【一周忌法要の流れ】挨拶のタイミングと実際に話す時の例文を紹介!

公開日 : 2020/2/19

更新日 : 2020/9/9

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年忌法要の中で最も重要とされている一周忌法要(いっしゅうきほうよう)について解説しています。一周忌法要の流れや喪主の挨拶の仕方を紹介していきます。故人にとっても大切な儀式となるので、事前に確認をしておき、当日に慌てないようにしておきましょう。

公開日 : 2020/2/19

更新日 : 2020/9/9

目次

一周忌法要とは?

仏教において、故人が亡くなった日である命日には法要を行う必要があります。このことを「年忌法要」と呼び、その回数や行う年が定められています。この年忌法要の中で一番最初に行う法要を「一周忌法要」と呼び、年忌法要の中で最も重要視されています。

 

故人が亡くなってから一周忌法要を終えるまでは、遺族は喪に服していなければいけません。この一周忌が終わることを「喪明け」とし、喪に服する時期を終え、遺族は通常の生活を送ることができます。

 

この記事では、一周忌法要がどのようにして行われるのか、参列者にはどのような挨拶をするべきかについてを解説しています。人生において一度は経験する法要において、知っておくべきことを掲載しているので、ぜひ参考にご覧ください。

故人が亡くなって1年後の年忌法要

一周忌法要とは年忌法要のうちの一つであり、故人が亡くなってから一年目の命日に行われる法要です。数ある年忌法要の中で最も重要な法要であり、これを過ぎることによって遺族は喪に服する時期を終えることができます。

 

法要に参加するのは主に、遺族や親族、故人と親しかった友人や知人が参列します。葬儀や告別式の時とは違い、小規模で行うのが一般的です。僧侶の読経から始まり、焼香、食事をするのが、基本的な流れとして知られています。

 

一年目の命日とありますが、必ずしもその日に行わなくても問題はありません。仕事や学校の都合によっては参列することが難しいこともあります。その時は日にちをずらして、法要を行うことが可能です。その際に気をつけることとして、命日が過ぎた後ではなく、前倒しにして行うようにしましょう。

一周忌法要の流れ

一周忌法要は以下の流れが一般的です。地域によっては異なるので、事前に確認をしておきましょう。

 

【日程の調整】

一周忌法要は、満1年目の命日に行います。平日の場合、仕事や学校の関係で参列することが難しいので、土日祝日に前倒して日程を調整します。

 

 

【会場(場所)を決める】

一周忌法要の場所を自宅にするのか、お寺にするのかを決めます。一般的には葬儀を行ったお寺などで行います。

 

 

【料理の手配】

参列者に振る舞う食事の手配をします。この時、法事で利用することを伝えましょう。献立がめでたいものにならないように注意しましょう。

 

 

【参列者に案内を送る】

遺族や親族だけで行う小規模な法要の場合は、電話での連絡で問題はありません。故人の親しかった知人や友人へは案内状を作成しましょう。

 

 

【引出物の手配】

引出物は、参列者の香典へのお返しの意味があります。主に石鹸や洗剤、タオルなどの日用品の他にカタログギフトを用いるのがいいでしょう。1万円以内に収まるものが相場です。

 

 

【お布施の用意】

僧侶にお渡しするお礼は、お布施の他に、自宅で法要を行う場合は交通費も用意しておきます。また、会食(お斎)を辞退される場合があるので、その際は御膳料を用意しましょう。それぞれの金額の目安は以下の通りです。

 

・お布施 3万円前後

・交通費 5千円前後

・御膳料 5千円から1万円程度

 

お金は直接は渡しません。奉書紙で慶事の上包みで渡すのが一般的で、最も丁寧な形です。表書きには薄墨は使用せず、黒墨を使用して書きます。渡す作法として小さなお盆に載せるのが丁寧な渡し方です。

一周忌法要での挨拶とは?

年忌法要の中で最も重要とされている一周忌法要では、故人だけでなく、お集まりいただいた僧侶や親族、故人と親しかった知人や友人にも適切なおもてなしをしなければなりません。施主はその点も含めて、法要の始まりと終わりの挨拶を考えておきましょう。

 

一言に挨拶と言っても、様々な挨拶の仕方があります。挨拶の場面をしっかり使い分けなければ、例えそれが正しい挨拶であっても、場面によっては失礼に当たる場合があります。法要においても同じで、法要に適した挨拶というものが存在します。

 

下記の項目では、施主が法要の際にどのようなことに気をつけて挨拶をするべきか、どの場面で必要になるかについてを解説しています。丁寧なおもてなしができるように、事前に確認をしておきましょう。

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挨拶では何を言うべきか

故人を思い、親族や故人の知人や友人に感謝の言葉を込めるという点において、一周忌法要での挨拶は、葬儀や告別式の時と変わりはありません。しかし、一周忌法要では、葬儀や告別式の時と比べて短めの挨拶で問題はありません。

 

一周忌法要での挨拶は大きく分けて三つの挨拶があります。法要開始の挨拶、法要終了後の挨拶、会食時の挨拶です。法要開始は僧侶が言う場合もあり、施主は法要終了の挨拶と会食時の挨拶だけになる場合もあります。

 

これらの挨拶は故人に対するものだけでなく、参列した方々に対するお礼の意味が込められています。葬儀や告別式に比べて短くはなりますが、挨拶をする際は丁寧なおもてなしの心に気を配ることが重要です。

挨拶で気をつけること

縁起の悪い言葉を「忌み言葉」と言います。もしも挨拶をする場面が結婚式であれば「切る」や「去る」など、縁切りを連想させる言葉は避けられています。葬儀や法要の際も同様に、忌み言葉を使用することは避けましょう。

 

葬儀や法要の際に使用してはいけない忌み言葉の一例として「次々」「重ね重ね」などの重ね言葉や「再度」「続きまして」など、繰り返すことを連想させる言葉は忌み言葉とされています。挨拶の際は忌み言葉は使用しないように注意しましょう。

 

また、当然ではありますが「死ぬ」や「生きる」など、直接的に生死を表す言葉は絶対に使用していはいけません。故人だけでなく、参列した方々にも失礼に当たります。葬儀や法要の際は、言葉を選ぶ時でも細心の注意を払いましょう。

挨拶はどの場面で言うべきか

一周忌法要では、どの場面で挨拶をするかが決められています。場面に応じて使い分ける必要があり、その場面というのが法要開始の挨拶、法要終了後の挨拶、会食時の挨拶です。大変かもしれませんが、要点をしっかりと押さえれば、問題はありません。

 

また、地域によって差はありますが、挨拶が混同する場合があります。よくある例として、法要終了後の挨拶と、会食時の挨拶が一緒になることがあります。もし不安があるようなら、事前のやり取りは僧侶と相談して決めておきましょう。

 

挨拶の際は忌み言葉に気をつけ、文が長くなりすぎないようにしましょう。基本的に葬儀や告別式に比べて簡潔に済ませるのが一般的です。下記項目では挨拶の場面に応じてどんなことを話せばいいのかについて解説しているので参考にしてみてください。

一周忌法要の開始の挨拶

一周忌法要に参列する人が集まった際、施主が行う最初の挨拶です。挨拶は最初にお集まりいただいた遺族や親族、故人の親しかった知人や友人に対して行います。その後、僧侶へと向き直り、感謝の気持ちを込めつつ儀式開始をお願いをするのが一般的です。

 

挨拶の際、故人を紹介する時は「戒名(法名)」にするのが正しい作法です。しかし、身内での法要になる場合は、生前の名前で紹介しても問題はありません。もし不安であるなら事前に僧侶の方とご相談しておきましょう。

法要後、参列者へのお礼の挨拶

法要開始の挨拶を終えた後は、施主は自分の席に戻りましょう。僧侶による読経と参列者全員の焼香を経て、一周忌法要の儀式は終わりです。この時に僧侶や参列者にお礼の挨拶を述べるのですが、場合によっては僧侶の方のお話があるかもしれませんので、臨機応変に対応しましょう。

 

また、会食の予定があるなら、法要終了の挨拶を終えた後に案内をするといいでしょう。この場で僧侶が会食の同席を辞退された場合は、お布施をお渡ししてお礼の言葉を述べましょう。会食に参加する有無は事前に僧侶から聞いておくといいでしょう。

会食時の挨拶

僧侶の読経と参列者の焼香を終えた後は、会食を行うのが一般的です。挨拶を述べる場面として、会食の場に案内する際に行うか、もしくは参列者が会食の場に着いた時に行うかの二通りがあります。法要を行う場によって使い分けるといいでしょう。

 

会食が一段落したら、会の終わりの挨拶を行います。改めて法要に参列していただいたことに対するお礼を述べて会を締めくくります。僧侶が会食に同席された場合は、挨拶が全てが終わった後にお布施をお渡ししましょう。もし、同席されない場合は会食の前にお渡しします。

一周忌法要での挨拶の一例

一周忌法要での挨拶は、葬儀や告別式に比べて簡潔にまとめられていることが重要です。また、葬儀や法要に限らず、使用してはいけない忌み言葉をしっかりと理解しておきましょう。そして、おもてなしとお礼の言葉を忘れずに伝えられるように注意してください。

 

下記の項目では、実際に施主として一周忌法要を行う際、必要になる挨拶の例文を掲載しています。挨拶を行う場面ごとで内容が異なるので、一周忌法要だけでなく、その他の年忌法要での参考にご覧ください。

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開始の挨拶

一周忌法要を開始する前に参列者が全員が揃ったことを確認し、施主が開始の挨拶をします。法要の場だから挨拶は長めにしなくてはと思いがちですが、下記の例文のように簡単な挨拶にするのが一般的です。

 

「本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。これより(故人名、戒名・法名)の一周忌法要を始めさせていただきます。それではご住職、よろしくお願いします。」

 

法要の席において、故人を紹介する時は戒名(法名)にするのが正しいとされています。しかし、身内だけの法要の場合は生前の名前を使用することが多いようです。地域やその場の雰囲気によりますが、法要の前に確認をお寺に確認をしてみるといいでしょう。

法要後の挨拶

一周忌法要で参列者の焼香が済み、僧侶の読経が滞りなく終わったら、施主から法要の終了の挨拶を行います。こちらも開始の挨拶と同様に、短く簡潔な言葉で挨拶をするのがいいでしょう。

 

「本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。おかげ様で(故人名、戒名・法名)の一周忌法要を無事に終えることができました。故人も安心していることと存じます。皆様には今後とも変わらぬご支援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。本日、簡単ではございますが、別室にてお膳をご用意しております。ご多忙の折とは存じますが、お時間が許す限り、故人を偲びつつおくつろぎいただけますと幸いです。本日は誠にありがとうございました。」

 

会食のご案内の後、僧侶がお帰りになられる場合は、この時にお布施を渡しておくといいでしょう。渡す際は小さなお盆の上に置き、簡単なお礼の言葉を述べるのが丁寧な渡し方です。

会食時の挨拶

会食時に僧侶が同席する場合は、先に法要のお礼を述べてから会食へと案内します。また、僧侶が同席しない場合は、この時点でお布施を渡すことを忘れないようにしておきましょう。

 

会食の前に、施主から法要に参列した方々にお礼の言葉と会食の案内を簡潔に述べます。そして、献杯をお願いする人を紹介します。ここで間違っても乾杯とは言わないよう、施主と献杯を行う人は注意しましょう。

 

 

【施主:会食の案内とお礼の例文】

「本日は、お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。おかげ様で、一周忌法要を滞りなく済ませることができました。それでは、お時間が許す限り故人を偲びつつおくつろぎいただけると幸いです。はじめに◯◯に献杯のご発生をお願いします。」

 

 

【指名された人:献杯時の発声例文】

「ご紹介いただきました〇〇でございます。(故人との関係性と生前の付き合いを簡潔に述べる)。本日は、故人の思い出を語りながら、皆様と故人を偲びたいと思います。それでは、ご唱和をお願い致します。献杯」

 

施主は会食後、締めの挨拶を行わなければいけません。また、僧侶が同席している場合は、会食後にお布施をお渡ししましょう。渡す際は、本日の法要のお礼も忘れずに述べましょう。会食後の締めの挨拶は以下が例文ですので、参考までにご覧ください。

 

「本日はお忙しい中、お集まりいただき、誠にありがとうございます。お開きにしたいと存じます。これからも変わらぬお付き合いとご支援のほどをよろしくお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。ささやかですが、お礼の品をご用意しました。お気をつけてお帰りください。」

一周忌法要の挨拶を手紙で行う場合

一周忌法要は学校や仕事などの都合がある場合は、日付を前倒しにして日程を組み替えることができます。しかし、日程を変更しても参加することが難しい参列者もいます。そのような場合は、手紙で不参加の旨を伝えることが可能です。

 

年忌法要の中で最も重要とされている法要のため、故人や遺族のことを考えれば、なんとかして参列したいという気持ちもあるでしょう。こればかりは仕方がありません。例え手紙であっても、丁寧な対応で気持ちをお伝えすることが重要です。

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挨拶状に書くこと

一周忌法要に参列することが難しい場合は、挨拶状を書く必要があります。その際に必要な内容は、一周忌法要に伺えないお詫びと、故人に対する思いを、素直に述べることが重要です。拝啓など頭語や、忌み言葉には注意して書きます。

 

挨拶状は時間に余裕がある場合なら、書いた手紙を御仏前にお供えしていただくように伝えておくといいでしょう。一周忌法要に間に合うように届くように送ります。もし、取り急ぎお伝えする場合は弔電を送ることも可能です。文例として以下を参考にしてください。

 

「一周忌のご案内ありがとうございます。ご案内していただいたにも関わらず、参列ができずに誠に申し訳ございません。心ばかりのお花を送らせていただきましたので、御仏前にお供えください。」

挨拶状の一例

弔電ではなく、事前に時間がある場合は、手紙を書いて御仏前にお供えしてもらうのがいいでしょう。手紙は参列することができないことに対するお詫びと、故人や遺族をいたわる気持ちを書き添えれば、相手にも気持ちが伝わりやすいでしょう。

 

「一周忌法要のご案内をいただき、誠にありがとうございます。◯◯さんには生前、大変お世話になりました。今でも深く感謝しております。この度、都合により参列することができず、誠に申し訳ございません。心ばかりのものですが、御仏前にお供えしていただければと思います。」

 

気をつける点として、普通の手紙のように拝啓などの頭語や結語は使用しないように注意しましょう。また、忌み言葉も使用してはいけません。手紙は一周忌法要の前に届くように送りましょう。

一周忌法要での挨拶のまとめ

葬儀や告別式に限らず、一周忌法要も大切な儀式の一つです。最初は戸惑うことがあり、事前にしっかりと準備をしていても、上手く行かないことがほとんどでしょう。

 

しかし、大切なのは故人を思う心です。そして故人だけでなく、参列してくださった方々をおもてなすことが重要なのです。失敗はあるかもしれませんが、気持ちを込めることだけは忘れずに、祈りましょう。