四十九日法要には納骨も一緒に行うべき?方法や当日の流れを解説

公開日 : 2020/8/19

更新日 : 2020/9/6

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四十九日は忌が明け、故人の魂が成仏する日だといわれています。四十九日には法要を行いますが、そのときに、遺骨をお墓におさめる納骨を一緒に行う場合がとても多いです。以下では、四十九日に納骨式を行う場合の方法やマナーについて解説します。

公開日 : 2020/8/19

更新日 : 2020/9/6

目次

四十九日とは?

四十九日とは、仏教における死者の追善供養の1つです。その名の通り、故人が亡くなった日から49日目が四十九日にあたります。四十九日は、数ある追善供養の中でもとくに重要な節目とされています。

 

人は亡くなると、来世の転生先を決めるためにあの世で裁判を受けるといわれています。いわゆる閻魔大王の裁きを受けるわけです。死後の裁判は7日毎に7回行われるため、最後の裁判の日が四十九日にあたります。

 

四十九日目の裁判で言い渡される判決は、故人の魂の生まれ変わり先を決めるものです。そのため四十九日は、故人が亡くなった後の重要な節目の日と考えられているのです。

四十九日にはなにをする?

四十九日には追善供養として法要を行います。「四十九日」という言葉自体に、法要の意味が含まれていることもあります。なぜ四十九日には法要を行うのかというと、先ほど説明した閻魔大王の死後裁判が関係しています。

 

故人の魂は、生前の罪によって裁かれます。たとえば大きな罪を犯した人は、死後は地獄に落ちるという話を耳にしたことがある人も多いでしょう。しかし、重罪人であっても、現世に残された人々の供養の仕方によっては、罪が軽減されることもあります。

 

そのため遺族たちは、故人の魂が極楽浄土に生まれ変われるよう、四十九日に法要を営んで、供養を行うのです。本来は7回ある死後裁判に合わせて、故人の死後は7日ごとに法要を行うものですが、最近はスケジュールの調整などが難しいことなどから、初七日と四十九日のみに法要を行うケースが増えています。

 

四十九日法要には僧侶を招き、お経をあげてもらいます。また家族や親族のほかに、故人の知人や友人を招くことが一般的です。そのため四十九日は、追善供養の中でも比較的規模が大きい法要として認知されています。

納骨とは?

納骨とは故人の遺骨をお墓に納めることです。納骨の際にも法要を行うことが多く、その一連の儀式は「納骨式」と呼ばれます。納骨は先祖代々のお墓に行うこともあれば、新しくお墓を建てたり、納骨堂に納骨したりすることもあります。

 

また、最近はお墓に遺骨を納めず、海洋などに遺骨を撒く「散骨」や、林に遺骨を埋葬する「樹木葬」を行うケースも増えてきています。納骨は遺族にとっても大きな節目であり、故人との別れを受けいれて気持ちの切り替えを行うものでもあります。

 

納骨は四十九日に合わせるべき?

納骨は四十九日にあわせて行うケースが非常に多いです。四十九日はあの世での裁判が終わり、故人の魂が成仏する日であると同時に、遺族の忌が明ける日でもあります。そのため一つの区切りとして、同じ日に納骨を行うというものです。

 

四十九日に納骨を行う場合、四十九日の法要のあと、全員で墓前に移動して納骨式を行うことが一般的です。四十九日の法要には身内だけでなく、故人の知人や友人も参列するため、納骨式もそれなりの人数で行うことになります。

 

新しいお墓を建てる場合は、前もって墓を購入していない限り、四十九日までに墓が完成することは少ないです。そのため四十九日に納骨をするのは、「すでにお墓や納骨先が決まっている場合」が多いです。また、「なるべく早く納骨を済ませたい場合」にも、四十九日での納骨がよく選択されています。

そのほかの納骨のタイミング

納骨の時期は厳密には決まっておらず、必ずしも四十九日にあわせるべきものではありません。たとえば新しいお墓の手配が間に合わなかったケースや、心情的にまだ納骨を行いたくないというケースが考えられるでしょう。

 

そういった場合は無理に納骨をする必要はなく、さまざまな準備が済んだタイミングで納骨を行ってかまいません。場合によっては、ずっと遺骨を自宅に安置しておく「手元供養」が選択されることもあります。

 

もし納骨を考えているけれど、四十九日を逃してしまった場合、どのタイミングで納骨を行えばよいのでしょうか。基本的にいつでも構わないのですが、やはり、なにかの節目にあわせて納骨をしたいと考える人は多いです。以下に、四十九日以外に選択されている納骨のタイミングの例をご紹介します。

一周忌に納骨する

一周忌は故人が亡くなって満1年の命日を指します。四十九日と同じく法要を行うのが一般的です。一周忌は遺族の喪が明けるタイミングでもあるため、それ以降に続く年忌法要の中でもとくに重要視されています。

 

四十九日に納骨を行わなかった場合、次の納骨のタイミングとしてよく選ばれるのが一周忌です。遺族の喪が明けることや、遺族が気持ちの切り替えをするのにちょうどよい期間であることが、一周忌に納骨が行われる主な理由です。

 

新しいお墓を建てる場合は、四十九日に間に合わないことも多いため、区切りのよい一周忌に納骨するというケースも多くあります。

三回忌に納骨する

三回忌は故人の逝去から満2年の命日を指し、一周忌と同様に法要を行います。以後、七回忌、十三回忌…と続いていきますが、これらの法要をひっくるめて年忌法要と呼びます。亡くなった年を1年目と考えるため、年忌法要は数え年で行います。そのため三回忌は満3年の命日ではなく、満2年の命日です。

 

三回忌は、年忌法要の最初の法要であるため、親族や故人の友人・知人など、参列者が多くなりやすいものです。そのため、四十九日や一周忌で納骨をしていない場合は、比較的大勢が参列する三回忌に納骨式を行うことが多いです。

 

「故人との別れをまだ惜しみたい」という場合や、「お墓をじっくり検討したい」という場合には、3回忌まで納骨を待つケースが多くみられます。

それ以外のタイミング

上記以外のタイミングとしては、「三十五日法要」「百箇日」「新盆」があります。「三十五日法要」は故人の魂があの世で5回目の裁判を受ける日にあたり、宗派や地域によっては四十九日ではなく三十五日を忌明けと考えることもあります。

 

「百箇日」は故人の命日から100日目に当たる日で、この日には、あの世での死後裁判が再開される日です。思わぬ世界に転生した魂も、この日の法要次第では極楽に行ける可能性があります。そのため四十九日や年忌法要と同様、遺族が集まって法要を行います。

 

三十五日や百箇日の法要は最近では馴染みが薄くなっていますが、このタイミングで納骨を行うことは少なくありません。また、初盆はとくに手厚く供養するのが習わしのため、初盆にあわせて納骨を行う家庭も多くあります。

 

いずれにしろ納骨の日に決まりはないため、家族でよく話し合ってタイミングを決めると良いでしょう。

四十九日法要と納骨式を行う場合の流れ

四十九日法要と納骨式を同日に行う場合の、大まかな流れについて解説していきます。どちらも手厚く行うものですので、1日がかりの儀式になると考えておいたほうがよいでしょう。

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四十九法要の流れ

まずは四十九日に法要の流れをご紹介します。四十九日法要は自宅や菩提寺で行うのが一般的ですが、葬祭会館や、仏事料理を提供する料理屋の部屋を借りて行うこともあります。いずれにしろ、その後に納骨式が控えているため、墓地の近くで行うことが多いようです。

僧侶の読経と焼香

四十九日法要では僧侶にお経をあげていただきます。その後、参列者全員で焼香を行います。焼香の順番は施主を筆頭に、故人と親等の近い順番にまわしていくのが一般的です。その後は席順で故人の知人や友人の順番になります。施主以降の焼香は、単純に席順に回すこともあります。

 

読経と焼香が終わると、僧侶による説法や説話がおこなれることもあります。

位牌の供養

四十九日のタイミングで、それまでの白木の仮位牌から黒塗りの本位牌に切り替えます。位牌には故人の魂が宿っていると考えられているため、仮位牌から本位牌に魂を入れ替える儀式が必要です。忌中に用いていた仮位牌には魂を抜くための「閉眼供養」、これから用いる本位牌には魂を入れるための「開眼供養」を行います。

納骨式の流れ

各位牌の供養が終わると、四十九日法要は無事に終了です。その後は遺骨をお墓に納める納骨式が行われます。それでは、納骨式の大まかな流れをご紹介していきましょう。

墓前への移動と施主挨拶

四十九日法要後、僧侶と参列者全員で墓前に移動します。ただし最近は、四十九日法要が終わった段階で親族以外の参列者は解散し、納骨式は身内だけで行う場合もあります。納骨式の開始には、施主から挨拶があるのが一般的です。

開眼供養または僧侶の読経

納骨を行う前に、僧侶にお経をあげていただきます。もし新しくお墓を建てた場合は、お墓に魂を移す開眼供養もおこなれます。

納骨

読経後、お墓や納骨室を開いて故人の遺骨を納めます。お墓の構造上などの問題で、自力でお墓を開くのが難しい場合は、石材店に依頼して開いてもらう方法があります。納骨が済んだらお墓を閉じます。

僧侶の読経と焼香

ふたたび僧侶にお経をあげていただきます読経後、参列者全員で焼香を行います。順番は四十九日法要と同じ要領で構いません。または、その場で僧侶から指示があることもあります。

お供え物をする

焼香が終わったら、お花やお菓子などのお供え物をします。ただし置きっぱなしにするとお墓を傷める場合がありますので、当日中に引き上げるか、後日早めに引き取りにいくのがおすすめです。

最後に会食を行うことが多い

四十九日や納骨式が終わったら、僧侶もまじえて参列者全員で会食を行うことが多いです。食堂に移動することもあれば、仕出し料理を依頼することもあります。ちなみに法要後に会食を行う場合は、一連の流れを「法事」と呼びます。また、法要のあとに行う食事は「お斎」と呼ばれています。

四十九日法要の準備の仕方

続いて、四十九日法要のための準備の流れをご紹介します。故人が亡くなってから四十九日までの期間は意外と短いものです。直前になって慌てなくてよいよう、早め早めに準備をしておくことが大切です。

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日程を決める

まずは法要を行う日取りを決めます。法要を行うのは、故人が亡くなった日を1日目とし、49日目に行うのが望ましいですが、参列者のスケジュールを合わせるのが難しい場合もあります。

 

そのため、法要は四十九日直前の週末や休日に行うのが一般的です。気を付けたいのは49日目を決して過ぎないこと。四十九日に限らず、法要は期限を過ぎて行うことは好ましくないとされています。

僧侶の手配

日程が決まったら、まずは寺院や僧侶に法要を依頼しましょう。直前に依頼するとお寺の都合がつかないことがあるため、早めに連絡することが大切です。あわせて法要を行う会場の予約も行いましょう。

お布施も準備しておく

法要の謝礼として、僧侶にお渡しするお布施の準備もしておきます。お布施の金額に決まりはありませんが、3万~5万程度が相場だといわれています。このほかに、交通費として「御車代」や、お斎を断られた場合には「御膳料」を準備する場合もあります。

 

お布施袋には白無地の封筒白い奉書紙を用います。水引は必要ありません。表書きはそれぞれ「お布施」「御車代」「御膳料」とし、その下に施主のフルネームを書き入れます。

案内状の送付

四十九日法要に招きたい相手に案内状を送付します。四十九日法要の案内状を送る範囲は、基本的に親族ですが、故人と親しかった友人や知人を招くこともあります。出欠確認のため、案内状には返信用はがきを同封するか、あるいは往復はがきを使用しましょう。身内だけしか参列しない場合は電話での連絡でも構いません。

 

また、参列者への連絡は、寺院への連絡と同様になるべく早めに行いましょう。直前に連絡すると先方のスケジュールに支障がでることがあります。

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本位牌の準備

四十九日では、白木の仮位牌を黒塗りの本位牌に切り替えます。四十九日までに準備しておきましょう。本位牌には名前の彫刻などが必要であり、作成に1~2週間程度かかります。

会食場の手配

四十九日法要や納骨式のあとに会食がある場合は、会食場や料理の手配も必要です。お斎のにふるまう料理は、精進料理などが一般的でしたが、最近では比較的自由なメニューもよく利用されています。ただし鯛や伊勢海老といった祝い事にふるまわれる料理は避けましょう。

返礼品の準備

四十九日の参列のお礼として、参列者にお渡しする引き出物を準備します。これは「香典返し」とは違うものですので、香典返しがある場合は、そちらの品も別に準備します。引き出物は参列者全員に一律同じ品を用意し、相場は3000円~5000円程度です。香典返しはいただいた香典の金額の1/3~半分を目安にします。

納骨式の準備の方法

納骨式にあたっても、さまざまな準備が必要です。とくに納骨には埋葬に関する法律にのっとって行わなければなりませんので、提出書類の準備は怠りなく行いましょう。

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納骨先の決定と手配

まずは納骨先を決める必要があります。受け継いだお墓に納骨する場合もあれば、新しくお墓を建てる場合もあるでしょう。最近は永代供養や樹木葬も増えています。今後お墓や遺骨をどういうふうに守っていきたいか、ということを考えて、納骨先を決定してください。

関係各所への連絡

納骨先が決まったら、墓地や霊園の関係者などに連絡を取る必要があります。あわせて納骨式の参列者への案内や、寺院への連絡も必要です。四十九日法要と同日に行う場合は、公社への連絡は一緒に済ませてしまいましょう。お墓を新しく作る場合や、お墓の開閉を依頼する場合は、石材店への連絡も必要です。

埋葬許可証の準備

遺骨を埋葬する際は、「墓地埋葬法」に則って、「埋葬許可証」の取得が必要です。埋葬許可証は、死亡届を提出した市役所や、火葬場で発行されます。そのほかにも、墓地の霊園の管理者から発行される「墓地使用許可証」や「受入許可証」が必要な場合もあります。

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お供え物の準備

納骨の際にはお供え物をするのが一般的です。線香やろうそく、お花のほか、故人が好きだったジュースやお菓子をお供えするとよいでしょう。

お布施の準備

納骨式を取り仕切ってくださった僧侶にお渡しするお布施の準備が必要です。これは四十九日法要のお布施とは別に準備しておきます。また、新しくお墓を建てて開眼供養を行う場合は、開眼供養のお布施も別に用意します。納骨式と開眼供養のお布施の相場はそれぞれ3万~5万円です。

参列者が用意すべきものとは

四十九日の参列者は香典を持参するのが一般的です。香典の金額は、年齢や故人との関係性によって大きく異なり、相場は5000円~10万円と幅が広いです。香典の表書きは普通の墨を用いて「御仏前」としましょう。葬儀や通夜で使用した「御霊前」は用いませんので、注意してください。

 

そのほかに、香典を包む袱紗や、数珠などの準備が必要です。

四十九日法要や納骨式当日の服装は?

遺族は正喪服や準喪服参列者は準喪服や略喪服を着用するのが一般的です。近親者のみで行う場合は平服でよいこともあります。ただし平服であっても、過剰な肌の露出や華美な服装は避けましょう。できれば略喪服の着用が望ましいです。

準備は入念に行いましょう

四十九日も納骨式も、準備にはそれなりの時間と手間が必要です。四十九日は意外とアッという間に訪れますので、悲しみでなにも手につかない場合であっても、なるべく早めに準備に取り掛かったほうがよさそうです。