神道のお墓の特徴は?そのお墓の由来やお墓参りのマナーも!

公開日 : 2020/7/16

更新日 : 2020/9/10

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神道のお墓は仏式のお墓に似てはいますが、よく見ると形や彫刻など違っている点があります。家族や親族、または自分自身が神道のお墓を建てたいという場合など、また神道のお墓をお参りする際のマナーなども合わせてぜひ参考にしてみてください。

公開日 : 2020/7/16

更新日 : 2020/9/10

目次

神道とは?

神道とは日本の土着、つまり長く住み着いている宗教です。「森羅万象に霊性が宿る」として、動物や植物、生命の無いものでも山、岩や滝などに神や神聖なものの存在を認め、それぞれに伝説が生まれ、畏敬の念をいだき儀礼や祭を行ってきました。

 


教祖や教典、教団などを持つ宗教団体とは一線を画し、むしろ人々の日常生活に密接に結び付く形で現存しています。神道という言葉自体、西暦538年に伝来した仏教と区別するために作られたものでした。

現代の神道

現代の神道は絶対的な神や全知全能の神を認めず、神社を中心として霊的特性を持つ八百万の神々を崇敬すると定義されています。日本人の持つ自然に対する畏敬の念に寄り添うように存在し、環境保全などの意味合いからも海外から注目されることも増えてきました。

神道のお墓の特徴は?

神道のお墓には、仏式と違う特徴があります。その形や文字などの特徴を見ていきましょう。

お墓の形

神道のお墓も仏式と同様に台座があり、そこに棹石を乗せるのは変わりません。ただ、仏式よりも全体的にシンプルに、派手さの無い印象があるでしょう。ただ、その棹石に仏式との違いがあります。

 


神道に多いこのお墓の形は、「兜巾型(ときんがた)」と言います。長方形のような形の仏式のお墓と違い、竿石自体が長くその先端が四角錘の形でとがっています。これは、三種の神器の一つ、天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)を表しています。

天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)とは?

天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)は、名古屋市にある熱田神宮の御神体です。これは、スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治した時に、その尾から出てきたとされる剣とされてきました。

 

この神器がお墓に使われる所以は諸説がありますが、その守護を得るため、先祖信仰の一端なのかお墓そのものを神のように見立てるため、などと言われています。

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お墓の文字

神道のお墓の特徴は、刻まれる文字にもあります。

お墓の正面

神道のお墓の正面には「○○家奥津城(おくつき)」、「○○家先祖代々霊位」という彫刻をよく目にします。奥津城は、奥深い棺を置ける場所という意味があります。(地域により漢字が違うことがあります)

その他に刻む文字について

神道では生前の名前の後に称名と尊称を足して、神霊としての名前を付けます。これは、霊号、諡(おくりな)、諡号(しごう)と呼ばれます。亡くなった年齢と性別で決められるので位の差なども無く、神主が付けるというものでもないので料金などもかかりません。

 


また、お墓の横に没年月日である帰幽日、享年などを刻んだ霊標を置くこともあります。ただ、仏式を同じく必ず置くというものではないでしょう。

建てる場所

お寺にはお墓が建っているのを多く見かけるでしょう。しかし、神社にお墓が建っているのを見かけた方はいるでしょうか?神道では、死は「穢れ」であり、神域のなかにはお墓は建てられないのです。それでは、神道のお墓はどこに建てるのでしょうか?

神道専用墓地

神道専用の墓地は、神社が経営母体として神社と土地を切り離して専用の墓地を持っていることもあります。神社として供養もしてくれることも多いので、信仰心の強い方や故人が望む場合などはおすすめです。

お寺

神道のお墓を建てることを認めているお寺もあります。先祖代々の菩提寺があり、しかし故人本人は神道のお墓を望むという場合など、一度相談してみると良いでしょう。ただ、檀家になる必要があったり、建立中にトラブルにならないようによく確認する必要があります。

霊園

神道のお墓をもっとも建てやすいのは、公営・民営の霊園でしょう。自治体管理の公営の霊園は宗教不問のことが多いこと、また経営が自治体なので安心できるというメリットがあります。

 


民営は宗教不問であることが多いこと、またサービス面や生前購入などができるなどのメリットがあるでしょう。ただ、経営母体が宗教法人である場合は、宗教不問でない場合があるので、よく確認しましょう。

仏式との違い

神道のお墓と仏式のお墓はよく似ています。どちらも、お墓を建てる行為としては宗教上の理由より、祖先を祀る、祖先を思いやる行為としてお墓を建てるからです。似て非なる特徴をまとめます。

墓石への彫刻

仏式では、仏式のお墓では墓石には「○○家之墓」など、先祖代々の墓であることが分かるようになっていたり、宗派のお題目などが彫られていることが多いでしょう。神道では奥津城が使われることが多くあります。

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戒名と霊号

神道では戒名はありません。仏式では、故人は仏の弟子になると考えられ戒名が付けられますが、神道において故人は子孫や地域の守り神、氏神になると考えられていることによります。霊号は年齢と性別に選り、戒名のようなランクは無いのも違いです。

命日と帰幽日

命日を神道では帰幽日といいます。神道の世界を表す言葉は、現世(うつしよ)と幽世(かくりよ)があります。生を受けている現世、死によって幽世に帰るという考え方です。そのため、命日ではなく帰幽する日として帰幽日といわれます。

墓誌と霊標

戒名や享年を刻むものを仏式では墓誌といいます。神道のお墓においても、同様の石碑を置くことができ、それは神道のお墓においては霊標(れいひょう)と呼びます。刻まれるものは、帰幽日や享年などで仏式を大きく変わりはありません。

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お線香をあげない

仏式ではお線香の香りは故人の食べ物、またお参りする人の心身を清める、また仏様と繋がるという意味などがあり、お墓参りなどではお線香をあげます。神道ではお線香を上げることはしないので、神道のお墓には香炉はありません。

台石

神社には八足台、八足案という場所があるのをご存知でしょうか。神社には、白木で八本足の台があり、神様への供物をおく場所となっています。神道のお墓にもこれに見立てた台石があり、榊やお供え物はここに置くようになっています。

穢れについて

お墓を建てる場所について、仏式では檀家になっているお寺に建てることも多いでしょう。しかし、神道では死者は穢れと言われ、神社にお墓を建てることは出来ません。しかし、読み方は「けがれ」ですが、もちろん死者が汚れているということではないでしょう。

 


諸説ありますが、亡くなったことで落ち込んだ魂や精神的に辛い親族などの状態は、神社のパワーを弱めてしまうと言われており、そのため神社にはお墓は建ててはいけないといわれています。

お墓参りはどうするの?

お寺のお参りと神社のお参りは違います。そのマナーで、困ってしまった方もいるのではないでしょうか。通常のお墓参りにおいても、神道と仏式のお墓では違う所があります。

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神道のお墓参りはいつする?

神道では故人は氏神様になります。そのため、いわゆる仏式の法事は「霊祭(みたままつり)」と呼ばれます。その祭の日は「斎日(いみび)」といわれ、供養つまりお墓参りはその前後に行います。

毎十祭

毎十祭は亡くなってから10日毎の祭りで、10日、20日、30日、50日まであります。50日で「清祓の儀(きよはらいのぎ)」を行うことで、一つの節目、忌明けとなります。

 

10日と50日が最も重要とされているので、その他は簡素化してもこの日は神主による玉串奉奠など諸行事が必要になるでしょう。

式年祭

仏式の一周忌などの年忌法要と似た祭は、式年祭として行われます。1年、3年、5年、10年まで行った後は、10年ごとになります。没年月日を中心にして行われますが、規模は地域性や家族性でさまざまになってきています。

お朔日詣り

神道において毎月1日というのは、特別な日です。前月無事に過ごせたこと、次の1か月を無事に過ごせるようにという祈念の日なのです。そこで、神道のお墓参りも1日に行う方が多いでしょう。

お墓参りの準備

神道のお墓の場合は、故人は氏神様になっているので神様に対するお参りをする準備をしましょう。仏式のお墓は花を飾ることが多いですが、神道では玉串を奉納します。また、神様への食事(神撰)として、水や米、お酒などをお供えします。

 


お線香を上げることは神道では無いので、お線香の準備は要らないでしょう。また数珠も、仏式の御経などの際に使うものなので不要です。神様へのお供えである、奉納するということをベースに考えましょう。お墓の掃除道具は仏式と同様です。

お墓参りのマナー

お墓参りでできるだけ派手な服装は避け、シンプルなスタイルや化粧でお参りするのは一般的なマナーとして変わりありません。喪服等は地域性に合わせましょう。

 

また、合唱礼拝は神社の参拝と同様、二拝二拍手一拝です。また、参拝ではしっかり音を立てて拍手しますが、忌中は音をたてずにしのび手で行いましょう。

まとめ

神道のお墓は、仏式のお墓と似ていますが、亡くなった後に故人がどのようになるかという考え方の違いを理解すると分かりやすくなるでしょう。神道では故人は氏神様、つまり神様になるので、お墓の意味合いもそれに沿ったものになります。神道のお墓の意味を知り、故人や家族などが気持ちよく準備できるようにしていきましょう。