浄土真宗の新盆には何をする?準備方法や祭壇の飾り方を解説

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2022/6/18

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浄土真宗では他の宗派と違い、新盆だからといって特別なことはしません。以下では、浄土真宗の新盆のやり方、準備すべきことや祭壇の飾り方について解説します。浄土真宗の新盆のやり方がわからない方は、参考にしてください。

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2022/6/18

目次

新盆とは

新盆とは、故人の死後四十九日の喪が明けて初めて迎えるお盆のことです。一般的には新盆は手厚い供養を行うものとされ、家族だけでなく故人の友人や知人を招いて盛大な法要や会食を行います。

 

お盆は、ご先祖様の魂があの世からこの世に戻ってくる日と考えられています。お盆の期間は全国的には8月13日~16日ですが、関東の一部地域では7月13日~16日とされています。もし四十九日の喪がお盆までに明けない場合は、翌年のお盆が新盆となります。

浄土真宗とは

浄土真宗とは日本の仏教の宗派の1つです。鎌倉時代に親鸞が開いたと言われています。現在の浄土真宗は、教義によってさらに10の宗派に分けることができます。その中の代表的なものが大谷派と本願寺派であり、それぞれ東本願寺派・西本願寺派という通称で知られています。

 

浄土真宗の教えでは、人は誰でも念仏を唱えさえすれば、死後はすぐに極楽浄土に行けると言われています。そのため浄土真宗では、霊魂がこの世に残るという考え方をしません。したがって、人が亡くなってから成仏するまでの期間である「忌」や、魂がこの世に留まっている「霊」という存在の考え方もありません。

浄土真宗のお盆のとらえ方

浄土真宗においては魂は極楽に行くものであるため、年に1度お盆の期間に故人の魂がこの世に戻ってくるという考え方はありません。そのため、新盆やお盆に特別な仏教行事は行わず、そもそも「お盆」という言葉が存在しません。

 

浄土真宗ではお盆のことを「歓喜会」と呼びます。歓喜会では、亡くなった故人のことを思い出し、ご先祖様に感謝するとともにこの世の無常などについて改めて考えると良いとされています。そのための法要も行われます。

 

このように、浄土真宗ではお盆に似た「歓喜会」という仏教行事はありますが、それは故人を弔うためのものではなく、ご先祖様に感謝するためのものです。そのため、他の宗派にあるような、故人を弔うための特別な行事や準備は必要ありません。

浄土真宗の新盆の祭壇について

浄土真宗では、新盆だからといって祭壇を特別飾り立てることはしません。ただし、僧侶を招いて法要を行うこともあるため、ろうそくを新品にしたり、仏壇・仏具を磨いたりするのも良いでしょう。浄土真宗の祭壇の飾り方はサイズによって若干の違いはあるものの、おおむね以下の通りです。

 

浄土真宗の祭壇では位牌や遺影は飾らず、ご本尊と五具足または三具足が基本です。五具足は香炉が1つ、ろうそく立てが2つ、花瓶が2つですが、祭壇のサイズによっては、香炉・ろうそく立て・花瓶が1つずつの三具足をそろえます。

 

祭壇から垂らすように三角形の布である打敷を敷き、供笥(くげ)という1対の仏具に半紙を敷いて、お餅を数個ずつお供えします。

 

ご本尊は上段に飾り、その前に仏飯を供えます。次段には五具足または三具足を香炉を中心に飾ります。ろうそくは、法要の際は白い和ろうそくを用いましょう。さらに次段には、おりんなどの仏具の他、火消しや線香消しなどを飾ります。

盆提灯は飾る?

盆提灯とは、あの世から帰っくる故人が道に迷わないよう目印として飾るものです。また、故人の冥福を祈り、感謝を表すという意味もあります。

 

浄土真宗では故人があの世から帰ってくるという考えはありませんが、盆提灯を飾ることは禁止されていません。そのため、親族や知人から盆提灯を頂いた場合には飾っても問題ありません。

浄土真宗の新盆のやり方

浄土真宗での新盆の過ごし方を説明します。ただし、浄土真宗の教義では「お盆」というものが存在しないため、特別に何かするということはありません。

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法要を行う

浄土真宗では8月の13日前後に、新盆ではなく、歓喜会の法要が行われます。これは故人の魂を弔うためのものではなく、ご先祖様に対する感謝を表すための法要です。歓喜会の法要は自宅に僧侶を招いて行うのが一般的ですが、寺院や葬祭会館で合同で行われる場合もあります。

迎え火や送り火・精霊棚は必要ない

他の宗派では、新盆には迎え火や送り火を焚いたり、精霊棚や精霊馬を設けてご先祖様の魂をおもてなしします。しかし浄土真宗では、この世に魂だけが存在する「霊魂」という存在が認められていないため、これらは必要ありません。

浄土真宗の新盆の準備

浄土真宗では新盆の法要はありませんが、歓喜会の法要があります。そのため、歓喜会の準備が必要です。歓喜会の法要の準備は、他の宗派でいう新盆の法要の準備とほぼ同じ段取りです。大まかな流れについて解説します。

僧侶の手配とお布施の準備

寺院や僧侶への連絡は遅くとも歓喜会の法要の1カ月前には入れましょう。歓喜会は寺院の繁忙期であるため、直前に連絡をすると僧侶の手配ができなかったり、先方の迷惑になったります。

歓喜会の法要は自宅で行うことが多いですが、寺院や葬祭会館で行う場合もあります。必要に応じて会場の手配も済ませましょう

 

あわせて、僧侶にお渡しするお布施も準備します。歓喜会のお布施の金額は3万~5万円が相場です。白い無地の封筒に包み、「お布施」という表書きにしましょう。

お布施とは別に、交通費として「御車代」や接待費である「御膳料」が必要な場合もあります。相場はそれぞれ5000円~1万円くらいです。

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案内状の送付・返礼品の準備

浄土真宗であっても、新盆に該当する歓喜会には親族の他、故人と親交の深かった知人や友人をお招きするのが一般的です。法要に参加してほしい相手には、遅くとも1カ月前に案内状を送付しましょう。

 

案内状には出欠の返事をしてほしい旨を記し、封筒に返信ハガキを同封するか、往復はがきを用います。

 

新盆にあたる歓喜会に招かれた参列者は、香典を持参するのが一般的です。香典や見舞いをいただいた相手には、返礼品を準備しましょう。返礼品はいただいた金額の3分の1~2分の1を目安にします。

香典の有無については、出欠の返事をもらう際に一緒に確認を取るとよいでしょう。その他に引き出物の準備が必要な場合もあります。

会食の手配

法要の後は僧侶も招いて参列者全員で会食を行う場合が多いです。食堂や仕出し料理を頼む場合もあれば、自宅で手作りの料理を振舞う場合もあります。ただし歓喜会の期間の僧侶は多忙につき、会食を断られた場合は接待費として「御膳料」をお渡しします。

浄土真宗の新盆の服装

浄土真宗の新盆では、その他の宗派の新盆と同様に礼服を着用するのが基本的なマナーです。ただし、最近は喪主も参列者も平服で参加する場合もあります

 

平服の場合は派手な色やデザイン、肌が過剰に露出した服装は避け、落ち着いた色味の服装で参列しましょう。参列者側は、喪主より控えめな服装を心掛けるのがよいとされています。

日頃から祈りの気持ちを忘れずに

浄土真宗では、新盆は特に手厚い供養などを行うものではなく、ご先祖様に感謝する年に1回のきっかけととらえています。新盆だからと言って特別なことはせず、日頃からご先祖様に対する感謝を忘れずに過ごすようにしましょう。