一周忌でお布施はいくら包む?お布施の入れ方や書き方などマナー紹介
公開日 : 2020/4/20
更新日 : 2020/9/10
一周忌は故人が亡くなって1年が経った年忌法要で、お布施をどのくらい包めばいいのか不安になる方もいるでしょう。一周忌のお布施の相場は地域や宗派で異なります。この記事では、一周忌のお布施の相場やお布施袋の選び方、表書きの書き方から新札入れ方まで詳しく解説します。
公開日 : 2020/4/20
更新日 : 2020/9/10
目次
一周忌のお布施の相場を解説
お布施とは、僧侶(お坊さん)へ渡す謝礼のことです。年忌法要で僧侶を招いて、読経など供養を行ってもらうお礼にあたります。葬儀のお布施では、戒名料と合わせて包みましたが、一周忌では戒名料を含める必要はありません。もし納骨式も同時に行う場合は納骨式の謝礼も含めましょう。
お布施として包む金額の相場は、宗派によってことなりますが、3~5万円あたりが相場です。もちろん地域やお寺によって異なるため、親族や地域の方に相談しましょう。どうしても相場がわからない場合は、一周忌で僧侶のスケジュール確認をする際に聞いても良いでしょう。
一周忌でお布施以外にもお寺に渡す謝礼が必要
一周忌などの年忌法要では僧侶に謝礼で渡すのは、お布施だけではありません。ここではお布施と一緒に渡す謝礼について解説します。
御車料
御車料とは、僧侶をお寺からタクシーやバイクで来てもらった場合に渡す交通費です。地域によって異なりますが、およそ3千円~1万円が相場です。お寺で一周忌法要を行ったり、施主側が送り迎えをしたり、タクシーを手配すれば御車代は渡す必要はありません。
御膳料
御膳料とは、法要で僧侶を供養の後にもてなす会食(お斎)を辞退された時に渡す食事代で、相場は5千円~1万円です。会食の参加は事前にお寺に確認しておきましょう。
卒婆料
法要でお墓に立てる細長い板の卒塔婆(そとうば)にも費用がかかります。お寺にもよって異なりますが、2千円~1万円ほどが相場です。
宗派別一周忌のお布施など謝礼の相場
お布施は宗派によって異なります。ここでは宗派の相場をまとめました。以下の表の通り、宗派によっては大きな差はありません。
御布施 | お車代 | 御膳料 | |
浄土真宗 | 3万円〜5万円 | 5千円〜1万円 | 5千円〜2万円 |
浄土宗 | 3万円程度 | 5千円〜1万円 | 5千円〜1万円 |
曹洞宗 | 3万円程度 | 5千円〜1万円 | 5千円〜1万円 |
臨済宗 | 3万円程度 | 5千円〜1万円 | 5千円〜1万円 |
天台宗 | 3万円程度 | 5千円〜1万円 | 5千円〜1万円 |
真言宗 | 3万円程度 | 5千円〜1万円 | 5千円〜1万円 |
日蓮宗 | 3万円〜5万円 | 5千円〜1万円 | 5千円〜1万円 |
また、お布施の地方別の相場は、関東、東海、関西地方の都市部では、3~5万円、北海道、東北、中国、九州地方は、3万円程度となっています。
一周忌のお布施の渡し方
一周忌法要で僧侶にお布施の渡し方やタイミングは、施主側として何度か経験しないとわからないこともあります。ここでは、お布施の渡し方について詳しく解説していきます。
お布施を渡すタイミング
葬儀で喪主が僧侶に渡すタイミングは、僧侶が会場に到着後の挨拶後か、または供養の後に渡すなどがありますが、どちらで渡しても問題はありません。
先に渡すなら葬儀場に僧侶が到着し、僧侶に挨拶の際に「本日はよろしくお願いいたします。こちらをお納めください」と伝えて渡します。
法要の全てが終わった後に渡す場合は、「本日の心のこもった、お勤めはありがとうございました。些少ではありますがお納めください。」と伝えて、お布施を渡します。僧侶が法要後の会食(お斎)に参加するなら、会食後に渡します。
お布施の渡し方
お布施の正式な渡し方は、切手盆といわれる小さなお盆にお布施を乗せて渡す方法や、袱紗の上に乗せて渡す方法があります。切手盆がない家庭もあるので袱紗を用いて渡すことが多いでしょう。
渡し方は、僧侶側から正面に見えるよう、お布施を180度回して僧侶から正面になるよう渡しましょう。「些少(さしょう)ではありますがお納めください。」と一言添えてから渡します。
一周忌のお布施のマナー
一周忌でお布施を準備する際に迷うのが不祝儀袋の選び方や、表書きの書き方です。ここでは、お布施に関するマナーを紹介します。
不祝儀袋の選び方
不祝儀袋には金額や地方によって、いくつかの種類があります。ここではそれぞれの不祝儀袋を紹介します。
白い無地の不祝儀袋が使いやすい
白い無地のお布施袋は、 宗教や宗派を気にせずに使うことができます。封筒タイプは、数千円から1万円程度のお布施を包む場合に適しており、多当折りで中袋がついているお布施袋は、3万円以上の高額な金額を包む用として使われています。
一周忌でも使える白黒の水引がついた不祝儀袋
白黒の水引タイプは、四十九日法要までならお布施でも使用することができます。四十九日が終わると水引がついていない不祝儀袋を使います。
黄白の水引は関西・四国・北陸地方で使われる不祝儀袋です。四十九日までは白黒の水引の袋を使い、一周忌以降は黄白の不祝儀袋を使うことが多いです。
表書きと名前の書き方
一周忌の不祝儀袋の表書きは、「お布施」あるは「御布施」と書きます。地域によって「読経料」「御回向料」などもあります。袋の下に書く名前は、施主のフルネームまたは、苗字だけでも構いません。
お布施の中袋の書き方
高価なお布施袋には、中袋が付属しているものや奉書紙でお札を包む場合があります。中袋に金額や名前など書き方のマナーがあります。まず表面には、中央には金額を縦書きで金額は旧書体で「金〇〇圓也」と書きます。
また、金額は大字(旧字体)を使用します。書き方は、頭に「金」をつけて、金額を書き最後に円を「圓」(えん)と旧書体で書きます。最後に「也」(なり)書かなくても構いません。
お布施の場合は、香典と違いお寺に渡すのは施主だけになるため、裏面には住所は書く必要はありません。
お布施で気をつけるべき点
お布施袋の書き方やお札の入れ方など、香典袋とは異なるマナーがあります。ここではお布施を包む上でよくあるポイントを解説していきます。
お札は新札を使って良い
お布施の場合に袋に入れるお札は、新札で問題はありません。葬儀の香典では、古い札を使うため混同しがちですが、喪主が葬儀や法事での供養に対するお寺へのお礼にあたるため、新札で渡すのがマナーです。
お札の表面にして入れる
お布施袋の場合は、お札の肖像がある表面を向けて袋に入れます。お布施は僧侶への謝礼であるため、裏面に向けて入れる必要はありません。
お布施袋は濃い墨で書く
お布施の表書きを書く場合は、濃い墨で書きます。お布施は不幸があったから渡す香典とは意味合いが異なり、お坊さんへの読経などに対するお寺への謝礼だからです。
一周忌で施主が準備すること
施主として、一周忌にお布施以外にも準備することがあります。ここでは、一周忌法要を行うにあたり、必要な段取りについて紹介します。
一周忌の日時や参列者を決める | 故人の命日前の休日で設定することが多く、3ヶ月前くらいから検討します。 |
案内状を作成する | 参列者に出席の確認をするため、案内状を送ります。1週間前を目途に返事をもらいましょう。 |
僧侶の手配 | 読経など供養をお願いするために菩提寺に連絡しスケジュールを確認します。会食に参加するかも確認します。 |
会食(お斎)の準備 | 法要が終わると会食の席を準備します。レストランやお寺、自宅で仕出しを頼むなどの選択肢が考えられます。 |
引き出物 | 参列者に持ち帰っていただく引き出物を選びます。お返しは日持ちがするものが好まれる傾向にあります。一人当たり3千円~5千円程度が目安です。 |
お供え物 | 仏壇に供えるために、ろうそく、線香、お花の3つのお供えを準備します。また参列者からのお供え物もあり、参列者で分けて持って帰っていただきます。 |
一周忌では戒名料を含まないので葬儀より相場は下がる
一周忌は故人が亡くなって初めての年忌法要です。施主側としても初めてのことも多いでしょう。特にお寺へのお布施の額については、非常に気になるところです。
相場は宗派や地域によって変わるものの、先に紹介した通りおよそ3~5万円が相場です。また、お布施以外にも御膳料、御車代などさまざまな費用がかかります。一周忌にかかる費用が心配な方は、一周忌の全体の流れを把握し、費用感をつかみましょう。
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