【葬儀】一周忌法要とは?法要の意味・服装・香典など詳しく解説!
公開日 : 2020/5/23
更新日 : 2020/9/10
一周忌法要とは、故人が亡くなった日から一年後に執り行う法要です。年単位で行う法要は年忌法要と言われていますが、この一周忌法要は、年忌法要の中でも特に重要とされています。今回は、この一周忌法要について、意味、服装、香典の相場など詳しくご紹介します。
公開日 : 2020/5/23
更新日 : 2020/9/10
目次
一周忌法要とは?
一周忌とは、故人がなくなってから一年後の命日です。この一周忌に行われる法要を一周忌法要と言います。この一周忌法要は、年忌法要の中でも特に重要とされている法要です。
故人が亡くなられてから一周忌までの一年間は喪中と呼ばれます。この期間中は、故人を弔い喪に服するため、慶事の開催や参加を控えます。一周忌は、この喪に服する期間が開ける大切な日となります。
一周忌が平日の場合
一周忌が平日の場合、会社や学校を休んだりと、ご遺族にとっても参列者にとっても負担が大きくなります。昔は、平日、休日問わず命日に行うことも多かったのですが、最近では負担を考慮し、一周忌の直前の休日(土日)に行うことが一般的になってきています。
法要の日付をずらす際は、命日より前にずらすようにします。これは、法要を後回しにすることは、故人をないがしろにするという考えがあるためです。
一周忌法要の流れ
一般的に一周忌法要の流れは以下のようになります。参列する際、慌てないように大まかな流れは覚えておきましょう。
- 僧侶の入場
- 施主による開式の挨拶
- 僧侶による読経
- 焼香(施主、遺族、親族、その後は参列者の上座に座っている人から順番に)
- 僧侶による法話
- 僧侶の退場
- お墓参り(墓地が遠方の場合は、行いません。)
- 施主による閉式の挨拶
- お斎(食事)
一周忌法要の服装
ここからは、一周忌法要の服装について、遺族側と参列者側とに分けて見て行きましょう。
遺族側の服装
ご遺族の服装は、葬儀・告別式と同様に正式な喪服、または略礼装が一般的です。参列する方の服装よりも格が下にならないよう配慮する必要があるため、喪服を選ぶと間違い無いでしょう。
男性の場合
正喪服の場合は、黒のモーニングコートにコールパンツ(黒白の縦縞)、略礼装の場合は、上下黒のスーツを着用します。シャツは白、ネクタイ・靴下・靴は黒で無地のものを選びましょう。またベルトについても無地の黒のものとし、バックルがシンプルなものにしましょう。
女性の場合
女性は、黒のワンピースまたはスーツを着用します。派手にならないように胸元が空いているものや丈の短いものは避けましょう。アクセサリーは、男性と同様に結婚指輪や婚約指輪であれば問題無いですが、その他については派手にならないように、パールのネックレスやイヤリングが良いでしょう。
参列者側の服装
参列する際の服装は、略礼装が最も一般的です。「平服でお越しください」と事前に案内があった場合は、平服(略礼服)でも問題ありません。平服と聞いて普段着と勘違いされる方がいらっしゃいますが、「礼装、礼服でなくても良い」服装が平服になります。気をつけましょう。
男性の場合
略礼装の場合は、上下黒のスーツを着用します。シャツは白、ネクタイ・靴下・靴は黒で無地のものを選びましょう。平服の案内があった場合は、グレーや濃い紺色などの暗めの色のスーツを選んでも問題ありません。
女性の場合
略礼装の場合は、黒のスーツやワンピースを着用します。パンプス・ストッキングも黒のものを選びましょう。平服の案内がある場合は、黒、グレー、濃い紺などの暗めの落ち着いた色のワンピースやアンサンブル、スーツを選びましょう。
服装マナーの注意点
服装マナーの注意点については、基本派手になるものは全てNGです。また、平服が指定されている場合に勘違いして普段着で参列してしまったりすることが無いように気をつけましょう。
男性の場合、アクセサリー類はつけない方が無難です。指輪、ピアス、ネックレス、ネクタイピン、カフスボタンなど。指輪については、結婚指輪であれば問題無いですが、ダイアモンドのように派手で華美なものは、外した方が良いでしょう。腕時計も地味なものであれば問題ありません。
女性の場合は、パール以外のネックレスやイヤリングは、付けないように気をつけましょう。また、胸元や背中が開いた服装や、靴についてもサンダルやミュールなどの露出が高いものはNGです。お化粧やネイルも派手にならないように注意しましょう。
一周忌法要の香典
一周忌法要に参列する際は香典を持参する必要があります。一周忌法要では、「香典」ではなく「供物料」と呼ばれます。お通夜やお葬式では、線香や花の代わりに仏前に備えるものであるため「香典」、一周忌法要などの法事では、故人にささげる供物の代わりに包むものであるため「供物料」と呼ばれます。
供物料の相場
一周忌法要の供物料の金額は、故人との関係とご自身の年齢によって変わります。以下は大体の目安ですが、宗派や地域により相場が異なりますので、参列される場合は事前に確認することをおすすめします。
故人との関係 | 金額 |
両親 | 30,000〜100,000円 |
祖父母 | 10,000〜30,000円 |
叔父・叔母 | 10,000〜30,000円 |
友人・職場の方 | 5,000〜10,000円 |
供物料の包み方
供物料は、黒白または黄白の水引が着いた不祝儀袋で包みます。正式には、奉書紙(ほうしょし/ほうしょがみ)と呼ばれる紙に包んでいましたが、現在は封筒を使うことが多くなっています。
中に入れるお札については、新札でも旧札でも問題はありませんが、新札は一般的に慶事で使用するものであるため、不快に感じる方がいるかもしれません。新札を使用する場合は、折り目をつけて入れるようにしましょう。
供物料の書き方
葬儀の香典では、薄墨で書くのが礼儀となりますが、一周忌法要の供物料については黒墨で問題ありません。薄墨は、「故人が亡くなったことを悲しみ涙で薄くなった」、「突然の故人の不幸に準備が間に合わず薄くなった」という故人や遺族への思いを込めて葬儀の香典を包む際に使用します。
一周忌法要では、事前に法要を行うことがわかっており、落ち着いて供養を行うため、黒墨で良いとされています。一番良いのは毛筆ですが、筆ペンでも問題ありません。
表書き
一般的に「御供物料」または「御仏前」と書きます。下段には、氏名をフルネームで書きます。連名で渡す場合は、フルネームを横並びに書きましょう。
中袋
用意した不祝儀袋に中袋がある場合は、住所・氏名および金額を記入します。金額は表面の中央、住所・氏名は裏面の左下方に書きます。
まず、表面の中央上部に「金」と書きます。その下に金額を書くのですが、漢数字の大字で書く慣習となっています。通常の漢数字では「一」、「二」、「三」、「十」、「百」、「千」、「万」と書くところを、漢数字の大字では「壱」、「弐」、「参」、「拾」、「佰」、「仟」、「萬」と書きます。また、「円」という漢字も旧字体の「圓」を使います。
この書き方は、大事な金額の記載の改ざんを防ぐために昔から行われています。例えば1万円の場合は「金壱萬圓」と書きます。
裏書きは、中袋が無い場合のみ、住所、氏名、金額を記入します。裏面の左下方に、住所、氏名、金額の順に横並びに記載します。
一周忌法要のお布施
一周忌法要でも、僧侶の方に読経などのお礼として渡すお布施が、葬儀と同様に必要です。また、一周忌法要を行う会場が菩提寺でない場合はお車代、僧侶の方がお斎(おとき:法要後の会食)に参加されない場合は、御膳料がそれぞれ必要となります。
これらは、それぞれ意味の違うものですので、一つにまとめず、別々に包みましょう。僧侶の方に渡すときは、まとめて渡して問題ありません。
お布施・お車代・御膳料の相場
一周忌法要のお布施の金額は、宗派や地域により相場が異なります。以下は大体の目安ですが、事前にお寺に確認することをおすすめします。確認する際は、「お布施はいくらですか」と直接聞くのではなく、「どのくらいのお布施をされる方が多いですか」など間接的に聞くと教えていただけるでしょう。
金額 | |
お布施 | 30,000〜50,000円 |
お車代 | 5,000〜10,000円 |
御膳料 | 5,000〜10,000円 |
お布施・お車代・御膳料の包み方
お布施・お車代・御膳料を入れる袋は、香典や供物料と同様に封筒を使うことが多くなっています。奉書白封筒と呼ばれる白い無地の封筒、または表書きが印字されている専用の包みが市販されていますので、これらを使用しましょう。
また、一般的に水引は不要です。しかし、地域により異なる場合がありますので、事前に確認することをおすすめします。
お布施・お車代・御膳料の書き方
お布施・お車代・御膳料に書く文字は、供物料と同様に毛筆または筆ペンで書きます。毛筆で書く場合は、薄墨ではなく黒の墨で書きましょう。これらは、お寺に渡すものであるため、黒の墨を使用します。
表書き
「お布施」、「御布施」と書くのが一般的です。市販されているお布施用の封筒もこのように記載されているものが多いです。他にも、「御回向料」、「御経料」、「御礼」、「戒名料」、「志」、「寸志」などと書く場合がありますが、どの言葉にするかは地方やお寺によって異なります。お車代は「御車代」や「御車料」、御膳料は「御膳料」と書きます。
僧侶の方に渡すものですので、葬儀や法要を行うお寺において、避けられている言葉を使用することの無いよう、事前にどの言葉を使えば良いか確認をしておくと間違い無いでしょう。
中袋・裏書き
中袋には住所、氏名、金額を記入します。金額は、表面の中央または裏面の左側に書き、住所と氏名は裏面の左下方に書きます。金額の書き方については、供物料と同じになります。
中袋が無い場合のみ、裏書きに住所、氏名、金額を記入します。中袋を使用しないのは、通常10,000円以内の少額のお布施を包む場合です。裏面の左下方に、住所、氏名、金額の順に横並びに記載します。
一周忌法要のお供え
一周忌法要に参列する際、供物料を持参している場合はお供えを用意する必要はありません。ご自身がお供えを用意したい場合は、3,000円〜5,000円程度のものをお供えするのが一般的です。また、お供えは法要のお土産として参列者に配られますので、小分けにしやすいお菓子や果物が良いでしょう。
お供えの熨斗の書き方
一周忌のお供えには熨斗(のし)を付けます。熨斗紙は、弔辞用の白黒、双銀または黄白(関西に多い)の水引のものを選びましょう。熨斗紙の上部には「御供」または「御供物」、下部にはフルネームを黒墨で書きます。
一周忌法要のお返し
一周忌法要のお返しについては、供物料やお供えの金額の2分の1から3分の1程度の品物を用意するのが一般的です。また、お返しの品物は、食べ物や消耗品を選ぶと良いでしょう。食べ物であれば、お菓子・お茶・海苔など、消耗品であれば、タオル・石鹸などが人気があります。
もし、お返しの品物に迷う場合は、カタログギフトという選択もあります。この場合、通常はお返しとして避けられる肉、魚、お酒などについてもカタログから選ぶかたちでお返しするのであれば、特に問題はありません。
お返しの熨斗の書き方
一周忌のお返しにも熨斗を付けます。熨斗紙は、お供えと同様に弔辞用の白黒、双銀または黄白(関西に多い)の水引のものを選びましょう。熨斗紙の上部には「志」または「粗供養」(そくよう:主に関西で使われる)、下部には苗字のみ、フルネームまたは「〇〇家」を黒墨で書きます。
一周忌法要の事前準備・事前確認は十分に行いましょう
今回の記事では、一周忌法要の意味や服装、供物料・お布施の相場、お供えなど、詳しく紹介しました。
一周忌法要は、喪の開ける節目に執り行うとても大切な法要です。事前準備やマナーの確認を十分に行い、落ち着いた安らかな気持ちで法要に臨めるようにしましょう。
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