【お葬式】回向料とは何?その書き方や包み方は?【追善回向】

公開日 : 2020/1/22

更新日 : 2020/9/10

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お葬式を挙げる際には様々なお金がかかってきます。その一つが回向料です。回向料というのは、亡くなった方のご遺族がお寺のご住職様に対して感謝の志を込めてお渡しするものです。では、その表書きの書き方などはどうなっているのでしょうか?

公開日 : 2020/1/22

更新日 : 2020/9/10

目次

回向料とはどんなもの?

こちらではまず、回向料というものがどんなものなのかについて解説しています。

回向料とは?

回向料というのは、誰かのお葬式を挙げてもらった場合に、お寺のご住職様にお渡しするお金の表書きの書き方の一つです。表書きの書き方としては、「お布施」または「御布施」が最も一般的なのですが、「回向料」や「御礼」と書いても間違いではありません。回向料というのはいわゆるお葬式の料金のようなものではなく、ご住職様に対する感謝の気持ちを表したものだと言えます。

 

お葬式ではお坊さんに様々なことを依頼することになるのですが、通常は「御布施」や「回向料」に、そのお礼の費用がすべて含まれています。ただし、「御布施」や「回向料」とは別に、「御膳料」や「御車代」などをお渡しすることもあります。ごく簡単に言って、「回向料」と「御布施」というのはほぼ同じものだと考えて良いでしょう。

回向とは?

では、回向というのは具体的にどんなもので、どのような意味を持っているのでしょうか。

回向の意味

「回向」は「えこう」という読み方をします。簡単にご説明すると、これは自分の積んだ徳を他人に分け与えることを言います。お寺のご住職様は色々な修行をして高い徳を積んでいますから、それを故人に分け与えることで、故人の功徳の助けになるわけです。回向というのは、一般的な読経とは違い、故人その人に対して向けられるものです。

 

回向は様々な場で行われます。お通夜や告別式の時でもそうですが、四十九日の法要や一回忌、三回忌、七回忌などの回忌法要の際にも、故人に対する回向が行われます。回向は「追善回向(ついぜんえこう」と呼ばれることもあります。いずれにしても、お坊さんの高い徳をもって故人を供養することが目的となっています。

供養と回向の違い

供養と回向というのは、似ているようで違った意味を持つ言葉です。大きな意味でとらえれば、回向も供養の一種なのですが、供養というのはより幅広い意味を持っています。供養というのは、元来敬意をもって誰かにお供え物をするという意味で、必ずしも故人を弔うものではありませんでした。

 

ですが、日本では仏教の教えが広まるにしたがって、故人に対して何らかのお供え物や贈り物をすることが供養と呼ばれるようになっていきました。これに対して、回向というのは高い徳をもった僧侶が読経などをもって故人を供養することなので、明確に意味が違います。追善供養と追善回向も混同しないようにしましょう。

回向の由来

回向は廻向とも書き、「回」は物事を巡らせること、「向」はそれを何かに差し向けることを表しています。回向は、仏教の教えでは古くからある概念で、サンスクリット語ではパリナーマナーと呼ばれています。最古の仏教の宗派である、上座部仏教でも十福業事の一つとして行われています。

 

回向を一つの言葉としてとらえた時には、「転換する」「変化する」「進める」などの意味を持ちます。一般的に、人は生きていく上ではなかなか聖人のように生きることはできません。そのため、高い徳を積んだ僧侶がその徳を故人や生者に分け与えることで、その人たちの徳を増すことになる、という意味があるわけです。

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回向料は誰に渡す?

回向料をお渡しするのは、もちろんお寺のご住職様に対してです。葬儀会社を通じて葬儀を行ったような場合には、招かれてやってきたお坊さんに対して回向料をお渡しします。また、元々仏教徒である場合には、先祖代々の祭儀を取り行っている菩提寺というものがありますから、菩提寺のご住職様に対してお渡しするということになります。

 

回向料は、葬儀会社の人たちや葬儀に対して参列してくださった方にお渡しするものではありません。上述のように、回向というのはお通夜やお葬式で、お坊さんが故人に対して徳を分け与えることを意味しています。そのため、そのことの御礼の意味を込めてご住職様にお渡しするわけです。

回向料はいつ渡す?

回向料というのは基本的にお布施と同じものですから、お渡しするのはお布施をお渡しする時と同じです。すなわち、お通夜やお葬式の時、初七日の時、十夜法要の時、四十九日法要の時、回忌法要の時など、ということになります。回向料をお渡しするタイミングとしては、葬儀や法事の前後にお渡しするのが一般的です。

 

その際、ご住職様に対する感謝の言葉を述べることも忘れないようにしてください。具体的には、「本日はよろしくお願いいたします」「本日は大変ありがとうございました」といった言葉とともに、回向料をお渡しします。その時に「御膳料」や「御車代」についてもいっしょにお渡しするようにすると良いでしょう。塔婆供養を行ってもらった場合には、「塔婆料」もお渡しします。

 

ただし、信仰している宗派や地域によっては、回向料を渡すタイミングが決まっているケースもあります。このような場合には、同じ菩提寺を持っている親戚などに聞いてみるか、その地域の年長者などに事前に確認しておくと良いでしょう。葬儀会社を通じて葬儀を行う場合には、葬儀会社の人に確認すればOKです。

永代供養の時はどうする?

近年では、家族形態の変化などにより、永代供養を希望する人が増えてきています。永代供養というのは、ご遺族の方に変わってお寺がお墓などの管理を行うことを言います。この場合も死後の法要などは、通常の供養と同様に行われるのですが、初七日の供養などはお葬式の当日に繰り上げて行われることもあります。

 

初七日の法要をお葬式と同じ日に行う場合には、初七日の回向料もお葬式の当日にお渡しするようにすると良いでしょう。また、お葬式の段階で永代回向料というものをお渡しすることもあります。お寺によっては、毎月の月命日の日に回向を行ってもらい、永代月牌をお渡しする場合もあります。

回向料の書き方

では、回向料の表書きの書き方などはどうすれば良いのでしょうか。

回向料は何で書けば良い?

お葬式というと、薄墨を使うことが決まりだと思っている人も多いかもしれません。しかし、お坊さんにお渡しする回向料の表書きには薄墨は使用しません。回向料(お布施)は普通の墨を使って表書きなどを書くので、その点は間違えないようにしてください。

 

原則として、回向料を書く場合には筆と普通の墨を使って書くことになります。しかし、現代では筆や墨を常備していないという人も多いため、筆ペンを使っても問題はありません。しかし、お坊さんに対する礼儀を欠かさないためにも、やはりできるだけ筆と墨を使って書くようにしたほうが良いでしょう。

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表書きの書き方

仏教には真言宗や浄土宗など様々な宗派がありますが、どの宗派でも回向料の表書きには、「回向料」または「御回向料」と書きます。「御」の字は付けても付けなくてもかまいません。もし、できるだけ丁寧な書き方をしたいと考えている場合には、「御回向料」と「御」の字を付けるようにすると良いでしょう。

 

また、現在ではお葬式や法事における回向料とお布施はほとんど同じ意味で使われているため、「お布施」や「御布施」と書いても問題ないです。場合によっては、「御経料」や「御礼」と書くケースもあります。これも宗派や地域ごとに決まりなどがあるケースがありますから、親戚の年長者などに確かめてみると良いと思います。

 

また、水引の下の部分には自分の名前を書きます。この場合、「〇〇太郎」や「〇〇花子」といった具合に、きちんとフルネームを書くようにしてください。名前を書くのは、通常配偶者や長男など喪主の方の名前になります。

中袋の書き方

回向料を包む場合、お札を中袋に入れるという方法と、奉書紙や半紙に包むという方法の二つのやり方があります。中袋にお札を入れる際には、中袋の表面に包んだ金額を書くようにします。この時、金額については頭に「金」の字を付けて、旧字体の漢数字で書くようにしてください。また、金額の後に「也」という字を付ける場合もあります。

 

中袋の裏面には、法事を受ける人の住所と氏名を書きます。正式な書き方としては、封筒の右下の部分に住所氏名を書くこととなっていますが、これも地方や宗派による違いなどがあるようです。インターネットで検索すると、多くの例で封筒の左下の部分に住所氏名が書かれているので、これも親戚などに確認してみるようにしてください。

名前の書き方

名前の書き方にはいくつかのやり方がありますが、フルネームで書くということが基本です。先祖代々の祭儀を取り行ってくれている菩提寺では、檀家さんごとの命日などを記録した過去帳などの帳簿が残されています。こうした帳簿を書きやすくするためにも、住所や氏名は正確に書くようにしてください。

 

また、家族の連名で書く場合には、3名までの連名で書くことが可能になっています。この場合も、全体が封筒の表書きの中央に来るようにしてください。もう少し具体的に書くと、年長者や夫の名前を右側に、年少者や妻の名前を左側に書くようにし、苗字と苗字、名前と名前の高さは合わせるようにします。

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金額の書き方

金額の書き方については、「中袋の書き方」のところでも触れた通りです。原則としては、旧字体の漢数字で書くのが決まりとなっています。旧字体の漢数字は大字とも呼ばれ、具体例を挙げると次のようになっています。

 

・3,000円の場合 「三千円」「参阡円」「参仟円」「参阡圓」「参仟圓」など

・5,000円の場合 「五千円」「伍阡円」「伍仟円」「伍阡圓」「伍仟圓」など

・7,000円の場合 「七千円」「七阡円」「七仟円」「七阡圓」「七仟圓」など

・10,000円の場合 「一万円」「壱萬円」「壱萬圓」など

・30,000円の場合 「三万円」「参萬円」「参萬圓」など

・100,000円の場合 「十万円」「拾万円」「拾萬円」「拾萬圓」など

 

なお、どうしても旧字体の漢数字が分からない場合には新字体の漢数字を使ってもかまいません。しかし、旧字体の漢数字についてはインターネットなどで調べることができるので、できるだけ旧字体の漢数字を使ったほうが良いでしょう。また、回向料を包んだ金額については、中袋の表面ではなく裏面の右側に書くケースもあります。

水引はどうすれば良い?

水引きに関しては、白い無地の封筒などに回向料を包む場合には、水引はなしで良いとされています。ですが、不祝儀袋を用いる場合には水引の付いているものを選ぶことが一般的となっています。この場合、水引の色は銀色のもの、黒色と白色のもの、黄色と白色のものなどがあります。

 

水引きの色は中に包んだお金に合わせることが慣例になっていて、だいたい3万円以上包む場合には銀色のもの、それ以下の場合には黒色と白色のものを用います。また、主に関西地域を中心として、黄色と白色の水引きを使う場合もあります。水引きの結び方としては、あわじ結びまたは蝶結びをするようにしてください。

回向料の包み方

では、回向料はどんな風にお包みすれば良いのでしょうか?

回向料は何に包む?

回向料を包む場合、外袋と中袋の二重になっている不祝儀袋に包むという方法と、白い色の無地の封筒に包むという方法あります。不祝儀袋を使用する場合には、中袋のなかに回向料を入れるようにしてください。また、中袋はさらに外袋の中に入れるようにします。

 

一方、白い色の無地の封筒を使う場合には、まず半紙に回向料を包み、それをさらに奉書紙で包むようにするのが正式です。どちらの方法も誤りではありませんが、半紙と奉書紙に包むほうが丁寧なやり方だとされています。ですので、できるだけ丁寧に葬儀や法事を行いたい場合には、失礼のないように後者のやり方を選んだほうが良いでしょう。

 

また、回向料は正式にはお盆に乗せてご住職様に渡すことが礼儀となっています。お盆がない場合には、袱紗(ふくさ)に包んでおき、そこから取り出すようにしてお渡ししてもかまいません。なお、袱紗については相手にお渡ししませんので、これもよく覚えておくようにしてください。

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回向料のお金の入れ方

不祝儀袋の中袋にお札を入れる場合には、中袋の表面とお札の表面が合うようにします。中袋の表面というのは、のりしろの付いていないほうの面のことです。半紙と奉書紙に包む場合には、風呂敷を包む場合と同じように、斜めにした半紙や奉書紙に、お札の表面が来るようにして乗せ、四方を折りたたみます。

 

また、回向料でお包みするお金に関してもマナーがあります。回向料に使用するお金には、出来るだけ新札を使用するようにしてください。旧札を使用することは礼を欠く行為となります。これは、不幸があったのがお寺ではないこと、お坊さんは高い徳を積んでいる方であることが関係しています。

回向料の金額の目安は?

回向料の金額の目安は、お寺や地方によっても異なっています。中には「お気持ちで」と言い、具体的な金額については指定していないお寺も多いです。ですが、全国的な平均では、お葬式の時には約30万円くらいが回向料の目安となっています。

 

死後七日ごとの法要や、四十九日の法要、回忌法要などではこれよりも金額が低くなっています。初七日や四十九日の場合はだいだい3万円~5万円くらい、一回忌の法要の場合にも3万円~5万円くらいです。三回忌や七回忌など、それ以降の回忌法要の場合には若干金額が下がり、およそ1万円~5万円くらいとなっています。

回向料を書く時の注意点とポイント

最後に、回向料を書く時の注意点やポイントなどについて解説してみたいと思います。

回向料を書くときの注意点

回向料を書く時の注意点としては、住所や名前、中に包んだ金額などを間違えないことがまず挙げられます。これは、お寺のほうでも檀家さんの管理をしており、いつ誰が亡くなったのかなどを帳簿に付けているためです。ですから、住所氏名や回向料の金額などは正確に、それも読みやすい字で書くようにしましょう。

 

また、お寺のご住職様というのは高い徳を積んだ方でもあります。葬儀や法事を取り行ってもらう側からすれば、目上の人に当たりますから、くれぐれも失礼のないようにしましょう。回向料の書き方や包み方にはお寺や地方ごとの違いなどもあるため、詳しいことは親戚やその地方の年長者などにあらかじめ確認しておくようにすると良いと思います。

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回向料を書く時のポイント

回向料を書く時のポイントですが、まず一点あります。現在では、回向料というのはお布施とほぼ同じ意味で使われています。ですから、回向料とともにお布施をお渡しするということはありません。この点をまず覚えておきましょう。

 

ですが、表書きの書き方としては「回向料」の他に「御回向料」「お布施」「御布施」「御礼」「御経代」など様々な書き方があります。どれを用いても間違いではないので、これも覚えておくと良いと思います。また、回向料の表書きなどを書く場合には薄墨ではなく、普通の墨を使うというのもポイントの一つになっています。

回向料の表書きについてのまとめ

回向料というのは現在ではほぼお布施と同じ意味で使われています。表書きには「回向料」または「御回向料」と書きます。回向料は、お通夜とお葬式の時や、初七日の法要、四十九日の法要、一回忌や三回忌などの回忌法要の際にお渡しすることになります。