一周忌のお供え物に何を選ぶ?おすすめの品やNGマナーについて解説
公開日 : 2021/1/27
更新日 : 2021/2/2
一周忌のお供え物は、故人を偲ぶとともに、遺族を励ます気持ちを込めて選ぶとよいでしょう。本記事では、一周忌のお供え物の選び方のポイントについてご紹介しています。合わせて、熨斗の書き方や渡し方のマナーについても触れています。
公開日 : 2021/1/27
更新日 : 2021/2/2
目次
一周忌のお供え物
一周忌とは、故人の逝去のから満1年目の命日に行う追善供養のことです。一周忌は遺族の喪が明ける節目の行事であるため、法要には家族や親族の他、故人の友人知人が招かれる場合も多いです。
一周忌法要に参列する場合は、香典やお供え物を持参するのが一般的です。お供え物は仏様に捧げるものですので、一周忌のお供え物を選ぶときは、仏壇に供えることを念頭に置いて選ぶようにしましょう。
一周忌のお供え物の金額相場
一周忌のお供え物の金額相場は3000円~1万円と幅が広いです。一般的に故人との関係が近しいほどお供え物の金額相場は高くなります。故人と関係が近かったり、生前に親しく交流したりしていた親族の場合は、1万円程度を目安にお供え物を選ぶとよいでしょう。
反対に友人・知人などの血縁者以外の場合は、3000円~5000円程度の品がおすすめです。より気持ちを表したい場合は、相場よりも高めのお供え物を準備することもあります。ただし、あまりに高額なお供え物は、かえって遺族の負担になることもありますので注意しましょう。
もし金額相場に困った場合は、お菓子などの品物なら3000円~5000円程度、お花をお供えする場合は5000円程度を目安にするのが無難です。
一周忌のお供え物の選び方
一周忌のお供え物の選び方について、ポイントをご紹介します。お供え物を選ぶときは、以下の5つの点を考慮しながら選んでみてください。
消えものが主流
一周忌に限らず、弔事のお供え物は、後に残らない消えものを選ぶのが基本的なマナーです。例えば日用品や消耗品のほか、食べ物や飲み物などがよいでしょう。お供え物の定番であるお花も消えものに数えることができます。
お供え物に消えものを選ぶのは、「不幸が尾を引かないように」という意味があります。また、後に残るものだと遺族が保管するのが大変だという単純な理由もあります。
高級感のあるもの
お供え物は高級感や特別感のあるものを選ぶのがおすすめです。基本的にお供え物は仏壇に供えるものです。そのため、高級感のあるパッケージの品を選ぶと、仏壇に供えたときに見栄えがします。
また、お供え物は仏壇に供えた後、遺族が分け合うことが一般的です。普段自分では買わないような高級感や特別感のある品物を選ぶと、遺族にも喜んでもらうことができます。
軽くてかさばらないもの
お供え物は軽くて大きすぎないものがよいでしょう。前述のようにお供え物は仏壇に供えます。大きすぎるものや、重すぎるものは、仏壇に供えられないことがあるからです。また、一周忌の法要が寺院や葬祭会館などで執り行われる場合、お供え物は遺族が持ち帰ることになります。
このときにも、大きすぎるもの・重すぎるものは、持ち帰るのが大変で、遺族の負担になってしまいます。お供え物を選ぶときは、仏壇に供えることや遺族が持ち運ぶことを念頭に置いて、常識的な範囲の大きさ・重さの品を探してください。
日持ちするもの
食べ物をお供え物として選ぶときには、仏壇に供えても傷まないものを選ぶように注意しましょう。具体的には、「常温で日持ちのするものを選ぶ」ということです。たとえばお菓子を選ぶときは、プリンや生ケーキなどの生菓子は避け、焼き菓子やクッキー、まんじゅうなど、常温でしばらく保存できるものが望ましいです。
取り分けやすいもの
前述のように、お供え物は仏壇にお供えしたのち、遺族が分け合うことが一般的です。お菓子や飲み物などをお供え物にするときは、あとで分けやすいよう、小分けタイプのものや個包装のものを選ぶと親切です。
お供え物にふさわしくないもの
一周忌に限らず、仏さまにはお供えしてはいけないとされるものがあります。お供え物を選ぶときは、以下の2点にくれぐれも注意してください。
肉・魚などの生もの
肉・魚類は加熱の有無を問わず、お供え物にふさわしくありません。仏教では殺生を禁じており、肉や魚はその教えに反するためです。また、肉や魚は傷みやすいため、お供え物に向いていないというのも理由の1つです。
故人が好きだったという理由で、魚の干物や肉の加工品などをお供えしたいと思う場合もあるかもしれません。日常的なお供え物であれば、家庭によっては肉や魚を仏壇に一時お供えすることもあります。しかし、一周忌は故人にとっても遺族にとっても節目となる大切な行事であるため、その場でお供えするものとしては、やはり「なまぐさもの」の肉・魚は不適です。
もし、どうしても、故人が生前に好きだった肉や魚をお供えしたいという場合には、お供え物とは別に手土産として遺族に渡す方法もありますが、基本的には、肉や魚は仏さまへのお供え物としては望ましくないということに留意しておきましょう。
棘・毒のあるもの
仏さまへのお供え物として、棘のあるものや毒のあるものはふさわしくありません。具体的にはバラの花やヒガンバナ、トリカブトなどのお花のお供え物が該当します。加えて、香りの強すぎるものも、お供え物には不適と言われてます。
バラの花やユリなどは種類によって芳香が強いものがあるため、一周忌のお供え物には避けたほうが無難です。同じく、ニンニクや玉ねぎなどの香りの強い食材も一周忌のお供え物には向きません。
お供え物によく選ばれる品
一周忌のお供え物として、よく選ばれている品をご紹介します。お供え物選びに迷ったときは、ぜひ以下の中で検討してみてください。
線香・ロウソク
線香やロウソクはお供え物の定番中の定番です。特に線香は毎日使う消耗品ですので、お供え物に選ぶと喜ばれるでしょう。ただし線香やロウソクはお供え物の定番であるため、特別感に欠けることがあります。
お供え物として線香やロウソクを選ぶなら、香り付きや色味がきれいな高級品や進物用を選ぶのがポイントです。ロウソクは絵入りの和ろうそくなどを選ぶと、仏壇が華やかになって見栄えがします。
お花
お花も仏さまへのお供え物の王道の品です。前述のように、棘・毒のある花や、香りの強すぎる花は避けましょう。法要にお供えする花は白色が基本です。ただし、一周忌は遺族の喪が明け、故人を偲ぶ段階に入っていきます。
そのため、遺族を励ます気持ちを込めて、白以外にも淡い色合いのお花を混ぜてもかまいません。たとえば黄色のカーネーションや、キキョウなどは、弔事の雰囲気を損なわないでしょう。もし色付きのお花をお供えすることに抵抗を感じるなら、胡蝶蘭や白い菊などのお花を選べば間違いはありません。
また、お花は生花が基本です。ただし、切り花は水替えなどが大変という理由から、フラワーアレンジメントのお花をお供えすることが一般的です。同じく水替えや世話が要らないという手軽さから、最近はプリザーブドフラワーなどの半永久的に飾れる花もよく選ばれています。
お菓子
お菓子は仏壇に供えやすく、後ほど遺族が分け合って食べることが出来るため、お供え物としてよく選ばれている品です。生ケーキなどの賞味期限の早い冷蔵品は避け、焼き菓子やクッキー、まんじゅう、カステラ、せんべいなどの常温で日持ちがするものを選びましょう。
夏場であれば、贈答用のゼリーや水ようかんなどのお菓子も喜ばれます。遺族が分け合って食べやすいよう、小分けのお菓子や個包装のお菓子を選ぶのがポイントです。また、事前に参列者の顔触れや人数などを把握しておくと、お菓子の種類や個数を選びやすくなります。
飲み物
故人が生前好んだ銘柄のコーヒーや紅茶のほか、缶ジュースなどの飲み物もお供え物に良く選ばれています。お菓子と同様、後ほど遺族が分け合うことを考慮して、小分けができるものを選ぶのがよいでしょう。
缶ジュースは重量があり、かさばるため、ミニサイズがたくさん入ったものを選ぶのがおすすめです。故人が生前好きだったお酒を一周忌のお供え物にすることもありますが、この場合は注意が必要です。
もし遺族がお酒を飲まない場合は、一升瓶などの大容量のお酒をお供えすると、後で処理に困ることがあります。お酒をお供えするときは手ごろなサイズにしたり、あらかじめお酒をお供えしていいか遺族に尋ねたりするなど、配慮が必要です。
果物
一周忌のお供え物には旬の果物もおすすめです。特にミカンやリンゴなどの丸い果物は、円=縁がつながるとして、弔事のお供え物として喜ばれる品です。仏壇にある程度の時間お供えすることを考えて、未熟なものを選ぶのがポイントです。また、ブドウや桃など汁気の多い果物や傷みやすい果物は避けましょう。
果物をお供えするときは盛り篭を用います。ラッピングが華やかになりすぎないように、購入の際にはお供え物用であることを伝えてください。
一周忌のお供え物の熨斗のマナー
一周忌に限らず、お供え物は熨斗をかけてお渡しするのがマナーです。ここからは、お供え物の熨斗のマナーについて解説していきます。
掛け紙の選び方
一周忌などの弔事のお供え物には、白黒あるいは双銀の水引がプリントされた掛け紙を選びます。関西の一部地域では黄白の水引を選ぶこともあります。いずれの場合も、水引の結び方は「あわじ結び」「結び切」とします。
熨斗には「内のし」と「外のし」の2種類があります。内のしは包装紙の内側にかけるタイプの熨斗です。外のしは、品物の包装紙の上からかけます。一周忌の法要に参列し、直接遺族にお供え物を渡すときは、外のしを用います。郵送する場合は、熨斗が破れないように内のしを選びます。
掛け紙の書き方
掛け紙の上段の真中には表書きを書きます。ちょうど水引の飾りの真上にあたります。表書きは「御供」あるいは「御供物」が一般的です。水引を挟んで表書きの真下には、お供え物を送る人のフルネームを書きましょう。
筆記用具は筆や筆ペンを用います。あるいは、表書きや名前を熨斗に印刷する場合もあります。いずれの場合も、墨は通常の濃さの墨を用います。
お供え物の渡し方
お供え物は先方に直接手渡しするのが基本的なマナーです。一周忌会場に着いたらまず喪主か遺族に挨拶をし、そのタイミングでお供え物をお渡ししましょう。ちなみに、お供え物は風呂敷や紙袋に包んで持参するのがマナーです。お供え物をお渡しするときは、遺族の目の前で風呂敷や紙袋から取り出し、お供え物だけをお渡しします。
このとき、「どうぞお供えください」などの一言を添えるのがマナーです。受付がある場合は、芳名帳に記帳した後に、受付係にお供え物を渡すこともあります。この場合も、風呂敷や紙袋のマナーは同様です。
お供え物を仏壇に直接お供えすることは避けましょう。ただし、場合によっては仏壇や仏壇近くにお供え物を置くスペースが設けられている場合もあります。
お供え物ではなく現金を贈ることもある?
一周忌にはお供え物の他に、香典や供物料などの金品をお供えすることもあります。香典や供物料は、お供え物の代わりに用意するものです。そのため、両方準備する必要はありません。お供え物か香典・供物料のどちらかを選択して持参しましょう。
香典
香典は法要や葬儀にお供えする金品です。線香の代わりという意味で「香」典と呼ばれます。最近はお供え物に代わり、香典を持参することが多くなっています。一周忌の香典の金額相場は、親族で1万~3万円程度、友人知人の場合は3000円~5000円程度です。
お金は黒白あるいは双銀の水引のついた不祝儀袋に包みます。水引の結び方は「結び切」「あわじ結び」のいずれかです。表書きは「香典」「御香典」とします。渡す際はお供え物と同様、遺族に直接手渡ししましょう。
供物料
供物料とはその名の通り、お供え物の代わりのお金という意味です。香典と趣旨はほぼ同じですが、葬儀の場合は「香典」、法要の場合は「供物料」と呼び分ける場合もあります。供物料の金額相場は、親族なら1万~3万程度、友人知人なら3000円~5000円程度です。葬儀の香典の5~7割程度を目安にしてください。
供物料も香典と同じく、水引のついた不祝儀袋に包みます。表書きは「御供物料」「供物料」とします。
一周忌法要を欠席する場合は?
一周忌法要は限られた人で行うため、招かれたら参列するのがマナーです。しかし、仕事などの都合でやむを得ず一周忌を欠席する場合もあります。一周忌を欠席する場合は、欠席することが判明した時点ですぐに先方に連絡しましょう。先方は会食や引き出物の準備があるため、欠席の連絡が遅れると迷惑になってしまいます。
一周忌法要を欠席する場合、お供え物や香典は郵送するのが一般的です。お供え物は、法要に参列するときと同様、包装紙で包んで熨斗をかけます。ただし、郵送の場合は、熨斗が汚れないように内のしを選びます。
お供え物は、一周忌法要の前に先方に届くように手配しましょう。前日は準備などでなにかと忙しいため、少なくとも2日前までに届くように配慮するのがマナーです。
遺族を励ます気持ちも込めよう
一周忌は故人の死を悲しむのではなく、故人を偲ぶ段階に入る節目の行事でもあります。お供え物は、故人へのお悔みの気持ちはもちろん、遺族を励ます気持ちを込めて選んでみてください。
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