お布施の封筒は何を選ぶべき?書き方や包み方もご紹介します

公開日 : 2021/2/12

更新日 : 2021/2/12

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法要の際に僧侶に渡すお布施。お布施は僧侶への謝礼であり、弔事で包むお金とはまた違った意味合いを持っています。お布施の場合は弔事と同じ封筒を使ってよいのでしょうか。お布施の封筒の選び方を、封筒の書き方やお布施の入れ方についてのマナーと併せてご紹介します。

公開日 : 2021/2/12

更新日 : 2021/2/12

目次

お布施とは

お布施の封筒のマナーについてお話する前に、まずは「お布施とは何か」という点を押さえておきましょう。

 

お布施とは仏教における「六波羅蜜(ろくはらみつ)」と呼ばれる修行法の一つで、現在でいうお布施は特にその中の「財施」に当たります。財施は「清らかな心で食べ物、お金、衣服を施すこと」であり、法要をあげて故人の成仏を祈ってくれた僧侶にお礼として渡すものです。

 

つまりお布施は僧侶に対するお礼の気持ちを示すものであり、弔事とは直接関係がありません。この点を頭に入れておくと、これからお話するお布施のマナーが理解しやすくなるでしょう。

お布施の封筒には何を使うべきか

僧侶にお布施を渡す場面としては、葬儀や通夜、法要などがあります。そのことから、何となく「弔事用の封筒にお布施を入れて渡すべきなのでは」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、先ほどご紹介した通り、お布施自体は弔事の意味合いを持っていません。そのため、白い奉書紙もしくは封筒に入れるのがマナーです。

現代では白い封筒が一般的

後ほどご紹介しますが、お布施は奉書紙という儀式に使う厚紙に包むのが正式です。しかし、家に奉書紙やお布施を包むための半紙がない、包み方が分からないという方も多く、現在では白い封筒が一般的です。

 

封筒のサイズは「長形4号」であれば、お札を折らずに入れることができます。郵便番号を記載する欄や挿絵などが入っていない、完全に無地のものを選びましょう。余計な印字や絵の入っている封筒は「間に合わせ」のイメージを僧侶に与えてしまい、せっかくの感謝の気持ちが台無しになってしまいます。

 

また、お布施用の封筒として、「御布施」と印字されたものが販売されています。こちらを使うと間違いないでしょう。

正式には奉書紙を使う

伝統的には、お布施は奉書紙に包んで渡します。奉書紙とは「楮(こうぞ)」という原料で作られている白い厚紙のことを指しますが、現在ではパルプを使った厚紙もそう呼ばれることがあります。

 

奉書紙はお布施を包むときや弔事を書く時に使われる、儀式にふさわしい正式な紙です。僧侶に対する感謝の気持ちを最大限伝えたい場合は、奉書紙を使うと良いでしょう。

 

奉書紙を使う場合は、半紙にお布施を包む、あるいは中袋に入れて、奉書紙を左→右→下→上の順で畳みます。奉書紙は表裏があり、ツルツルしている面が表、ザラザラしている面が裏です。間違えないように気をつけましょう。

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のし袋でも構わない

お布施は僧侶に対する謝礼のため、仏事だからといって水引は必要ありません。しかし、準備できない場合は水引のついたのし袋で包むことも可能です。ただし、その際には水引の色に注意しましょう。

 

例えば、四十九日前の法要でお布施を渡す際は黒白や双銀の水引を使います。関西エリアでは一周忌後のお布施は黄白の水引を使う場合もあります。また、お墓や仏壇の開眼供養などおめでたい場面では紅白の水引を使う、33回忌は慶事とされ紅白の水引を使う、などさまざまなしきたりがあります。

 

いずれも地域によって異なりますので、必ず菩提寺や同じ地域の方に確認しましょう。

お布施の封筒の購入場所

お布施の封筒は無地の白封筒で構わないため、さまざまなお店で購入できます。仏壇仏具店だけではなく、スーパー、ホームセンター、文房具店、コンビニエンスストア、100円均一ショップなどで購入可能です。また、葬儀や法要をセレモニーホールで行う場合は、葬儀社にもらえることもありますので確認しましょう。

 

「お布施」と表書きが書かれたお布施用の封筒もほぼ同じお店で購入できます。ただし白い封筒よりも取り扱い店舗が少ないため、近場のお店で手に入らないということもあるかもしれません。その場合はオンラインショップで購入すると良いでしょう。

 

伝統的に奉書紙を使いたい、という場合は書道具店、和紙専門店、一部の文房具店などで購入できます。オンラインショップを利用するのも良いでしょう。奉書紙にお布施を包む場合は、紙幣を包むための半紙もしくは中袋が必要になりますので、併せて買っておきましょう。

お布施の封筒の書き方

続いて、お布施の封筒の書き方について基本マナーと表書、裏書、中袋それぞれの書き方をご紹介します。

基本のマナー

お布施の封筒に文字を書く際には墨もしくは筆ペンを使います。葬儀の際の香典袋には薄墨で文字を書きますが、お布施は濃墨で構いません。文字を書くのが苦手な場合は、あらかじめ印字してある封筒を使うか、スタンプを準備しておくと便利です。

 

数字を書く際には漢数字の旧字体を用いるのがマナーです。お布施で良く使う旧字体漢字を表にしましたので参考にしてください。なお、「四(肆)」、「九(玖)」は「死」や「苦」を連想させるため縁起が悪いとされます。冠婚葬祭では使用しないように気をつけましょう。

 

新字体 旧字体

 

表書きの書き方

表書きには「御布施」や「お布施」と書きます。「読経料」や「戒名料」といった表書きもありますが、お布施はあくまで僧侶への「お気持ち」ですので、露骨に行為への対価であるととらえられる「料」の字を使った表書きは避けた方が良いでしょう。

 

下段には施主の名前を入れます。書き方は施主の名字、〇〇家、フルネームのいずれかです。施主個人というより家からお布施をお渡しするので、名字もしくは〇〇家と書く地域が多いようです。こちらも地域によって異なりますので、同じ地域の人に確認すると良いでしょう。

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裏書の書き方

中袋がある場合は、裏面には何も書かなくても構いません。ない場合は裏面の右下部分に住所や電話番号といった連絡先を記入します。

 

香典は裏面に金額を書くのが一般的ですが、お布施は必ずしも金額を入れる必要はありません。香典は喪主や施主に対して、急な訃報に際して哀悼の意を示し、葬儀や生活を助けるために送る相互扶助の意味合いを持っています。

 

それに対し、お布施は最初にご紹介した通り、仏教における修行の一つであり、金額の多寡は問われません。そのため、お布施の封筒には金額を書かなくても良いとされています。

 

しかし現在では、お布施は僧侶へのお礼の意味合いが強いため金額を明記した方が親切である、実際に入れた額と間違いがないこと示すため、といった理由で、金額を書くことも多いです。金額を書く際には、封筒の右側もしくは連絡先の左側に「金〇〇圓」と書きます。

中袋の書き方

中袋がある場合は、表に金額、裏に連絡先と名前を記入します。中袋は墨で書く必要はなく、ボールペンでも構いません。また、中袋がない場合は封筒の裏面に書けば大丈夫です。無理に中袋を購入する必要はありません。

お布施の入れ方

続いて、お布施の入れ方について注意すべき点をご紹介します。細かな作法もありますので、しっかり守ってマナー違反にならないようにしましょう。

新札を入れるのが望ましい

通夜や葬儀の香典で新札を使うと、「不幸を予測して新札を準備していた」ということからマナー違反であるとされています。しかし、お布施の場合は僧侶への感謝の気持ちですので、わざと古いお札を準備したり、新札に折り目を入れたりする必要はありません。

 

感謝の気持ちを示すためにも、お布施には新札を使うのがベストです。新札を準備するのが難しい場合も、手持ちの中からなるべくきれいなお札を選ぶようにしましょう。

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封筒とお札の向きを揃える

紙幣の向きについては明確なマナーはありませんが、お布施の場合は封筒と紙幣の向きを揃えた方が良いでしょう。封筒の表側に紙幣の表側(肖像画のある方)を向けて入れます。複数枚の紙幣を入れる場合も、全ての向きをきちんと揃えて入れます。

 

また、封筒の口の方(上の方)に肖像画が来るようにしましょう。中袋がある場合も同様に、中袋の表側に紙幣の表が向くようにして入れます。

 

逆に、香典の場合は袋を裏返して開封した際に、紙幣の表側が見えるように入れるのがマナーとされています。紙幣の向きをどうするかというのは見落としがちな点ですが、忘れないようにしましょう。

封筒は糊づけする?

お布施を封筒に入れる場合、口を糊付けするかどうか迷ってしまうかもしれません。もともとお布施は奉書紙に包むものであったため、お布施の封筒をどうするかという点には明確なマナーはありません。しかし、一般的には中袋がない場合は封筒を、ない場合は中袋を糊付けすればよいとされています。

 

例外として、紙幣の枚数が多い場合は重みで中袋が封筒から滑り落ちることがありますので、口を軽く閉じる程度に糊付けすることもあります。また、直接僧侶にお布施を渡す場合は糊付けしないという地域もあります。地域の人に確認すると良いでしょう。

 

糊付けした封筒もしくは中袋に〆を書くこともありますが、書かなくてもマナー違反ではありません。ただし、僧侶に直接渡さない場合は、トラブルを避けるためにも〆を書いておいた方が良いでしょう。

お布施の渡し方

お布施を渡す際は、そのまま手渡しすると不躾な印象を与えてしまいます。切手盆もしくはふくさを使って渡しましょう。また、渡すタイミングや添える言葉にも気を使い、感謝の気持ちを表せるようにしましょう。

切手盆もしくはふくさを使う

お布施は切手盆と呼ばれるお盆に乗せて渡すのがマナーです。切手盆は黒塗りの小さなお盆で、金封やご祝儀、お布施を渡す際に用いられます。サイズはさまざまですが、8号(横17センチ×縦24センチ)のものが幅広い用途に使えるためお勧めです。

 

仏具店やホームセンター、100円均一ショップで購入できる他、セレモニーホールなどで葬儀や法要を行う場合は、葬儀社から借りることも可能です。

 

お布施を渡す際は、切手盆にお布施を置き、表書きの文字が僧侶に読めるように差し出します。家紋が書かれた切手盆もあり、その場合は自分側に家紋が来るようにします。僧侶がお布施を受け取って切手盆を返されたら、それを受け取ります。

 

切手盆がない場合は、ふくさでも代用可能です。ふくさを四角い形に畳んでお布施を乗せ、切手盆の場合と同じく文字が僧侶に読めるように差し出します。

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渡すタイミング

お布施を渡すタイミングには特に決まりはありませんが、最初の挨拶の際に渡すのが一般的です。僧侶が準備に忙しく、渡す時間がなかったという場合は、儀式を終えて最後にお礼を言う際に渡すと良いでしょう。

 

基本的には手渡しがマナーですが、合同法要などで僧侶に直接お布施を渡せない場合は、用意されている受付に渡します。

 

後日菩提寺に持参して渡す場合は、まず本堂にお参りをしてから、僧侶を訪ねるのが作法です。郵送する場合は封筒や奉書紙に包んだお布施を現金書留用の封筒に入れ、挨拶状を添えて送りましょう。

添える言葉

お布施を渡す際、長々とお礼の口上を述べる必要はありません。事前に渡す場合は「本日はよろしくお願いいたします」、最後に渡す場合は「本日はありがとうございました」と述べ、「お布施をお納めください」と言えば大丈夫です。

 

それに加え、僧侶が遠方から来ている場合は「遠路はるばるお越しくださりありがとうございました」、天気の悪い日は「足元のお悪い中お越しくださりありがとうございました」と特別な感謝の気持ちを示すと喜ばれるでしょう。また時間があるならば、気候の話や軽い世間話をすると場が和みます。

お布施の相場

お布施はあくまで「お気持ち」ですが、やはり相場は知りたいところです。地域や場面によってお布施の額には差がありますが、大体の目安としての金額を以下に列挙します。

 

  • 通夜・葬儀:10~50万円
  • 法要(初七日~1周忌):3~5万円
  • 法要(3周忌~):1~5万円
  • 納骨式:1~5万円
  • 開眼供養:1~3万円
  • 初盆:5千~2万円
  • お盆:3~5万円
  • お彼岸:3~5万円
  • 報恩講:3千~1万円
  • 水子供養:3千~1万円
  • 人形供養:3千~1万円
  • 厄払い・厄除け:3千~1万円

お布施以外に必要な謝礼とその相場

また、状況によっては僧侶にお布施とは別に謝礼を渡すこともあります。謝礼の種類とその相場も併せてご紹介しましょう。

 

呼び方 渡す場面 相場
戒名料 戒名をつけてもらった時に渡す 2~100万円(戒名のランクによって大きく変わる)
御車代

僧侶を葬儀場や自宅に呼んだ(送迎をしない)場合に渡す 

※御膳料と併せても可

5千~1万円
御膳料

僧侶が会食を辞退した場合に渡す

※お車代と併せても可

5千~1万円
卒塔婆料 卒塔婆の供養をしてもらった時に渡す 3千円~

お布施の封筒についてまとめ

お布施の封筒の選び方、書き方、包み方、渡し方といったマナーについてご紹介しました。お布施には明確な作法が定められていない部分もあり、地域差や状況による違いも多いため、戸惑ってしまうこともあるかもしれません。不明な点は同じ地域の人や親せきに確認すると安心です。

 

お布施の原点は仏教における修行の一つであり、またおつとめをしてくださった僧侶への感謝の気持ちを示すものです。その点を最も大切にして、丁寧に準備をし、温かなお礼の言葉を添えて渡しましょう。