法事のためのお菓子の選び方と金額相場についてわかりやすく解説

公開日 : 2021/3/23

更新日 : 2021/3/23

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法事に参列する方々は香典のみならず、お花やお菓子を故人へ供えるため会場に持参することがあります。特にお菓子の場合、故人の好きだった物を捧げるのが理想的です。しかし、仏教の行事である以上、制約もあります。今回は法事におすすめのお菓子とその金額相場等を解説します。

公開日 : 2021/3/23

更新日 : 2021/3/23

目次

法事のためのお菓子について

法事に参列する方々は香典のみならず、お花やお菓子を故人へ供えるため会場に持参することもあります。もし、ご自分がお菓子を故人へ捧げたいと感じたら、どんな物を選んだら良いのか迷われるかもしれません。

 

まず法事とはどんな儀式なのか?お菓子を故人へ供える意味について解説しましょう。

そもそも法事とは

法事は故人の冥福を祈る儀式です。法事と似たような法要という儀式もありますが、こちらもまた故人の冥福を祈る儀式であることに変わりありません。

 

法要は供養のため僧侶の読経、祈り・線香をあげる等の仏教的な儀式を指します。一方、法事とは仏教の行事のことを指します。つまり、「読経・線香をあげる等の法要」へその後の会食等も加えたものが法事です。法事をする場合、参列者の会食等も想定して準備する必要があります。

お菓子を供える意味

お菓子を供えるといっても、実際に故人が食べられるわけではありません。このお供えの習慣はインドにあります。インドでは神様を供養する際、特別な来客をもてなすのと同じように行われます。

 

そのため、お供えは仏様・ご先祖等、敬うべき方々に感謝し、おもてなしをするために捧げられる物と考えられていて、その風習が日本に伝わりました。

 

日本では、お菓子に限らず飲食物として「仏飯」「お餅」「果物」もお供え物とされています。「仏飯」「お餅」は故人の遺族が準備します。一方、「お菓子」や「果物」は法事に参列する方々が持参するケースも多いです。

法事のお供え物におすすめのお菓子

法事にお供えするお菓子は、もちろん故人の好きだったお菓子を持参するのが理想です。ただし、すぐ傷んでしまうショートケーキやプリン等、いくら故人が生前に大好きだったとはいえ、さすがに捧げものとしては不適切です。こちらでは、おすすめ和菓子・洋菓子とその金額相場について解説します。

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おすすめ和菓子と金額相場

法事にどんなお菓子を持参して良いかわからない時は、とりあえず「和菓子」を持参した方が無難です。次の和菓子が特におすすめです。

 

  • まんじゅう:定番のお供え物のお菓子。お供えものに選ぶのは一般的に「黄白万頭(こうはくまんじゅう)」。文字通り白と黄色のまんじゅう。ただし、紅白万頭の方は慶事のお菓子なのでこちらを捧げるとマナー違反。
  • せんべい:平たく丸いせんべいのみならず、おかき・あられもおすすめ。小分けになっていて分けやすく、日持ちもするので人気が高い。
  • 豆菓子:大豆・アーモンド等を使用、こちらも小分けになっていて分けやすく、長期保存が可能。
  • ようかん:意外に傷み難く、常温で1年以上持つ物も販売されている。大納言・抹茶・白あずき・柿・黒糖等、バラエティーも豊か。

 

お供え物として持参する和菓子の金額相場は約5,000円~1万円です。当然、お供え物を持参したら香典が不要となるわけではなく、別に香典も包まなければいけません。

おすすめ洋菓子と金額相場

洋菓子は故人が生前に大好きだったり、故人の家族に小さなお子さんがいたりするとき、とても喜ばれるお供え物です。もちろん、保存しやすいお菓子を持参します。次の洋菓子が特におすすめです。

 

  • クッキー:洋菓子ではお供え物の定番。幅広い年代の方々から好まれており長期保存も可能。
  • マドレーヌ:ご年配の方々にも食べやすく人気の高い洋菓子。常温で保存でき、賞味期限も2週間程度と長めの物を選ぶ。
  • カステラ:こちらも常温で保存でき、小さな子供からご年配の方々に好まれる洋菓子。
  • ゼリー:小分けになって分けやすく、小さな子供にも喜ばれる洋菓子。果物が入っている物等、バリエーションも豊富。

 

お供え物として持参する洋菓子の金額相場はこちらも約5,000円~1万円です。

お菓子は法事のお返しにもピッタリ

お菓子は法事を執り行い、参列者から香典を頂いた遺族にも法事の「香典返し」として重宝されます。お菓子を香典返しとする場合の金額相場は、法事の終了後、参列者へ渡す引き出物(返礼品)の額を差し引き、頂いた香典等の1/3~1/2程度になるよう調整します。

 

送る時期は、法事から遅くとも2週間までに相手方へ届くよう手配しましょう。 お菓子はいわゆる「消え物」として最適な香典返しの品です。しかし、最近では「カタログギフト」を相手方へ送り、好きなお菓子や石鹸・洗剤等を選んでもらうことも人気です。

法事の際にお供えするお菓子の包み方

法事に持参するお菓子は、親しい方々への単なる「お土産」ではありません。故人へのお供え物である以上、従来からの作法に則るのがマナーです。こちらでは、法事の際に持参するお菓子の正しい包み方・水引きの色・表書きについて解説します。

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のしは付ける必要があるのか

法事へお菓子を持参する場合、包装した上で「のし紙」を付けます。慶事用・弔事用があります。購入するお店にて弔事用であることを申し出れば、弔事用ののし紙(掛け紙)を用意してくれるはずです。

 

なお、のしのかけ方は「内のし」と「外のし」の2種類があります。お供え物に直接のしをかけその上から包装するのが「内のし」、品物を包装した後のしをかけるのは「外のし」です。

 

基本的に法事へ持参するお菓子には「外のし」をして、法事の際に故人宅へ郵送する場合は「内のし」とするのがマナーです。

水引は何色を選ぶべきか

法事にお菓子を持参する際は「水引」も良くチェックしなければいけません。この水引には様々な色・結び方があります。どんな色・結び方でも良いわけではなく、法事によって適切な水引があります。

 

まず、水引の結び方には「蝶結び」と「結び切り」の2種類があります。法事の際には「結び切り」を使用するのがマナーです。この結び切りには「重ねて不幸が起こらないように。」という意味が込められています。

 

一方、蝶結びには「良いことが何度も起きますように。」という意味が込められています。弔事に蝶結びを使用しないよう、十分注意しましょう。

 

次に水引の色ですが、地域等によって多少違いはあります。一般的には黒白、黄白、双銀(青白)の水引が弔事用です。法事に捧げるお供物には、このいずれかの色を使用します。当然ですが紅白の水引は慶事用なので、こちらを選ぶと故人・遺族に失礼です。

 

なお、お盆の際には黄白を使用します。ただし、地域によっては青白を使用することがマナーとされている場合もあります。どんな色なら使用しても構わないのか、その地域の風習を良く知る親戚や、知人等へ一度聞いてみた方が良いでしょう。

表書きの記入の仕方

法事へ持参するお菓子には表書きも必要です。どの宗派・宗教でも使用できる表書きは「御供」または「御供物」です。こちらのいずれか1つを水引の上に記入すれば問題は無いでしょう。

 

ただし、記入の際は四十九日前のお供え物なら「薄墨」で、四十九日の後のお供え物なら濃い墨」で記入します。他にも仏教ならば「御仏前」や「御佛前」、神道ならば「御神前」「奉献」「奉納」、キリスト教の場合は「御花料」と記入しても構いません。

法事に持参したお菓子の渡し方

のし紙等を準備し、表書きもして法事に持参したお菓子ですが、お供えする場合はなかなか場所をとることでしょう。香典のようにスムーズな渡し方は難しいかもしれません。こちらでは、法事会場で渡すタイミング、お菓子を渡す作法について解説します。

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渡すタイミングに決まりはない

法事を執り行う会場へ香典、お菓子等のお供え物を持参した場合、「必ずこのようように手渡さなければいけない。」という決まりはありません。

 

法事を執り行う施主や遺族に合わせて、香典・お供え物を渡しましょう。故人宅で法事を行う際は、お供えのお菓子を基本的に施主へ渡します。訪問先の玄関で出迎えた施主へあいさつし渡しましょう。

 

なお、そのまま家の中へ案内されたならば、施主または遺族へお供えしたい旨を告げ、仏壇へお供えする場合もあります。一方、葬儀社等の用意した施設が法事会場の場合は、会場の入り口で受付をしていることが多いです。受付の係の人に香典や持参したお供物等を渡しましょう。

お菓子の渡し方

法事にお菓子を持参するとき、ほとんどの場合は「手提げ袋」を利用するはずです。まず手提げ袋から出し、施主等から文字が読める向きにした後で渡します。その際は、「御仏前にお供えしてください。」や「どうか故人様へお供えくださいませ。」と声をかけましょう。

 

仏壇へ直接お菓子を供えることになった場合、すでに置いてあった香典、お供え物の向きに合わせて置きましょう。なお、置いてあるお供え物がないなら、施主や近くにいる遺族へ「こちらにお供えしても構いませんか?」と、確認を取るようにしましょう。

法事のお菓子に関する疑問点・注意点

法事のとき持参するお菓子について、ここまで解説してきましたが、みなさんには疑問点もあることでしょう。こちらではいろいろな弔事用のお菓子についての疑問点、注意点を解説します。

お寺での法事の際もお菓子を持参するべき?

お寺で法事を行う場合も、故人宅や別の会場を設けて行う場合と同様、お菓子を持参して構いません。受付の係の人がいる場合はその人に渡し、施主が対応しているなら施主に渡します。

 

お寺だからといって供えるお菓子に制約があるわけでないものの、やはり長期保存が可能で個別に包装してあるお菓子が喜ばれることでしょう。

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お坊さんへのお茶とお菓子はどんな物が良い?

法事を執り行う施主側も、当日、お菓子を用意した方が良い場合もあります。自宅または会場へ僧侶を招いた場合、読経してくれた僧侶をお茶・お菓子でもてなすときです。

 

法要後に参列者と一緒に僧侶も会食へ参加するなら、無理に僧侶へお菓子を渡さず、帰り際に「お布施」や「お車代」を渡せば問題はありません。

 

しかし、法事をお盆やそれに近い時期で催す場合、僧侶は非常に忙しくなります。ゆっくり参列者と共に会食したり、お茶・お菓子のもてなしに応じてくれたりする余裕は無いかもしれません。

 

そんな場合には、持って帰ることの容易なお菓子を渡すのが良い方法です。例えば、小分けされたまんじゅうやモナカなら、急いでいてもさっとカバンに入れることができるので楽です。僧侶の余裕も考えて、お菓子に厳重な包装は不要です。

お供え物のお菓子を参列者に分ける風習もある

お供え物のお菓子は、法事後は基本的に施主・遺族が食べることになるでしょう。ただし、地域によっては、法事でお供えしたお菓子をその場でみんなで分ける風習もあります。

 

その地域外から持参した参列者や、その地域に引っ越してきたり、嫁いできたりした方々は戸惑うかもしれません。しっかりと作法に則ってお菓子を包装したものの、ビリビリ破かれて配られるのは、いささか抵抗を感じるかもしれません。

 

これは「お供え物を家族や参列者等とみんなで分ける」、という考え方で行われる風習の一つです。頂いたお菓子等のお供え物は更にご近所へ配る場合もあります。

 

もちろん、このような風習は「法事でたくさんお供え物を持ってきてくれたのはありがたいが、とても家族だけでは食べきれない。」という理由で、みんなで分けて食べてもらった方が合理的という側面はあることでしょう。

 

各地域には独特の葬儀や法事の際の風習があります。このような風習を尊重することも、ご先祖や故人を供養することにつながるのです。

49日前にお菓子を包んだ場合の表書き

仏教のほとんどの宗派では、四十九日前であれば故人が極楽にいくかどうか定まっていない状態とされます。この場合の表書きは「御霊前」が正式です。

 

ただし、浄土真宗の場合、人が亡くなったらすぐに仏になると考えられています。そのため、通夜・葬儀から表書きは「御仏前」として構いません。

 

表書きについては、宗派によって変ってきます。どのように書けばよいか不明な時、前述したように「御供」または「御供物」と記入するのが無難です。

 

なお、四十九日以降なら、ほとんどの仏教で極楽浄土へ行くことが確定し、故人は無事に成仏したと考えます。仏となったという意味で、「御仏前」または「御佛前」と記入するのが正式です。もちろん四十九日以降でも、「御供」または「御供物」と表書きして問題はありません。

法事のお菓子は故人への捧げ物であることを忘れずに

法事のお菓子は故人への捧げ物であるので、単なるお土産のような感覚で持参するのではなく、作法に則って仏壇へお供えする必要があります。

 

最近では、葬儀の他に法事の在り方も変化しています。既に法事自体を行わなくなった家庭もあれば、法事を開催しても「香典・お供え物辞退」を案内状へ明記している場合もあります。

 

この場合には「香典・お供え物を辞退するなんて水臭い!」と案内状に従わず、強引に香典やお供え物を持参するのは避けましょう。他の参列者が困惑しますし、何より施主・遺族が困ってしまいます。

 

香典・お供え物辞退は、生前の故人の強い希望かもしれませんし、遺族の考えたかであるかもしれません。このケースでは故人・遺族の希望を尊重し、これらを持参しないことがマナーです。