通夜と葬儀|2つの内容・日程の違いとどちらに参列するべきかを解説

公開日 : 2020/6/15

更新日 : 2020/9/9

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誰かが亡くなった際に実施される儀式として代表的なものに「通夜」と「葬儀」があります。皆さんは、両者の違いをキチンと把握していますか?中にはよく分からない方もいるでしょう。そこで今回は、通夜と葬儀の内容・日程の違いについて解説します。

公開日 : 2020/6/15

更新日 : 2020/9/9

目次

通夜とは

通夜とは、夜を通じて火を絶やすことなく、ご遺体を見守る仏教の儀式のことを指します。葬儀・告別式の前日に行われるものであり、読経と共に故人の冥福を祈ります。また、遺族は遺体と一夜をともにし、線香の火を絶やさないようにします。

 

一般的な日程としては、亡くなった翌日に弔問客を迎えての通夜を行い、翌日または翌々日に葬儀という流れが一般的です。ただし、火葬・埋葬までは死後24時間を経過した後でなければならず、それを考慮した日程調整を行います。

 

また、火葬場の稼働状況にも影響されるため、混雑している時は2~3日待たされることもあります。これらの事情を考慮し、通夜の日程は決定されます。

会食(通夜振る舞い)がある

通夜は、原則として18時頃からスタートする夜の儀式です。そのため、僧侶による読経の儀式が終わった後は参列者のために通夜振る舞いと呼ばれる食事を提供するのが習わしです。時間とは1時間~2時間を目途に開催されます。

 

本来は故人を供養する意味合いが強かった通夜振る舞いですが、時代の変遷とともに、参列者をもてなす場としての意味合いが強くなってきています。また、読経を読んでもらった僧侶にも、同じようにもてなしを行います。

 

参列者が通夜振る舞いの席へ案内された時は、拒否せずに応じるのがマナーです。通夜に参列する時は、通夜振る舞いのことを計算に入れておくべきでしょう。やむおえず通夜振る舞いに参加できずに退席する時は、必ず遺族に挨拶をしてから帰るようしてください。

遺体の番をしながら葬儀所に泊まる

参列者も参加する形で行われる通夜振る舞いと違い、ご遺体と共に夜を明かすのは喪主をはじめとした近親者のみで行います。過ごし方は地域の風習や宗派によっても違ってきますが、西日本では夜伽(よとぎ)見舞いをいただいて饅頭などを食べながら番をすることもあります。

 

ただし、最近では防犯などの名目によって、ご遺体と一緒に過ごさずに帰宅するケースもあります。家族葬などの少人数の葬儀の場合は家族の疲れを考慮して、あえて行わないこともあるのです。

 

通夜はご遺体と一夜を過ごすのが基本ですが、かといって絶対にやらなければいけないという訳ではありません。

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3時間程度の半通夜が主流

かつては親族などの近しい親族の場合はご遺体と夜を共にする通夜が一般的でしたが、最近では短時間の儀式で終わらせる半通夜が一般的です。半通夜はそれまでの夜通し行う通夜ではなく、あまり遅くならないうちに親族を含めた弔問客が帰れるようにするものです。

 

斎場で通夜を行う場合は参列者は通夜の後に帰宅するため、残った親族で止まるかどうかをそれぞれ決めることになります。

 

半通夜が広まった背景としては、参列者のライフスタイルの変化が挙げられます。子育てと仕事を両立させる女性も増え、夜を徹しての番が難しくなったのです。

葬儀とは

葬儀とは、通夜の翌日に行う儀式の内、僧侶が故人の冥福のためにお経を唱える段階のことです。故人の魂が死後の世界に旅立てるように、僧侶の読経を通じてお手伝いをするのです。僧侶の読経、焼香、出棺、火葬へと繋がっていきます。

 

葬儀は通夜や告別式と違い、親しい近親者・親族・親しい友人のみで行うものです。葬儀の後は遺族・親族以外は一度退場し、棺の中に思い出の品を一輪ずつ棺に入れて、棺にフタをして出棺します。

 

最近では、故人の遺志を尊重する形でさまざまなスタイルの葬儀が提唱されています。「家族葬」「半日葬」「一日葬」等、生前の故人の希望を反映させた葬儀にしていくのが基本です。

 

葬儀と告別式の違いも理解しておく

告別式は、故人の親族・友人・知人による「お別れの会」という意味合いが強いものです。喪主や親族から順番に焼香や生花の献花を行います。最近では葬儀の読経と告別式の焼香をあわせ、「葬儀・告別式」と1つにされることも珍しくありません。

 

友人・知人などの参列者にとっては、故人と過ごせる最後の時間が告別式です。以前は葬儀を終えたあとに参列者全員でお墓までお骨を送る形式が多かったものですが、近年ではお骨の埋葬は近親者のみで行うのが一般的です。

 

 

通夜と葬儀の日程

通夜・葬儀の日程としては、故人が亡くなった翌日に通夜、その翌日に葬儀という流れをイメージする人が多いでしょう。ここでは、通夜と葬儀の日程の決め方の基本的な考え方を紹介します。

日程に決まりはない

実際のところ、通夜や葬儀をいつやらなくてはいけないか、という内容が法律で決められているわけではありません。地域の慣習はあっても、それが明確な決まりという訳でもないのです。そのため、基本的には「いつ行っても良い」が答えになります。

 

ただし、一般的な慣習としては亡くなった翌日の夕方が通夜、さらにその翌日に葬儀が行われるとされています。日程を決める時は、この慣習を基本に組み立ててくと良いでしょう。通夜と葬儀の日程は離さずに、なるべく速やかに行うのが好ましいとされています。

 

また最近では、死後の7日後に行う初七日法要を葬儀と一緒の日に行うことが一般的です。

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友引に通夜・葬儀を行うことは問題ない

葬儀の日程を組む時に気になるのが「通夜・葬儀の日程は友引を避けたほうがいいのか」ということではないでしょうか。一般的には、「友を引く」とされていることから友引に葬儀や通夜を避けるべき、とされています。

 

結論をいうと、通夜や葬儀を友引の日に行うことは全く問題ありません。なぜなら、友引という暦の考え方は中国発祥の陰陽道の考え方であり、インド発祥の仏教と直接は関係ないからです。

 

日本は宗教観が曖昧な国で、キリスト教のクリスマスや神道の正月、仏教のお盆がそれぞれ文化として浸透しています。葬儀と陰陽道も同様で、本来は別々なものなのです。

ただし、高齢者を中心に気にする人もいる

上でも紹介した通り、「大安・友引・仏滅」等の考え方は中国の陰陽道に影響をうけた考え方です。一方の葬儀はインド発祥の仏教の儀式のため、直接は関係ありません。ただし、昔から慣習として友引は避ける人も多く、特に高齢の方を中心に気にする傾向にあります。

 

自分が喪主で葬儀の日程を決める場合は、友引の日程で問題ないかは周囲の遺族・親族にキチンと確認することをおすすめします。自分だけで決めてしまうと、あとからトラブルになる可能性もあります。

 

特に年配の方が親族に多い場合は、配慮の意味を込めて可能な限り友引を外すのも選択肢に入れておきましょう。

通夜と葬儀のどちらに参列するべきか

親族が亡くなった場合、気になるのは「通夜と葬儀のどちらに参列するべきか」ということではないでしょうか。本来の意味であれば、故人との最後の別れとして重要なのは葬儀です。ただし、昼間に行われるため参加できない人もいるかもしれません。

 

親族であれば忌引き休暇を使用すれば通夜と葬儀の両方に参列することも問題ありませんが、一般の参列者の場合は仕事終わりに通夜に参列するのが一般的です。結論としては、ご自身の事情や喪主の希望を考慮した上で、どちらに参加しても失礼には当たりません。

 

ただし、地域によっては「葬儀に参列するのが当然」というしきたりの場合があります。自分の地域における葬儀への参加の風習は確認しておきましょう。

 

両方に参加する場合の香典の渡し方

親族など関係が近い人の葬儀の場合は通夜と葬儀の両方に参列することもあるでしょう。両方に参加する時、香典をどのようなタイミングで渡すのか、両方とも香典を渡すのか気になるところでしょう。

 

結論を書くと、通夜と葬儀のりょほうに参列する場合は、どちらか片方でだけ香典を渡すのがマナーです。理由は香典を2回渡すのが「不幸が重なる」という意味で捉えられてしまうからです。かえって失礼になってしまうことを知っておいてください。

 

通夜と葬儀のどちらで香典を渡すかについては、どちらに参列者が多いかで決めます。ただ、通夜に渡すのは「あらかじめ用意していた」とような印象を抱かれることもあるため、基本的には葬儀の席で渡すのがベターでしょう。

通夜にも葬儀にも出られない場合の香典の渡し方

現代の生活は非常に多忙であり、何らかの事情で通夜にも葬儀にも参列できないという人は多いのではないでしょうか。そんな時は、まず通夜の日に届く電報を送りましょう。香典よりも、弔意を伝えることの方が先です。

 

通夜・葬儀の両方に参列できない時の渡し方としては、後日弔問する際に渡すのが一般的です。葬儀が終わって喪主の生活が落ち着いた後、お悔やみの気持ちを伝えるために家を訪ね、線香をあげつつ香典を渡します。

 

弔問するのも難しい場合は、現金書留で香典を郵送することも可能です。現金のままで送るのは大変な失礼に当たるため、通夜や葬儀に香典を持参するつもりで香典袋に包むのがマナーです。簡単な手紙を添えるとさらに丁寧です。

通夜と葬儀の違いをキチンと理解しておきましょう

今回は、通夜と葬儀における日程と内容の相違点を解説しました。通夜は訃報に対して急いで駆けつける、葬儀は故人との別れを惜しむという意味があることを知っていきましょう。どちらか片方にしか参列できなくても、決して失礼にはなりません。