都立霊園ってどんなところ?お墓の種類や費用の内訳を紹介

公開日 : 2020/12/4

更新日 : 2020/12/4

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立地がよく、費用も安いことから、関心が集まっている都立霊園。緑豊かな一等地にお墓を持てるため、非常に競争率も高いです。そんな都立霊園には一体どんなお墓があるのでしょうか。以下では、都立霊園に関する基本的な情報をご紹介しています。

公開日 : 2020/12/4

更新日 : 2020/12/4

目次

都立霊園とは

都立霊園とは東京都が運営する霊園です。都内を中心に8カ所の霊園があります。都立霊園は民間の霊園に比べて費用が安く、また運営母体に安心が持てることから、東京都民に非常に人気の高い霊園です。

 

都立霊園の申し込みは年に1度のみ抽選形式で行っています。人気の霊園ですので競争率は非常に高いです。ところで、都立霊園にはどんなお墓があり、費用はどれくらいかかるのでしょうか。今回は、都立霊園に関する基本的な情報をご紹介していきます。

都立霊園は主に都内に8カ所

都立霊園は東京23区内に7カ所、千葉県松戸市に1カ所の計8カ所です。具体的な霊園とおおよその場所は以下の通りです。

 

青山霊園:港区南青山

雑司ケ谷霊園:豊島区池袋

谷中霊園:台東区谷中

染井霊園:豊島区駒込

多磨霊園:府中市

八王子霊園:八王子市

小平霊園:東村山市

八柱霊園:千葉県松戸市

 

8カ所すべての霊園が毎年募集を行うわけではありません。お墓に空きの出た霊園のみ、年に1度募集が行われます。募集期間を過ぎると来年の募集まで待たなければならないため、募集期間が近付いてきたら、定期的にHPなどをチェックする必要があります。ちなみに、都立霊園の募集は例年6月~7月ごろに行われています。

都立霊園のお墓の種類

都立霊園にはさまざまな形態のお墓があります。お墓の種類は、霊園によって異なります。また、お墓によって使用期限が異なります。ちなみにお墓の区画の希望はできず、抽選で当選した区画にお墓を建てて入ることになります。以下に、都立霊園のお墓について、主なものをご紹介していきます。

一般埋蔵施設

一般埋蔵施設は、いわゆる一般的なお墓の形態です。一定区画を借り、施主が墓石を設置します。多くの都立霊園が備えており、使用期限はありません。一般埋蔵施設の区画の広さは霊園によって異なり、使用料は広さによって異なります。

 

使用料は霊園の立地や施設の広さによって変動が大きく、30万円台から利用できるお墓もあれば、1000万円以上かかるところもあります。

芝生埋蔵施設

芝生埋蔵施設は、芝生でおおわれた区画に納骨室が設置されているお墓です。施主が墓石を立てて使用します。小平・多摩・八王子・八柱などの霊園にあります。使用料は霊園区画の広さによって異なりますが、350万程度が平均相場です。

小型芝生埋蔵施設

芝生埋蔵施設のように芝生に覆われた場所に納骨室が設置されていますが、区画がやや小さめです。小型芝生埋蔵施設は小平霊園にあります。使用料は約170万円です。このほかに、墓石の設置工事費が必要です。

長期収蔵施設

長期収蔵施設はロッカー形式の納骨堂です。多磨霊園のみたま堂などにあります。長期収蔵施設の使用期限は30年ですが、更新が可能です。また、長期収蔵施設は2体用・4体用・6体用の3種類があります。

 

長期収蔵施設はとくに人気が高く、過去には抽選倍率が40倍にのぼったこともあります。使用料は収蔵可能数に応じて24万~40万です。

立体埋蔵施設

立体埋蔵施設では、地上の納骨室で20年間遺骨を骨壺に入れたまま安置します。期間を過ぎると、遺骨は骨壺から出されて地下のカロートに共同埋葬されます。永代供養であるため、お墓の継承者がいない人でも申し込めるのが特徴です。

 

立体埋蔵施設には3体まで遺骨を収蔵することができます。管理費は不要で、使用料は谷中霊園で66万円です。

合葬埋蔵施設

合葬埋蔵施設は永代供養で、お墓の継承者がいない人でも申し込むことができます。生前予約に対応している区画もあります。合葬埋蔵施設は、埋葬期間によって2種類に分けることができます。1つは「直接共同埋蔵」です。特設共同埋蔵では、納骨時から遺骨を共同埋蔵します。

 

もう1つは「一定期間後共同埋蔵」です。こちらは遺骨は20年間個別に安置され、期間が過ぎると共同埋蔵に移されます。合葬埋蔵施設は小平霊園・多磨霊園・八柱霊園の3カ所にあります。使用料は霊園によって異なりますが、1体につき5万~12万程度です。また、一定期間後共同埋蔵の方が、直接共同埋蔵よりも使用料が若干高めです。

樹林型合葬埋蔵施設・樹木型合葬埋蔵施設

樹木型埋蔵施設と樹林型埋蔵施設は、いずれも小平霊園にのみあります。いわゆる樹木葬であり、永代供養であるためお墓の継承者がいない人も申し込みが可能です。樹林型埋蔵施設は共同埋葬で、樹林の下に遺骨を土に触れる形で埋葬します。

 

一方、樹木型埋蔵施設は、樹木の周辺に遺骨を1体ずつ個別に、直接土に触れる形で埋葬します。使用料は、1体につき18万円前後です。また、1度の申し込みで2体まで利用することができます。

都立霊園のメリットとデメリット

都立霊園はメリットが多く、都民からの人気がとても高いです。一方、申し込み条件があるなどのデメリットもあります。それでは具体的に、都立霊園のメリットとデメリットをご紹介していきましょう。

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メリット

まずはメリットについて見ていきましょう。都立霊園には、公営ならではのメリットがたくさんあります。

管理費が安い

都立霊園の管理費は、民営の霊園の管理費にくらべると安いのが特徴です。ちなみに、管理費は毎年の支払いが必要です。また、管理費は施設の種類や区画の広さによって増減します。

 

たとえば一般埋蔵施設の管理費は、1平方メートルあたり700円です。長期収蔵施設の管理費は1カ所につき3260円~5440円です。民営の霊園の年間管理料は、一般的なお墓で墓所免責1平方メートルあたり1000円~3000円程度が相場です。比べると、やはり都立霊園の管理費はとても安いといえます。

東京都が運営している

民営の霊園は、事業悪化などにより倒産のリスクがつきまといます。もし霊園の運営会社が倒産すると、お墓は霊園ごと放置されたり、立ち退きを要求されたりして、将来的に無縁墓になる可能性が高くなります。また、経営者が変わるなどした場合、霊園の管理がずさんになる可能性も否めません。

 

一方、都立霊園は東京都が運営しています。そのため、将来的に倒産して霊園が放置されたり、立ち退きを要求されたりという可能性はまずありません。

立地が良い

都立霊園の多くは、都内23区の一等地にあります。いずれの霊園も公共交通機関の駅などに近く、アクセスに便利な立地です。そのため、自家用車がない人でもお墓参りにいきやすいというメリットがあります。また、一等地にありながら緑に囲まれた自然豊かな環境にあるため、景色がよいという点も、人気の理由の1つとなっています。

宗教宗派を問わない

都立霊園では、お墓に入る人の宗教や宗派に制限はありません。民営の霊園では、どんなに条件がよいところでも、特定の宗教宗派でなければお墓に入れないというところもあります。都立霊園にはその心配がありませんので、どんな宗教の人でも安心して申し込むことができます。

石材店の指定がない

都立霊園にお墓を建てるときは、施主が墓石の設置工事などを行います。その際、石材店は自由に選ぶことができます。民営の霊園では石材店を指定しているところも多く、希望通りのお墓にならなかったり、費用が想定より高くついたりすることもあります。

 

その点、都立霊園は自分で石材店を選ぶことができるため、納得のいくお墓を建てることができるというメリットがあります。

デメリット

次に、都立霊園のデメリットを見ていきましょう。都立霊園は宗教宗派を問わないというメリットがある一方、申し込み条件に制限があるなど、一部で融通の利かない面も見られます。

募集は年に一度

都立霊園の募集は年に1度のみ行われます。募集期間内に申し込みをし忘れると、来年の募集が始まるまで待たなければなりません。したがって、遺骨をお墓に入れられない状態が長く続く場合もあります。

 

また、毎年すべての霊園で募集が行われるわけではありません。都立霊園の募集が行われるのは、お墓や区画に空きの出た霊園だけです。希望している霊園で募集が行われなかった場合は、おなじく、募集が行われるまで待つ必要があります。

競争率が高い

都立霊園は立地が良く管理費が安いという大きなメリットがあります。そのため、東京都民にとても人気があります。一方、前述のように毎年潤沢な数の募集が行われるわけではありません。よって、毎年の応募倍率はとても高いです。

 

せっかく募集期間に忘れずに申し込みをしても、抽選に外れる可能性が高いわけです。もし抽選に外れた場合は、やはり翌年の募集期間まで待機する必要があります。

区画を選べない

都立霊園では、区画の希望を出すことはできません。抽選の結果、当選した区画にお墓を建てて使用します。たとえば遺族の足が悪いため、お墓参りしやすい入り口近くの区画を希望していたとしても、抽選で墓地奥の区画が当選すれば、その区画を利用するしかありません。

 

また、抽選の結果、想定よりも広めの区画が割り当てられることもあります。使用料や年間管理費は墓所の面積によって左右されるため、思わぬ出費につながることもあります。このように、都立霊園の抽選に申し込む際には、どの区画が当たるか分からない、というデメリットを踏まえておく必要があります。

申し込みに条件がある

都立霊園では宗教宗派を問いません。ただし、申し込みには主に3つの要件を満たす必要があります。1つ目は、都内での居住期間です。たとえば一般埋蔵施設の場合は5年以上、合葬埋蔵施設の場合は3年以上継続して都内に住んでいることが必要です。居住期間が要件に満たない場合は、もちろん申し込み資格がありません。

 

2つ目の条件は、現在守っている親族の遺骨があることです。つまり、生前予約には対応していません。ただし、合葬埋蔵施設の一部区画は生前予約に対応しているところもあります。

 

3めの条件は、遺骨に対して祭祀の主催者であることです。祭祀の主催者とはつまり、「葬儀の喪主」「法要の施主」「死亡届あるいは火葬申請をした人」のいずれかであることです。基本的には、遺骨の家族もしくは親族のみが申し込めるということです。

 

くわしい要件は霊園や施設によって異なります。

都立霊園の費用の内訳

都立霊園を利用する際には、主に「永代使用料」「年間管理費」「お墓の工事代」の3つの費用が発生します。それぞれについて見ていきましょう。

永代使用料

永代使用料とは、その区画を使用するための料金です。永代使用料は霊園や埋蔵施設、区画の広さによって異なります。永代使用料は抽選結果とともに知らされるため、申し込み前に具体的な金額を知ることはできません。

 

青山霊園など都内の一等地にある霊園の永代使用料は高い傾向があります。また、過去の使用料を見る限り、八柱霊園がもっとも利用しやすい料金といえます。平均額と言われているのは多磨霊園で、一般埋蔵施設の永代使用料は約160万円〜約180万円程度です。

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管理料

管理料とは、都立霊園内にある各種施設の維持費や清掃費として支払う料金です。管理料は年に1回納めます。都立霊園は売店や水汲み場などの各種設備を最低限しか設置していないため、民営の霊園よりも年間管理費が安いというメリットがあります。一方、売店などがないため、用事がある場合は、都立霊園の外に出る必要があります。

 

年間管理料は各霊園で一律です。また、金額は施設と区画の広さによって変動しますが、だいたい5000円以内に収まる金額です。民営の霊園では年間管理料は5000円~1万5000円程度かかりますので、都立霊園の年間管理料はとても安いといえます。また、合祀墓や樹木葬の場合は年間管理料はかかりません

墓石の費用

一般埋蔵施設や芝生型埋蔵施設では、施主が自分で墓石を立てます。その際の墓石代や工事費用が必要です。墓石は、区画の指定のサイズ内であれば、形や材質は自由に選ぶことができます。

 

そのため、墓石代や墓石の設置工事費は人によってさまざまです。相場は、工事代込みで150万~200万程度です。

都立霊園の申し込みの流れ

都立霊園の募集は例年6月~7月ごろ行われます。まずは希望の霊園と施設に応募しましょう。応募方法には郵送とインターネット申し込の2種類があります。いずれの場合も、応募条件を満たしている必要があります。

 

公開抽選が行われ、当選したら、次に資格審査が始まります。資格審査では、申し込み要件を満たしているかが審査されます。無事に審査に通ったら、永代使用料と年間管理料の払い込みを行います。払い込みが確認されると、墓所の使用許可証が発行されます。だいたい12月ごろになります。

 

墓所が使用できるようになったら、石材店を決定し、墓石の選定や工事に移ります。ちなみに墓石の工事には1カ月半~3カ月程度かかります。また、当選から一定期間内に工事が行われない場合、墓所の使用権がなくなることがあります。

メリットとデメリットを考えよう

都立霊園は交通の利便性が高く、費用が安いというメリットがある一方、募集件数が少なく競争率が高いなどのデメリットもあります。ぜひメリットとデメリットを比べたうえで、利用を検討してみてください。