星野仙一さんの葬儀 |燃える男・闘将の選んだ最後とは？

星野仙一さんがどのような葬儀スタイルを選んだのかは、プロ野球ファンならずとも興味深いところであるでしょう。実際に選んだ最後についてお話しする前に、星野仙一さんの詳しいプロフィールからご紹介していきます。

星野仙一さんは岡山県倉敷市の出身です。倉敷商業高等学校の野球部に所属していましたが、意外なことに甲子園出場は叶わぬ夢でした。その後、当時の野球部監督に勧められ、明治大学の政治経済学部に進学します。

早稲田大学の鉄壁に阻まれリーグ優勝には届かなかったものの、大学2年生の秋に立教戦でノーヒットノーランという輝かしい記録を打ち立てます。そして、21歳のときにプロ野球ドラフト会議で1位指名を受けた中日ドラゴンズに入団することとなるのです。

入団して3年目にエースナンバーである20番を背負うことになった星野仙一さん。ピッチャーとして大活躍し、入団6年目には最多セーブ投手として沢村賞を獲得します。また、打倒巨人に燃え、2度のセントラルリーグ優勝に貢献し、胴上げ投手にもなりました。

1983年、36歳のときにプロ野球界から引退します。コーチに就任するのではないかと噂されていましたが、引退後の3年間はNHKで野球解説者をしたり、NHKのスポーツ番組でキャスターを務めたりしていました。

芸能界の人気者になりつつあった星野仙一さんでしたが、1986年の39歳のとき、満を持して中日ドラゴンズからの監督要請を受理します。星野仙一さんのスタイルは、実績のない若手を積極的に登用し、さらに鉄拳制裁でスター選手へ叩き上げるという大胆な育成法でした。

そして、監督1年目の広島戦では乱闘に参加して回し蹴り、翌年の阪神戦では塁審に暴言を吐き2年連続で退場処分を受けるなど、星野仙一さんはアツすぎる監督しても有名になっていくのです。成績不振で中日の監督を辞した後、2001年には阪神の監督に就任しています。

阪神の監督を辞した後、2007年に北京オリンピック野球日本代表監督に就任します。星野JAPANとして北京オリンピックに挑んだものの、結果は振るいませんでした。しかし、星野仙一さんの人気は根強く、2010年には楽天の監督に就任します。

2013年の日本シリーズでは、ついに自身初の日本一の栄冠に輝きました。翌年、楽天のシニアアドバイザーに就任してからは、スポーツ界だけでなく、芸能界や教育の場面でも活躍の場を広げ、たくさんの人に愛されていくのです。

星野仙一さんは感情的になってしまう面も多々ありましたが、そんな素直さが魅力となって多くの野球ファンの心を掴んでいきました。しかし、たくさんの人に愛される星野仙一さんが最後に選んだ葬儀のかたちは、意外なことに少数人数で行われる密葬だったのです。

2018年1月4日午前5時25分、星野仙一さんは亡くなりました。死因はすい臓がんでした。葬儀については、本人の強い意志により密葬で執り行われることとなったようです。密葬とは、家族や友人など近い関係の人だけで行う葬儀スタイルです。

かつての葬儀はできるだけ多くの人に参列してもらい、盛大に故人を見送ろうという傾向が強くありました。しかし最近では残された遺族への精神的負担、経済面での負担軽減から家族メインで荼毘に付す密葬が人気の葬儀スタイルとなってきたのです。

もちろん、交友関係の広い星野仙一さんですから、マスコミ対策もあり、まずは密葬を選んだのでしょう。1月5日にお通夜を、翌日6日の葬儀が執り行われたようです。葬儀場所については、三重県の津市であるという情報が有力であるようです。

星野仙一さんのファンからすれば、葬儀の日時だけでなく、お墓の場所もどこなのか気になることでしょう。しかし、星野仙一さんのお墓の場所は「愛知県名古屋市の霊園」とだけされていて、詳細については明らかにされていないようです。

お墓は先祖代々の眠る場所を選ぶ方もいますし、住居のある市やご縁のあった別の土地に購入される方もいます。また最近では、お墓という終焉のスタイルにとらわれず、樹木の下で眠る樹木葬も人気です。

近頃では、自分がどんな葬儀をして、どんなお墓に入るかは生前に終活しておく方が多いので、星野仙一さんもきっとそうされたのではないでしょうか。

星野仙一さんの葬儀の場所は、三重県津市という情報が有力です。そして、お墓の場所は愛知県名古屋市の霊園とだけされています。しかし、星野仙一さんの永代供養塔が愛知県あま市の瑞円寺内沖之島霊園に建立されたということだけは公表されているので間違いないでしょう。

星野仙一さんの永代供養塔がなぜ瑞円寺の沖之島霊園に建立されたかというと、2000年の瑞円寺本堂建立の際に委員長として尽力があったからだそうです。星野仙一さんの親族と瑞円寺は懇意にされていたとのことです。

瑞円寺は日蓮宗のお寺なので、星野仙一さんの葬儀は日蓮宗のマナーに則って行われた可能性も考えられるのではないでしょうか。自身の終活についてお悩みであれば、ご先祖様がどの宗派であったかを参考にしてみるのもよいのかもしれません。

星野仙一さんは自分の葬儀を「密葬で」と家族に託しました。しかし、星野仙一さんは有名人でもあるので、世の中ややファンに向けてお別れ会や追悼試合が各球団などによって開催されています。

星野仙一さんを偲ぶお別れ会は、東京と大阪の2か所で行われました。日本の主要都市の2か所で開催されるなんて、星野仙一さんのファンが全国に多数いることが想像できます。ちなみに、東京でのお別れ会は2018年3月19日にグランドプリンスホテル新高輪で行われました。

発起人は楽天オーナーの三木谷氏です。大阪でのお別れ会は3月28日にハービスホールで行われました。阪神タイガースのオーナーである坂井氏が発起人となっています。星野仙一さんの葬儀に参加できなかったファンからすると、やっと追悼できたと胸をなでおろせることでしょう。

星野仙一さんの追悼試合も行われました。2018年に3月10日に甲子園球場で開催された阪神・中日のオープン戦が追悼試合です。球場周りに献花台が設けられ、多くのファンがお花を捧げました。葬儀にもお別れ会にも参加できなかったファンにとっては、喜びもひとしおであるでしょう。

確執が囁かれた中日ドラゴンズですが、こちらでも3月3日にナゴヤドームの東北楽天戦で追悼試合があるとアナウンスされました。献花台が用意され、選手たちは星野仙一さんの胸番号と背番号の入った特別ユニフォームを着用して試合に臨むこととなりました。

燃える男の星野仙一さんが選んだ葬儀について詳しくお伝えいたしました。星野仙一さんが選んだのは、家族とゆっくり最後の時間を持てる密葬という葬儀スタイルです。仕事一筋で生きてきた星野仙一さんだからこそ、最後は家族に見守られての過ごし方を選択したのかもしれません。