梅宮辰夫さんの葬儀 |昭和の大スターが選んだ余生や葬儀とは

俳優業だけでなく、釣り好き、料理が好きなことでも知られていた梅宮辰夫さん。いったい、彼はどのような葬儀のかたちを選択したのでしょうか。まずは、梅宮辰夫さんのプロフィールについて詳しく解説していきます。

梅宮辰夫さんの実家は、内科や小児科を診療科目とする梅宮医院です。そのため、梅宮辰夫さんは後継ぎとして医師になることを期待されて育ちました。しかし、医学部を受験するも不合格となってしまいます。

その後、医師への道をあきらめた梅宮辰夫さんは日本大学法学部へ進学し、銀座でスカウトされたことがきっかけで芸能界入りします。1958年、人気俳優への登竜門とされていた東映ニューフェイス5期生に合格し、翌年には初の映画で主演デビューを飾るのです。

1960年、東映が全力をかけて育てていた先輩俳優が亡くなってしまいます。次世代のスターを探し始めた東映は、その座に梅宮辰夫さんを推挙したのです。梅宮辰夫さんは、あっという間に大スターへの道を駆け上がっていくのでした。

当初、梅宮辰夫さんに与えられていた役柄は、ヒーローや硬派な役でした。しかし1965年、俳優として人気が出るとともにだんだんと私生活が派手になり、そこにヒントを得たプロデューサーが女性泣かせのプレイボーイ役を梅宮辰夫さんに当てるのです。

私生活でもそのままにプレイボーイだった梅宮辰夫さんは、この役が当たり役となって芸能界で大ヒットします。「夜の青春シリーズ」「不良番長シリーズ」「帝王シリーズ」に出演し、梅宮辰夫さんは世の女性を瞬く間にとりこにしていったのでした。

世の女性たちのアイドルだった梅宮辰夫さんは、1973年に終戦後の広島ヤクザ抗争を描いた「仁義なき戦い」に出演します。土居組の若頭役を好演した梅宮辰夫さんは、昭和の大スターとしての地位を確立していくのです。

1975年には「北の国から」で有名な倉本聰のテレビドラマに渋い板前役で出演し、演じる役の幅をどんどんと広げていきます。また、「はぐれ刑事純情派」や「特命係長 只野仁」では主役だけでなく、脇役としても圧倒的な存在感を放つ俳優へと成長していくのです。

1985年、梅宮辰夫さんの活躍は、バラエティの場にも広がります。「くいしん坊！万才」の6代目リポーター就任を皮切りに、趣味の料理や釣りを活かし、「料理の鉄人」や釣り番組にも出演していくようになるのです。

1994年以降には、娘の梅宮アンナさんの恋愛トラブルを度量と経済力で片付ける頼もしい父親としてもワイドショーでクローズアップされていきます。梅宮辰夫さんは、移り変わりの速い芸能界において、なくてはならない中心的な存在になっていくのでした。

晩年の梅宮辰夫さんは、俳優業で活躍するとともに、吉本芸人のダウンタウンやロバート秋山など若手芸能人とも交流するようになっていきます。しかし、2018年9月には前立腺がん、2019年1月には尿管がんを患うなど闘病生活に突入してしまうのです。

闘病中の梅宮辰夫さんの近影を紹介したアンナさんのブログでは、どれだけのファンが変貌ぶりに胸を痛めたことでしょう。そしてついに、2019年12月12日に梅宮辰夫さんは帰らぬ人となってしまうのです。

梅宮辰夫さんはがんの闘病中だったので、死因もがんではないかと思われがちです。しかし、直接的な死因は腎不全です。ここでは、梅宮辰夫さんの死因となったいきさつについて詳しくお伝えしていきます。

昭和の大スターであるだけでなく、娘のアンナさんの私生活についても父親として強力にサポートしていた梅宮辰夫さんは、「闘病」という言葉が不似合いなくらいに屈強なイメージのある男性でした。

しかし、そんな梅宮辰夫さんは、生涯で6度ものがんに見舞われることになってしまいました。一番初めに罹患したのは妻のクラウディアさんと結婚した2年後の1974年で、睾丸腫瘍でした。このとき、梅宮辰夫さんはなんと余命２ヶ月を医師に宣告されてしまったそうです。

化学療法の甲斐あって、梅宮辰夫さんはがんを克服します。当時2歳だった娘のアンナさんの存在もあってか、梅宮辰夫さんは病気をきっかけに夜遊びを卒業し、健康的な生活を心がけるようになったそうです。

釣り好きの梅宮辰夫さんは、余生を神奈川県の真鶴で過ごしていました。がんの闘病に励みながら、週に3回ほど人工透析を受ける日々を送られていたようです。しかし、2019年12月12日に、真鶴の自宅で就寝中に意識を失ってしまいます。

梅宮辰夫さんは、異変に気づいたクラウディアさんによって自宅から20km程距離がある小田原市の病院に救急搬送されました。東京にいた娘のアンナさん、孫の百々果さんが病院に駆けつけますが、慢性腎不全のためそのまま帰らぬ人となってしまうのです。

末期の慢性腎不全に対する根治療は腎臓移植しかないそうです。娘のアンナさんが自分の腎臓を移植することを提案し、梅宮辰夫さんも喜んでいたそうなのですが、「移植してもその腎臓にがんが移る」との医師の判断で断念することとなったのです。

梅宮辰夫さんが永眠されると、すぐさま訃報がマスコミによって報道されました。このときのテレビやネットの報道で、梅宮辰夫さんが真鶴で余生を送っていたことを初めて知った人も多いのではないでしょうか。

真鶴とは、神奈川県足柄下郡にある町の名前です。真鶴は釣り場が多く漁港もあったので、釣り好きの梅宮辰夫さんにとっては余生を過ごす地として理想的であったのでしょう。また、温泉地として有名な湯河原はお隣にあるので、病気の湯治にも最適です。

そんな真鶴の町に、白亜の豪邸がそびえていました。もともとは、梅宮辰夫さんが別荘として使っていた家だったようです。相模湾が一望できる断崖に建っており、インスタなどでも「梅宮辰夫の真鶴の家」として画像と共に有名になっていました。

好きな釣り三昧になれる真鶴で余生を送っていた梅宮辰夫さんでしたが、本宅はいったいどうなっていたのでしょうか。実は、梅宮辰夫さんの本宅は高級住宅街として有名な渋谷区松濤にありました。

しかし、梅宮辰夫さん亡き後、娘のアンナさんが松濤の家を維持していくのは大変ということで、本宅は生前整理することになったそうです。高級住宅街の松濤は地価が高く、固定資産税もケタ違いで、土地や建物の維持は大変だといわれています。

そのため、別荘として使用していた真鶴を本宅とすることになったのでしょう。梅宮辰夫さんは真鶴漁港によく顔を出したりして、地元の方達と積極的にコミュニケーションをとっていたそうです。

残される家族を想って生前整理をしていた梅宮辰夫さんですから、きっとご自身の終活についても精力的であったのではないでしょうか。ここからは、梅宮辰夫さんの選んだ葬儀についてご紹介していきます。

梅宮さんの葬儀は死去されてから2日後の2019年12月14日に東京・町屋斎場で近親者のみの密葬形式で執り行われました。

また、梅宮さんのお別れ会は、新型コロナウイルスの感染予防の観点から一周忌を迎える今年12月に行われる見込みです。

梅宮辰夫さんの葬儀の喪主は、妻のクラウディアさんが務めました。しかし、クラウディアさんは梅宮辰夫さんの死で憔悴しきっていたといわれています。そのため、実質的には娘のアンナさんがリーダーシップをとっていたものと思われます。

梅宮辰夫さんの眠る棺には、生前の梅宮辰夫さんの好物だったコーヒーや昆布、ハイチュウなどが納められたそうです。また、清泉インターナショナルスクールに通う孫の百々果さんは、英文で書いたお別れの手紙を棺に入れたといいます。

娘のアンナさんは、葬儀で「最高のパパだった」とあいさつされたそうです。梅宮辰夫さんの無償の愛を注がれてきたと公言しているアンナさんは、きっと葬儀で立派な姿をお父さんに見せたことでしょう。

梅宮辰夫さんの葬儀の参列者は、約100人だったといわれています。クラウディアさん、アンナさん、百々果さんら家族や親族を始め、テリー伊藤やせんだみつおさん、ダウンタウンの浜田雅功さんらが参列したそうです。

親戚である高橋克典さんは、この日、偶然にも斎場の近くで撮影を行っていたといいます。しかも、そのときの撮影スタッフは梅宮辰夫さんも出演されていた「特命係長　只野仁」の撮影チームだったそうです。

そのため、みんなで梅宮辰夫さんの葬儀に駆けつけ、何とか出棺には間に合ったそうです。梅宮辰夫さんは家族や仕事関係者など、愛する多くの人に最後を見送ってもらうこととなりました。

梅宮辰夫さんの戒名は、「浄海院和譽辰照居士」といいます。海という文字を入れており、釣りが好きだった梅宮辰夫さんらしさあふれる戒名となりました。もしかすると、葬儀前に生前戒名を準備されていたのかもしれません。

また、アンナさんのブログには、梅宮辰夫さんの骨壺を安置した祭壇が写っています。骨壺の覆は町屋斎場のものと思われる特金欄です。これらの収骨容器に関しても、家族間で梅宮辰夫さんらしさあふれるものを選ばれていたことでしょう。

梅宮辰夫さんの葬儀が行われたのは、東京の町屋斎場です。この斎場は公私ともに盟友だった松方弘樹さんが最後に選んだ場所でもありました。そのため、梅宮辰夫さんは生前に「最後はここで」と、家族に託していたのではないでしょうか。

町屋斎場は10もの式場と12もの火葬炉を兼ね備えた葬式場です。火葬場が式場から離れている場合もあるので、同じ敷地内にある町屋斎場は家族や親族が移動する労もなく、便利な式場であったといえるでしょう。

梅宮辰夫さんと松方弘樹さんは、公私ともに盟友だったといわれています。最後は同じ場所で葬儀をしたいと願うほど仲が良かったふたりの関係とは、いったいどんなものだったのでしょうか。

梅宮辰夫さんと松方弘樹さんは、ふたりとも東映で大活躍した昭和の大スター同士です。「仁義なき戦い」など共演歴が10回、趣味が釣りという共通点もあり、親交を深めていったのでしょう。

晩年はお互いに闘病を繰り返し、お互いに病院でお見舞いし合ったといわれています。松方弘樹さんを看取った梅宮辰夫さんは、「すぐに俺も行くからな」とつぶやいたそうです。今頃は、ふたり揃って天国で釣りを楽しんでいるのではないでしょうか。

梅宮辰夫さんの葬儀を終えた後、娘のアンナさんが梅宮辰夫さんの闘病中の様子について語りました。屈強なイメージの梅宮辰夫さんは、どのように病気と向かい合っていたのでしょうか。

娘のアンナさんによると、闘病中の梅宮辰夫さんは人が変わったように攻撃的になることもあったようです。「病気が梅宮辰夫さんを変えてしまった」とアンナさんもわかってはいたものの、どうしても喧嘩に発展してしまうこともあったと語られています。

梅宮辰夫さんは、余生を過ごしていた真鶴から車で往復4時間もかかる病院へ、週3回人工透析に通っていたそうです。また、唯一の根治の希望であったアンナさんからの腎臓移植も断念したことから、気持ちが荒むこともあったのでしょう。

梅宮辰夫さんは、周囲に「アンナのことが心配」「釣りがしたい」と様々な気持ちを吐露していたようです。死期が近づく元気ではない自分を憂い、感情的になってしまっていたのかもしれません。

アメリカで生まれたクラウディアさんは、父親の仕事の都合で日本にやってきました。しかし、父親の再婚相手と折り合いが悪く、家出して銀座で働くようになったところで梅宮辰夫さんと結婚することになったのです。

人生における環境変化の積み重ねに心労も蓄積されていたことでしょう。渋谷区松濤から真鶴に引っ越した後、梅宮辰夫さんの妻・クラウディアさんは膠原病を発症してしまいます。梅宮辰夫さんの病状や、引っ越しによる環境の変化が大きなストレスとなってしまったようです。

発症時期は、梅宮辰夫さんが尿管がんで入院していた2019年1月のことだそうです。クラウディアさんは、ステロイド治療の影響で骨折してしまいます。梅宮辰夫さんの隣の病室に入院されていたそうで、現在は杖をつきながら歩けるようになったそうです。

梅宮辰夫さんは人工透析に通う毎日、クラウディアさんは膠原病を発症、さらにはアンナさんの娘・百々果さんまでもが体調を崩してしまいます。なんと、ギランバレー症候群の疑いがあり、入院することとなったのです。

時期は2019年2月のことだったので、梅宮家ではアンナさん以外がいっせいに病気にかかってしまったことになります。結果的に百々果さんは精神的なことが原因の体調不良で、ギランバレー症候群ではなかったようです。

もしかすると、百々果さんは梅宮辰夫さんの死期が近づくストレスで疲れてしまったのかもしれません。家族が次々と病に倒れる間、アンナさんは気丈に振る舞っていたといわれています。晩年の梅宮辰夫さんにとって、アンナさんは頼もしい存在であったのではないでしょうか。

町屋斎場を葬儀の場に選んだ梅宮辰夫さんですが、お墓はどこにするかはまだ決まっていないようです。梅宮辰夫さんのお墓やお別れ会についてご紹介します。

梅宮辰夫さんが亡くなったのは、2019年12月12日です。年明けには、世界中に大パニックを巻き起こしたコロナウイルスが蔓延してしまいます。芸能界にも感染者や死者が出て、大変な事態となりました。

世の中ではステイホームが叫ばれているため、梅宮辰夫さんの葬儀後のお墓決めについては、もしかすると難航している可能性があります。しかし、アンナさんやクラウディアさんによって、きっと梅宮辰夫さんらしいお墓に入ることになるのでしょう。

梅宮辰夫さんの四十九日法要は、東京・品川区内の寺院でしめやかに営まれたそうです。この時点では、お墓はまだ決まっていないとのことでした。しかし、四十九日法要が行われているので、こちらの寺院の縁の墓地に眠る可能性が大きいのではないでしょう。

もしかすると、釣りや海をこよなく愛していた梅宮辰夫さんだけに、お墓には入らず海へ散骨となることも考えられます。現在はお墓の情報については公開されていないので、また決まり次第発表されることもあるでしょう。

梅宮辰夫さんのお別れ会の日程や場所も、お墓と同じく未定です。盟友だった松方弘樹さんのお別れ会は、東京プリンスホテルで約半年後に開かれているので、きっと同じくらいの時期に開催されるのではないでしょうか。

もしかすると、葬儀が執り行われた町屋斎場と同じく、お別れ会も松方弘樹さんと同じ東京プリンスホテルで行われる可能性もあります。ただし、コロナウイルスの影響で、半年後にこだわらず、終息後に行われる可能性も高いです。

多くの人に愛されていた梅宮辰夫さんですから、お別れ会の詳細が決まれば、きっと多くの人が足を運ぶことになるでしょう。ファンが梅宮辰夫さんを追悼できる機会も、作られるかもしれません。

昭和の大スターだった梅宮辰夫さんの余生や葬儀についてご紹介しました。梅宮辰夫さんは、盟友と同じ場所での葬儀を選択しました。葬儀に悩んでいる方は、梅宮辰夫さんのように尊敬する人の最後を参考にしてみるのもよいのではないでしょうか。