西原博史さんの葬儀 |思想・良心の自由を追求した法学者、59歳で逝去

公開日 : 2020/6/30

更新日 : 2020/9/9

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西原博史さんは早稲田大学で教鞭をとり、「思想・良心の自由」を重んじる法学者でした。西原博史さんが亡くなると早稲田大学で、葬儀ではなくお別れ会が執り行われました。今回は西原博史さんのプロフィールとお別れ会とは何か?会の特徴や葬儀との違いについて解説します。

公開日 : 2020/6/30

更新日 : 2020/9/9

目次

西原博史さんのプロフィール

西原博史さんは早稲田大学で教鞭をとり、「思想・良心の自由」を重んじる法学者でした。国家権力の暴走で、国民の人権が侵害されることを強く戒め、弱い立場の方々に寄り添った社会の実現を目指した人物です。

 

こちらでは、西原博史さんのプロフィール、そして研究で貫いた個人の自由について解説しましょう。

早稲田大学の学生から研究者の道へ

西原博史さんの実父は刑法学者で元早大総長である西原春夫氏です。また、刑事政策を研究し早稲田大学名誉教授である須々木主一氏は、西原博史さんの叔父にあたります。

 

西原博史さんも早稲田大学法学部へ進学しました。1992年には同大学の社会科学部専任講師として母校で教鞭をとります。

 

その後、1994年には同助教授、1999年同教授となり2004年には同社会科学総合学術院教授となります。そして2014年に同社会科学部長へ就任します。

 

西原博史さんが主に研究してきたのは思想・良心の自由、基本的人権の基礎理論、福祉国家と憲法、平等権等についてです。

思想・良心の自由の大切さを主張

思想・良心の自由を研究してきた西原博史さんですが、特に「子どもの心の自由」へ着目し、教師が子どもの人権に対して危険な存在である、という見解を示しています。

 

教師の独善的な教育権(教育の自由)の主張は、子どもの無権利状態を容認し続けていると厳しく批判しました。

 

子どもが自律した人格へと成長する権利(思想・良心の自由)こそ、大切に守らなければならない権利と出張しています。

 

子どもの個々人の自由は、教育する側の大人の都合で縛ってはいけないと論文等で論じています。

 

また、政府の教師への「君が代」斉唱参加の強制は、思想・良心の自由の侵害行為を助長する措置と指摘しました。

西原博史さんの葬儀について

弱い立場の方々の権利を守る研究に打ち込んできた西原博史さんですが、2018年1月22日深夜午前0時頃、不運な交通事故でお亡くなりになりました(享年59歳)。

 

葬儀がどのように行われたかは報じられていないものの、2018年1月27日に早稲田大学国際会議場・井深大記念ホールで、西原博史さんの「お別れの会」が執り行われました。

 

このお別れの会は、仏式・キリスト教式という宗教的な儀式というわけではなく、また開催時期・場所にとらわれず故人を偲ぶスタイルがとられます。

西原博史さんはお別れ会で見送られた

前述したように西原博史さんは、お別れ会で多く大学関係者、学生の方々に見送られました。お別れ会と聞けば「葬儀の一部なのか?」「告別式の一種?」と、なかなかピンと来ない人もいることでしょう。

 

こちらでは、お別れ会の特徴と、会の流れ、参加する時のふさわしい服装等について解説します。

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お別れ会とは

お別れ会とは、葬儀自体は家族でのみ執り行い火葬を行った後、日を改め故人の友人・知人を集めて開催する偲ぶ会を言います。

 

お別れ会は仏教やキリスト教のような宗教色が薄く、何日までに実施しなければいけない、と言う決まりはありません。

 

とはいえ、お別れ会は一定の形式に則って執り行われるケースが多いです。主に次のような形式があげられます。

 

  • パーティー形式:一見、故人を偲ぶ会のイメージとかけ離れていますが、会場・料理を立食のビュッフェ形式にして、ざっくばらんに食事をしながら故人の思い出話を行うスタイルのお別れ会です。
  • セレモニー形式:葬儀・告別式の雰囲気と近い形でお別れ会をしたいとき、このスタイルが選ばれます。故人の経歴紹介、発起人挨拶等、やはり葬儀・告別式と似た手順で執り行われます。
  • 法人の行うお別れ会:法人主催する「社葬」や「団体葬」もお別れ会の形式の一つです。宗教的な儀式と言うより、会社へ貢献した社員を企業主催により自由なスタイルで偲ぶお別れ会です。

 

宗教色が薄く、概ねざっくばらんに執り行われるお別れ会ですが、お祝いの席と言うわけではありません。参加者がお酒を飲んで大声で騒ぐ等、会の進行の妨げになるような行為は慎みましょう。

お別れ会を開催する前に

お別れ会の準備は、簡易な流れで行うならば数日程度、規模の大きさやそれなりの参加人数、ホテルの手配等を行う場合は2ヶ月程度が準備期間です。

 

西原博史さんの場合は、お亡くなりになった1月22日から数日後の1月27日に、早稲田大学国際会議場・井深大記念ホールで執り行われました。

 

大学構内を会場にして行われたこと、また西原博史さんが早稲田大学の功労者であったことが、お別れ会の開催をスムーズに進められた理由と言えます。

 

しかし、一般の方々のお別れ会は会場の予約や、どのような式典内容とするかでそれなりに長い準備期間を要する場合もあります。

 

また、参加してもらいたい方々へ送付する、案内状の準備も忘れずに行う必要があります。

お別れ会の準備

まずは葬儀業者にお別れ会の開催を相談します。それなりに大人数や規模の大きな会を望むなら2か月前あたりから、準備することが無難です。

 

  1. [会の2ヶ月前〜4週間前]式典内容を決め、会場の場所・日時も決めます。場所・日時が決まり次第、参加してもらいたい方々へ案内状を送付し、出欠確認をします。
  2. [会の3週間前]会場の下見を行い、出席者のリストを作成します。弔辞者の選定し依頼しましょう。
  3. [会の3週間前]お別れ会の式典内容の確認をします。見積もりも慎重にチェックします。
  4. [会の1週間前]出席者の人数確認を行い、会でふるまう飲食物の最終発注を行います。

 

お別れ会の場所については宗教色を可能な限り排して、参加者に会食してもらいながら、ざっくばらんに故人を偲んでもらいたいなら、ホテルやレストランを選びましょう。

 

一方、葬儀や告別式のような雰囲気で行う場合は、葬儀場またはセレモニーホールを利用した方が無難です。

案内状の送付を忘れずに

会場・日時が決定し予約もしっかり行ったら、参加してもらいたい方々へ「案内状」を送りましょう。返信はがき等も同封し出欠の確認をします。案内状の内容は次の通りです。

 

  • 会の開催
  • 会の開催日時・開催場所
  • 出欠確認
  • 連絡先
  • 会費制・服装等についての注意事項

 

会費制(約8,000円が相場)で香典を受け取らない時、香典は不要である旨を明記しましょう。また、平服で来てもらいたい場合、喪服での参加は不要であることも記載します。

お別れ会の流れ

お別れ会の式典内容は必ずこう進行しなければいけない、と言う決まりはありません。こちらでは式典の流れの一例をあげましょう。

 

  1. お別れ会の受付を行います。
  2. 遺族や参加者が入場します。
  3. 主催者の挨拶
  4. 故人の冥福を祈り、黙祷します。
  5. 故人の経歴を紹介します。
  6. 遺族・親族代表の挨拶や友人代表の挨拶、追悼の言葉・弔電を紹介します。
  7. 司会者が挨拶し、献杯します。
  8. 参加者が会食、歓談します。
  9. 遺族代表が挨拶を行い、閉式の辞で会は終了します。

 

閉式の辞の後は記念写真の撮影が行われる場合もあります。参加者が退場する際はお見送りの時、簡単な手土産を渡した方が喜ばれるはずです。

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お別れ会の服装

参加する方々は案内状に「平服でお越しください。」と書いてあると、どんな服装が無難なのか迷われるかもしれません。

 

当然ながら、お別れ会の雰囲気を乱すような派手な服装やアクセサリー、きつい香水はマナー違反です。

 

葬儀や告別式ほど服装やマナーに厳しくなくても、参加する場が故人を偲ぶ場であることは自覚するべきです。

 

こちらでは、お別れ会に相応しい服装について解説します。

相応しい服装とは?

まずは案内状の内容をしっかりチェックしましょう。とはいえ、お別れ会の場合は平服での参加を求められる場合が多いです。

 

平服の参加を希望されている時は、男性は黒や紺の地味なスーツや、派手さを抑えたジャケットの着用なら問題はありません。

 

女性の場合は、派手で肌の露出が多い服装は避け、派手さを抑えたドレスやワンピース、スーツでOKです。

服装の注意点

生前、故人からお世話になったので、お別れ会に喪服で参加したい人もいるはずです。喪服での参加は、主催者もその思いを汲んでくれるはずです。

 

葬儀場またはセレモニーホールでお別れ会を行う際、喪服で参加するのも間違いではありません。しかし、会場がホテルやレストランの場合は注意が必要です。

 

ホテルやレストランが会場であるときは、喪服で着用する黒ネクタイ等は控えなければいけないケースもあります。

 

お別れ会の場に相応しい服装で参加する時は、案内状の注意事項をよく読んで、服やアクセサリーを選んだ方が良いでしょう。

西原博史さんが貫いた信念

西原博史さんは、強い立場の人間・組織が弱い立場の方々を過剰に統制するやり方へ、異議を主張し続けた法学者です。

 

彼が追求した思想・良心の自由。残念ながら我が国で浸透するには、まだまだ時間がかかることでしょう。しかし、その信念が決して潰えたわけでありません。

 

西原博史さんの遺志は早稲田大学とご友人・知人、そして彼が教鞭をとった教え子の皆さんたちに受け継がれることでしょう。