【お布施】お布施の金額相場、渡し方、マナーなどを徹底解説!

公開日 : 2020/2/28

更新日 : 2020/9/9

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葬儀や法事・法要の後に、寺院へ渡す『お布施』。お布施については、学ぶ機会がないため、いざ当事者になったときに、『いくら渡せばよいのか』『どのように渡せばいいのか』など、わからないことが多いですよね。そんなお布施の金額相場、渡し方、マナーをご紹介します。

公開日 : 2020/2/28

更新日 : 2020/9/9

目次

お布施について

お布施とは

葬儀や法事・法要の後に寺院へ渡すお礼のことを、『お布施』と言います。

 

ちなみに、『法要』とは、お経を挙げていただく仏教儀式そのもののことを言い、『法事』とは、法要とその後の会食を含む行事全体のことをいいます。

 

色々なところで調べてみると、『お布施は気持ち』といわれ、値段が決まっていないといわれています。

なぜ決まっていないのでしょうか。

 

それは、お布施の由来から始まっています。

お布施の由来

お布施は、『布を施す』と書きます。

 

仏教生誕の地とされています、インド。

インドの仏弟子たちは、インドの暑い風やホコリ・チリから身体を保護するためにサリーに似た布をまとっていました。綺麗な布をまとうと、妬みや盗みを誘発させるからという理由で、粗末な布をまとっていました。一般の人たちは、白い布をまとっており、一般人と区別をするために、捨てられた布や汚れた布を縫い合わせた布をまとうことが、仏弟子の印とされていました。このときに使われた布は、お坊さんが各家を説法しながらまわっていた際に、各家からのお礼として、差し出された物だったそうです。

このお話が『布施』の由来といわれています。

ちなみに、まとっていた布は、現在の仏教修行僧がまとう『お袈裟』の由来となっています。

 

このような語源があり、誠心誠意、心を込めて人のために施しをすることが『布施』の本来の意味です。

困っている人に対して優しい言葉をかけることも、優しい笑顔を与えることも、心を込めて人のために施しをすること全てが『お布施』なのです。

 

現在において『お布施』は寺院へ渡す金品のイメージが先行していますが、本来はこのような意味合いがあるのです。

 

だから『お布施』は、値段が決まっていないのですね。

お布施の内訳と金額

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お布施の内訳

葬儀後の寺院などへのお礼は通常、戒名・通夜・葬儀・葬儀・繰り上げ初七日読経や供養を一括して、お礼としてまとめて『お布施』『御布施』として表書きして渡します。

戒名料が含まれるかどうかは、寺院によって異なりますので、事前に確認しておいた方がいいです。

 

葬儀社から紹介してもらった寺院の場合、葬儀社に確認しましょう。

お布施の金額

前述したように、お布施は、『気持ち』なので、値段は決まっていません。

実際は、戒名のランクや地域性などによって異なり、10万円〜100万円と言われています。

 

 

先祖代々お付き合いのあるお寺、『菩提寺(読み方:ぼだいじ)の場合は、金額がわからないことが多いですので、直接聞いてもらっても構いません。菩提寺の場合は、後世に繋がるので、後世のために金額を記録して残しておいてもよいでしょう。

 

葬儀社から紹介された寺院の場合は、お布施の金額が提示されることが多いです。

葬儀の場合

葬儀時のお布施は、戒名・通夜・葬儀・葬儀・繰り上げ初七日読経や供養を一括して、寺院にお渡しします。

 

金額相場は、地域や戒名によって、大きく異なります。

 

戒名を含めない、地域ごとの金額相場は以下の通りです。

北海道・東北地方・中国地方・四国地方・九州地方:15万円程度

関東地方:20万円〜35万

関西地方:20万円

 

戒名料は、2万円〜100万円と大きな幅があり、全国平均額は約40万円程度といわれています。

 

戒名の位号によってランク付けされ、金額が異なります。

 

戒名は、院号→道号→戒名(法号)→位号で構成されます。

位号の高い順から、男性は『大居士』『居士』『信士』、女性は『清大姉』『大姉』『信女』 です。

 

『大居士』『清大姉』の場合は、100万円〜、『居士』『大姉』の場合は、50万円〜80万円程度、『信士』『信女』の場合は、30万円~50万円程度が目安といわれています。

 

戒名を含めた一般的なお布施の金額相場は、15万円〜100万円程度と考えてよいでしょう。

法事・法要の場合

法事・法要の場合、何回忌か、納骨を行うか否かによって、金額が異なります。

 

法事・法要の場合の金額相場は以下の通りです。

四十九日法要:3万円〜5万円程度(納骨を行う場合は、3万円〜5万円程度上乗せ

一周忌:3万円〜5万円程度(納骨を行う場合は、3万円〜5万円程度上乗せ

三回忌:1万円〜5万円程度

七回忌:1万円〜5万円程度

十三回忌:1万円〜5万円程度

 

上記に別途、お坊さんを自宅にお呼びする場合は、『御車代』として5千円〜1万円程度、お坊さんが会食に同席されない場合は、『御膳料』を5千円〜1万円程度上乗せしてお渡しします。

 

地域や宗派によっては、四十九日法要ではなく、三十五日法要を行う場合があります。

三十五日法要の場合は、四十九日法要と同じ、3万円〜5万円程度(納骨を行う場合は、3万円〜5万円程度上乗せ)が目安です。

四十九日法要か、三十五日法要かは、予め寺院に確認しましょう。

新盆の場合

故人が亡くなってから、四十九日が過ぎ、初めて迎えるお盆のことを、『新盆』と言います。

地域によっては、『初盆』と呼びますが、意味は同じです。

 

ちなみに、お盆は、故人の霊魂(たましい)があの世と呼ばれている浄土から、この世(現世)に戻ってこられる期間のことをいいます。地域によって、7月13日〜15日までの7月盆(新盆)、8月13日〜15日の8月盆(旧盆)と時期が異なります。

 

新盆(初盆)の場合、浄土から現世に初めて帰ってくるという意味合いがあるため、念入りに供養します。そのため、お坊さんに念入りに読経を上げてもらいます。

 

新盆のお布施の相場ですが、3万円〜5万円が相場とされています。

 

上記に別途、お坊さんを自宅にお呼びする場合は、『御車代』として5千円~1万円程度、お坊さんが会食に同席されない場合は、『御膳料』を5千円~1万円程度上乗せしてお渡しします。

お盆の場合

新盆で説明したように、年に1度、故人の霊魂が浄土から現世に帰ってくる期間です。迎え入れるために、お坊さんに読経を上げてもらいます。

 

お盆のお布施は、5千円〜2万円程度が相場とされています。

 

上記に別途、お坊さんを自宅にお呼びする場合は、『御車代』として5千円~1万円程度、上乗せしてお渡しします。

お彼岸の場合

お彼岸には、3月の春彼岸と9月の秋彼岸があります。それぞれ、春分の日、秋分の日を中日として、その前後の3日を合わせた7日間を彼岸といいます。

また、故人が亡くなって四十九日を過ぎて初めて迎える彼岸のことを『初彼岸』といいます。

 

仏教では、生死の海を渡って到達する悟りの世界(あの世)のことを彼岸といい、その反対側にあるのが私たちが迷いや煩悩に満ちた世界(現世)を此岸(読み方:しがん)といいます。

そして、彼岸は西に、此岸は東にあるとされており、太陽が真東から昇って真西に沈む春分と秋分は、彼岸と此岸が最も通じやすくなると考えられ、先祖供養をするようになったといわれています。

 

彼岸のお布施は、初彼岸と彼岸ともに、3千円〜1万円程度が相場とされています。

上記に別途、お坊さんを自宅にお呼びする場合は、『御車代』として5千円〜1万円程度、上乗せしてお渡しします。

 

ちなみに、寺院が開催するお彼岸法要など、合同で供養してもらうような場合においても、お布施は必要です。3千円〜1万円程度が相場とされています。この場合は、受付でお渡しすることが多いです。

 

ただし、お墓掃除やお参りのみのときなど、お坊さんに読経してもらわない場合は、お布施は不要です。

 

お布施の準備

袋の選び方

奉書紙(読み方:ほうしょし)に包むか、無地の封筒に入れます。

 

奉書紙は、インターネットや文具店、スーパーなどで購入することができます。

封筒は、郵便番号が記載されている封筒は避け、真っ白な封筒を用意するのがマナーとされています。こちらも、インターネットや文具店、スーパー、コンビニエンスストアなどで購入することができます。

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文字の書き方

文字は、薄墨ではなく濃墨を使い、筆または筆ペンを使います。

 

表書きは『御布施』『お布施』『謝礼』などと記載します。

市販の封筒を購入した場合は、既に表書きが印字されていることがありますが、その場合はそのまま使用しても構いません。

 

袋の下部には、施主の氏名、または、『○○家』という書き方で施主の姓を書くなど、誰が渡したのかわかるように名前を記載します。

 

袋の裏面には、住所と包んだお金の金額を旧字体の漢数字で記載します。

 

※旧字体例

1万円→壱萬圓

2万円→弍萬圓

5万円→伍萬圓

10万円→壱拾萬圓

 

『御車代』『御膳料』『戒名料』などをお布施とは別の封筒でお渡しする場合は、封筒にそのように記載します。お布施と同様、袋の下部には、施主の氏名、または、『○○家』という書き方で施主の姓を書くなど、誰が渡したのかわかるように名前を記載します。袋の裏面には、住所と包んだお金の金額を旧字体の漢数字で記載します。

 

 

お札の入れ方

入れるお札は、新札が望ましいと言われることもありますが、実際は新札でなくてもよいとされています。

ちなみに、新札とは、新たに発行され、折り目のない新しい紙幣のことを指します。

お布施に包むお札は、『新券』と呼ばれる、折り目のついていない、新しい紙幣を使うことが望ましいでしょう。

 

一般的に、弔事のときは、お札の顔を封筒の裏に向けて入れると言われています。

しかし、お布施は寺院に渡すお礼であり、寺院に不幸があったわけではありません。

 

そのため、お祝い事のときと同じように、お札の顔を封筒の表に向け、お札の顔が最後になるよう、左向きに入れます。

 

奉書紙で包む場合も同様に、お札の顔を奉書紙の表に向け、お札の顔が上側になるように入れます。

 

水引は必要か?

一般的に、弔事で水引を使うことは、魔除の意味があります。

 

お布施の場合、寺院に不幸があったわけではないので、一般的には不要です。

 

しかし、地域によっては、必要な場合もあります。

関西地方や北陸地方の一部では、黄色と白の物を使用し、鮑結びや結びきりのものを選びます。

 

敢えて、水引きを選ぶ場合は、双銀(読み方:そうぎん)か黒白の物を使用し、鮑結びや結び切りのものを選びます。文具店やスーパーで購入できます。

お布施の渡し方

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いつ渡す?

葬儀の場合は、葬儀の翌日、または翌々日に喪主が挨拶に伺い、葬儀の謝礼として、お坊さんに直接お布施を渡します。

葬儀が始まる前、もしくは終わった後でもよい場合もあるので、事前に寺院と確認しても構いません。

 

葬儀社から紹介された寺院の場合は、事前に葬儀社に確認しましょう。

 

 

法事・法要の場合は、始まる前の挨拶の時か、終わった後に渡します。

始まる前は、準備で慌ただしい場合もあるので、終わった後の方が望ましいでしょう。

 

お布施の渡し方

直接手渡ししたり、床に置くことはマナー違反とされています。

 

お布施は袱紗(読み方:ふくさ)から取り出して渡すか、お盆の上に乗せて渡すのが一般的です。

どちらの場合も、僧侶から見て正面になるように、渡します。

 

言葉は決まっていませんが、挨拶がてら『本日は、お勤めいただきありがとうございます』などの言葉をかけながらお渡しすることが望ましいでしょう。

お布施は『気持ち』でありますから、誠心誠意を込めた感謝の言葉を伝えましょう。

お盆の場合

正式には、切手盆(読み方:きってぼん)、祝儀盆と呼ばれる黒いお盆を使用します。ない場合は、普通の黒いお盆でも構いません。普通の黒いお盆を1つ持っておくと便利です。

お盆がない場合は、葬儀会社が用意してくれることもありますので、事前に相談しても構いません。

 

渡し方ですが、まずは切手盆を自分の方へ向けて置き、お布施を乗せます。切手盆の上下を持ち、時計回り(右回り)に90度回します。さらに90度回し、お坊さんから見て正面になるようにし、お渡しします。

袱紗の場合

袱紗とは、正方形の小さな風呂敷くらいの大きさの布で、シルクのものが主流です。

お布施の場合は、紺、深緑、灰緑、緑、うぐいす、灰青、グレー、紫といった、寒色のものを使用します。

ちなみに、紫の袱紗は、慶事の際にも使えるので、1枚持っておくと便利です。

 

中袋を弔事の包み方(ダイヤの形になるように袱紗を広げ、真ん中よりもやや右側に封筒を置き、右→下→上→左の順に包む)で包み、渡す時に取り出して、袱紗の上に乗せて渡します。

お布施の金額から渡し方までこれで安心

本記事では、お布施の金額相場、渡し方、マナーをご紹介しました。訃報は急なことですが、お布施の金額相場や渡し方を知っておくと、いざというときに安心です。

 

『お布施は気持ち』ですので、大切な故人を供養してくださったお坊さんに対し、感謝の気持ちを込めてお渡しすることが一番大事なことです。金額だけでなく、渡し方、マナーも学んで覚えておきましょう。