49日の計算方法は?宗派別の考え方や過ごし方・タブーなども解説

公開日 : 2020/11/11

更新日 : 2020/11/18

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数ある法要の中に49日(四十九日)という法要があります。「四十九日」というくらいですから、当然49日目に行う法要だろうということは多くの人が想像するでしょう。では、どこから数えて49日目なのでしょうか?計算方法はもちろん、過ごし方などについても解説します。

公開日 : 2020/11/11

更新日 : 2020/11/18

目次

49日(四十九日)とは?

告別式後に行われる法要の中に49日というものがあります。そもそも、この49日とはどういう意味で行われている法要なのでしょうか?また、なぜ49日に法要を行うのでしょうか? 49日の計算方法について紹介する前に、49日の法要そのものの意味や考え方について解説します。

閻魔大王の審判の日

49日(四十九日)の法要は、簡単に説明すると故人の魂が閻魔大王に審判を受ける日です。故人にとってはとても重要な日でもあります。

 

閻魔大王は10人存在すると言われる冥土の裁判官の中でも、最も強い決定権を持っています。閻魔大王が極楽行きか地獄行きかを決定すると言っても過言ではありません。

 

故人の魂は閻魔大王の前で生前の行いについて、細かく審判を受けます。そして、最終的に良い行いの方が多いと判断されれば、極楽浄土行きが決定するのです。反対に、悪い行いの方が多いと判断されれば、地獄へ落ちることになります。

 

閻魔大王の前に行くために、故人の魂は冥土の旅を行います。冥土の旅を始めてからちょうど49日目に閻魔大王が待つ場所へ到着すると考えられています。そのため、四十九日の法要を行うのです。

宗派によって意味が異なる

一般的に49日は、故人の魂が閻魔大王の待つ場所へ到着し、そこで極楽浄土行きか地獄行きかの審判を受ける日とされています。故人の魂にとって大きな意味を持つ日ということです。

 

しかし、宗派によって49日の法要の意味は異なります。すべての宗派で、49日が故人の魂が審判を受ける日であるという教えではない、ということです。

 

そこで、宗派別によって49日にはどのような意味があるのか、それぞれ解説します。

浄土宗・曹洞宗・日蓮宗

浄土宗や曹洞宗や日蓮宗は、49日に故人の魂が閻魔大王の審判を受けると考えています。一般的に広まっている49日の考え方と同じです。

 

閻魔大王の審判を受けるということは、この日を境に故人の魂は完全にあの世へ行ったということを意味しています。この世から完全に旅立ったということです。

 

そのため、浄土宗や曹洞宗や日蓮宗では、忌明けの法要という意味も含まれています。この日を境に、お祝い事などをしても良いとされています。

浄土真宗・真言宗

浄土真宗や真言宗でも、49日の法要は行います。しかし、その意味は浄土宗や曹洞宗や日蓮宗とは異なります。

 

浄土真宗や真言宗では、亡くなった人の魂は亡くなったその日に成仏すると考えられています。亡くなった時点でこの世から旅立ち、完全にあの世へ行っているということです。

 

そのため、49日は故人のためというよりも遺族にとっての気持ちの節目のために行うという意味が強くあります。亡くなった人の供養のためではなく、残された遺族が気持ちの整理や教えを改めて知る期間とされているのです。

49日(四十九日)の計算方法

49日(四十九日)は、法要名から見てもわかるように、49日目に行う弔事です。それでは、どこから数えて49日目なのでしょう。 具体的な49日の計算方法について解説します。

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命日から数える

49日の計算方法は、基本的には亡くなった日から数えて49日目です。ただし、すべての地域で亡くなった日から数えて計算する、というわけではありません。その土地や地域によって、数え始めが異なるのです。

関東の場合

関東を含む多くの地域では、故人が亡くなった日を1日目として数えます。そこから数えてちょうど49日目に、四十九日の法要を行うのです。

 

例えば、命日が11月1日だった場合、四十九日の法要は12月19日に行います。一般的に四十九日の法要の計算は「命日+48日」で覚えると良いとされています。

関西の場合

関西の場合、四十九日計算は亡くなった日の前日を1日目として数えることがあります。11月1日に亡くなった場合、前日の10月31日を1日目として数えて、12月18日に四十九日の法要を行うということです。

 

関西で命日の前日を1日目とするのには理由があります。それは、お逮夜(たいや)という法要を執り行なうからです。お逮夜とは法要の前日の夜のことです。

 

決められた忌日に法要を執り行なうことが難しい場合、関西ではこのお逮夜に行っても良いとされています。そのため、四十九日の法要も命日の前日を1日目として、前倒しで49日目に執り行なうというところが多いのです。

初七日や四十九日などの法要早見表

四十九日を含めた初七日や一周忌などの法要は、基本的に計算方法が決まっています。ただ、法要のたびに自分で計算をするのが難しいということもあるでしょう。そこで、法要の早見表を掲載します。参考にしてください。

 

法要名

命日から数えて何日目 (命日を1日目)

命日から数えて何日目 (命日の前日を1日目)
初七日 7日目 6日目
二七日(ふたなぬか) 14日目 13日目
三七日(みなのか) 21日目 20日目
四七日(よなぬか) 28日目 27日目
五七日(いつなぬか) 35日目 34日目
六七日(むなぬか) 42日目 41日目
四十九日 49日目 48日目
百箇日(ひゃっかにち) 100日目 99日目

ペットの場合も人間と同じ

近年では、人間だけではなく、ペットの葬儀を執り行なうところも増えてきています。ペットも大切な家族という考え方が定着しているためです。

 

ペットの場合の四十九日の数え方も、人間の場合と同様です。基本的にはペットが亡くなった日を1日目とし、49日目に四十九日を執り行ないます。

 

また、関西に限っては一部の地域で、ペットの命日の前日を1日目として数えます。亡くなった日から数えて48日目に四十九日を執り行なうということです。

四十九日までの過ごし方

四十九日は故人にとっても遺族にとっても、大きな節目となる弔事です。その節目となる四十九日まで、どのように過ごせば良いのでしょう。 主な四十九日までの過ごし方はもちろん、四十九日を迎えるまではタブーとされている事柄についても紹介します。

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七日ごとに忌日法要を行う

四十九日までの過ごし方で最も重要とされているのが、七日ごとに忌日法要を執り行なうということです。法要早見表で紹介した初七日から六七日までを欠かさず執り行ないます。

 

七日ごとの忌日法要を執り行なうのは、故人の魂を慰めるためです。寂しさや悲しみで故人の魂が現世に舞い戻ってくることがないようにという意味が込められています。

 

また、七日ごとの忌日法要には遺族の気持ちを整理するためという考え方もあります。七日ごとに法要を執り行なうことで、自分の中にある悲しみや苦しみと向き合い、浄化していくということです。

 

なお、僧侶を招いて正式に法要を執り行なうのは初七日のみです。残りの二七日から六七日までは遺族だけでお参りや供養を行います。

毎日線香と水をお供えする

四十九日までは、毎日線香と水をお供えすることも忘れてはいけません。線香と水は、故人の魂の空腹やのどの渇きを潤すためのものだからです。

 

故人は冥土の旅の途中で食事を取ることはできないとされています。ただ、空腹やのどの渇きは冥土の旅での修行という考えもあるため、現世にいた時と同じように感じると考えられています。

 

線香の香りは魂にとっての食事という考えがあるため、喉の渇きを潤す水と一緒に毎日お供えしなければいけません。飢えやのどの渇きを感じることなく、穏やかな気持ちで冥土の旅を終えて欲しいという願いも込められているのです。

四十九日法要のための準備期間

四十九日までの過ごし方で忘れてはならないのが、四十九日法要のための準備です。四十九日は七日ごとの忌日法要の中で、最も盛大に執り行なわれる弔事です。大掛かりな弔事になるため、それなりの準備が必要です。

 

具体的にどのような点に注意して準備を執り行なえば良いのでしょう。特に忘れてはいけない重大なポイントについて紹介します。

納骨の手配

四十九日の法要までに必ず行っておかなければならないのが、納骨の手配です。四十九日までは自宅に遺骨を保管しているところもあります。いつまでも自宅に置いておくと、魂が成仏できないとされているため、納骨する必要があるのです。

 

多くの場合、四十九日の法要で納骨を行います。納骨をするためには、僧侶に来てもらってお経を上げてもらうなどの準備が必要です。具体的な日取りを僧侶と話し合って決める必要があります。

仏壇や位牌の購入

仏壇や位牌の購入も、四十九日までに済ませておくべき事柄です。仏壇や位牌は、購入してすぐに故人の魂の依り代になるというわけではないからです。

 

購入したばかりの仏壇や位牌には、なにも宿っていません。魂を入れてもらうということを僧侶にしてもらう必要があるのです。具体的にはお経を上げてもらうことで、仏壇や位牌が依り代になります。

 

四十九日の法要では僧侶を招いてお経を上げてもらうことになります。この時、一緒に仏壇や位牌にも魂を入れてもらうことで、これらが依り代となり、故人の魂が戻ってくることができるようになるのです。

四十九日までタブーとされていること

四十九日は遺族にとっての大きな節目となる日です。そのため、それまでは行ってはいけないこと、控えた方が良い事柄などがあります。 具体的に四十九日までタブーにされていることを紹介します。ここに紹介することは、極力避けた方が良いでしょう。

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お祝い事

四十九日までタブーとされている代表的なものに、お祝い事があります。喜びや嬉しさを表す行事事はすべて避けるべきということです。

 

具体的には、結婚式や入学式などのお祝い、さらにはお正月もタブーとされています。これらはすべて喜びや嬉しさを表す行事だからです。

 

四十九日が終わるまでは、故人を悼む気持ちを表す大切な期間とされています。残された人たちがいつも故人のことを思っているということを示す期間なのです。そのような期間にお祝い事をするのは失礼に当たると考えられています。

季節の挨拶

四十九日が終わるまでタブーとされている事柄に、季節の挨拶も挙げることができます。季節の挨拶もまた、喜びや嬉しさを表す事柄とされているからです。

 

具体的な季節の挨拶として、お中元やお歳暮が挙げられます。これらはただ単に季節の節目における挨拶ですが、新しい季節を迎えたことに対する喜びの行為でもあるとされています。

 

故人を悼む期間に、季節の挨拶の気持ちを示すお中元やお歳暮を贈ることは、不謹慎とされています。おめでたいことを表す行為ではなくても、お中元やお歳暮は避けた方が良いでしょう。

 

ちなみに喪中の場合は、お中元やお歳暮を贈っても良いとされています。厳密にはお祝い事とは言えないため、四十九日を過ぎれば送っても良いと考えられているのです。

神社参拝

四十九日が終わるまでは、神社参拝は避けた方が良いとされています。神社参拝がタブーとされている理由の一つに、神道の教えが関係しています。

 

神道では、人の死は穢れとされてます。神社は神様が存在する神聖な場所です。そのような神聖な場所に人の死という穢れを持ち込むことは失礼に当たると考えられているのです。

 

ただし、四十九日が空ければ喪中であっても神社への参拝は問題ありません。四十九日が過ぎたことで人の死という穢れが祓われたとされるからです。

寺院参拝は可能

四十九日が過ぎるまで神社への参拝はタブーとされていますが、寺院への参拝は問題なしとされています。むしろ、積極的に行くべきという考え方もあります。

 

仏教では、人の死は仏様に近い存在になったとされています。仏様に近い存在になるということは、大変めでたいことです。その喜びや感謝の気持ちを伝えるため、積極的に寺院へ参拝した方が良いとされているのです。

 

また、故人の魂が極楽浄土へ行きますようにという願いを仏様に伝えるという意味もあります。仏様のご加護を頂き、故人の魂が穏やかな気持ちで極楽浄土へ行くことができればという、遺族の切なる願いが込められているのです。

四十九日の前倒しについて

四十九日は命日を1日目としたちょうど49日目に執り行なう法要です。しかし、現実問題として49日目に四十九日の法要を行うことができるかと言うと、難しい場合が多いでしょう。

 

遺族にはそれぞれに自分の生活があります。49日目が平日だった場合、仕事や学業などの都合で四十九日の法要が難しい場合もあるでしょう。

 

49日目に四十九日の法要を行うことが難しい場合、基本的には前倒しして執り行うのが良いとされています。理由は後ろにずらすと魂が迷子になってしまうと考えられているからです。

 

早めに四十九日の法要を行うのは、故人に対して失礼に当たると考える人も一定数存在します。しかし、後ろにずらして故人の魂が迷子になってしまうことを考えた場合、前倒しした方が良いでしょう。

 

近年では、特に前倒しして土日に四十九日の法要を行うところが増えてきています。49日目に四十九日の法要を行うことが難しい場合は、前倒しして執り行なうことをおすすめします。

49日(四十九日)は故人にとっても遺族にとっても節目となる日

四十九日は故人にとっても遺族にとっても節目となる大切な日です。この日を境に故人は完全に冥土へ旅立つとされています。49日目以降に執り行なうと魂が迷子になる可能性もあるため、正しい計算方法を知って四十九日の法要を執り行なってください。