月飾りは、神道における歳神様をお招きするためのものです。前述の通り、神様は「穢れ」を嫌いますので、忌中の際には正月飾りはしないようにしましょう。

 

喪中期間であっても忌中が明けている場合は正月飾りをしても構いませんが、地域によっては家の外に飾っていると「あの家は喪中なのに正月飾りをしている」と言われるかもしれません。喪中期間には外にお正月飾りをしない方が無難です。

晴着を着る

お正月にふさわしい明るく華やかな晴れ着ですが、お祝い事のイメージが強いため、忌中の際には避けた方が良いでしょう。どうしても着物を着たい、また成人式などが忌中と重なっているという場合は、吉祥紋(鶴亀や松竹梅など縁起の良い模様)は避け、落ち着いた色合いのものを選ぶようにしましょう。

お年玉

お年玉は新年が始まったことをお祝いする行事であるため、喪中の間は控えた方が良いとされています。しかし、子供にとってはお年玉は一年に一度の楽しみです。喪中が原因でお年玉がもらえないとなるとがっかりするだけではなく、故人様や葬儀に対して悪いイメージを持ちかねません。

 


お年玉ではなく「お小遣い」や「文房具・書籍代」という名目で、渡すと良いでしょう。封筒もお年玉用のものではなく、無地のシンプルなものを選びます。

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新年会

年始には親族や友達同士で集まり、賑やかに新年会を行うのも楽しみの一つです。しかし、新年会はお祝い事の意味合いが強いことから、なるべく避けた方が良いでしょう。

 


会社や仕事の関係者が主催する新年会に招かれた場合は、出席するべきかどうか迷うかもしれません。会社の雰囲気や出席者によっても異なりますが、仕事としての意味合いが強い新年会であれば出席した方が無難でしょう。判断に迷った場合は、上司や幹事に相談すると良いでしょう。

お墓参り

お墓参りは慶事ではありませんので、忌中や喪中に行っても問題ありません。むしろ、亡くなった人を想う期間である喪中にお墓参りをするのは良い行為であるといえます。

 

ただし、喪中期間かどうかに関わらず、初詣とお墓参りを同じ日にするのは無作法であると考える人もいます。理由は以下の2点です。

 

  1. 神道の神は死を穢れとして嫌うことから、神社に死の気配を持ち込むのを避けるため
  2. どこかへいったついでにお墓参りをするのは「ついで参り」と呼ばれ、仏様やご践祚様に対する不敬に当たるから

 

そのため、お正月にお墓参りをする時には以下のようにすると良いでしょう。

 

  1. 初詣とお墓参りの日を分ける
  2. お墓参りを中心に予定を立て、その中に初詣を組み込むという形にする
  3. 初詣の後でお墓参りに行く、もしくはお寺に初詣に行く

喪中の初詣についてまとめ

これまでお話してきた通り、忌明けが済んでいれば喪中であっても神社に初詣に行っても構いません。また、お寺であれば、初詣が禁止されている期間はありません。また、今回の記事では初詣以外の年末年始の過ごし方についてもご紹介しました。やはり喪中や忌中には華やかなふるまいは避け、静かに過ごすのが良しとされます。

 


ここで気を付けていただきたいのが、喪中や忌中は「お祝い事の禁止期間」ではないという点です。喪中や忌中は故人様を想い、心を慰め、気力を取り戻すために設けられた「癒しの期間」です。喪中や忌中を正しく過ごし、心を癒して明るく前向きに生きていくことが、故人様にとって何よりの供養になることでしょう。