オンライン葬儀でも焼香はできるの?その正しい作法を説明します
公開日 : 2020/5/18
更新日 : 2020/9/6
新型コロナウイルスの流行を機に、三密を避けられるオンライン葬儀が注目を集めています。現代社会のニーズにマッチしたオンライン葬儀は今後ますます増えることでしょう。しかしオンライン葬儀では焼香はどうしたらよいのでしょうか。そのやり方をここで詳しく説明します。
公開日 : 2020/5/18
更新日 : 2020/9/6
目次
自宅で葬儀に参列できるオンライン葬儀
新型コロナウイルスの蔓延により、自宅から参列することができるオンライン葬儀の注目が高まっています。オンライン葬儀は新しいスタイルのお葬式のためアット葬、スマート葬、スマ葬といった違った呼び名もあって、そのサービス内容も葬儀社によって千差万別です。
高齢の世代が多い日本においては、老いや病気のため葬儀に参列できないお年寄りも多く、新型コロナウイルスが収束してもオンライン葬儀の需要は残ることが間違いないでしょう。また若い世代からも普通の葬儀ではなくオンライン葬儀を選択したいという声も出て来ています。
ただしオンライン葬儀のデメリットの一つに、ご遺体の前に行って焼香をすることが出来ないという問題があります。しかし本当に出来ないのでしょうか。実はオンライン葬儀でも、焼香が出来るサービスが提供されはじめているのです。
今回はオンライン葬儀における焼香のやり方、その作法について説明します。是非これを読んで来るべきオンライン葬儀の参列に備えましょう。
オンライン葬儀でも焼香はできる?
オンライン葬儀の焼香とはどういったものなのでしょうか。まず焼香とは何なのかという説明をした後に、オンライン葬儀の焼香について解説しましょう。
普通のお葬式で行う焼香について
オンライン葬儀における焼香のやり方について知る前に、まず従来の普通のお葬式で行う焼香についてしっかり押さえておくべきでしょう。
焼香とは何か
焼香とは広義では香を炊くことですが、お葬式においては遺体が納められた棺の前で、細かく砕いた抹香をパラパラと落す行為のことです。お葬式で住職がお経をあげている間に、一人ずつ席を立って祭壇の前に行って行います。なおこれは立礼焼香と言います。
焼香のやり方は立礼焼香・座礼焼香・回し焼香と三種類あります。座礼焼香や回し焼香は畳敷の部屋で参列者が正座する自宅葬で多く、椅子に座る式場のお葬式では立礼焼香が一般的になっています。
焼香のやり方は同じ仏教でも宗派によって違いがあります。正しい作法と多少違ったやり方をしたとしても非難されることはまずありませんが、葬儀に参列する前に宗派を調べておけば、備えることが出来るでしょう。
焼香の目的
焼香を行う目的は、仏様がいらっしゃる極楽浄土の素晴らしい香りを再現することです。また参列者の汚れを落とすという意味合いもあります。お香の香りが広まり、お香が灰になることは、仏教の教えが世に広まり、人がいずれ浮世から消えることを示しているとも言われます。
オンライン葬儀では実際に祭壇の前に行くわけではないので、汚れを落とすという目的では焼香の意味合いは薄れるとは言えます。とはいえ、極楽浄土の香りを再現するという目的もあるので、行わなくてよいとまでは言えないでしょう。
普通の葬儀の焼香の作法
立礼焼香の作法を具体的に説明します。まず席を立って祭壇の前に行き、お経を唱えている住職と参列者の方々に一礼します。次に抹香を右手でつまみ、自分の額の前に持ち上げます。そして香炉の上に右手を動かし、ぱらぱらと抹香を落とします。その後に手を合わせてお祈りをして、祭壇とご遺族に一礼をして自分の席に戻ります。
ただしこの作法は宗派によってかなりの違いがあります。抹香をつまんで落す回数が宗派により違っていて、真言宗・日蓮宗は3回、曹洞宗は2回、浄土宗は回数に決まりが無い、となっています。また焼香の前後の礼についても、その場での違いはあるでしょう。
なお一連の動作を行う間ずっと数珠を左手にかけておきます。参列する時に最初からずっとかけておけば間違いはありません。
オンライン葬儀の焼香のやり方は?
本題ですが、オンライン葬儀の焼香はどのようにすればよいのでしょうか。実は、オンライン葬儀のサービスで焼香ができるようになっているサービスはまだ多く存在しません。ただし、株式会社マイクロウェーブがサービス提供する「@葬儀」ではオンライン葬儀で焼香ができる機能を提供しています。
@葬儀では葬儀の様子を配信した動画の画面の横に、故人の遺影の画像があり、その下に「焼香する」と書かれたボタンがついています。そのボタンをタッチかマウスでクリックすると、遺影に煙がかかる演出がされます。これでインターネットからでも焼香をすることができるのです。
利用したサービスに焼香の機能が無い時は?
では@葬儀のような焼香機能がないオンライン葬儀の焼香はどうしたらよいのでしょうか。その場合は、普通の焼香となるべく同じ事をすればよいでしょう。まず動画を再生している画面に一礼し、右手でつまむ動作とパラパラと落す動作を行い、手を合わせ、また一礼をします。
上で紹介した@葬儀の焼香ボタンは実際の焼香とはだいぶ違った演出になっているので、焼香ボタンがあっても上記の動作を行った方が良いでしょう。つまり、焼香をする動作よりも、故人を弔ってあげたいというその気持ちが一番重要ということなのです。
実際にオンライン葬儀をした人たちの感想では、焼香の代わりにチャットで故人への思いを語るという様子が見られたということです。普通の葬儀では皆が焼香をしている間は喋ることができませんが、オンライン葬儀では迷惑をかけずに故人について話すことができます。これがオンライン葬儀の新しいお葬式の形と言えるでしょう。
今後予想されるオンライン葬儀の焼香
以前、ソフトバンクが提供するロボット「Pepper」が僧衣を着てお経をあげるお葬式が提案されたことがあります。その当時は時期尚早のせいかまともに取り合う人は見られませんでしたが、今では住職の新型コロナウイルス感染を防ぐために手段な方法なのではないかという声があります。
その事例から今後、Webで焼香ボタンを押すと、ロボットが式場で焼香を行ってくれる、というサービスが登場する可能性が高いと言えるでしょう。ロボットによる焼香の代行は、僧侶をロボットにするよりは抵抗は少ないはずです。
それは飛躍した予想としても、オンライン葬儀向けの自宅で焼香ができる香炉や抹香のセットが販売されることはあるでしょう。どのような方法が定着するにしても、式場で焼香が出来ないことはオンライン葬儀の普及の妨げになることはないと思われます。
オンライン葬儀の焼香はまだ定まった作法は無い
オンライン葬儀の焼香について説明をしましたがいかがでしたでしょうか。オンライン葬儀はまだ登場したばかりで、決まった作法と言うのが確立していません。焼香ボタンを押すだけというスタイルが定着するとは限らず、別のより相応しい作法が定まって行くかもしれませんね。
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