真言宗におけるお盆のありかたは?真言宗に特化したお盆の解説

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2020/9/10

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お盆については、日本で暮らしている人にとってみれば小さな頃から馴染みのある習慣であり、知らないという人は少ないのではないでしょうか。しかし、真言宗のお盆についてはどうでしょうか。今回こちらでは、真言宗のお盆について詳しく解説します。

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2020/9/10

目次

お盆とは

何気なく過ごしているお盆ですが、お盆というのはどのようなものなのかご存知でしょうか。一般的にお盆の期間とされるのは8月13日から16日です。地域によっては、旧暦のお盆に由来し7月15日前後をお盆とする場合もあります。しかし、お盆の風習がない宗派もあります。

 

お盆の正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と言い、これはあまり聞き馴染みの無い言葉なのではないでしょうか。お盆が始まったのは、推古天皇が行った行事だとされています。江戸時代には、上流階級の行事としてお盆は行われ、その後、一般的に広まったとされています。

 

地域や宗教、宗派によってお盆のしきたりは異なります。七夕や京都の五山の送り火、長崎の精霊流し、各地域の盆踊りなどもお盆に行われる行事です。お盆の準備を進める際には、自分の宗教と宗派を確認してからスタートしましょう。

真言宗とは

真言宗とは、仏教の中の宗派のひとつです。自分の宗教が何なのかは知っていても宗派について知っている人は少なく、知っていたとしても詳しくは知らないという人も多いものです。ここからは、仏教の宗派の1つである真言宗について解説します。

はじまり

仏教は、6世紀ごろに日本に伝来したとされていますが、真言宗の始まりは、9世紀つまり平安時代の初頭ごろです。中国で密教を学んだ弘法大師空海によって、中国より日本にもたらされました。

 

密教は、言葉によって仏教の教えが広がる顕教に対して、秘密として扱われている教義などが師から弟子へ口伝えで広がった宗教です。真言宗は東密と言われていて、大日如来が本尊として祀られています。

特徴

真言宗の思想は、曼荼羅です。曼荼羅とは、仏様や神様が一定の法則と意味を持って集まったもののことで、仏様の悟りを可視化したものです。価値観や宗教を10の段階に分けて、最終の段階は大日如来と同じレベルに達することと説き、全ては大日如来と深い関りがあるとしています。

 

真言宗の教えの基本は「即身成仏」です。これは、仏と同じように行動をして心を清く保てば、誰でもすぐに仏になれるという意味です。そのためには密教の修行である「体の修行・身密」「言葉の修行・口密」「心の修行・意密」の3つ「身口意の三密修行」が大切です。

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仏壇

仏壇の飾り方は、同じ真言宗であっても地域による違いや真言宗の中でも多くの宗派がありそれぞれ異なります。仏壇を購入する際は、お寺に確認をすることをおすすめします。ここでは一般的な真言宗の仏壇の飾り方について解説します。

 

一般的には、中央に本尊である大日如来、右側に弘法大師空海、左に不動明王を祀ります。弘法大師空海をご本尊とする場合は、右に大日如来、左に不動明王を祀ります。ご本尊として何を祀るかによって変わります。

 

位牌は、他の宗派と同じように、亡くなった方の魂を入れて祀ります。四十九日までは白木の位牌を使い、その後に本位牌を使います。真言宗の位牌には特別な決まりはなく、黒塗りのものや天然石のものなど、好きなデザインのものを選べます。

真言宗のお盆

真言宗において、お盆に対する考え方は「追善供養」です。真言宗では死後はご本尊である大日如来がいる世界にいくとされています。遺族は、ご本尊にお祈りをすることで善行を積み重ねることが供養になると考えられています。

 

お盆を迎えるには、追善供養という考えを持ちで準備を進めましょう。

お盆の仏壇飾り

仏壇の飾りは、ご先祖様に対するおもてなしの一つです。浄土宗では許されていませんが、真言宗では基本的には、故人の好きだった料理や果物、飲み物をお供えして構いません。普段と同じように、仏具も準備します。自宅までの道しるべでもある盆提灯も準備しましょう。

 

真言宗の飾りで特徴的なのは、野菜や果物などの精進料理をお供えするところです。精進料理をお供えすることは、他の宗派には無い風習です。お供えする食べ物は、ご先祖様や故人、仏様が食べやすいように洗って皮をむいたり、一口サイズにカットしてたりしてお供えします。

 

食事は3食すべて異なる料理をお膳としてお供えするのが基本です。しかし、3食の全てを精進料理にすることが難しい場合は、どこか1食を精進料理にすればよいでしょう。

精霊棚(盆棚)

仏壇とは別に、ご先祖様を迎えるために準備する精霊棚を準備します。ここでお盆の間はご先祖様をおもてなしして、寛いでいただきます。精霊棚には、マコモというござを敷きます。マコモが手に入らない場合は、白い布で代用しても構いません。

 

精霊棚には、きゅうりの馬やなすの牛を飾ります。これは、馬や牛に乗って霊が行き来をするためです。お迎えは足の速い馬、お帰りは足の遅い牛でという意味があります。たくさんのご先祖様にお供え物が行き渡るように、水の子を準備しましょう。

 

穢れを払うための閼伽水(あかみず)も準備します。水の子と閼伽水は、蓮の葉を敷いた上に置きます。

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お盆の墓参り

真言宗のお盆のお墓参りは、13日の夕方に行き、お墓参りから帰ってきてから迎え火を焚きます。そして、お盆の期間お迎えした霊と一緒に過ごし、お盆が明けた16日に送り火を焚いて霊をお見送りします。

お盆の服装

真言宗でのお盆の服装は、初めて迎えるお盆つまり初盆であれば喪服を着用しましょう。初盆には、お参りに来てくださる方がいたり、会食を行う場合もあります。そのため、訪問する側よりもカジュアルな服装になってしまわないように、喪服を着用するとよいでしょう。

 

大人は喪服がよいですが、子供は初盆であっても、その場の雰囲気に合うような服装をさせましょう。例えば、白いシャツにダークカラーのパンツやスカートを合わせたコーディネートがおすすめです。

 

初盆ではないお盆の場合、お墓に行ったりお寺に行ったりとするため、その場に合った服装を選びましょう。ただし、共通して言えることは、あまりカジュアルすぎないようにすることです。普段着でもあまり派手にならないように、気をつけましょう。

ご先祖様や故人と過ごすお盆のために

お盆の準備は宗派ごとに異なることも多く、難しいと感じてしまいがちです。しかし、わからないことは菩提寺や詳しい方に聞きながら、ご先祖様や故人をお迎えしましょう。大切なことは、お迎えをする気持ちです。そしてそこにマナーが伴えばなおよいと考えましょう。