お墓参りをする時期や頻度・タブーとは?お供え物など基本知識も解説

公開日 : 2020/8/21

更新日 : 2020/9/8

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お墓参りをする時期に決まりがあると思っている方は多くいるでしょう。実際のところはそうではありません。この記事では、そんなお墓参りをする時期や行く頻度についてやお供え物・服装などの基本知識、知らなかったでは困るお墓参りのタブーなどを解説しています。

公開日 : 2020/8/21

更新日 : 2020/9/8

目次

いつお墓参りに行けばよいのか

実のところ、お墓参りに行く時期に決まりはありません。一般的にお墓参りをすることが多い時期というのはありますが、本来は行きたいと思ったときに行ってもよいものです。

 

お墓参りはご先祖様を供養するため、または生前に親しかった人の供養をするために行く方が多いでしょう。故人からすれば、家族や親しい人が会いに来てくれるわけですから、それだけで嬉しく思ってくれているはずです。

 

お墓参りしたいと思うのは、故人に呼ばれているからという考え方もあります。あまり難しく考えずに、行きたいときに行ってみてはいかがでしょうか。

 

 

お墓参りが多い時期

一般的にお墓参りに行く人が多い時期についてご紹介します。

命日

故人がなくなった日が命日ですが、祥月命日と月命日があります。祥月命日は、年に1回訪れる故人がなくなった月日のことです。月命日は、月に1回訪れる故人がなくなった日のことを指します。

 

祥月命日には、親族が集まって1周忌や50回忌などの法要をすることが多いです。法要がない年の場合は、お墓参りに行くという方もいます。

 

月命日は毎月やってくるものなので、供養の仕方は家の仏壇で手を合わせるだけなど簡単にすませる方もいるでしょう。たまには月命日にお墓参りをしてみると、故人の方も喜ぶはずです。

お彼岸

祝日である春分の日と秋分の日を中日とした前後3日間、合計1週間のことを指します。例えば、3月20日が春分の日なら3月17日~3月23日がお彼岸の期間ということです。

 

お彼岸はあの世とこの世の境が近くなる期間と言われており、お墓参りにもよく選ばれる日です。ちなみに、お彼岸に死者を供養する文化があるのは日本だけで、インドや中国では行われません。

 

お彼岸は春と秋でそれぞれ3日間ありますが、中日である春分の日・秋分の日にお墓参りをするという方が多いようです。もちろん祝日以外の日に行っても問題はありません。

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お盆

お盆は故人の方がこの世に戻ってくる時期です。お盆休みを利用して多くの人がお墓参りに行くタイミングでもあります。一般的には8月13~16日がお盆の時期とされていますが、地域によっては7月など違う場合もあるようです。

 

一般的には迎え盆とされる13日にお墓参りに行く方が多いです。もちろん個人の都合もありますので、13日以外に行っても大丈夫です。

 

昔はお盆に送り火や迎え火をしたり、なすときゅうりの精霊馬を飾ったりする風習がありました。しかし、現代では昔ながらのお盆のしきたりにこだわる人も減っているので、ご先祖様にお墓参りをして、故人とゆっくりするという気持ちお盆を過ごせばよいのではないでしょうか。

年末年始(正月)

年末年始という家族が集まる時期を利用してお墓参りに行くという方は結構多いです。ただし、地域によっては年末の29日、31日、正月にお墓参りをするのは好まれない場合があります。

 

なぜ好まれないかというと、29は二重に苦しむ31日は正月の一夜飾りから葬儀を連想し、縁起が悪いと考えられているためです。また、正月というめでたいハレの日にお墓参りするのは縁起が悪いということで避ける方もいます。

 

もちろん、気にせずに年末年始にお墓参りしている方も多いです。年の節目にお墓をきれいに掃除したり、あいさつしにいったりすると故人の方も喜ぶでしょう。

お墓参りをする頻度は人それぞれ

年に何回お墓参りをしなければいけないという決まりはありません。頻度は人によってそれぞれです。例えば、お墓参りの時期は必ず行くという方なら、命日・お彼岸(春・秋)・お盆・年末年始で合計5回ほどお墓参りに行っているでしょう。

 

忙しい方なら、命日や年末年始など年に1~2回ぐらいという場合もあるはずです。大切なのは、お墓参りをして故人と会いたいという気持ちですから、頻度は気にしないようにしましょう。

お墓参りをしてはいけない日・時間帯

お墓参りをしてはいけない日と時間帯の実際のところについて解説しています。

行ってはいけない日は特にない

お墓参りに行ってはいけない日を気にされる方は多いです。例えば、仏滅や友引の日は避ける方がよいのではないかと思う方もいるでしょう。実際のところ、お墓参りに行くときは、仏滅などの六曜は気にしなくてもよいです。

 

仏滅や友引の日は縁起が悪いから避ける方がよいというのは慣例であって、絶対ではありません。ですが、年配の方だと気にされる方はいるので、その場合は臨機応変に日にちを決めるとよいでしょう。

 

六曜以外で行ってはいけない日というのもありませんが、天気が悪い日や混雑が予想される日は避けた方がお墓参りをしやすいです。

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時間帯に決まりはないが午前中がおすすめ

お墓参りをする時間帯は特に決まっていません。ですが、明るいうちに行くことをおすすめします。一番よい時間は午前中です。お墓参りに行くことが多い夏のお盆の時期でも、朝なら涼しいので、墓掃除などがしやすいです。

 

あまり行く人はいないですが、夜にいくのはやめたほうがよいです。まず夜の墓地は不気味ですし、単純に暗くて周囲が見づらいです。また、間違えて違う人のお墓を参ってしまう可能性がありますし、周りが暗いので足を滑らせてケガをする危険性もあります。

 

時間帯に決まりはありませんが、参りやすさを考えると明るい時間帯にいくべきです。

お墓参りは一人で行ってはいけない?

昔からお墓参りは一人で行ってはいけないという考え方があります。結論から言えば、現代においては気にする必要はないでしょう。昔と今では墓地の事情が違うからです。

 

昔は墓地が山奥など足場の悪い場所にあったため、一人で行く危険性が今よりも高かったという背景があります。そのため、一人で行くものではないと言われ続けていたのです。

 

ですが、現代の墓地は舗装が行き届き、人目に付きやすい場所につくられているため、危険性は昔よりも低いです。明るい時間なら一人で行っても問題はないでしょう。ほかには、霊がついてくるからという考え方もありますが、迷信として気にするものではないです。

お墓参りに必要なもの

次では、お墓参りに持っていくべきものをご紹介します。お供え物の多くは、仏教の五供が由来になっています。

掃除道具

足元の掃除にはほうき、ちりとり、ごみ袋があると掃除しやすいです。また、墓石の掃除はブラシ、雑巾などがあるとよいでしょう。水をくむ桶(バケツ)や柄杓は墓地に備わっていることが多いです。

お供え用の花

お供え用の花を故人のお墓に飾ることで、感謝を示すことができます。花は、仏教でお供えの基本とされる五供(ごく)のうちの1つでもあります。

 

お供え用の花は一般的に菊が用意されることが多いです。菊は伝統的に仏花として供えられてきたからという理由もありますが、長持ちする、花びらが散らかりにくいという特徴からよく選ばれます。ほかには、カーネーション、アイリス、ユリなどもよく供えられます。

 

お供え用の花として不向きと一般的によく言われるのは、トゲや毒があったり香りが強すぎたりする花です。例えば、バラなどは向いていません。お供えする花を選ぶときは、花の種類に注意しましょう。

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飲食物・水

お墓参りをするときは、故人の方が生前好んでいた食べ物や飲み物、お酒を持っていくことが多いはずです。こういったお供え物を用意することは、お供え物の基本、五供(ごく)の1つである飲食(おんじき)の考え方が由来になっています。

 

一般的に用意することが多い食べ物は、お菓子や果物です。特にお供えする物に決まりはありませんが、迷ったらその季節の果物がよいでしょう。供えるときは直置きするのではなく、半紙の上や容器などに入れて供えてください

 

飲み物はジュースやお酒を供える方もいますが、水やお茶でもよいです。五供の1つに浄水があり、供えた人の心を浄化するという意味があります。

香・灯明

お墓参りや法事で欠かせない線香やろうそくも五供の香、灯燭の考え方が由来になっています。これらの物を持参する際は、火をつけるためにマッチやライターも必要です。

 

仏教の考えでは、香は焚くことでお参りする人の心身を浄化するという意味があります。また、お香のかおりが空間のすみずみまで広がる様子から、仏様の平等な慈悲の心を表しているとも言われています。

 

ろうそくは、仏様の智慧や慈悲の象徴です。お墓参りをする人が抱える闇や煩悩を光で打ち消すという意味があります。また、故人が極楽浄土まで迷わないように道を照らす光という意味合いもあります。

数珠

厳密には数珠は必需品ではありませんが、作法やマナーを気にする場合は持っていくようにした方がよいです。数珠は宗派によって珠数や形が異なります。知人・友人のお墓参りの際は、相手の宗派の数珠に合わせるか悩む方もいますが、基本的には持っているものを使えばよいです。

 

最近の数珠は略式の珠数が少ないものが多いですが、本来は人間の煩悩の数と同じ108個あります。珠の1つひとつが108個それぞれの煩悩に対応しており、持って拝むことで数珠が煩悩を引き受けてくれて、精神の平穏が得られるという考え方があります。

 

また、厄除けや魔よけの意味もあるため、日頃から持ち歩く人も少なくはないです。ブレスレットのようなおしゃれな数珠もあります。

お墓参りの服装

法事の場合はフォーマルな装いが必要ですが、家族や親族で行くお墓参りの場合はカジュアルな普段着で構いません。カジュアルといっても一目につくことを考えると、派手な格好はやめた方がよいです。適度に節度がある落ち着いた服を選びましょう。

 

女性の方は、ヒールより歩きやすいスニーカーを履いてきた方がよいです。転倒するとケガをする可能性がありますし、墓地によっては舗装されていないことがあります。また、掃除をすることを考えると、動きやすい靴の方が都合がよいです。

 

ほかに気を付けた方がよい点としては、肌の露出が多い服や殺生を連想する動物の毛・皮のファッションは避けましょう墓地は緑が多い傾向にあるため、肌の露出が多いと虫刺されにあう可能性が高いです。

お墓参りのタブー

次では、お墓参りでタブーとされる行為について説明します。

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お供え物を置いて帰る

供えたものは、帰るときに必ず持ち帰るようにしましょう。おいておくと野生の動物が食べ散らかしてしまうことがあります。墓地の景観や他所のお墓を汚す可能性があるので、お墓参りが終わったら、お供え物も回収して帰るようにしましょう。供えたものは家族で食べても構いません。

お供え物の飲料を墓石にかける

水以外の飲み物を供える場合は、缶やペットボトルなどのフタを開けない状態にしておきましょう。故人の方と一緒に飲みたいといった理由で開封する場合は、コップなどに入れて供えてください。

 

それから、映画などに影響を受けて、故人の方が飲めるようにとお酒やジュースを墓石にかけるのはやめておきましょう。お酒やジュースには糖が含まれているため、お墓に虫が寄る原因になります。

 

また、墓石には細かい穴があります。穴の隙間に飲料の成分が入り込むと変色やカビが発生することがあり、よくありません。飲料を墓石にかける行為は劣化の原因になるため、やめておきましょう。

ろうそくや線香の火を息で消す

ろうそく、線香の火を消す際は必ず手で仰ぐようにしましょう。仏教の考え方に基づくタブーですが、現代においても常識として覚えておいたほうがよいです。知らずにやってしまうと、ほかに人にマナー違反として捉えられる可能性があります。

 

仏教においては、線香の香とろうそくの灯燭は五供に含まれており、清浄なものとして扱われます。そして、人間の口というのは仏教上では不浄なものです。

 

仏様や故人に供える清浄なお供え物を息で穢さないようにという考え方から、ろうそくや線香は息で消してはいけないことになっています。

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午後に行ってはいけない説は迷信

午後に行ってはいけないとされる理由は主に2つ考えられます。1つ目は、何か用事を済ませてからお墓参りをするついで参りが失礼にあたるからというものです。2つ目は、午後になると悪い霊が現れ、参りに来た人に悪さをするからというものがあります。

 

ついで参りがダメな理由は、お墓参りは何よりも最優先される用事であり、一日の始まりである午前に行うべきという考え方によるものです。しかし、現代においては難しい話ですから、真に受ける必要はないでしょう。逆に落ち着いた状態で参る方が、故人の方も嬉しいはずです。

 

霊が悪さをするという説も迷信であり、全く信じる必要はありません。両方の説は信ぴょう性がないとはいえ、午後になって日が暮れだすと周囲が暗くなり危険です。そのため、明るい時間帯のうちに行った方がよいというのは確かです。

お墓参りは行きたいときに行けばよい

一般的に多くの人がお墓参りに行く時期というものはありますが、厳密には決まっていません。本来はいつ行ってもよいものです。もちろん、人によってお墓参りできる頻度に差はありますが、回数が大事なのではありません。故人を偲び、お墓参りしたいという気持ちを大切にしましょう。