初七日の香典のマナーとは?繰り上げ法要や繰り込み法要の場合は?

公開日 : 2020/12/5

更新日 : 2020/12/10

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故人の逝去から7日目は初七日の法要。初七日の法要の参列者は、香典を持参するのがマナーです。最近は、葬儀と同日に初七日を行うケースも増えています。その場合、香典はどうすべきなのでしょうか。今回は、初七日にまつわるさまざまな香典の疑問についてご紹介します。

公開日 : 2020/12/5

更新日 : 2020/12/10

目次

初七日とは?

初七日とは、故人が亡くなってから最初に行う法要のことです。故人の命日を1日目とし、7日目が初七日にあたります。故人は死後、閻魔大王から、7日毎に7回の裁判を受けます。初七日はその最初の裁判の日であり、最後の裁判は49日にあたります。

 

故人は閻魔大王の裁きによって、地獄へ行くか極楽へ行くかが決まります。このとき、裁判が行われる日に遺族が法要を行うと、その人の魂は極楽へ行くことができると信じられています。初七日や49日に大々的な法要を行うのは、そのためです。

初七日の法要について

初七日には、故人の冥福を祈って初七日の法要を行います。基本的に初七日の法要は家族や親族など、身内だけで行います。ただし、故人ととくに親しかった友人や知人が参列することもあります。初七日の法要の参列者は、香典を持参するのがマナーです。

繰り上げ法要と繰り込み法要

前述のように、初七日は命日から7日目です。そのため、法要もその日取りで行います。しかし最近は、参列者のスケジュールが合わないことや、遠方から移動する親族の負担を軽減するために、葬儀と同じ日に初七日を行うことも増えています

 

葬儀と同日に行う初七日には、「繰り上げ法要」と「繰り込み法要」の2種類があります。繰り上げ法要とは、初七日を繰り上げて行う方法です。具体的には、葬儀・火葬が終わったのち、もう一度葬祭場に集まって法要を行います。

 

一方、繰り込み法要とは、葬儀の中に初七日法要を繰り込むスタイルです。具体的には、葬儀・初七日・法要・火葬の順番になります。繰り上げ法要とのちがいは、火葬の前に初七日法要を終わらせてしまう点です。

香典とは

香典は故人の霊前に供える金品のことです。お線香やお花の代わりとして、現金を香典袋に包んで持参します。香典は、死者への弔意を表す手段の1つです。また、急な不幸が起こった遺族への助け合いの気持ちでもあります。

 

初七日の法要に参列する場合は、香典を持参するのがマナーです。通夜・葬儀と初七日は別々の儀式であるため、通夜・葬儀で香典を包んだ場合でも、改めて初七日用の香典が必要です。

繰り上げ法要の場合の香典はどうする?

繰り上げ法要や繰り込み法要は、葬儀と同日に行われます。初七日の参列者は基本的に親族ですが、同日に初七日が行われる場合は、一般参列者も流れで初七日法要に参列することがありえるでしょう。

 

この場合の香典はどうしたらよいのでしょうか。結論としては、葬儀とはべつに初七日用の香典をお渡しします。先ほども触れたように、葬儀と初七日は別々の儀式です。そのため、参列者も通夜・葬儀用と初七日用の香典を区別して準備するのが原則です。

都市部は一緒に包むケースが多い

葬儀と初七日が同日に行われる場合は、香典を1つにまとめるケースもあります。とくに都市部では香典を分けずに1つにまとめるケースが多くみられます。この場合、香典の金額は、葬儀分の金額の初七日分の金額を上乗せして包む場合と、葬儀分の金額を包む場合があります。

初七日の香典の費用相場

香典を包むときに迷うのが、金額です。そこで、ここからは初七日の香典の金額の相場についてご紹介していきます。

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続柄や年齢別の香典の相場

初七日の香典の金額は、故人との関係によって異なります。一般的な初七日の香典の相場を見ていきましょう。ちなみに、参考までに通夜・告別式の場合の香典の相場も挙げています。

 

故人との関係 通夜・葬儀 初七日
両親・義両親 5~10万 3~5万円
祖父母 1~5万 5000~1万円
兄弟姉妹 3~10万 3~5万円
叔父叔母 5000~3万 5000~1万円
その他の親族 5000~1万 3000~1万円
友人・知人 3000~1万 3000~5000円

 

一般的な相場は以上のとおりです。香典の金額は、故人との関係が近いほど大きくなります。また、香典を包む人の年齢が若い場合は、無理に高額な香典を包む必要はありません。金額に迷ったら、遺族や親族内の年長者などに相談してみてください。

目安は葬儀の香典の半額

繰り上げ法要や繰り込み法要の場合は、初七日の香典は、葬儀・告別式の香典の半額を目安にするのが一般的です。ただし、香典の金額は、偶数や「4」「9」などの数字は避けましょう。香典の数字の考え方については、後程ご紹介します。

会食に参加する場合

初七日の法要後には、参列者全員で会食が行われることが多いです。会食に参加する場合は、香典に飲食費を上乗せして包むのがマナーです。飲食費の相場は1人あたり5000円~1万円です。子供が参加する場合は、1人あたり3000円~5000円程度を上乗せして包みましょう。

初七日の香典袋の選び方

初七日などの香典には、不祝儀袋を用います。慶事用の華やかなデザインものは使用できません。また、不祝儀袋は、香典の金額にあわせて使い分けが必要です。基本的に、香典の金額が大きいほど、立派な水引がついたものや、サイズの大きな不祝儀袋を選びます。

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水引の選び方

初七日用の香典袋の水引の色は、黒白・藍銀・双銀です。水引が印刷されているタイプもあります。水引が印刷された香典袋は、香典の金額が1万円より少ない場合に利用します。香典の金額が1万円以上なら、水引がついたものを選びましょう。

 

香典の金額が1~3万円程度の場合は、黒白の水引が一般的です。5万円以上の場合は、双銀の水引を選びましょう。また、香典が5万円以上の場合は、のし袋のサイズが大きめな中金封を使います。

 

水引の結び方は、色に関係なく「あわじ結び」です。あるいは「結び切」も使用できます。蝶結びなどは慶事用ですので、使用できません。

初七日の香典の書き方マナー

続いて、初七日の香典の書き方のマナーについて見ていきましょう。書き方のマナーは、初七日に限らず、すべてのシーンに共通するものです。社会人の常識マナーでもありますので、ここでしっかり確認してみてくださいね。

筆記用具

香典に使用する筆記用具は毛筆です。筆ペンで代用可能です。1つ注意したいのが、隅の濃さです。初七日の場合は薄墨を使用します。これは「涙で墨が薄まる」「墨をする暇もない」という弔意を表す作法です。

 

薄墨を使用するのは、四十九日までとされています。そのため、初七日以外には通夜・葬儀でも薄墨を使用します。ちなみに、四十九日以降の法要では通常の濃さの墨を使用します。四十九日以降の法要はある程度日取りの見通しがつき、墨を準備する時間があるからです。

 

市販の筆ペンでも、薄墨対応のものはあります。墨の使い分けは香典の初歩的なマナーですので、注意したいところです。

表書き

表書きも、四十九日前と後で使い分けが必要な項目です。四十九日より前の香典では「御霊前」の表書きを用いるのが一般的です。すなわち、初七日のほかに通夜・葬儀の香典には「御霊前」の表書きを使用します。

 

これに対し、四十九日以降の香典には「御仏前」の表書きを用います。これは、49日目の閻魔大王の裁判が終わると、故人の魂は成仏して生まれ変わると考えられているためです。「御霊前」と「御仏前」の使い分けは、香典の基本中の基本のマナーです。

 

ただし、宗派によっては初七日でも「御霊前」の表書きを用います。たとえば浄土真宗が代表的です。浄土真宗では、人は死後すぐ成仏すると考えるため、「霊」になる期間が存在しません。そのため、通夜・葬儀・初七日の香典にも「御仏前」の表書きを用います。宗派による使い分けは難しいため、表書きの書き方に迷ったら遺族に問い合わせるのがおすすめです。

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名前

名前は、香典袋の表側の下段中央に縦書きします。水引を挟んで、表書きの真下の位置です。必ず香典を包んだ人のフルネームを書きましょう。あとで遺族が、香典を包んだ人を確認するときに必要です。

 

夫婦連名の場合は、右側に夫のフルネームを書き、左側に妻の下の名前だけを書きます。友人や職場の同僚で連名で出す場合は、3人までなら氏名を書くことができます。右側が上座にあたるため、年齢順や役職順で右から左にバランスよく書きましょう。

 

4人以上の連名の場合は、代表者の名前のみを書き、「〇〇一同」のようにまとめて書きます。職場関係者の場合は、右側に会社名を書き、左側に「〇〇部一同」のように部署や所属先を表します。

中袋

香典袋は、のし袋と中袋の2重になっているものが多いです。その場合は、中袋に香典の金額と、香典を包んだ人の住所を書きます。ちなみに、中袋にはボールペンやサインペンを使用してもかまいません

中袋の表側の書き方

中袋の表側には、香典の金額を書きます。このとき、金額には旧漢数字を用いるのが慣例です。また、金額の頭と末にはそれぞれ「金」「円」を加えます。これらは、金額の改ざんを防ぐためです。

 

たとえば3万円を包む場合、中袋の表側には「金参萬円」と書きます。最後に「也」をつけて「金参萬円也」と書くこともあります。金額は、あとで遺族が一目で把握しやすいように、やや大きめの字で書くのがよいでしょう。

 

香典袋の種類によっては、中袋を横書きするタイプもあります。横書きの場合は、漢数字ではなく算用数字を使用します。たとえば3万円を包む場合は「金30000円」などと書きます。

中袋の裏側の書き方

中袋の裏側には、香典を包んだ人の住所と氏名を書きます。氏名を書くのは、あとで遺族が集計するときに、のし袋と中袋がバラバラになってもいいようにです。住所は中袋の裏側の下段の中央寄りの左側です。

 

一番左には氏名をフルネームで書きます。住所と氏名はバランスよく配置しましょう。また、住所の番地や部屋番号は、漢数字を用います。ただし、表側の金額の場合と異なり、常用漢数字でかまいません。

 

横書きするタイプの中袋なら、住所と氏名も横書きします。横書きの場合は、番地や部屋番号には算用数字を使用します。

中袋がない場合

中袋がない香典袋もあります。また、風習上の理由から中袋なしの香典袋を使用する地域もあります。風習上の理由とは、2重袋は不幸が重なることを連想させるため縁起が悪い、というものです。

 

中袋がない場合は、のし袋の裏側に香典の金額と、香典を包んだ人の住所を書きます。氏名は表側に書いてあるので、この場合は省略します。金額はのし袋の裏側の下段の一番左に書きます。住所は金額の右側です。それぞれバランスよく配置しましょう。

初七日の香典を渡すタイミング

初七日の香典は、どのタイミングで出すのが適当なのでしょうか。葬儀と別日の場合・葬儀と同日の場合について、それぞれ解説していきます。

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葬儀と別日の場合

初七日の法要を葬儀と別日に行う場合は、初七日の法要の受付をしたタイミングで香典を渡します。芳名帳に名前を書いたら、受付係に香典を預けましょう。あるいは、喪主や遺族に直接手渡すこともあります。

 

また、祭壇や祭壇脇に香典置き場が設けられている場合は、そちらに香典を出しましょう。いずれの場合も、焼香の前に出すのが一般的です。

葬儀と同日の場合

葬儀と同日に初七日法要が行われる場合の香典のタイミングは、ケース・バイ・ケースです。葬儀の受付をしたときに一緒に渡す場合もありますし、初七日法要の前に改めて受付が設けられることもあります。タイミングに迷ったら、受付係や葬儀社のスタッフに問い合わせてみましょう

その他の香典のマナー

香典には、書き方や香典袋の選び方のほかにもマナーがあります。代表的なマナーを3つご紹介します。

袱紗に包む

香典は袱紗に包んで持参します。初七日などの弔事用の袱紗は、黒・グレー・藍色など、暗い色味の無地のものです。紫は慶弔両用ですので、初七日にも使用できます。香典は、渡す相手の目の前で袱紗から取り出します。

 

袱紗から香典を出したら、表書きが先方の正面に来るように回転させます。差し出すときに、「どうぞお供えください」や「お悔やみ申し上げます」などの一言を添えるとスマートです。

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偶数や不吉な数字は避ける

香典の金額は偶数を避けます。2で割り「切れる」金額は、故人との縁が「切れる」ことを連想させるためです。また、「4」「9」はそれぞれ「死」「苦」を連想させることから、おなじく敬遠される金額です。

 

とくに葬儀と初七日を同日に行う場合は、葬儀の香典の半額を目安として香典を準備します。初七日の香典は半端な金額になることが多いため、偶数や「4」「9」の数字にはとくに注意しましょう。

お札の向き

香典のお札の入れ方に正式なマナーはありません。風習として、「悲しみに顔を伏せる」という意味から、肖像画があるほうを裏側にして、封筒の底に来るようにお札を入れるのが一般的です。また、複数のお札を包むときは、すべて向きをそろえて入れましょう。

金額が分からない場合は確認する

最近は初七日法要を葬儀と同日に行うことが多いため、香典をどうすればよいのかと迷う人も多いです。迷った場合は、初七日用の香典を別に用意するのが無難です。場合によっては、そのまま持ち帰ることもあるでしょう。

 

繰り上げ法要などで初七日の香典について迷ったときは、遺族や葬儀社のスタッフに質問するのも1つの方法です。