23回忌って何?宗派によって異なるケース流れなどについても解説
公開日 : 2020/7/28
更新日 : 2020/9/10
葬式が終わると、決まった年数ごとに法要を執り行ないます。一周忌や7回忌などは良く聞きますが、23回忌はあまり聞いたことがないかもしれません。それは宗派によって事情が異なるからです。23回忌の意味や流れなどについて紹介します。
公開日 : 2020/7/28
更新日 : 2020/9/10
目次
23回忌の意味
あまり耳にすることが少ない23回忌。それは23回忌を執り行なう際のマナーや宗派事情によるからかもしれません。 そこで、まずは23回忌の意味や一般的とされている執り行ない方などについて紹介します。
亡くなってから満22年目の法要
23回忌は「23回」という文字が入っていることから、23年目に執り行なわれる法要だと思っている人が多くいます。ですが、それは誤りです。23回忌の法要は、故人が亡くなってから満22年目に執り行ないます。
どうして23回忌の法要は23年目ではなく、22年目に執り行なうのでしょう。それは、亡くなった年を1年目と数えているからです。これを「数え年」と言います。
葬儀の後に執り行なわれる法要はすべて「数え年」で巡ってきます。例えば7回忌は、故人が亡くなってから満6年目に執り行なわれるということです。
通常は遺族だけで供養する
23回忌の法要を聞いたことがないという人もいるでしょう。23回忌が執り行なわれているという事実を知らない人は、意外と多くいます。それは23回忌は通常、遺族だけで執り行なう法要だからです。
23回忌に参列する遺族は、大変限られています。遠方の遺族や遠縁の遺族が参列することはあまりありません。遺族の中でも、特に故人と縁深かった人だけが参列します。
23回忌は3回忌や7回忌のように、多くの人たちに案内状を送って執り行なうものではありません。故人と大変親しかった遺族だけでひっそり執り行なわれる法要なので、あまりなじみがないのです。
省略される場合もある
23回忌を知らないという人が多い理由は、23回忌を故人にとってごく親しい間柄だった人だけで執り行なうからと言うだけではありません。実は省略されることもあるからです。
23回忌を執り行なうか省略するかは、その宗派によって異なります。日本に存在するさまざまな宗派では、葬儀や法要についても個別の習わしがあります。23回忌を執り行なうかどうかも、宗派の習わしによって異なるのです。
宗派別の23回忌
23回忌は必ず執り行なわれる法要というわけではありません。宗派によっては23回忌そのものを執り行なわないと決められていたり、省略しても良いとされていたりします。 それぞれの宗派別による23回忌の取り決めや考え方について解説します。
23回忌を必ず行なう宗派
浄土真宗は日本に存在する宗派の中でも、23回忌を必ず行なう宗派です。年忌法要は1周忌から始まり、全部で12回あります。これらの中で浄土真宗は33回忌までの計8回すべての法要を執り行ないます。
ただし、地域によっては浄土真宗であっても23回忌が省略されることがあります。浄土真宗だから絶対に23回忌を執り行なうというわけではないのです。
23回忌を行なう場合と行なわない場合がある宗派
曹洞宗・臨済宗・日蓮宗は、23回忌を行なう場合と行なわない場合があります。これは地方やその家のルール、またはお寺などによって異なります。
23回忌を行なう場合は、その4年後に27回忌も執り行ないます。その代わり、23回忌の2年後に執り行なうとされている25回忌は執り行ないません。
23回忌を執り行なわない場合は、27回忌も執り行ないません。その代わり、25回忌を執り行ないます。25回忌を執り行なうことで、23回忌と27回忌の両方を執り行なったという意味になります。
25回忌で行なう宗派
真言宗は23回忌を執り行ないません。地域によって執り行なったり執り行なわなかったりというあいまいなものではなく、明確に23回忌は執り行なわないとされています。
真言宗では23回忌と27回忌を省略します。その代わり、満24年目に25回忌を執り行ないます。25回忌が、23回忌と27回忌の両方の意味をなしているのです
23回忌における服装
23回忌は1周忌や3回忌などの法要とは異なり、どちらかと言うと略式的な法要になります。そのため、服装に迷うこともあるでしょう。 そこで、男性と女性と子供の場合に分けて、23回忌での服装について解説します。
男性の場合
男性の場合はジャケットにスラックスというのが一般的なマナーです。葬儀や一周忌のような主たる法要ではないので、喪服を着る必要はありません。
ジャケットやスラックスの色は黒が良いでしょう。黒がない場合や季節的に黒が重く感じられる場合は、濃紺やダークブラウンなどのような、暗めの色を着用しましょう。
また、靴下は必ず着用してください。靴下を着用しないスタイルはラフすぎます。23回忌と言えど、故人を悼む正式な法要です。黒や濃紺などのような色の靴下を着用しましょう。
女性の場合
女性の場合は、ワンピースやスカートを着用するのが一般的なマナーです。男性の場合同様に、喪服を着用する必要はありません。
色は黒が一般的です。ただ、真夏などのような暑い季節は濃紺などでもマナー違反になりません。無地で色の濃いものを着用するようにしましょう。
また、女性の場合はアクセサリーは不可です。真珠の着用は認められていますが、それ以外のアクセサリーは不可ですから注意してください。
子供の場合
子供の場合は、年齢によってさまざまです。学校に通っていないような小さなお子さんの場合は、どのような服装でも問題ありません。主な法要ではないため、小さなお子さんの場合の服装は特に決まりがないのです。
また、学校に通っている年齢の子供の場合は、制服を着用するのも良いでしょう。ただし、これも絶対というわけではありません。カラフルな服装はさすがに良くありませんが、無地や暗い色の服装なら特に問題ありません。
23回忌の流れ
23回忌の法要は省略されることも多いため、正しい流れを知らない人が多くいます。そのため、23回忌の法要を執り行なう際の手順がわからないという人も一定数存在します。 そこで、23回忌を執り行なう場合の流れについて解説します。
日時と場所決め
23回忌の法要を執り行なう際、最も重要となるのが日時と場所決めです。この両方が定まらない限り、23回忌の方法を執り行なうことはできません。
23回忌を執り行なう上での日時の設定にも場所決めにも、それぞれ注意すべき点があります。日時の場合と場所の場合のそれぞれに分けて、ポイントや注意点についてご紹介します。
日時
23回忌を執り行なう日時については、通常は故人が亡くなった日にするのが一般的です。つまり命日に23回忌を執り行なうということです。
しかし、命日を23回忌を執り行なう日にしてしまうと、多くの場合は平日になります。平日ともなれば当然仕事や学校がありますから、遺族で会っても参列するのは難しくなります。
そこで、通常は命日の前の土曜日や日曜日にしましょう。命日の後に法要を執り行なうのは良くないとされていますから、必ず命日の前の土曜日や日曜日にしてください。
場所
23回忌を執り行なう場所ですが、一般的なのは自宅です。自分の家に僧侶を呼んで23回忌を執り行なうというパターンが最も多く見られます。
ただ、お寺で23回忌を執り行なうケースもあります。その場合は、菩提寺で執り行なうことが多いでしょう。菩提寺とは先祖代々お世話になっているお寺のことです。お墓もそのお寺にあるケースが多々あります。
お寺で23回忌を執り行なう場合は、菩提寺でなくても問題ありません。菩提寺は生まれ育った場所にあることが多く、そことは別の場所に住んでいる人がほとんどです。その場合は、近くの同じ宗派のお寺にお願いしましょう。
案内状の郵送
23回忌は通常、家族などのような故人と近しい間柄にあった遺族だけで執り行なうことが一般的です。ですが、故人と大変親しかった友人や知人などを招く場合もあるでしょう。
家族以外の人を23回忌に招く場合は、案内状を出します。その場合、日時や場所の明記はもちろん、出席か欠席かの連絡もできるようにしておきましょう。出欠を書く欄を設け、丸印をつけて返送してもらう形にすると良いでしょう。
案内状を送る場合は、先方にも都合があります。招きたい人がいるのなら、早めに23回忌の日時を決めておくことが大切です。
お布施の準備
23回忌を執り行なう際には、必ず僧侶にお経をあげて頂くことになります。当然、僧侶にお渡しするお布施が必要です。
23回忌で僧侶にお渡しするお布施の金額は、30,000円程度が相場と言われています。ただ、お寺によっては法要の際に納めるお布施の金額が決まっているところもあります。23回忌の法要をお願いする際、忘れず確認しましょう。
また、自宅で23回忌を執り行なう場合はお布施とは別にお車代も必要です。23回忌でお渡しするお車代の相場は、5,000円程度と言われています。お寺によってはお布施の中に含まれていることもありますから、こちらも必ず確認してください。
始まりの挨拶
23回忌を執り行なう当日は、喪主の挨拶から始まります。この時、注意したいのはあまり長々と話さないということです。これから23回忌とを執り行なうのですから、できるだけ簡潔明瞭な内容にしましょう。
「本日はお忙しい中、〇〇(故人の名前)の23回忌法要にお集まりいただき、誠にありがとうございます。それではこれより、〇〇(故人の名前)の23回忌法要を始めさせて頂きます」
家族だけで執り行なう場合は必要ありません。ですが、遠方から参列してくださった方がいた場合は、上記のような挨拶をして23回忌の法要を始めましょう。
終わりの挨拶
23回忌の法要が終わったら、喪主の終わりの挨拶で締めます。家族だけの場合は始まりの挨拶同様必要ありません。ですが、遠方から参列してくださった方がいる場合は、必ず終わりの挨拶を行ないましょう。
「本日は、〇〇(故人の名前)の23回忌法要にご参列頂き、誠にありがとうございました。ご参列頂きました皆様のおかげで、無事、法要を終えることができました」
もし、会食が用意されていない場合は「本日はこれにてお開きとさせて頂きます」と伝え、お礼の言葉を述べて締めくくりましょう。
また、会食の用意がある場合はその旨を参列者に伝え、会食場へと導きます。ただ、23回忌は本来は家族だけで執り行なうものです。そのため、会食を用意する必要はありません。
23回忌はこじんまりとした形で執り行なう
23回忌は、本来は家族だけで執り行なうこじんまりとした法要です。そのため、遠方から参列者を招くこともありませんし、会食の用意をすることもありません。こじんまりとした法要だということを忘れずに、準備をしてください。
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