真言宗のお盆の迎え方とは?準備方法や精霊棚の飾り方を解説

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2022/6/21

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真言宗のお盆の迎え方についてまとめました。真言宗ではお盆に精霊棚を飾り付け、僧侶を招いて棚経を行います。真言宗のお盆の迎え方やおおまかな流れ、事前に準備するべきことについて解説します。真言宗でお盆を迎えたいという人は、ぜひ参考にしてください。

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2022/6/21

目次

真言宗とは

真言宗は日本の仏教の宗派の1つで、平安時代初頭に空海によって開かれました。真言宗は教義によってさらに18の宗派に分類できますが、大日如来を本尊とする点、また開祖である弘法大師空海を信仰の対象としている点は、どの宗派にも共通しています。

 

真言とは、簡単にいってしまえば「宇宙の真理を暗号化したもの」であり、真言密教とはその真理を探っていくための教えです。真言はマントラともいい、真言宗の中の各宗派によって異なるほか、真言宗以外の仏教宗派でも用いられます。

お盆とは

お盆は日本独特の仏教的風習の1つで、夏季にあの世からこの世に戻ってくる先祖の魂をもてなす行事です。具体的な期間は8月13日~16日ですが、関東の一部地域では旧暦を用いて7月13日~16日にお盆を行います。いつまでがお盆にあたるのか事前に確認しましょう。

 

多くの仏教宗派では、お盆にあわせて墓参りや法要を行い、お盆中は故人が好きだった供物を欠かさないようにします。先祖の霊は16日の夜にあの世に帰っていくとされ、その日時にあわせて送り火や精霊流しを行います。送り火の有名なものとしては京都の「五山の送り火」があります。

 

また、故人の四十九日が明けて初めて迎えるお盆を「新盆」といいます。新盆は親族のみならず、故人の知人や友人を招いて盛大な法要を行うのが一般的です。

真言宗のお盆とは

真言宗ではお盆を追善供養としてとらえています。追善とは、故人の冥福を祈って、現世に残された人々が善行を積み重ねることです。この場合の善行とは法要や供養のことを指し、現世に残された人々の善行によって、故人の魂は安らぎを得ることができると考えられています。

 

真言宗では、お盆を追善供養の場と考えており、お盆の法要を行ったり、墓や祭壇をきれいにしたりすることを促しています。具体的なお盆のやり方は他の宗派と同様で、送り火や迎え火を焚き、祭壇にお供え物を捧げます。また、お盆の法要である棚経も行います。

棚経について

棚経とは、お盆の期間に僧侶が一軒一軒を回り、精霊棚や盆棚の前でお経をあげることです。真言宗のお盆でも棚経を行います。棚経は江戸時代にはじまった風習と言われており、現在もお盆には棚経のために僧侶をお招きする家庭が多いです。

 

棚経は家族のみで行うことが多いですが、場合によって寺院に足を運んで共同で法要を行ったり、また新盆の際には故人とゆかりの深い人を招いて盛大な棚経を行ったりします。

真言宗のお盆のやり方

真言宗のお盆のやり方について解説します。真言宗のお盆は、他の仏教宗派と大きな違いはありません。

迎え火を焚く

13日の日中には先祖の魂を迎えにいくために墓参りを行います。真言宗ではこれを「精霊迎え」とも呼びます。また、13日の夕方以降に苧殻を燃やして「迎え火」を焚きます。先祖の魂は13日の夜、この迎え火の煙に乗って自宅に戻ってくると言われます。

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棚経をあげてもらう

真言宗のお盆では、14日あるいは15日に菩提寺などの僧侶を招いて棚経を行います。ただし、お盆中はどこの寺院も多忙なため、棚経は13日以前に行われることもあります。棚経は、お盆にだけ飾り付ける精霊棚の前で行われますが、最近は飾り付けした仏壇の前で行われることも多いです。

送り火を焚く

先祖の魂は16日の夜に、あの世に戻っていくと考えられます。そのため、16日の夜には苧殻を燃やして「送り火」を焚き、先祖の魂を見送ります。地域によっては送り火を焚かずに「精霊流し」を行うところもあります。

真言宗のお盆の迎え方

真言宗のお盆を迎えるための準備方法について解説します。慌てずに済むよう、お盆の準備は余裕をもって行いましょう。8月に入ったら準備を始めるのがおすすめです。

墓掃除をする

お盆には故人の魂があの世から戻ってきます。そのときにお墓が荒れているとガッカリさせてしまいます。お盆には掃除を行い、お墓をきれいに浄めましょう。

 

墓掃除はできれば8月12日までに済ませておくのがベストですが、難しい場合は13日の午前中に墓参りの際に一緒に済ませても構いません。また、地域によっては迎え火を墓で焚くところもあります。

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僧侶の手配とお布施の準備

僧侶に棚経の依頼をします。お盆はどこの寺院も多忙なため、遅くとも1カ月前には連絡を入れましょう。お盆直前に連絡すると、僧侶が捕まらなかったり、寺院に迷惑をかけたりする場合があります。棚経はお盆中に行うのが一般的ですが、場合によってはお盆前に行うこともあります。

 

あわせて、僧侶にお渡しする謝礼としてお布施の準備をしましょう。棚経のお布施の相場は5000円~2万円ですが、新盆の場合は3万~5万円ほど包みます。白の無地の封筒に包み、表書きは「お布施」としましょう。裏には氏名や住所、電話番号などを記します。

精霊棚や供物の準備

精霊棚はお盆に先祖をお迎えするための祭壇で、仏壇の前に設けるのが一般的です。仏壇の前に卓などで棚を設け、真菰のゴザを敷きます。精霊棚の四隅に青竹を立ててしめ縄を結び、ご先祖様をお守りする結界とします。真菰が無い場合は白い布で代用します。

 

精霊棚には精霊馬・水の子・閼伽水などを飾ります。精霊馬はキュウリとナスにそれぞれ手足をつけて馬と牛に見立てたもので、ご先祖様の魂はキュウリの馬に乗ってこの世に戻ってき、16日にはナスの牛に乗ってあの世に帰っていきます。

 

水の子は餓鬼道に落ちた死者にお供えするもので、ナスやキュウリを細かく切って洗米・水と混ぜ、蓮の葉や器に乗せます。施餓鬼法要をするところもあります。同じく閼伽水もきれいな水を蓮の葉や器でお供えします。この他に、ご先祖様があの世に戻るときのお土産としてそうめんをお供えすることもあります。

 

仏花や線香の他、故人が好きだったお菓子などもお供えするとよいでしょう。お盆の間は先祖が戻ってきているため、お供え物は毎日取り換えます

ほおずきを準備する

お盆には、ご先祖様への目印として盆提灯という一対の提灯を飾るのが一般的ですが、真言宗ではほおずきを提灯に見立てて祭壇に飾る場合もあります。寺院や地域によって異なるので、詳しくはお寺に問い合わせてください。

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お団子・仏花の準備

お団子と仏花も準備すると良いでしょう。お団子はあんこやきなこなどをつけず、白く味のついていないお団子を用意します。お団子にも種類があり、お迎え団子、お供え団子、送り団子があります。

 

また、初盆の場合の仏花は白い菊が一般的です。故人が好きだった花や傷みにくい生花でも良いです。ただし、バラのようなとげのある花や匂いがきつい花は避けましょう。

先祖への感謝を忘れずに

真言宗のお盆は追善供養の考えに基づき、法要や墓参りを行います。しかし追善供養には毎日の供養も含まれますので、日ごろからご先祖様の魂や故人への供養を忘れないようにしましょう。