法事の食事はどう準備すべき?メニューや相場、注意点をご紹介

公開日 : 2021/1/17

更新日 : 2021/1/17

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法事後、参列者を招いて会食の場を設けるという場合、会食場所やメニューはどのように選べば良いのでしょうか。また、準備の仕方や会食時の流れやマナーなども押さえておきたいものです。今回の記事では、法事の食事について詳しくご紹介します。

公開日 : 2021/1/17

更新日 : 2021/1/17

目次

法事の食事の呼び方と意味

法事が終わった後、僧侶や参列者を招いて食事を行う食事を「お斎(おとき)」、と呼ぶことがあります。これは仏教において「決まった時間(正午)に摂る食事」を表す「斎食(さいじき)」が由来です。「祖餐(そさん)」、「粗宴(そえん)」などと呼ばれることもあります。

 

法事の食事は、僧侶や参列者に感謝を示し、また故人様を偲んで思い出を語り合うという目的で開かれます。単なる会食ではなく法事の一過程と考え、しきたりに則り礼を尽くすようにしたいものです。

 

今回の記事では、法事の食事のメニューや会場選び、開催時のマナーについてご紹介します。

法事の食事の時間

先ほどご紹介した通り、法事の食事を表す「お斎」の元となった言葉「斎食」は正午の食事を意味しています。だからと言ってもちろん必ず正午から始めないといけないというわけではありませんが、一般的に法事は午前中に行いますので、正午頃から食事を始めることになります。

 

何らかの事情で午後から法事を始めるという場合は、夕方から法事を始め、晩の食事として会食を開くというケースもあります。いずれにせよ、食事の時間は2時間程度が一般的です。

 

その点を総合すると、タイムスケジュールは

  • 10~12時:法事 12~14時:食事
  • 16~18時:法事 18~20時:食事

というパターンが多くなるでしょう。

法事の食事のメニュー

法事の食事のメニューを考える際、どのような点に気を付ければ良いのでしょうか。NGの食材やその他留意点をご紹介します。

基本的に自由だが慶事を連想させるものはNG

基本的に、四十九日以降の法事の料理には制限はありません。季節を感じさせるものや故人様が好きだったものなど、自由にメニューを選んで問題ありません。

 

ただし、明らかに慶事をイメージさせるものは避けた方が無難です。具体的には以下のような食材が挙げられます。

 

  • お頭つきの鯛や伊勢海老など
  • 紅白の食べ物(かまぼこやなますなど)
  • 松竹梅の飾りつけが施されているもの
  • 金箔を使ったもの
  • 梅肉・梅酒など梅を使ったもの

 

タブーとされる食材は家や地域で異なりますので、心配な場合は年上の親戚に聞くと良いでしょう。

お酒は出しても良い?

法事後の食事の際、お酒を出すのは問題ありません。むしろ、古来日本では「亡くなった人を慰めるために酒宴を開く」という考えがあり、弔事においてお酒は重要な意味を持っています。

 

お酒の種類も特に決まってはいませんが、ビールや日本酒が一般的です。故人様が好きだったお酒でも構いません。

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その他注意点

参列者に食事に特に配慮が必要な方がいないか確認しておくことも大切です。例えば、年配の方がいる場合は油っこい料理は少なめにし、柔らかい食材のものを選ぶ、子供がいる場合はお子さま膳など子供向けのものを用意する、赤ちゃんがいる場合はミルク用のお湯や授乳室の手配をするといった配慮が必要です。

 

また、忘れてはならない点がアレルギーの有無です。重いアレルギーは命にかかわることもありますので、必ず確認し、メニューにその食材が入っていないかをチェックします。持ち込みが大丈夫かどうかも併せて確認しておくと良いでしょう。

法事の食事を行う場所

昔は法事といえば自宅で行い、手作りの食事をふるまうことが多かったのですが、現在では自宅以外に会場を設け、食事も自宅外で行うことが増えています。主な法事の食事場所と、そのメリット、デメリットについてご紹介しましょう。

料理店、レストラン

一般的な食事の場所としても挙げられる料理店やレストランで、法事後の会食を開催することも可能です。メリットとしては料理のレベルが高い、メニューを比較的自由に選べるという点があります。故人様の思い出のお店で、好物のメニューを出すというのも良い供養になるでしょう。

 

デメリットとしては、法事の会場からの移動手段を考えなくてはならない、時間が決まっているという点があります。また、歓送迎会や新年会などのシーズンと重なると、他の食事客が賑やかで落ち着かないという場合もあります。法事にふさわしい、静かな個室が用意できることも大切な条件です。

ホテルの宴会場

ホテルで法事を行い、その後宴会場で食事をするというケースもあります。移動がなく楽であること、遠方の参列者がそのまま宿泊できることがメリットです。料理のレベルも高く、宴会場で落ち着いて食事をすることができます。

 

また、年配の方や赤ちゃんが休める部屋を準備してもらえること、バリアフリー化している場合が多く車椅子やベビーカーでも移動がしやすい点もメリットで、特に大勢の参列者を呼ぶ場合には便利な点が多いです。

 

デメリットとしては料理店と同じく制限時間がある場合がある、宴会や慶事の客と会うことがあるという点が挙げられます。また、ホテルによっては法事を受け付けていなかったり、仏具など必要なものが揃っていなかったりすることがありますので、事前に確認をしておくことが重要です。

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霊園に隣接した施設やセレモニーホール

霊園やセレモニーホールで法事をおこなった場合、施設内もしくは施設に隣接した会食場所で食事ができることもあります。一番のメリットは弔事に通じたスタッフがいることで、法事にふさわしいメニューや会場を準備してもらうことができます。交通手段を考える必要がない、宴会や慶事の客と会わなくて済むという点も魅力です。

 

しかし、料理店やホテルと比べるとメニューの自由度が低いです。また、施設によっては料理が準備できず、仕出し弁当になることもあります。

自宅

現在では少なくなったとはいえ、自宅で法事及び法事後の食事が行われることもあります。故人様の思い出があふれた家で法事や食事をすることは、何よりの供養になります。

 

時間を気にすることも、子供が泣いたり騒いだりすることに気を揉むこともなく、リラックスした雰囲気の中で食事や会談ができることも自宅ならではの大きな長所です。

 

しかし、家で食事をするとなると食器や料理の準備に大きな手間がかかります。仕出し弁当を頼むにしても、部屋の掃除や駐車場の手配など、細かい点まで全て自分たちで行うことになり、非常に大変です。

法事の食事の相場

法事の食事の相場は会食場やメニュー、法事の規模によっても異なりますが、3000~1万円程度と考えておくと良いでしょう。セレモニーホールや自宅で仕出し弁当を出す場合は3000円、料理店やホテルの宴会場で料理を出す場合は5000~1万円程度です。

 

また、飲み物代が別で必要になったり、バスの手配をしたりする場合はそれより高くなることもあります。あらかじめ予算を決めておき、それに合った会場やメニューを選ぶことも大切です。

法事の食事の流れ

法事の食事の大まかな流れを以下にご紹介します。

始めの挨拶

食事の前に施主が挨拶をし、僧侶や参列者への感謝の意を示します。

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献杯

施主の指名を受けた方が簡単な挨拶と献杯の発声をします。特に決まりはありませんが、遺族の中から年長者が選ばれる場合が多いようです。

 

「献杯」の発声があったら、杯を軽く掲げて静かに唱和します。乾杯とは異なり、杯を他の人と合わせたり、拍手をしたりはしませんので気をつけましょう。

黙祷

故人様を思い黙祷をします。施主の挨拶、もしくは献杯の前に行われることもあります。

会食

挨拶、献杯、黙祷を済ませた後会食が始まります。

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終了の挨拶

頃合いを見て施主がお開きを告げ、最後に挨拶をして終了です。引き出物は食事の終了直前に配ることが多いです。また、僧侶には食事後に改めて個別にお礼を述べ、お布施と引き出物を渡しします。

法事の食事のマナー

最初にご紹介した通り、法事後の食事は故人様を偲ぶ、いわば法事の一部です。法事と同じく身だしなみや言葉づかいなどに気をつけて、しめやかな場にふさわしいふるまいをするようにしましょう。法事の食事の際に特に守りたいマナーや決まりについてご紹介します。

身だしなみ

一般的には、法事の食事は法事と同じ服装(喪服もしくは準喪服)で参列します。男性の場合は正喪服か黒・ダークグレーなどのスーツに黒のネクタイを合わせます。靴は光沢のない、黒の靴を履きます。会食場では靴を脱ぎますので、靴下も清潔な黒いものを履いておきましょう。

 

女性は正喪服もしくは黒・ダークグレーのスーツやワンピース、アンサンブルを着ます。靴はかかとが低めのパンプスで、男性と同じく光沢のない黒のものを履きます。ストッキングも黒のものにします。ストッキングの足先は爪で破れやすく、破れていると靴を脱いだ際に目立ってしまいます。替えのものを準備しましょう。

 

アクセサリーはつけないか、つけるにしても真珠の一連ネックレスなど弔事にふさわしいものにします。また、法事はもちろんのこと、食事の際にも香水はマナー違反ですのでつけないようにしましょう。

 

子供は学校や幼稚園の制服、もしくは落ち着いた色の私服を選びます。食事をして服を汚してしまうことがありますので、着替えを準備しておくと安心です。

 

このように法事の食事は法事と同じ服装マナーで身だしなみを整えるのが原則ですが、故人様が亡くなられてから時間が経っている、もしくは家族やごく近しい親戚、知人のみで法事を営む場合は、法事後に食事をしやすい服に着替えても構わない場合もあります。ただし、その場合も華美な服装は避け、落ち着いたトーンのものに揃えましょう。

席順

席順にも配慮が必要です。僧侶をお呼びした場合は僧侶が最上座、施主は僧侶をもてなすため、その隣に座ります。出入り口から一番遠い席が上座です。床の間がある場合は床の間に一番近い席が上座になります。次席からは参列者や親族の年長者が座り、遺族は末席に座ります。

 

ただし、現在ではそれほど厳密に席順が決まっていないことが多いです。僧侶は必ず上座に座りますが、僧侶がいない場合は順不同で好きな席に座るよう声をかけても構いません。その場合は、施主は下座(出入り口から一番近い席)に座り、食事の世話やおもてなしをすると良いでしょう。

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話の内容

弔事では「返す返す」や「くれぐれも」といった重ね言葉は「不幸が重なる」とされ、使ってはいけないとされています。また、「苦しむ」、「死ぬ」、「浮かばれぬ」といった縁起の悪い言葉も忌み言葉とされています。法事の食事の際はそこまで厳密に気をつける必要はありませんが、できるだけ使わないようにした方が無難です。

 

それより気をつけたい点は話の内容です。故人様の悪口や人に知られたくない秘密を暴露したり、下品な話をしたり、他の参列者と言い争いをしたりといったことをしてしまうと、しめやかな場が台無しになってしまいます。特にお酒を飲み過ぎると気が大きくなり、そういった話をしがちになってしまいますので気をつけましょう。

 

故人様の温かな思い出話や喜ばしい近況報告など、誰もが聞いて気持ちが良くなるような話題を選び、会食の場を和やかな雰囲気にするよう心がけましょう。

法事の食事はしなくても良い?

最近では少子化や核家族化も関係し、家族葬や一日葬など、葬儀をシンプルに行うケースも増えています。法事も同様に、家族だけで行う、読経のみで食事はしないということも多くなっています。

 

法事の食事は必ずしなければならない、というものではありませんので、施主が自由に決めて構いません。しかしその場合は招待状にその旨を書き、参列者には引き出物と一緒に、持ち帰り用のお酒やお弁当を渡すのが一般的です。その場合の相場は3000~5000円が一般的です。

法事の食事に僧侶を呼ぶべき?

法事の食事は法事と同じく儀式の意味合いがあるため、僧侶も同席するというのが本来の考え方です。しかし、現在では僧侶は読経のみ行い、食事は一緒にしないことが増えています。菩提寺や僧侶との関係、地域によって異なりますので、あらかじめ確認しておきましょう。

 

僧侶を呼ぶ場合は、事前に食事の準備をすることを伝え、一緒に召し上がるかどうかを確認します。食事を辞退された場合は、持ち帰り用の食事やお弁当を準備するか、お布施とは別に「御膳料」を包みます。御膳料の相場は5000~1万円程度です。不祝儀袋を使うこともありますが、白い無地の封筒でも構いません。表書きは濃墨で「御膳料」と書き、自分の名前をその下に書き入れます。

法事の食事まとめ

法事の食事の選び方やマナーについてご紹介しました。法事の食事は僧侶や参列者への感謝の気持ちを示すと共に、故人様を偲び、供養する一つの儀式でもあります。

 

施主は参列者一人ひとりに気を配り、気持ち良く参列してもらえるようなメニューや会場選びを心がけましょう。また、参列者は身だしなみやマナーに気をつけ、しめやかな場にふさわしいふるまいをするようにしましょう。

 

故人様を懐かしむ大勢の人が集まって、和やかな雰囲気の中で食事をしお酒を交わすことで、お互いの結びつきを一層強くすることができます。それが何よりの故人様への供養になることでしょう。