曹洞宗のお盆の仏壇・お供え・お膳の飾り方を詳しく解説

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2022/6/17

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曹洞宗のお盆での飾り付けはどうすれば良いのでしょうか。他の宗派と同じ飾り方がほとんどですが、曹洞宗ならではの作法もあります。この記事では曹洞宗のお盆の飾り方について具体的に解説しますので、曹洞宗の檀家の方は是非参考にしてください。

公開日 : 2020/4/20

更新日 : 2022/6/17

目次

曹洞宗のお盆とはどんなもの?

曹洞宗のお盆の飾り方について知る前に、まず曹洞宗とお盆についてしっかり理解しましょう

曹洞宗とは

曹洞宗とは仏教の宗派の禅宗の1つで、鎌倉時代に道元が開きました。本山は永平寺と總持寺です。釈迦を本尊と仰いで「南無釈迦牟尼仏」と唱え、各人が坐禅により悟りを開くことを目指しています。

 

臨済宗が武家政権で支持されたのに対し、曹洞宗は下級武士や一般民衆の間に広まりました。また男女平等を重んじたのでより多くの支持を得られるようになり、宗徒を増やしていったのです。

 

現代の日本には15,000の曹洞宗の寺院があり、駒澤大学や東北福祉大学といった大学を設立するなど、日本の仏教界において大きな宗派となっています。

お盆とは

お盆とは日本の夏季に行われる祖先の霊を祭る行事です。旧暦の7月15日に行われていましたが、現在の新暦では8月15日に行われることが多くなっています。省庁や企業はこの日を含む一週間を夏休みとすることが多く、日本の全国民が関わる一大行事となっています。

 

13日の夕刻を迎え火と呼び、仏壇の前の精霊棚にお供え物をします。この時から先祖の霊が家に帰ってくるとされます。そして15日を送り火と呼んで、先祖がまたあの世に戻って行く日としています。

 

地方によっては15日には灯籠流しを行います。また16日の夜には多くの地域で盆踊りが行われます。これは地獄から逃れた亡者が喜んで輪になって踊っている姿を模したものと言われ、出店が出て夏祭りが開かれます。盆踊りは日本の夏の楽しい風物詩となっています。

 

このようにお盆はただの仏教の儀式というだけでなく、日本全国民にとって夏の重要な行事となっていて、日本の文化に深く根付いています。

曹洞宗のお盆で飾り付けるものは?

曹洞宗のお盆の飾り付けはどのようにすればよいのでしょうか。それぞれについて具体的に説明します

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盆提灯

盆提灯はお盆のシンボルのような存在で、お盆が来たことを印象付けます。盆提灯と言えば派手な模様をイメージしますが、曹洞宗では初盆の時は白提灯を用意します。白提灯は初めてのお盆を迎えた故人の霊が家に帰る際に迷わない色とされています。

 

また曹洞宗の場合は仏壇の左右に2つ、盆提灯を配置します。ただし最近は住宅事情などもあり、1つだけにする家庭も多くなっています。

精霊馬

精霊馬とはナスやキュウリに割りばしの足を刺して、馬のような姿にした飾りです。提灯と共にお盆を象徴する存在で、そのユーモラスでかわいい姿が印象に残ります。

 

お盆でやってくるご先祖様はこの精霊馬に乗って行き来すると言われています。迎え火の日は仏壇に向けて置き、送り火の日は逆に向けて置きます。

 

最近は精霊馬を凝ったデザインにする人もいます。ただし、住職が読経をあげにいらっしゃる場合は、個性的なデザインのものは避けた方が良いでしょう

精霊棚

精霊棚は盆棚とも言われ、お盆の間、仏壇の前に置いて飾り物やお供えを置くための棚です。曹洞宗では棚の四方に竹を配置し、周りをほおずき等で飾るのが正しい作法です。ただし今ではこれをする人は少なくなっています。

 

お盆の期間中は、位牌は盆棚の中心に置いてください。なお、適当な精霊棚が無い場合は仏壇店に行けば購入できます

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お供え物

仏壇へのお供えは五供(ごくう)と言います。食べ物・水・お香・灯り・花の5つを指しています。お供えは五供以外に野菜や果物、個人の好きな食べ物を置くのも良いでしょう。

お膳

お膳はお盆の間に戻ってきたご先祖様に頂いてもらう食事です。メニューは精進料理で、肉や魚は使用しません。これは仏教の不殺生戒の教えによります。お盆の間は家族もお膳と同じ物を食べるのが習わしですが、毎食同じご飯ではなく、違うメニューにする家庭も多くなっています。

 

お膳の内容は飯椀・汁椀・平椀(煮物)・壷椀(酢の物やおひたし等)・高杯(梅干や漬物)の一汁五菜です。注意点としてはだしは鰹節のような魚は避けて昆布で取る、煮物などに肉や魚を使用しないことです。

 

なお曹洞宗では高杯を右上に置いて、壺椀を中心に置くのが作法となっています。

水の子

水の子は曹洞宗の独自のお供えで最も特徴的と言えます。水の子とは洗った米とサイの目に刻んだキュウリ・ナスを皿に盛り付けたものです。餓鬼道に落ちた無縁仏に対するお供えで、全ての霊をもてなすという曹洞宗の教えから生じた物です。

 

作り方は、キュウリ・ナスをさいの目に刻んで生米と混ぜます。平皿にハスの葉か里芋の葉を敷いて、その上に混ぜた物を乗せてでき上がりです。地方によってはニンジンも入れます

 

水の子にはさらに水を入れるか、別に「浄水」を用意してそちらの水を注ぎ足すと言ったことをする場合もあります。

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団子

曹洞宗のお盆では団子のお供えもします。迎え団子と呼ばれます。精霊棚に乗せるのは白玉団子やきなこ団子などで良く、特に決まりはありません。

真菰

真菰(まこも)とはイネ科の多年草で、古来より薬用や食用に使用されてきました。お盆では真菰をござに編んだ物を使用し、精霊棚の下に敷きます。普通は入手が困難ですが、仏具店で販売されているのでそちらで購入しましょう。

曹洞宗のお盆の注意点は?

曹洞宗のお盆は他の宗派と比べて違いはそれほど多くはありませんが、それでも曹洞宗の宗徒だけが注意しなければならない点もあります。ここでしっかり確認しましょう

精霊棚の飾り方

曹洞宗の精霊棚は他の宗派と違いがあります。曹洞宗は精霊棚に白い布を掛けます。そして苧殻(おがら)で作った7段か、または13段の梯子(はしご)を、盆棚と床の間に架けます。

 

苧殻とは麻の茎の皮をはがしたものです。それで作った梯子は、精霊棚にご先祖様が上るためにかける物と言われています。また現世と来世を結ぶ懸け橋や、精霊棚と仏壇とを結ぶための物という説もあります。

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棚経

曹洞宗のお盆では棚経という風習があります。これは菩提寺の住職に来て頂いて、お盆の飾り付けをした仏壇の前でお経をあげて頂くことです。省略されることも多いのですが、初盆では必ず行われる傾向があります。

 

棚経を頼む時は住職のご都合もあるので、早めに予約しましょう。逆に住職の方から打診があった場合、不要な場合は明確にそう伝えましょう。お盆の時期は住職も忙しいので、失礼に当たることはまずありません。

お墓・お仏壇の掃除も忘れずに

お仏壇や祭壇、お墓の清掃も忘れずに行いましょう。お仏壇や祭壇の場合、なるべく晴天の日に掃除します。お仏壇は木製のため雨の日に掃除すると湿気が残り、カビが発生する恐れがあります。また、掃除の際に仏具の配置を間違えないようにすることも重要です。

 

お墓の掃除では、まず周りの雑草を抜き、墓石を洗うときはスポンジや手ぬぐいで傷が付かないよう優しく洗いましょう。洗剤は石が変色する恐れがあるため、使用しないようにします。

曹洞宗のお盆の正しい飾り方を把握しましょう

本記事では曹洞宗のお盆の飾り方について紹介しました。曹洞宗のお盆はそれほど特殊な風習があるわけでもなく、必ずこうしなければならないということもありません。ご先祖様を供養する気持ちさえあれば、良いお盆を過ごすことができるでしょう。