神社のご祈祷の流れとは?一般的なマナーや相場についても解説

公開日 : 2020/10/10

更新日 : 2022/5/21

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初めて神社でご祈祷を受ける際に、お礼・作法・服装のマナーなどが分からない方は多いのではないでしょうか。難しい印象がありますが、ポイントを押さえることでスムーズにご祈祷を受けることができます。この記事では、神社のご祈祷の流れ・マナー・相場について紹介します。

公開日 : 2020/10/10

更新日 : 2022/5/21

目次

神社のご祈祷とは?

正装の神主による祝詞(のりと)が挙げられ、大和言葉で神様に願いを奉り、心身共に祓い清める儀式を「ご祈祷」といいます。読み方は「ごきとう」です。まず最初に、ここでは神社でのご祈祷について簡潔に解説していきます。ご祈祷の効果や、ご祈祷の種類・道具についてまとめました。

ご祈祷の効果

ご祈祷とは、神様への願い事をより強く届けるとともに、自身の願いを改めて決意・確認するという行為でもあります。願い事に対する漠然とした不安や雑念をご祈祷で取り払います。神様の力添えを頂いて心を整えることで、落ち着いて目標に取り組む心が生まれます。

 

心の動きは人によって違いがあり、効果が即座に出る人もいれば、ゆっくりと時間をかけて願いが叶う方もいます。また、ご祈祷を受けたことで心が落ち着き、気持ちがすっきりとしたと感じる方も少なくありません。

 

ご祈祷によって願い事の成就はもちろんですが、心の平穏を取り戻せるという効果もあります。

ご祈祷や願い事の種類とは

神社への願い事は人によって違いますが、ご祈祷もその願い事に合わせてさまざまな種類や方法があります。神社で行われているご祈祷の中でも、特に多い祈祷について解説していきます。

厄払い

厄払いとは、人生において災難や苦難を退け、平穏無事に過ごすために行われる祈祷のことです。生まれた年から計算して節目の年齢に行われる厄年の厄払いや、連続する不幸ごとの流れを断ち切るために行われる厄払いのご祈祷など、内容は非常に多岐に渡ります。

 

日常生活で少しずつ貯まってきた厄や穢れを払うために行われるご祈祷ですので、思い立った時にすぐ神社へご祈祷をすることをおすすめします。

安産祈願

出産前の妊婦さんが元気な赤ちゃんを無事に産めるように願い、祈願するのが安産祈願のご祈祷です。多くの場合は、妊娠5か月を過ぎた戌の日に行われます。安産の神様がいらっしゃる神社には、多くの妊婦さんがご祈祷に訪れています。

七五三

七五三のご祈祷は、神様に対し子供が成長したという報告と感謝、今後の無病息災を祈願するために行われる日本の行事です。毎年11月15日に行い、数え年で3歳と5歳の男の子・数え年で3歳と7歳の女の子を連れたご家族が神社へ足を運びます。

 

近年では、ほとんどの神社が11月以外の1年を通して七五三詣を受け付けているので、どうしても11月にご祈祷が難しい場合は都合が付くタイミングで構いません。大事なのは神様に感謝の気持ちを持ち、子供のために願う心です。

地鎮祭

地鎮祭は、建築工事や土木工事を行う予定の土地にいる神様に土地を使用することの許可と、工事の安全を祈願するために行われるご祈祷です。土地の持ち主や工事に関係する人が地鎮祭に参加し、土地神様を祀って工事の安全と無事を祈願します。

その他

上記で解説したご祈祷の他にも、神社ではさまざまなご祈祷が行われています。

 

・合格祈願のご祈祷

・恋愛成就のご祈祷

・病気平癒のご祈祷

・商売繁盛のご祈祷

・交通安全のご祈祷

 

当然の事ながら神社によって対応しているご祈祷の種類にも違いがあるため、ご祈祷をお願いする場合は事前に問い合わせて確認しましょう。

ご祈祷のマナーとは

次に、ご祈祷を受ける場合のマナーについて解説します。神社でのご祈祷は、一般の参拝では入れない昇殿内にて行われます。正式な儀式において、ご祈祷を受ける側にもしっかりとしたマナーは重要です。ここでは、ご祈祷を受ける際のマナーについてまとめました。

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服装や身だしなみの基本

ご祈祷は神様への正式な参拝です。したがって、服装や身だしなみに関してもしっかりとしたマナーがあるため、ここで確認しておきましょう。

服装

男性ならスーツ、女性であればワンピースやスーツといったフォーマルに近い服を着用し、肌の露出をできるだけ控えた服装を心掛けるようにしましょう。華美な装飾は避け、パールなどを使用した品の良さを感じられるアクセサリーがおすすめです。

ご祈祷や厄払いの場面において、サンダルやミュールなどの素足で履くような靴はマナー違反となります。そのような靴は避け、派手ではない革靴やパンプスを選びましょう。革靴やパンプスが難しい場合は、それらに近い靴を代用すれば問題はありません。

 

また、神社によっては靴を脱いでご祈祷を受けるところもあるので、男性は靴下、女性はストッキングなどを履いて裸足にならないようにしてください。

その他のマナー

ご祈祷中はサングラスや帽子は必ず取るにしましょう。また、髪形や髪飾りも派手なものは避けて、清潔感があるように整えます。当然のことですが、携帯電話は電源をオフまたはマナーモードにし、飲食物の持ち込みも厳禁です。

 

神社によってはおおらかに対応していただけることもありますが、「神様へ失礼のない服装とマナー」が何より重要となるため、それらを意識した服装を心掛けてください。

予約の有無について

ご祈祷の予約は、神社によってさまざまです。思いついたときに立ち寄ってすぐにご祈祷していただけることもあり、反対に予約していなければご祈祷が難しいケースもあります。また、ご祈祷内容によっては神社側に事前準備が必要な場合もあるため、予約は入れておいた方がスムーズです。

予約をした方が良いご祈祷

予約が必要である場合が多いご祈祷の種類は以下の通りです。

 

・お宮参り

・七五三

・地鎮祭

・会社や団体など大人数で受けるご祈祷

・正月~松の内の期間内で受けるご祈祷

予約がなくてもご祈祷してもらえるケース

・時期的に神社側が忙しくない時期

・ご祈祷の事前準備が少ない場合

 

神社によってはWEB上でご祈祷に関する情報を提供していたり、問い合わせ先の窓口を設けていたりするところもあります。いずれにしても、ご祈祷を受ける側にも必要な準備があるため、事前に神社へ確認しておくと良いでしょう。

ご祈祷は代理でもよいのか

ご祈祷してもらう際に意外と多い悩みの1つは、「ご祈祷を代理で行っても問題はないのか」という部分です。願い事をする本人がご祈祷を受けた方が良いのは当然ですが、どうしても神社へ出向けない理由があります。

 

・病気で入院していて神社に行けなくなった

・つわりが酷くて動けない

・遠方に住んでおり特定の神社へ行くことが難しい

 

このような場合は、願い事がある人の代理として家族・親戚・親しい人がご祈祷を受けても問題はありません。ご祈祷の受付時に、名前・住所・ご祈祷の内容を記入する書類があります。そこに記入する内容を全てお願い事がある本人として書き込む必要があります。

 

この時に書かれた内容が、ご祈祷中に上げられる祝詞の中で読み上げられます。心配な場合には、社務所へご祈祷を申し込む際に代理であることを伝え、神社の指示に従ってご祈祷を受けるようにしましょう。

 

代理でのご祈祷では以下に注意するようにしましょう。

 

・願い事が叶ったらお礼参りに本人が神社へ行くようにする

・ご祈祷の代理をしてもらった方にお礼をする

・ご祈祷に必要な費用は事前に代理人へ渡しておくようにする

神社でのご祈祷の流れとは

神社でご祈祷をする場合には、どのような流れがあるのでしょうか。ここではご祈祷の申し込みから順に紹介していきます。

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ご祈祷の申し込み

まずはご祈祷の申し込みをします。一般的には神社の社務所で受け付けています。参拝したい当日に直接申し込んでも受け付けてもらえますが、人数が多い場合などは事前に連絡を入れておくことをおすすめします。

 

申込用紙の記入項目は、以下の通りです。

 

・氏名

・住所

・性別

・年齢

・生年月日

・祈願料

・願意

 

祈願料の項目には、初穂料など機関のお礼として持ってきた金額を書き込みます。最近は祈願料が決まっている神社が多いので、事前にホームページや電話での問い合わせするようにしてください。

 

願意は祈祷の内容で、何をご祈祷してほしいのかを書く必要があります。祈祷の項目にチェックをつける形になっている申込用紙もあるので、祈願の名称が分からないと心配する必要も少ないでしょう。記入後は社務所の巫女さんまたは神職に申し込み用紙を渡し、祈祷料を納めます。

手水

ご祈祷で神様にお会いする前に、手舎水で身を清めます。手水の手順は以下の通りです。

 

・右手で柄杓を持って、水を汲む

・汲んだ水を左手にかける

・柄杓を左手に持ち替え、右手に水をかける

・柄杓を右手に持ち替え、左手で水を受ける

・左手の水を口に含みすすぐ

・左手に水をかける

・右手に持った柄杓を手前に傾け、右手に水がかかるようにする

・右手で柄杓を元の場所に戻す

 

手順が多く複雑そうに思えますが、まず右手で柄杓を持ち両手を交互に清めた後、右手に柄杓を戻して左手で口を清めるといった流れです。日常生活で身についた穢れを清める大切な手順ですので、覚えておきましょう。

昇殿

申し込みと手水が終わったら、待合室で自分の順番が来るのを待ちます。順番が来たら神職の案内で社殿の中に入ります。

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修祓

修祓(しゅばつ)とは、神様をお招きする前に参拝者の心身の穢れを祓うことをいいます。神職の祓詞(はらえことば)の奏上から始まります。祓詞とは、神様の力で身についた穢れを祓ってもらうための祝詞です。

 

その後、大幣などを使い1人ずつ穢れを祓っていきます。この際に、頭を下げた姿勢でお祓いを受ける必要があります。

祝詞奏上

修祓が終わると、神様に願いを伝える祝詞奏上に入ります。祝詞は最初に神様をたたえて、ご祈祷の目的とご加護をお願いする内容となっています。祝詞奏上のときは頭を下げ祝詞を聞きます。

御神楽

祝詞奏上に続いて行われるのは、巫女による御神楽です。雅楽と一緒に、雅な舞を神様に楽しんでもらうために行います。

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玉串拝礼

玉串とは榊の枝に紙垂をつけたもので、参拝者は1人1人神様に納める必要があります。玉串拝礼には、しっかりと定められた作法があります。

 

・右手は上から左手は下から玉串を受け取る

・玉串は胸の高さで持ち、玉串台の前まで進み軽く一礼

・玉串を時計回りにして根元が体に向くようにし立てるように持つ

・左手を右手に添えてから降ろし、祈願したいことを念じる

・右手を玉串の下に添えて、左手で玉串を時計回りに回し、根元が玉串台の方へ向くようにする

・玉串を台に乗せる

・深く二礼二拝

・二拍手

・深く一礼

・軽く一礼

 

代表者による玉串拝礼の場合は、深く二礼二拝以降の行動を他の参拝者にも行います。また、玉串のお供えが省略される場合は、深く二礼二拝以降を行います。

お札拝受

神社によっては玉串拝礼の後に、神職に合わせて拝礼をするケースがあります。玉串拝礼を行った後、終わりの合図である報鼓が鳴らされると儀式が終了します。

 

儀式が終了した後は、神様にお供えしていたお米と神札を頂きます。巫女がお神酒を盃に注いでくれるので、遠慮なくいただきましょう。お酒が苦手な方や飲めない方は、口をつけるだけで大丈夫です。

 

このときに頂いた神札は、自宅の神棚にお祀りするようにしましょう。お祀りする際の方角は、できるだけ北向きを避けてください。神棚には、お米・お塩・お水をお供えし、二礼二拍手一礼をしてお参りするようにしましょう。

御祈祷料はどのくらいか

これまで、ご祈祷の種類と流れについて紹介しました。ここでは、ご祈祷料の相場について解説していきます。

料金の相場

・お宮参り・七五三

 5,000円~1万円

 

・厄払い

 3,000円~1万円

 

・家内安全・交通安全・病気平癒など

 5,000円

 

・車祓い

 3,000円~1万円

 

神社で受けるご祈祷のうち、機会が多いと思われるものの相場を挙げました。祈祷料の相場は、3,000円~1万円が一般的です。神社によっては、ご祈祷料の料金が決まっているので事前に電話で問い合わせてみても良いでしょう。

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のし袋か封筒に入れる

お金は水引のついたのし袋か白封筒に入れて渡す必要があります。お財布から直接お金を出す方もいるようですが、あまり喜ばれる行為ではありません。また、茶筒封筒もふさわしくないとされているため、白い無地の封筒を使用しましょう。

 

のし袋はのしが付いていないものでも構いませんが、水引の種類には少し気を付けてください。水引の形には蝶結びと結び切りがありますが、用途によって使い分け、基本的には蝶結びのタイプを使用するのがマナーです。

 

蝶結びの水引は、何度でも結び直すことができるので、何回あってもいい一般的なお祝いやお礼に使われることが多いです。結び切りの水引は、「1度結んだらほどけない」という意味合いを込めて、繰り返すことがないように婚姻関係や弔辞などに使用されます。

 

水引の色は、必ず紅白のものを選びましょう。白黒の水引は主に弔辞で使用されており、お礼として神社に納めるには適していない祝儀袋なので、注意しましょう。また、お金をのし袋に入れる場合は、中袋に金額を書いておきます。

神社によっては現金をそのまま渡すことも

お金はのし袋か白封筒に入れた方が良いと紹介しましたが、場合によってはそうでないこともあります。大きな神社でご祈祷の人数が多い場合は、現金をそのまま渡すように言われることもあるようです。

 

このような場合には、事前に神社から申し出があったり、ホームページに記載されているので事前に確認することをおすすめします。のし袋を用意しなくていいなどの案内がない場合は、お金をのし袋か白封筒に入れて渡すようにしましょう。

表書き

表書きには、基本的に「初穂料」「ご祈祷料」と書きます。初穂料とは神社で執り行われる祭事の際に使われるという名目です。他に玉串料や奉納といった名目で使われることがありますが、初穂料と記載しておけば問題はありません。

ご祈祷をするときは料金やマナーを知っておこう

この記事では、ご祈祷をする際の流れ・服装・料金・マナーについて解説しました。ご祈祷を受ける際は、事前に必要である料金やマナーについてあらかじめ学習しておき、当日になってから戸惑わないようにしましょう。