おがらとは?迎え火での使い方やどこで買えるのかについて解説

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2022/6/29

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おがらとは、日本のお盆の儀式で使う物のひとつです。名前は聞いたことがあっても、具体的にどのように使うものなのかはわからないという方も多いのではないでしょうか。この記事ではおがらの意味や具体的な使い方、どこで買えるかなどについて解説します。

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2022/6/29

目次

おがらとは?

おがらとは植物の麻の茎の部分の皮をはいだものです。漢字では「苧殻」と表記されます。おがらは麻幹(あさがら)とも呼ばれ、栃木県の白川郷の屋根にも使われています。

 

おがらは元々、新潟県の方言が発祥とされています。現代において麻はおがらの原料だけでなく、パルプ紙や糸にも使用されさらには燃やすことで環境に優しいエネルギーとしても活用できるとされています。

おがらの使い道

おがらは主にお盆の「迎え火」という儀式で使用します。迎え火とはお盆の時期に帰ってくるご先祖様を迎えるための儀式で、おがらを玄関先で燃やすことであの世から帰ってくるご先祖様の目印になると言われています。

 

おがらは迎え火の他にも、お盆壇に立てかけるはしごやキュウリの馬と茄子の牛の足としても使用されます。麻は古来より清浄なものとして扱われてきました。それらをお盆のような儀式で使用することは、場を清めて清浄な空間で先祖の霊を迎える意味合いがあるのです。

迎え火でのおがらの焚き方

迎え火では、おがらを焙烙(ほうろく)と呼ばれる素焼きの平皿に乗せて燃やします。燃やす際のおがらはお皿のサイズに合わせてカットして使いましょう。燃えにくい場合は、新聞などの燃えやすいものを着火剤代わりにします。消化用に水入りバケツも用意しましょう。

 

迎え火は一般的に7月13日、または8月13日の盆入りに行われます。時間は日が沈み始めてから日没までの夕方に行いましょう。夕方に行うのが難しい場合は、他の時間帯に行っても構いません。火を扱うので、安全に行える時間を選んで行ってください。

 

おがらを焚くのは家の玄関先が一般的です。密集した住宅地やマンションが増えた昨今では、安全性を考慮して迎え火はあまり行われなくなってきているようです。

おがらはどこで買える?

おがらはお盆の時期になると花屋やスーパー、ホームセンターなどで購入できるようになります。おがらの価格は安い物で10本入り150円前後で売られており、焙烙と一緒にお盆セットになっている場合もあります。

 

なお、現在流通しているおがらのほとんどは中国産です。おがらの国産品は中国産よりもかなり高額ですが、迎え火で燃やすだけならば中国産でも十分でしょう。

 

おがらはお盆用品だけでなく、インテリアや消臭用品としても使用されています。そのような用途であれば、国産の質の良いおがらを購入するほうが良いかもしれません。

迎え火ができない場合は?

集合住宅など、玄関先でおがらを焚くのが難しい場合は盆提灯を灯してご先祖様への目印とします。盆提灯は玄関や窓際、仏壇の前に飾りましょう。ろうそくを中にいれるタイプの盆提灯もありますが、実際に燃やすと危険なためただ飾るだけでも問題ありません。

 

迎え火を行う時におがらを用意できない場合は、割りばしでも代用できます。焙烙も、耐熱性の平皿で代用しても問題ありません。盆提灯や迎え火の準備が難しい場合は、必ず迎え火を行う必要はありません。代わりに、お仏壇の掃除やお墓参りを入念にしましょう。

 

あくまで迎え火などのお盆の儀式は、ご先祖様の霊を迎え入れるためのものです。形通りの儀式ができなくても、ご先祖様がお盆の期間に心地よく過ごせるようにできることをするのが大切です。

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おがらのはしごの作り方

地域によっては、おがらで作ったはしごをお盆壇に立てかける場合もあります。具体的な起源は不明ですが、ご先祖様の霊がはしごを使って上り下りしたり、この世とあの世をつなぐ架け橋としたりとの意味合いがあるようです。

 

おがらのはしごは7段または13段になるよう、お盆壇の高さに合わせて作ります。あらかじめお盆壇の高さを測っておき、おがらに目印をつけてから作成しましょう。木工用ボンドとカッターを用意するときれいに作ることができます。

おがらを使った迎え火の流れ

お盆の初日は午前中に仏壇の掃除やお盆壇の準備を済ませ、午後にお墓参り、夕方に迎え火をするのが一般的です。お墓参りで使用したろうそくの火を提灯に移し、持ち帰ります。持ち帰った火はお盆壇のろうそくと置き提灯に移された後、迎え火にも使用します。

 

おがらを焚く際にはサイズを調整し、火が大きくなりすぎないようにしましょう。おがらを焚き、合掌をしたら迎え火は終了です。水入りバケツなどで安全に片づけましょう。

お墓が遠い場合は?

お墓が遠くろうそくの火を持ち帰れない場合は、無理に持ち帰る必要はありません。持ち帰れない場合はライターやマッチで着火しましょう。お墓の火を持ち帰れない際のお盆壇のろうそくには、迎え火に用いた火を移します。

 

お墓が遠い場合は、おがらの火を消す前にお盆壇のろうそくや置き提灯に忘れず火を移してください。ただし、置き提灯に火を移すのが危険な場合もあります。危険な場合は火を移さず、飾るだけでも問題ありません。

 

電気で光るタイプの提灯も販売されているので、屋内に火を移すのが難しい場合はそういったものを用意しましょう。

「迎え火」と「送り火」

地域によっては「迎え火」だけでなく「送り火」も行われる場合もあります。「送り火」とは、お盆で帰ってきていたご先祖様の霊を送り出すための儀式です。

 

お盆の15日または16日までは、ご先祖様は家に留まっているとされています。迎え火と同様におがらを焚き、合掌することで送り出しましょう。燃やす際はお盆壇のろうそくに灯した火を使っておがらに着火します。

 

迎え火は日没前の夕方に行いますが、送り火は日没後に行うとされます。これは、ご先祖様に夕食をとってからゆっくり帰ってほしいという意味があるためです。

お盆以外でのおがらの活用法

おがらはお盆の儀式で使われるだけでなく、私たちの日常に関わる様々な事柄に関わっています。主な使い道としては、お祭りの際に使う松明やコンクリートの原料、プラスティック、そのまま飾ってインテリアとしても使用している方もいるようです。

 

特にインテリアとしては、花瓶にさしたりすだれに用いたりとユニークな方法で使われています。加えておがらには消臭効果があるようで、天然の消臭剤として注目されています。

おがらを正しく使ってお盆を迎えよう

この記事ではおがらの意味や詳しい使い方、お盆との関係やどこで買えるかについて解説しました。現在では実際におがらに火をつけて迎え火(送り火)をする家は少なくなっているようなので、知らなかった方も多いのではないでしょうか。

 

しかし実際に行う際に手間取らないよう、事前に知っておくことは大切です。この記事が皆さんのお盆の過ごし方の参考になれば幸いです。丁寧な儀式でしっかりとご先祖様をお迎えしましょう。