納骨式はどんな流れで行なわれる?準備から当日までの流れを解説
公開日 : 2020/7/16
更新日 : 2020/9/9
葬儀の後で必ずと言っていいほど執り行なわれる納骨式。具体的な納骨式はどのような流れになっているのでしょう。準備から当日までの納骨式の流れを知っておくと、施主になった時に大変役立ちます。それぞれ解説しますので参考にしてください。
公開日 : 2020/7/16
更新日 : 2020/9/9
目次
納骨式とは?
納骨式とは、そもそもどういうものなのでしょうか?納骨式について知っておくと、流れも理解しやすくなります。 そこで、納骨式の具体的な流れを解説する前に、まずは納骨式そのものについてご紹介します。
遺骨を納める儀式
納骨式とは、火葬されたご遺体の遺骨を納めるための神聖な儀式です。多くの場合、ご遺体は火葬場に行って焼かれ、骨壺に遺骨を入れて納めます。これを「お骨上げ」と言います。
骨壺に納められた遺骨をお墓や納骨堂に納める場合、そのまま骨壺を納めて良いわけではありません。お墓や納骨堂に納められた遺骨に宿る魂が安らかに眠ることができるように、読経や焼香を行ないます。これら一連の儀式のことを納骨式と言います。
一般的には四十九日の法要に合わせる
納骨式の具体的な時期や明確な日にちについては決まっていません。お葬式が終わり、骨壺に遺骨が納められて何年も経ってから納骨式を行なっても、問題ないのです。
ただ、一般的には四十九日の法要に合わせて納骨式を行ないます。その理由として、四十九日の法要が執り行なわれる頃に、お墓などの手続きが完了するからです。
納骨式が不要な場合
必ずしも納骨式を執り行なわなければならないというわけではありません。中には、遺骨をずっと手元に置いておきたいという人もいます。その場合は、自宅の仏壇に遺骨を納めます。お墓や納骨堂に納めるわけではないため、納骨式は不要です。
納骨式が必要となるのは、お墓や納骨堂に遺骨を納める時です。また、永大供養の場合にも納骨式が必要ですから、注意してください。
納骨式の流れ(準備編)
納骨式の流れについて見ていきましょう。まずは準備です。納骨式は当日の流れをスムーズにするために、入念な準備が欠かせません。 具体的にどのような準備が必要なのかも合わせて、解説していきます。
火葬許可証を入手
納骨式で最も重要なのが、「火葬許可証」です。この書類がなければ遺骨を納骨することはできません。
「火葬許可証」とは、埋葬するための許可証です。「ご遺体を火葬しました」という証明にもなります。この証明書を持って行くことで、お墓や納骨堂に遺骨を納骨することが許されます。
火葬許可証は、火葬場でご遺体を火葬した後に遺骨と一緒に渡されます。火葬してから実際に納骨式が執り行なわれるまで時間が空きます。絶対になくさないように保管しておきましょう。
石材店に連絡
次に石材店に連絡をしなければいけません。納骨式でお墓に遺骨を納骨する場合は、そのお墓の準備をしてもらわなければならないからです。
具体的にはお墓がない場合と、お墓がすでに用意されている場合とで流れが変わります。それぞれについてさらに詳しく解説します。
お墓がない場合
お墓がまだ用意できていない場合は、まず最初にお墓を準備します。墓石の選定や文字のデザインなどは石材店で相談して依頼します。
お墓を契約してから完成するまで最短でも1か月はかかります。申し込みが殺到する繁盛期の場合には2か月待ちになることもあるようです。
お墓の準備をしなければならない場合は、できるだけ早めに取り掛かりましょう。石材店にも早すぎるぐらいのタイミングから相談しておくと良いでしょう。
お墓がある場合
すでにお墓が用意されている場合は、石材店に連絡をして墓石に戒名を彫ってもらうように依頼します。
戒名は、亡くなった人が仏様の世界に行ったときに名乗る名前です。葬儀で使用する白木や過去帳に記される名前でもあります。墓石にはこの戒名を彫ります。
ただし、本人の遺言で戒名不要とされる場合もあります。その場合は、亡くなった人の名前を墓石に彫ってもらうように依頼します。
寺院へ連絡
次に、寺院に連絡をします。一般的には四十九日と合わせて納骨式も執り行ないます。ですが、絶対に四十九日と合わせて納骨式を行なわなければならない、というわけではありません。四十九日以降に納骨式を執り行なう人も多くいます。
また、寺院にも予定があります。年末年始やお盆・お彼岸は寺院にとっては多忙な時期でもあります。寺院にとって忙しい時期と重なると、納骨式を受け付けてくれないという可能性も出てきます。
更に、納骨式を執り行なうに良い日というものがあります。これは宗派によって異なりますから、一概にこの日が良いということは明確になっていません。このようなことも寺院と相談しましょう。
当日に必要なもののチェック
寺院に連絡するところまで完了したら、最後に納骨式当日に絶対に必要なものをチェックします。忘れてはならないものを当日に忘れてしまうと、納骨式の流れが悪くなります。ものによっては、納骨式を後日改めて執り行なわなければならないということもあります。
納骨式をスムーズに進めるためには、必要なもののチェックが欠かせないのです。中でも特に重要なものを取り上げてご紹介します。納骨式を執り行なう際のチェックリストに追加すると、忘れずに済むでしょう。
必要書類2点
納骨式当日に絶対に忘れてはならない書類が2つあります。それは「火葬許可証」と「墓地使用許可証」です。この2点を忘れてしまうと、納骨ができなくなります。
市役所に死亡届を提出すると、「遺骨埋葬許可証」が発行されます。葬儀当日、この書類を持って火葬場へ行き、火葬をしてもらいます。すると、火葬場は火葬終了後に認印を押して返してくれます。これが火葬許可証になるのです。
「墓地使用許可証」は、霊園を使用する際に必ず必要となる書類です。自治体で発行してもらえますので、霊園を使用する場合には準備しておきましょう。
お布施
納骨式は寺院に依頼して僧侶に来て頂くことになります。そのためのお礼として、必ずお布施を用意しておかなければなりません。葬儀やお通夜と同じです。
納骨式の金額は30,000~50,000円が相場とされています。また、これとは別にお車代として5,000~10,000円もお渡しします。これらの金額はどちらも一般的な相場です。あらかじめ金額が決まっている寺院もありますので、依頼する際に確かめましょう。
また、お布施は真っ白の封筒に入れるのが一般的です。中身がわからないように二重封筒になっているものが好ましいとされています。表面は郵便番号などの欄がないものを用意しましょう。
封筒の表面の上半分の中央部分に「御布施」と書き、下半分の中央部分に氏名を書きます。氏名はフルネームでも「〇〇家」としても、どちらでも問題ありません。
納骨式の流れ(当日編)
納骨式の準備が整ったら、当日です。準備をしっかりしておけば、当日の流れが滞ることはあまりないかもしれません。ただ、当日の流れをある程度知っておくと、心の準備ができるでしょう。 当日の納骨式の流れについて、ポイントも押さえながら解説します。
施主の挨拶
当日の納骨式は、施主の挨拶から始まります。施主とは、遺族の代表を務める人のことです。多くの場合は葬儀での喪主と同じ人が務めます。ただ、納骨式当日に外せない仕事が入るなどすると、別の親族にあたる人が施主を務めます。
納骨式は、葬儀を執り行なってからある程度時間が経っています。中には葬儀にも納骨式にも駆けつけてくださった方もいるでしょう。そのような人たちに労いの気持ちを伝えます。
「本日はお忙しい中、〇〇の納骨式にご参列頂き、誠にありがとうございます。こうして皆様と共に無事納骨式を迎えることができ、大変嬉しく思います。ささやかではございますが、別室に食事をご用意しております。故人を偲びながらおくつろぎください」
一般的な挨拶例です。まずは納骨式をみんなで迎えることができた喜びを伝えます。その後、別室に食事が用意されていることを伝えるのが、一般的な納骨式での挨拶とされています。
納骨
施主の挨拶が終わると、次に納骨に移ります。お墓がある場合は、墓石の下に納骨室がありますので、遺骨が入った骨壺を納めます。
納骨を納めるスペースのことを「カロート」と言います。カロートには開閉式の扉がついており、一般的には石材店の人が開けてくれます。カロートは複数用意されていることがあり、どこに納めれば良いのかも石材店の人が教えてくれます。
ただし、必ずしも石材店の人がカロートの開閉を行なってくれるとは限りません。地域の風習やその家の習慣によっては、遺族がカロートの開閉を行なうこともあります。
読経と焼香
納骨が終わり、カロートの扉が閉められると、次は僧侶による読経が始まります。読経はお墓の前で行なう場合と、寺院に戻ってから行なう場合があります。
読経を行なうことで、納骨された故人を供養され、あの世で穏やかに過ごすことができると考えられています。このことから、納骨式で行なわれる読経は「納骨経」とも呼ばれます。
また、読経の間に参列者はお焼香を行ないます。基本的には前にいる人から順番にお焼香が行なわれます。屋外で読経が行なされている時は、お焼香の道具が前から回ってきます。屋内の場合は前の人から順番にお焼香が置かれているところへ移動します。
会食
読経と焼香が終われば、納骨式は終了です。その後は、別室で会食を行ないます。会食は納骨式に参列した人はもちろん、読経を行なってくださった僧侶も参加します。
会食の席では、最初に施主が再び挨拶を行ないます。無事、納骨式を終えることができたという感謝の気持ちを伝え、献杯をします。
もし、僧侶が会食に参加しない場合は、「御膳料」をお渡しします。金額は5,000~10,000円が一般的な相場です。なお、「御膳料」は「御布施」とは別物ですから、封筒も別に用意しましょう。
お布施を渡す
会食のタイミングを見て、施主が僧侶にお布施をお渡しします。この時、納骨式を執り行なってくださったことへの感謝の気持ちも同時に述べましょう。僧侶が会食に参加されない場合は、「御膳料」と一緒にお布施も渡します。
納骨式を執り行なってくださった僧侶は、今後の月命日や法事などでもお世話になる可能性があります。その旨も同時に伝えておくと良いでしょう。
納骨式は準備をしっかりしておくことが重要
納骨式の流れについて、「準備」と「当日」に分けて解説してきました。納骨式の流れを滞らせないためには、準備が何より大切です。チェックリストなどを作成し、納骨式のための準備をしっかり確認しておきましょう。
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