お盆に精進料理をお供えする理由とは?作法やお供え方を解説します

公開日 : 2020/6/19

更新日 : 2020/9/10

お盆に精進料理をお供えする理由とは?作法やお供え方を解説しますのサムネイル画像

お盆では精進料理のお膳をお供えします。お盆は故人や先祖があの世から地上に帰ってくる大事な仏事です。お盆の精進料理では、肉や魚を禁忌として刺激のある食物を避けた果物や野菜、穀物、海藻類などで作るお膳を用意します。詳しく解説していきますので参考にしてみてください。

公開日 : 2020/6/19

更新日 : 2020/9/10

目次

そもそもお盆の精進料理とは?

古来よりお盆には、先祖の霊があの世から地上に帰ってくると考えられている仏事です。地域によりますが、一般的には8月13日の夕刻に盆提灯を灯して、故人が迷わずに帰ってこられるようにお迎えをします。

 

仏壇、または盆棚といわれる祭壇を作り、野菜や果物といった供物や、故人をが好きだった物、桔梗やほおずきなどの盆花をお供えします。お盆の期間中は精進料理のお膳をお供えして供養します。精進料理は、先祖の霊に感謝する意味合いがあり、肉や魚、刺激の強い野菜は避けて、海藻や穀物、野菜などの植物性の食品を使ったお膳を用意します。

 

仏教の教えでは、生き物の殺生を禁ずる「五戒(ごかい)」という教えがあり、先祖や生き物の霊に感謝する意味合いも込めて精進料理をお供えします。

 

 

お盆は三食とも精進料理をお供えするの?

お盆に親戚が集まり、精進料理を振る舞う習慣が昔からありました。精進料理も三食ともに専用の器に盛り付けて盆棚にお供えしていた風習があります。昨今では、そのような手間がかかることが少なくなりましたが、精進料理を一食分お供えすることが一般的になっています。

浄土真宗は精進料理はお供えをしない

仏事といえど、宗派によりお盆に対しての教えや精進料理の配膳する作法が異なります。中でも浄土真宗は「死即往生」の教えのため、お盆には先祖が帰ってくる考えがなく、供物は阿弥陀如来に感謝の気持ちを表す意味合いです。したがって、精進料理はお供えすることはありません。

精進料理とは?

精進料理とは「お寺で僧侶が召し上がっている食事」が広く知られているのではないでしょうか。精進料理の歴史は古く、中国から仏教とともに日本へ伝わり、鎌倉時代には本格的に広まったとされています。仏教では殺生は禁じられていたため、修行僧の食事として編み出されました。

 

精進料理は、避けるべきと考えられている食材が大きく分けて2つあります。肉や魚などの動物性の食品の他に、辛味のある野菜と言われる五辛(ごしん)、ねぎ類、ニラ、らっきょうなどの五葷(ごくん)は煩悩を刺激するとされています。ではどのような食品で構成されているのでしょうか。詳しく解説していきます。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

精進料理に使われる食品

精進料理では、豆類の大豆には豆腐、油揚げの食品があり、味噌や醤油では調味料として使用できます。また、肉や魚の代わりに使用できる「がんもどき」は豆腐をすり潰してレンコンやヒジキなどを混ぜて油で揚げてあります。がんもどきを野菜と一緒に煮物にすることも多く使われています。

 

昆布や切り干し大根、干し椎茸などからは出汁が取れます。大根やこんにゃく、高野豆腐、絹さやといった食材を一緒に炊き出す献立も一般的です。煮物の他にも胡瓜を使った酢の物や胡麻和え、酢味噌和えなど味付けを工夫してみるとよいでしょう。

市販の惣菜を上手に利用してみるのも

精進料理のお膳を全て用意することは負担になることもあります。スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどでも惣菜を揃えることができます。金平ごぼう、豆の煮物、漬物などがあります。市販のお味噌汁はかつおダシを使用している場合があるため注意が必要です。

お盆にお供えするものとは

お盆は、8月13日から15日が一般的ですが、地域によっては7月13日から15日の場合もあります。地域や風習により供物が異なるため、ここでは一般的に知られているお供えものを紹介します。

白玉団子

先祖を迎えるための「お迎え団子」、お盆の期間中にお供えする「お供え団子」、お盆が明けた16日に先祖が浄土へお土産とする「送り団子」があります。白玉団子は上新粉や米粉を水で練って、蒸しあげたものを使用してきな粉やあんこなどのタレにつけたり、そのまま味付けをしないでお供えをします。

 

地域や風習により、ピラミッド型に積んだり味付けがあるた確認すると良いでしょう。自分で作るのも簡単ですが、お盆の時期になると、コンビニエンスストアやスーパーで既に出来ている白玉団子を利用すると便利です。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

精霊馬(しょうりょううま)

精霊馬とは、お盆に飾る「ナス」や「きゅうり」に割り箸や爪楊枝を刺して、馬や牛型などの乗り物に見立てて作られた、ご先祖様をお迎えする乗り物です。先祖に馬に乗って早く帰ってきてもらえるように、あの世に戻る際は、牛に供物を乗せてゆっくり戻ってくださいとの意味合いがあります。

そうめん

15日にそうめんを茹でずに盆棚にお供えします。盆棚にゴザがある場合はその上に、ない場合はお皿に乗せましょう。そうめんは、「仏様がお帰りになる際に荷物をくくる紐」という意味合いがあります。

精進料理のお膳の作り方

精進料理のお膳では、「一汁三菜」や「一汁五菜」といったお膳を用意します。白米と漬物の他に、汁椀とおかずを3種類または5種類と用意します。お盆の精進料理におけるお膳はどのようになっているのでしょうか。詳しく解説していきます。

お膳の配置

お膳に向かって、左から飯碗、漬物皿、汁椀を順に置きます。真ん中には副菜のお皿、奥にはメインの主菜皿を置くと作法に基づいた美しい配置になるでしょう。精進料理のお膳は難しく考える事はなく、普段から和食をいただく時の食器の配置を思い浮かぶとよいでしょう。

 

仏壇や盆棚にお供えする際は、お膳を仏壇前に向きを変えてお供えします。お箸の置き方は飯碗に刺す宗派も存在するので確認するとよいでしょう。お膳のセットがあると盛り付けの際にお椀の大きさが作法に基づいていて便利でしょう。ない場合もご家庭の器でも十分です。

ご不明点は、ぜひ
ご相談・お問い合わせください
お客様にピッタリの斎場探しをお手伝いさせていただきます。
見積もりページへ飛ぶ見積もりページへ飛ぶ
freecall-bannerfreecall-banner

お供えする期間とその後は?

先祖の霊は13日の晩に地上へ戻ってきて、16日の朝に旅立ちます。したがって、精進料理は13日の晩から15日の期間にお供えすることが一般的です。3食お膳を用意する事は大変な時は、1日1食またはお盆の期間中は1食と用意するとよいでしょう。

 

お供えしたお膳を食べる場合は、夏場の時期的な事があるため、早めに頂いた方がよいでしょう。先祖と食べ物を分け合う供養の教えからなるため問題はないでしょう。しかし、お盆の期間中に盆棚にお供えしている供物は傷んでいる恐れがあるため、先祖の霊をお見送りした後に塩で清めて手を合わせた後、燃えるゴミなどで処分しましょう。

お盆には精進料理をお供えしよう

精進料理について解説していきましたが、伝統的な精進料理をお盆に先祖や故人をお迎えするお供え物としてお膳を用意してみてはいかがでしょうか。多少の手間暇を要しますが、バランスのとれた胃に優しい献立です。精進料理の基本を押さえておけば、スーパーなどのお惣菜を加えるなど工夫することができます。