一周忌のすべて!流れやマナー、香典の相場についてまとめました
公開日 : 2020/2/27
更新日 : 2020/9/10
法要のなかで最も重要とされている「一周忌」。参列するにあたり、流れや服装、マナーは事前に把握しておきたいものです。本記事では、一周忌について詳しく解説していきます。当日に困惑することがないように、早めに確認しておきましょう。
公開日 : 2020/2/27
更新日 : 2020/9/10
目次
一周忌の案内が届いた!
一周忌の一般的な参列者は親族中心ですが、招かれる人の基準はありません。参列者を選ぶ決まりなどはなく、どの程度の規模で行うのかは喪主の気持ち次第になります。そのため、故人と親しかった友人や会社関係者等も招きの対象になります。 まずは、一周忌の案内が手元に届いた際には、すみやかに喪主へ出欠の返答をしましょう。喪主側は、引き出物や会食の準備があるため早めに返事をするのが礼儀です。 参加できない場合には、別日にお参りに伺うか、香典を包んで郵送するとよいでしょう。 参列する場合には、事前に準備することや知っておきたいマナー等がありますので、本記事で紹介していきます。
一周忌とは?
一周忌とは、故人が亡くなってから丁度一年経った日(命日)を指します。故人が亡くなってからはじめて行われる年忌法要となります。法要では、僧侶による読経や法話が行われ、参列者はお焼香を行います。一周忌を境に、遺族の喪が明けるとされています。
一周忌の日程
一周忌と似ているもので「一回忌」がありますが、意味合いは全く違うものとなります。一回忌というのは、葬儀のお勤めのことを指します。亡くなった年が1回目のおつとめとなります。つまり、葬儀が一回忌となります。 一回忌に比べて、本記事で説明する「一周忌」は亡くなった翌年(命日)に行います。一回忌を踏まえて考えると、2回目のおつとめとなるため、一周忌は「二回忌」を指します。三回忌は亡くなってから2年後です。三回忌以降は、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌、三十七回忌、五十回忌と続きます。仏教で大切な数字「三」と「七」がつく年に主に法要が行われます。 一般的には、三十三回忌が弔い上げとなり、最後の年忌法要としています。弔い上げとは、三十三回忌を指すことが多く、これ以上年忌を行わないことをいいます。 弔い上げは五十回忌も指します。三十三回忌以降も続くのは、最終年忌の五十回忌の法事が終わると、「故人が神になる」という意味合いがあるからです。
一回忌との違い
一周忌は、亡くなった年の翌年に行われる法要です。祥月命日(亡くなった日と同じ月日)に近い日に行うことが理想ですが、近年では参列者が集まりやすい少し前の土日祝日に行われる事が多いです。ただし、祥月命日を過ぎてはいけないとされています。一般に、一周忌までを「喪中」といいます。 一周忌は自宅で行うことが多いですが、ホテルやお寺で行うこともあります。
一周忌の歴史
さまざまな法典がありますが、法典を営む理由は、「故人が無事に成仏することを願う」という点では一緒です。一周忌の歴史は、仏教の思想からきています。仏教では、一周忌は「都市王(としおう)」による再審が行われる日とされています。一度目の再審は、百箇日に行われているため、再再審ということになります。 再審とは、仏教発祥のインドでは輪廻転生の思想に基づきます。インドでは、死者は天界、人間界、修羅界、畜生界、餓鬼界、地獄界のいずれかに生まれ変わるといわれています。 その生まれ変わり先が決まる審判期間なのです。
一周忌と宗教
一周忌は仏教が発祥となっていますが、仏教以外の宗教でも呼び方は異なりますが一周忌に当たるものがあります。
キリスト教
キリスト教の場合は、故人の亡くなった一年の節目に記念式典を行います。カトリックは「追悼ミサ」、プロテスタントは「記念式」という呼び方ですが、内容は同じです。そちらも教会や自宅で参列者が祈りを捧げ、茶話会をします。 キリスト教の一周忌では、聖歌を歌ったり、聖書を朗読したりしてお祈りを捧げます。キリストの教えにおいてこの世に生きる人間は罪を背負っていますので、故人のために祈りを捧げるための法典となります。
神道
神道の一周忌は、「一年祭(いちねんさい)」とよばれます。一年祭以降は、三年祭、五年祭…と続きます。法要の儀式は神官によって執り行われます。神道では亡くなることは、先祖の神々の仲間入りをすることを意味します。そこで一年祭以降は、家の守り神としてまつるようになります。 一年祭でのお供えは、米や塩、水などのお供えが一般的ですが、酒や果物などの故人が好んでいた物もお供えします。神道は仏式ですが、数珠は使用しませんので持ち込まないようにしましょう。
無宗教
無宗教でお葬式を行った場合、その後の法要は自由です。無宗教でお葬式をした後の一周忌を仏式で行っても全く問題ありません。仏壇や位牌の購入は、無宗教だからといって必要にはなりません。ご家族や故人が無宗教でも、仏式で故人を供養している方は多くいらっしゃいます。
一周忌の服装
一周忌のときの服装は、喪服でなくても問題ありません。しかし、平服で参列する場合、法典に見合った服装を準備しましょう。
男女共通
・黒を基調としたフォーマルな服装 ・動物由来(毛皮、ファー)の服、小物は身につけない ・アクセサリーは本来つける必要はない ・暗色を選ぶ ・金属類は身につけない ・結婚指輪はしても構わない 動物由来の製品は、殺生をイメージしてしまうため、一周忌の場にはふさわしくありません。服やコート以外にも、カバンや靴などの小物も布製の製品を選ぶようにしましょう。黒、紺、グレー、茶などの暗色を選ぶようにし、柄物や明るくて目立つ色は避けます。
男女別
【男性】 ・ブラックスーツ ・ワイシャツは白色で光沢のないもの ・ネクタイは無地で暗色 ・ベルト、カバン、靴下、靴なども黒で統一 ・時計、ネクタイピンはなるべくはずす 喪服に近い服装になります。ネクタイは黒色が適しています。結び方も、シンプルなものにしましょう。 【女性】 ・黒のワンピースやアンサンブル ・靴やカバン、ストッキングなども黒系で統一 ・アクセサリーをつけるならパールにする(一連パールのみ) ・露出の高いもの、派手な印象のものは避ける 2連以上のネックレスは「不幸が重なる」という意味合いを持つため、法典でつけていくと失礼にあたります。また、ストッキングは肌色でも構いませんが、法典には黒色がふさわしいです。生足はカジュアルすぎますので、夏でもストッキングは必須です。
一周忌の持ち物
【香典】 香典とは、故人の霊前にお供えする金品のことです。香典の相場を詳しく知りたい方は、本記事の下に「香典の相場は?」という見出しがあるため、確認してみてください。 【ふくさ】 香典を持っていく際、ふくさに包んで持参します。色味は落ち着いた暗色のものを選ぶようにしましょう。 【お供え物】 お供え物は、法典用の花や、故人の好きだった食べ物などを持参します。一周忌においては香典かお供え物のどちらかを持参すればいいこととなっています。お供え物について悩んでいる方は、本記事の下に「お供え物」という見出しがあるため、確認してみてください。 【数珠】 故人を供養するため祈りを捧げる法典となりますので、数珠は必ずご持参ください。
香典の相場
・故人が親で、自分が社会人の場合 …3万円~10万円ほど ・故人が義父母(配偶者の親)の場合 …3万円~10万円ほど ・故人が祖父母の場合 …1万円~3万円ほど ・故人が親戚(叔父、叔母)の場合 …1万円~3万円ほど ・故人が関係性の遠い親戚の場合 …5000円~1万円ほど ・故人が知人、友人の場合 …5000円~1万円ほど ・故人にお世話になっていた場合 …1万円~3万円ほど 故人との関係により、香典の相場は変わります。 また、同居していた場合や関係性が深い場合は相場よりも多く包み、参列側が大学生や新社会人などの場合は相場より少なめに包むなど、相場はあくまで相場となります。。 また、一周忌法要後の会食にもうかがう場合には、5000円~1万円ほど通常入れる金額に上乗せして包むようにします。
一周忌の流れ
法要会場にご家族、親族、参列者が集合 ↓ 僧侶の到着 法要の場に僧侶を迎える ↓ (喪主から参列者への挨拶) ※親族以外を招いた場合 ↓ 僧侶の読経 ↓ お焼香 読経中に喪主、参列者全員 ↓ 僧侶による法話 ↓ (僧侶退場) ※会食に参加する場合もある ↓ (お墓参り) ※行わない場合もある ※会食の後に行われる場合もある 墓地へ移動後、お墓参り ↓ (会食) ※行わない場合もある 喪主より引き出物渡し ↓ (喪主から参列者への閉式の挨拶) ※親族以外を招いた場合 一周忌の一般的な流れです。一周忌で行われるのは、僧侶による読経と焼香です。ですが、一周忌には必ずこれをしなければいけない、という決まりや作法はないため、内容は遺族の意向によって変わります。最近では、会食やお墓参りは行われないことが多いです。また、ご家族のみでの一周忌では、お墓参りを行った後に会食をして終了、と簡素化されています。その場合には読経や焼香もないため、一周忌の在り方が時代とともに大きく変わってきています。
一周忌でのマナー
一周忌が終わるまでは「喪中」となります。喪主や遺族に対して失礼な行為に当たらないよう、服装や言葉使い、マナーに気をつけて参列が必要です。服装とお墓参りについてのマナーを紹介します。
喪服?平服?服装マナー
どれを着ていけば分からない場合は、喪服で参列すれば間違いありません。ただし、喪服で参列して失礼な場合があります。それは、案内状に「平服でお越しください」「喪服での参加はご遠慮ください」と記載がある場合です。案内状をしっかり確認し、服に悩んだ場合は施主に尋ねてみましょう。
お墓参りでのマナー
通常のお墓参りの際は普段着で問題ありませんが、一周忌中のお墓参りとなりますので、法要(僧侶による読経、焼香のこと)に参列した服装のままお墓参りを行います。 お墓参りは、会食の前か後に行われます。 さらにお墓参りは、宗派によってお参りの仕方が異なる場合があります。真言宗では、お供えする線香の数は3本と決まっていますが、浄土真宗では線香は寝かしてお供えをします。喪主が最初にお参りをするため、特に宗派にこだわりのない方は喪主に従った作法でお参りを行いましょう。
お供え物
お墓参りを行う際、お供え物を持参していたらお供えをしましょう。お供え物は、故人が好きだったものをお供えするのが一般ですが、お供えを行うにあたり注意点があります。
お供え物にはなにを用意したらいい?
・香典の用意がある場合は、お供え物はいらない ・金額の相場は5千円~1万円(友人として参列する場合は5000円ほど) ・お参りが終わったら持ち帰るのがマナー 【お供え物に適しているもの】 ・故人が好きだったもの ・消えもの(消費してなくなるもの)を選ぶ ・お菓子や果物、お酒などが一般的 ・仏壇に供えるお花 【お供え物に適していないもの】 ・重たい物、かさばる物 ・殺生を連想させる肉、魚 ・高価すぎるもの お供え物は、法要後に分けて持ち帰る事が多いです。持ち帰ることが大変な重いものや、賞味期限が近いものは避けましょう。持ち帰りやすいように、個別包装にすると
お供え物につけるのし紙
お供え物をする際、のし紙は必要です。のし紙は、故人への敬意と遺族へのいたわりの姿勢を表す物としお供え物の包装に使われます。 のし紙には「内のし」と「外のし」の二種類あります。内のしは包装紙の中、箱に直接のし紙をかける包み方です。外のしは、包装紙の外側にのし紙をかける包み方です。一周忌にはこのやり方! という決まりはありません。ただ、お供え物が並ぶ一周忌では、誰から送られたか分かるように「外のし」が多く使われやすいです。
まとめ
お葬式後の法要は、絶対に行わないといけない儀式ではありません。一周忌以降は、省略化されて自由な供養をされる遺族が多いなか、一周忌は一つの区切りとしてしっかり行うことが多いです。それは、故人の命日に親族や知人が集まることで、供養を願う大切な法典だからです。 一周忌の案内状が届いたら、着ていく服、持ち物、当日の流れをしっかり確認しましょう。喪服か平服か? 香典かお供え物か? 会食は参加したほうがいいのか? 迷うことは多いかと思います。細かい部分は、喪主や施主(喪主のサポート役)の意向によって異なってきますので、参列の連絡をする際に疑問点は解決しておくことが事前に困惑しないで済みます。
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