祥月命日とは?供養のやり方や月命日との違いについてのまとめ
公開日 : 2020/4/20
更新日 : 2020/9/10
祥月命日という言葉は聞いたことがあっても、実際に何をしたらいいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。以下では祥月命日の意味や月命日との違い、祥月命日の供養の方法などを解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
公開日 : 2020/4/20
更新日 : 2020/9/10
目次
祥月命日とは
祥月命日は、故人が亡くなった月と日にちが合致する日です。祥月が故人が亡くなった月を指すのに対し、命日は故人が亡くなった日にちを指しています。つまり、故人が1月30日に亡くなったのなら、祥月は1月です。月と日にちが一致するのは年に1度ですので、祥月命日は年に1回のみ訪れます。
祥月命日には故人の遺族や血縁者が集まって墓参りをしたり、法事や法要を行ったりして供養をします。
月命日とは?
月命日は、その方が亡くなった日にちのことで、毎月訪れます。祥月命日が年に1回のみ訪れるのに対し、月命日は年に11回あります。たとえば故人が1月30日に亡くなったのなら、毎月30日がその方の月命日にあたります。祥月である1月の30日は祥月命日と呼ばれるため、月命日はその1月を除いて年に11回訪れるというわけです。
月命日は祥月命日ほど格式ばった供養を行うことは少ないですが、家庭によってはもちろん僧侶を招いて法事を行ったり、墓参りをしたりすることもあります。月命日に僧侶を招くことを「月参り」といいます。また、月命日に行う供養は「月忌(がっき)」と呼ばれています。
祥月命日には血縁者や遺族が集まるのに対し、月命日は家族などのごく身内で行うことがほとんどです。ただし、祥月命日や月命日の供養の方法は、その家庭や地域、宗派によって異なります。
祥月命日の供養の仕方
祥月命日の供養の方法は地域や家庭、宗派によって異なります。ここでは一般的な祥月命日の供養の方法についてご紹介します。厳格に以下のことを実践する必要はなく、家庭の事情や都合にあわせて柔軟に取り入れてみて下さい。故人を供養したいという気持ちをなによりも大切にしてください。
お供え物をする
祥月命日には仏壇にお供え物をします。故人の仏壇が親戚などの家にある場合は、お供え物をも持参して、そのお宅を訪問することも多いです。お供え物はお花や線香、お菓子などが一般的です。故人が好きだったものをお供えするのがよいでしょう。ただし、肉や魚などの殺生を連想させるものはタブーとされています。
このほかにも、「五辛」と呼ばれるニラやたまねぎ、ニンニクといった、香りのきつい野菜はお供え物として不適です。おなじく香りの強い花、また毒のある花や棘のある花もお供え物には相応しくないという意見もありますが、故人が好きだったのなら、そういったお花をお供えすることもあります。ただし鉢植えは仏花には適しません。
お供え物を持参する場合は、腐りやすいものや生ものは避け、ある程度日持ちするものを選びましょう。また、大きいものやかさばるものも適しません。
基本的にお供え物は包装し、のしや水引をかけて持参するのがマナーです。表書きは「御供」や「御仏前」、「粗供養」などが一般的です。四十九日が住んでいない場合は御仏前ではなく「御霊前」を用います。
墓参りする
祥月命日にお墓参りをする家庭も多いです。お供え物を持参したり、墓掃除を行ったりします。祥月命日のお墓参りの服装はこれといった決まりはなく、必ずしも礼服を着る必要はありません。ただし一周忌や三回忌といった法要がある場合は、相応しい服装をしましょう。また、平服の場合は、過剰な肌の露出や派手な服装は控えます。
墓参りにお菓子やお花などのお供え物を持参したときは、すべて持ち帰るのがマナーです。お供え物をそのまま放置しておくと、動物に荒らされたり、墓が傷んだりする原因になります。おなじく火が付いた線香を放置すると、火事につながりかねないため、火が消えるのを見届けるか、消してから帰るようにしましょう。
卒塔婆を立てる
祥月命日の供養として、卒塔婆を立てることは、よく行われている供養方法です。卒塔婆とは人の形を模した木の板で、卒塔婆を立てた日付や施主の名前が梵字で記されます。卒塔婆は亡くなった人への手紙ともいわれており、故人への感謝を表すとともに、残された家族の近況報告を行うことができると考えられています。
卒塔婆供養を行う際は、あらかじめ菩提寺などに連絡を入れておきましょう。もし墓参りに行けない場合でも、寺院に依頼すれば卒塔婆を立ててもらえます。卒塔婆供養の供養料は1本3000円~3万円程度で、宗派や寺院によって異なります。ただし、浄土真宗では卒塔婆は立てません。
卒塔婆は翌年に新しい卒塔婆を立てるときに寺院に預ける場合もあれば、しばらく立てたままにしておくこともあります。後者の場合でも、古くなったときは新しいものと交換したり、お焚き上げをしたりして、供養します。
法事・法要を行う
故人が亡くなって翌年の祥月命日を一周忌、翌翌年の祥月命日を三回忌と呼び、親戚などが集って法要や法事を行います。三回忌以降は7と3が付く年を節目として、おなじく法事や法要を行います。こういった節目の年の法要を「年忌法要」といい、33回あるいは50回目の祥月命日を区切りとするのが一般的です。
ちなみに「法要」とは、供養のために読経や焼香を行う儀式そのものを指す言葉です。親戚が集まった場合は法要後に会食を行うことが多く、そういった集いを総称して「法事」と呼びます。普段顔を合わせない親戚が法事をきっかけに集い、故人を偲んで思い出を語り合うことも、故人への立派な供養の1つだと考えられています。
祥月命日の弔い上げ
祥月命日は毎年訪れるものですが、前述のように、三十三回忌や五十回忌を節目として祥月命日供養を終えることが一般的です。最後にあたる年忌法要は「弔い上げ」と呼ばれます。弔い上げの法要の際は礼服を着用し、お布施もいつもより多めにお渡しします。
弔い上げを行ったら、故人の位牌は処分します。自分で処分するのではなく、寺院に依頼して供養してもらいましょう。また、弔い上げ後に、翌年からの供養を永続的に行う「永代供養」を寺院に依頼することもできます。
祥月命日の香典や供物料について
祥月命日にはお供え物や、お供え物の代わりに香典や供物料としてお金を包んで持参するのが一般的です。お金を包む場合は、1~3万円が相場と言われていますが、会食などが行われる場合はその分の代金を上乗せするのが一般的です。
お供え物や香典を包むときは、のしをかけたり、水引のついたのし袋に包んだりするのがマナーです。表書きは「御供」や「供物料」、「御仏前」としましょう。ただし四十九日の法要前には御仏前ではなく「御霊前」とします。
祥月命日の法要のお布施について
祥月命日の法事や法要の際には、僧侶にお布施をお渡しします。お布施の相場は5000円~1万円程度ですが、年忌法要の場合は多めに包むのが一般的です。お金は白い無地の封筒や水引のある封筒に包み、表書きを「お布施」とします。
故人を偲ぼう
祥月命日には墓参りや法要を行うなどの供養の方法もありますが、仏壇に手を合わせて故人に思いをはせるだけでも、立派な供養になります。気持ちを込めて、おもいおもいの供養を行いましょう。
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